半導体市場は、クラウド、5G、AI、自動運転などで最も好調な業界です。汎用的な半導体チップを製造するAMDは、競合のインテルからシェアを奪う形で急成長しています。経済再開後も好調だったが22年4Qは+16%、23年1Qは−9%に急減速しています。
- 「インテルからシェアを奪い、株価は20倍に急騰した…」
- 「PCチップのシェアは、20年に2倍の33%に拡大した…」
- 「データセンター向けは、21年1Qに前年比+286%…」
AMDは、PC向けの半導体を製造する米国企業です。業界最大手のインテルからシェアを奪う形で急速に売上を伸ばしています。16年に高性能で安価な「Ryzen」の製造に成功し、市場シェアは17%から33%に急騰しています。
個人的には、AMDは投資したい銘柄のひとつです。
なぜならば、競合インテルからシェアを奪い、PCとクラウド向けで急成長してるからです。売上高は過去5年で3倍に拡大し、世界上位10社に入る規模です。インテルが8割を独占していたPC市場で、AMDのシェアは2倍の34%に伸ばしています。
また、データセンター向けの半導体チップも急拡大しています。
20年Q3にインテルの売上高はマイナスに転落しています。対照的に、AMDのデータセンター&組み込み事業は、21年1Qに前年比+286%で拡大しています。コロナ特需が終わりゲーム機器向けは減速するも、引き続き高い成長率を維持しています。とりわけ、経済再開後はクラウド向けが好調です。
ただ、22年後半は売上成長率が減速してる点は注意が必要です。同社CEOによると、23年後半には、需要は持ち直すと発言しています。
23年5月時点のPER30倍は割安だと言えます。しかし、積極的に投資したい局面ではありません。
- AMD直近の4半期決算(23年1-3月)は?
- AMDの過去10年間の売上高や営業利益は?
- 2桁成長の優良企業でも、投資すべきでない理由は?
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20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
AMDの四半期決算は?

AMDの四半期の決算を紹介します。
22年3Q決算(22年9月30日)
- 売上高:55.65億ドル(前年比+29%)✖️
- Data Center:16.09億ドル(+45%)
- Client:10.22億ドル(−40%)
- Gaming:16.31億ドル(+13%)
- Embedded:13.03億ドル(+16倍)
- 営業利益:−0.64億ドル(前年度9.48億ドル)
- 純利益:0.66億ドル(−93%)
- 一株利益:0.04ドル(−95%)✖️
22年4Q決算(23年3月30日)
- 売上高:55.99億ドル(前年比+16%)
- 営業利益:—億ドル(—%)
- 純利益:0.21億ドル(−97%)
- 一株利益:0.69ドル(−25%)
23年1Q決算(23年3月30日)
- 売上高:53.53億ドル(前年比−9%)○
- Data Center:12.95億ドル(+0.1%)
- Client:7.39億ドル(−66%)
- Gaming:17.57億ドル(−7%)
- Embedded:15.62億ドル(+162%)
- 営業利益:−1.45億ドル(前年度9.51億ドル)
- 純利益:−1.39億ドル(前年度7.86億ドル)
- 一株利益:−0.09ドル(前年度0.56ドル)○
1Qの売上高は前年比−9%で53.53億ドル、営業利益は−1.45億ドルでした。22年3Qと4Qに続き、23年1Qも減速しています。営業利益率は−2.7%に転落しています。
経済再開が進む22年後半は、PC関連の売上が急落していますね。同様のことは、競合のインテルでも起きています。ただ、主力のデーターセンターは引き続き高い成長率を維持しています。
ザイリククス(XLNX)は、22年1Qに買収完了しています。
23年2Qの売上予想は、53億ドル(前年比−19%)とさらに減速します。
カリフォルニア州サンタクララ – 2023 年 5 月 2 日 – AMD (NASDAQ:AMD) は本日、2023 年第 1 四半期の収益が 54 億ドル、粗利益が 44%、営業損失が 1 億 4,500 万ドル、純損失が 1 億 3,900 万ドル、希薄化後損失が発生したと発表しました。 1 株あたり 0.09 ドル。 非 GAAP(*) ベースでは、売上総利益は 50%、営業利益は 11 億ドル、純利益は 9 億 7,000 万ドル、希薄化後 1 株当たり利益は 0.60 ドルでした。
AMD会長兼最高経営責任者(CEO)のリサ・スー博士は、次のように述べています。 四半期の顧客エンゲージメント。 長期的には、ロードマップをうまく提供し、戦略的データセンターと組み込まれた優先事項を実行し、AI ポートフォリオの採用を加速することで、大きな成長の機会があると考えています。」
「当社の戦略的に重要なデータセンターおよびエンベデッド セグメントは、第 1 四半期の収益の 50% 以上に貢献しました。 ゲームおよび組み込みセグメントのわずかな減少。 PC およびサーバー市場が強化され、当社の新製品が増加する中、当社は下半期の成長に引き続き自信を持っています。」
Outlook:
AMD の見通しに関する記述は、現在の予想に基づいています。 以下の記述は将来の見通しに関するものであり、実際の結果は、市場の状況および以下の「注意事項」に記載されている要因によって大きく異なる可能性があります。
AMD は、2023 年の第 2 四半期の収益が約 53 億ドルプラスマイナス 3 億ドルになると予想しています。 AMD は、非 GAAP 粗利益率が約 50% になると予想しています。
23年2Q決算(23年6月…)
23年2Q決算は、8月3日に公開予定です。
では、売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?
AMDの10年間の損益計算書は?

AMDは1984年に16ドルで上場しました。20年の40ドルを高値に伸び悩むも、16年から株価が上昇しています。23年5月は83ドル前後で推移しています。
その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の決算書を見ると、16年から売上と利益が増えています。「Ryzen」の開発に成功し、順調に売上が増えていますね。16年に−8.9%だった営業利益率は、21年には16.2%まで上昇しています。
パンデミック特需もあり、21年後半も力強く成長しそうです。
その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)です。BPSもEPSも16年から順調に拡大してる事が分かりますね。
その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

過去10年間のフリーCF(営業CFー投資CF)は、19年に黒字に成功しています。パンデミック禍でも汎用半導体は好調で、大きく営業CFを伸ばしています。AMDは生産を外部に委託するファブレス企業で、投資CFが少ないのが特徴です。
では、私たち投資家はどのように投資判断すればいいでしょうか?
AMDに投資する上で注目ポイントは?

AMDの注目すべきポイントを紹介します。
注目1:半導体世界1位はインテルで698億ドル?
19年時点の半導体メーカーの売上高ランキングです。
半導体メーカー世界1位は、インテルで売上高は698億ドルです。2位は韓国サムソンで556億ドル、3位は台湾TSMCで345億ドル、4位は韓国SK Hynixで228億、5位米国マイクロンが199億ドルと続きます。
19年時点では、AMDでは上位15社にランクインしてません。しかし、21年の売上高114億ドルで換算すると9位にランクインします。ADMは最も急成長している半導体メーカーです。
ADMはインテルのシェアを奪う事で急成長しています。
注目2:PC向け半導体のシェアは33%まで拡大?
過去8年間のインテルとAMDのCPUシェアです。
世界中のPCに搭載されている半導体の8割は、インテル製品だと言われていました。しかし、16年に10nmの立ち上げに失敗した事で、20年は65%まで落とします。対照的に、7nmの生産に成功したAMDは、17%から33%に上昇します。
AMDが開発した「Ryzen」は、高性能で人気が高いです。
高性能なCPU(集積面積が低いほど性能が高い)の開発に成功した上に、インテルより価格を低く設定しています。Ryzenは価格帯が6千〜1万円ほど安く、ベンチマークスコアでも圧倒しています(参考:何故CPUにAMD Ryzen が選ばれるのか?)。
主要家電量販店の週次の結果によると、最新の販売台数ではインテルを上回ります。秋葉原の家電量販店では、AMDを指名買いするお客さんが増えたといいます。
参考:AMDの四半期決算|前年比+54%成長でも投資すべきでない理由は?
AMDはデータセンター向けでも、インテルからシェアを奪っています。
注目3:AMDのDC向けは前年比+286%に加速?
インテルとAMDの売上高と成長率の推移です。
20年Q2までは、インテルの売上成長率は+43%と高いです。しかし、20年Q3に減速し、マイナス成長に陥っています。対照的に、AMDは20年Q3に+116%、21年Q1に+286%と大幅に上昇しています。
ただし、Q4は+183%に減速してる点は注意が必要です。
アマゾン、マイクロソフト、グーグルなどの事業者は、AMDの割合を増やしています。ただし、AMDのDC部門は、PS5やXboxの売上が含まれる点に注意が必要です。パンデミックによる都市封鎖の恩恵を受けて、ゲーム機器は世界中で大量に売れましたね。
純粋なデータセンター向けだけの数値は、AMDは公開していません。
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20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
まとめ:AMDの四半期決算は?

- PC部門の売上高は、4年で4倍に増えてる
- 2016年に発売した「Ryzen」が、成長を牽引してる
- インテルよりも、高性能&低価格で販売してる
- 2桁成長でも、売上高はインテルの11分の1しかない
個人的には、AMDは投資したい銘柄のひとつです。
なぜならば、競合インテルからシェアを奪い、PCとクラウド向けで急成長してるからです。売上高は過去5年で3倍に拡大し、世界上位10社に入る規模です。インテルが8割を独占していたPC市場で、AMDのシェアは2倍の34%に伸ばしています。
また、データセンター向けの半導体チップも急拡大しています。
20年Q3にインテルの売上高はマイナスに転落しています。対照的に、AMDのデータセンター&組み込み事業は、21年Q1に前年比+286%で拡大しています。コロナ特需が終わりゲーム機器向けは減速するも、引き続き高い成長率を維持しています。とりわけ、経済再開後はクラウド向けが好調です。
22年2月時点のPER34倍は十分に割安だと言えます。
AMDは、エヌビディアに買収されるという報道もあります。GPUを開発するエヌビディアも、インテルから間接的にシェアを奪う形で急成長しています。
[…] があるの? 決算について調べてたら↓のサイト末尾にそんな話が載ってたんだけど AMDの四半期決算|21年4Qは前年比+49%に減速 | やす@米国株決算オタク(400銘柄を観察)amerika-kabu.com […]