デルタ航空は、経済活動再開で期待される銘柄のひとつです。20年3月に株価は6割近く暴落するも、21年10月には2倍の水準まで戻していますね。22年3Qの売上高は19年比+13%、営業利益率は11.3%の黒字化に成功しています。
- 「20年4月に90ドルだった株価は、76%も下落した…」
- 「コロナが終息し経済再開すれば、元の水準に戻すはずだ…」
- 「航空会社の回復に期待、大手4社でどこに投資するべきか…」
ユナイテッド航空(UAL)は、世界3位の米国航空会社です。業界最大手はアメリカン航空で、UALの米国内線は全体の74%を占めます。コロナで業績が低迷するも、経済再開で株高が期待できる銘柄ですね。
個人的には、ユナイテッド航空は投資したい銘柄でないです。
なぜならば、大手航空会社は競争が厳しく、利益率が低いビジネスだからです。パンデミックの影響で14%だった営業利益率は、21年に−51.7%まで低下しています。元の水準に戻しても、利益率は13%前後で競争も激しいです。
ただし、経済再開が進み急速に売上は回復しています。
22年3Qの売上前年比は19年より高く、営業利益率は11%まで急回復していますね。22年夏は旅行ブームとなり、アジア太平洋以外の全ての地域で19年を上回ります。同社CEOによると、この傾向は22年末まで続くと言います。
22年は強気で、国際線のキャパシティを+10%も増加させる計画です。22年11月時点の予想PER6倍は割安かもしれません。
- ユナイテッド株の4半期決算(22年6-9月)は?
- ユナイテッド株の過去10年間の売上高や営業利益は?
- 大手航空会社4社の中で、最も安全に投資できる理由は?
▼▼2022年12月は資産が6000万円を超える▼▼
20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
記事の内容を簡単に知りたい
ユナイテッド(UAL)の四半期決算は?
ユナイテッド航空(UAL)の四半期決算を紹介します。
22年1Q決算(22年3月31日)
- 売上高:75.66億ドル(前年比+134%)✖️
- Passenger:63.48億ドル(+119%)
- Cargo:6.27億ドル(+29%)
- Other:5.91億ドル(+44%)
- 国内:45.10億ドル(19年比:−16%)
- 南米:8.00億ドル(−11%)
- 欧州:5.50億ドル(−50%)
- 中東印:2.61億ドル(+15%)
- 太平洋:2.27億ドル(−79%)
- 営業利益:−17.52億ドル(前年度3.67億ドル)
- 純利益:−13.77億ドル(前年度2.92億ドル)
- 1株当たり利益:−4.24ドル(前年度1.09ドル)✖️
22年2Q決算(22年6月30日)
- 売上高:121.12億ドル(前年比+121%)
- 営業利益:—億ドル(—%)
- 純利益:3.29億ドル(+175%)
- 1株当たり利益:1.43ドル(+136%)
22年3Q決算(22年9月30日)
- 売上高:128.77億ドル(前年比+66%)◯
- Passenger:116.53億ドル(+75%)
- Cargo:4.98億ドル(−5%)
- Other:7.26億ドル(+22%)
- 国内:70.57億ドル(19年比:+7.7%)
- 欧州:24.94億ドル(+39%)
- 南米:10.53億ドル(+24%)
- 太平洋:6.46億ドル(−42%)
- 中東印:4.03億ドル(+125%)
- 営業利益:14.58億ドル(+40%)
- 純利益:9.42億ドル(+99%)
- 1株当たり利益:2.86ドル(+98%)◯
3Qの売上高は前年比+66%で128.77億ドル、営業利益は+40%で14.58億ドルでした。22年1Qや2Qに続き、3Qも力強く回復が続いていますね。営業利益率は11.3%と黒字化に成功しています。
19年比の売上高は3Qが+13%と、コロナ以前を上回る数値でしたね。22年夏は旅行ブームで、太平洋アジア以外の地域で大きく売上が伸びています。同社CEOによると、営業利益率で19年を上回ると言います。
シカゴ、2022 年 10 月 18 日 – ユナイテッド航空 (UAL) は本日、2022 年第 3 四半期の決算を報告し、トップラインの営業収益、単価、調整後営業利益率で予想を上回りました1。その結果、同社は 2019 年第 3 四半期と比較して 13.2% の営業収益の増加を達成し、2019 年と比較してこの四半期の TRASM は 25.5% 改善されました。また、CASM-ex1 (利用可能な座席マイルあたりのコスト) は予想を上回り、11.3 となりました。 % 営業利益率;調整後の営業利益率は 11.5% です。
航空会社は年末まで、新型コロナウイルスの強力な回復傾向が、マクロ経済環境における不況の圧力を克服し続けると予想しています。同社は現在、第 4 四半期の調整済み営業利益率が初めて 2019 年を上回ると予想しています。同社はまた、2023 年のユナイテッド ネクストの調整済み税引前利益率1 の目標である ~9% に引き続き自信を持っています。
同社は、空の旅の需要には、経済的な逆風を完全に相殺する以上の 3 つの永続的な傾向があると考えています。空の旅はまだ COVID の回復段階にあること、ハイブリッド ワークによって顧客はより頻繁に余暇のために旅行する自由と柔軟性を得ることができます。外部からの供給です。課題は、今後数年間、業界の供給を制限します。
ユナイテッド航空は、2020 年以外の会社の歴史の中で最高の第 3 四半期の運用実績の 1 つを達成しました。さらに、同社は、業界をリードするツールである ConnectionSaver を使用して、135,000 を超える顧客接続を節約しました。
ユナイテッド航空のスコット・カービー最高経営責任者(CEO)は、「今四半期、顧客の世話をし、ほとんどの指標で史上最高の運用四半期を生み出し、信じられないほどの業績を達成したユナイテッドの従業員に感謝している. 「経済の減速に対する懸念が高まっているにもかかわらず、ユナイテッドで進行中のCOVIDの回復傾向は引き続き優勢であり、2023年第4四半期以降も引き続き強力な業績を達成できると楽観的です。」
22年4Q決算(22年12月…)
22年4Q決算は、23年1月19日に公開予定です。
では、売上高や営業利益の10年間の推移はどうなっているのでしょうか?
ユナイテッド(UAL)の損益計算書は?
ユナイテッド航空(UAL)は06年に39ドルで上場しました。08年から上昇し、18年に最高値96ドルを付けています。22年10月は37ドル前後で推移していますね。
その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?
過去10年間の決算書を見ると、20年のコロナで大きく落ち込んでいます。20年の売上高は153億ドルで、19年比で65%も下落しています。10%だった営業利益率も、−51%まで下落していますね。
その2:BPSとEPSの10年間の推移は?
過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)です。EPSもBPSも20年に大きく落ち込んでいますね。21年の自己資本比率は、8.4%と危ない水準です。コロナ以前は自社株買いに積極的で、10年で23%も減っています。
その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?
過去10年間のフリーCF(営業CF−投資CF)も、大きく落ち込みます。パンデミックの影響は大きく、営業CFも赤字に転落していますね。経済が本格的に回復する21年後半に注目したいですね。
では、私たち投資家はどのように投資判断すれば良いのでしょうか?
ユナイテッド(UAL)の注目ポイントは?
ユナイテッド航空の注目すべきポイントを紹介します。
注目1:売上高415億ドルで世界3位の航空会社である?
- アメリカン航空(米):430億ドル
- デルタ航空(米):421億ドル
- ユネイテッドコンチネンタル航空(米):415億ドル
- ルフトハンザ航空(独):383億ドル
- エールフランス-KLM(仏、蘭):291億ドル
- エミレーツ航空(UAE):279億ドル
- インターナショナルエアライズグループ(西、英):260億ドル
- サウスウエスト航空(米):212億ドル
- 中国南方航空(中):197億ドル
- ANAホールディングス航空(日):178億ドル
2018年の世界の航空会社の売上高ランキングです。
ユナイテッド航空は米国で3位、世界でも3位の航空会社です。米国の上位3航空会社は、売上高に大きな差はありません。そのため、年度によって順位は入れ替わります。
ユナイテッド航空も過去に経営破綻した航空会社です。2002年に経営破綻に陥り再建しています。10年に全米4位のコンチネンタルと統合した事で、世界3位の航空会社が誕生しました。18年時点で760機を保有し、毎年1億4千万人が利用しています。
では、将来の航空業界はどのように成長するのでしょうか?
注目2:世界の航空旅客数は年率4.6%で拡大している?
参考:成田空港の現状と将来
成田空港における、世界の航空旅客輸送量の予測です。
世界の旅客者数は、年率4.6%の右肩上がりで上昇します。2036年には、アジアの旅客者数が最も多く年率5.5%で成長し6469億人まで増加します。上昇率が大きい地域は、中東や中南米などの途上国ですね。世界全体でも、37年までに2倍のペースで拡大します。
コロナで旅客数が減少しても、一時的な事象だと言えますね。
業績が低迷しているが、ユナイテッド航空は持ち堪えられるでしょうか?
注目3:コロナで自己資本比率は8.4%まで急落?
ユナイテッド航空の負債総額と自己資本比率です。
21年の負債総額は、コロナ危機で増加しています。自己資本比率は、21.9%から8.4%まで急落しています。14年以前ほど悪い財務ではないが、過去6年間で最も低い水準です。財務的には、ユナイテッド航空はデルタ航空より安全です。
最も財務基盤が健全なのは、サウスウェスト航空です。
参考:サウスウェスト航空の四半期決算|20年4Qも前年比-64%で低迷?
国内線の乗客数は徐々に戻し、21年3Qや4Qは黒字化する可能性も高いです。しかし、売上高の完全回復はまだまだ時間が掛かりそうですね。
▼▼2022年12月は資産が6000万円を超える▼▼
20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
まとめ:ユナイテッド(UAL)の四半期決算は?
- 1924年に創業した、世界3番手の大手航空会社である
- 路線数は1176便、国内線が875便で全体の74%を占める
- 02年に米国破産法を適用し、経営再建に成功する
- 米国4位のコンチネンタル航空と合弁し、3番手の航空会社になる
- コロナで営業利益率は、10%から0.3%に急落する
- 自己資本比率は11%まで急落、20年末に債務超過に陥る
- 財務的にはサウスウェスト航空が良く、安全に逆張り投資できる
個人的には、ユナイテッド航空は投資したい銘柄でないです。
なぜならば、大手航空会社は競争が厳しく、利益率が低いビジネスだからです。パンデミックの影響で14%だった営業利益率は、21年に−51.7%まで低下しています。元の水準に戻しても、利益率は13%前後で競争も激しいです。
ただし、経済再開が進み急速に売上は回復しています。
21年3Qの売上前年比は3.1倍、営業利益率は13%とコロナ後に初の黒字化に成功しています。19年比較だと3Qは−36%、4Qには−25%まで回復しています。変異株は短期的に影響を受けても、春や夏は強気の見通しを変えていません。
22年は強気で、国際線のキャパシティを+10%も増加させる計画です。22年1月時点の予想PER13倍は割安ですね。
コロナで最も悪影響を受けた航空会社は、ハワイアン航空ですね。そのため、経済再開で最も期待できるのはハワイアン航空です。21年2Qの売上前年比は+589%、3Qは+569%と力強く回復しています。
コメントを残す