AMDの四半期決算|22年3Qは前年比+29%に減速

半導体市場は、クラウド、5G、AI、自動運転などで最も好調な業界です。汎用的な半導体チップを製造するAMDは、競合のインテルからシェアを奪う形で急成長しています。経済再開後も好調だったが22年2Qは+70%、3Qは+29%に急減速しています。

  • 「インテルからシェアを奪い、株価は20倍に急騰した…」
  • 「PCチップのシェアは、20年に2倍の33%に拡大した…」
  • 「データセンター向けは、21年1Qに前年比+286%…」

AMDは、PC向けの半導体を製造する米国企業です。業界最大手のインテルからシェアを奪う形で急速に売上を伸ばしています。16年に高性能で安価な「Ryzen」の製造に成功し、市場シェアは17%から33%に急騰しています。

個人的には、AMDは投資したい銘柄のひとつです。

なぜならば、競合インテルからシェアを奪い、PCとクラウド向けで急成長してるからです。売上高は過去5年で3倍に拡大し、世界上位10社に入る規模です。インテルが8割を独占していたPC市場で、AMDのシェアは2倍の34%に伸ばしています。

また、データセンター向けの半導体チップも急拡大しています。

20年Q3にインテルの売上高はマイナスに転落しています。対照的に、AMDのデータセンター&組み込み事業は、21年1Qに前年比+286%で拡大しています。コロナ特需が終わりゲーム機器向けは減速するも、引き続き高い成長率を維持しています。とりわけ、経済再開後はクラウド向けが好調です。

ただ、22年後半は売上成長率が減速してる点は注意が必要です。

22年11月時点のPER14倍は十分に割安だと言えます。しかし、積極的に投資したい局面ではありません。

AMDの投資判断したい人向け
  1. AMD直近の4半期決算(22年7-9月)は?
  2. AMDの過去10年間の売上高や営業利益は?
  3. 2桁成長の優良企業でも、投資すべきでない理由は?

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ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。

過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。

参考:【自己紹介】米国株1.5年で運用額を10倍の「4727万円」に増やす

AMDの四半期決算は?

AMDの四半期の決算を紹介します。

22年1Q決算(22年3月31日)

1Q決算の内容は...
  1. 売上高:58.87億ドル(前年比+70%)○
  2.  Computing and Graphics :28.02億ドル(+33%
  3.  Embedded and Semi-Custom:25.26億ドル(+87%
  4.  Xilinx:5.59億ドル(—%)
  5. 営業利益:9.51億ドル(+43%
  6. 純利益:7.86億ドル(+41%
  7. 一株利益:0.56ドル(+24%)○

22年2Q決算(22年6月30日)

2Q決算の内容は...
  1. 売上高:65.50億ドル(前年比+70%
  2.  Data Center:14.86億ドル(+82%
  3.  Client:21.52億ドル(+24%
  4.  Gaming:16.55億ドル(+31%
  5.  Embedded:12.57億ドル(+23倍
  6. 営業利益:5.26億ドル(−38%)
  7. 純利益:4.47億ドル(−38%)
  8. 一株利益:0.27ドル(−54%)

22年3Q決算(22年9月30日)

3Q決算の内容は...
  1. 売上高:55.65億ドル(前年比+29%)✖️
  2.  Data Center:16.09億ドル(+45%
  3.  Client:10.22億ドル(−40%)
  4.  Gaming:16.31億ドル(+13%
  5.  Embedded:13.03億ドル(+16倍
  6. 営業利益:−0.64億ドル(前年度9.48億ドル)
  7. 純利益:0.66億ドル(−93%)
  8. 一株利益:0.04ドル(−95%)✖️

3Qの売上高は前年比+29%で55.65億ドル、営業利益は−0.64億ドルでした。22年1Qと2Qと比較すると、3Qは減速していますね。営業利益率は−1.1%に転落しています。

経済再開が進む22年後半は、PC関連の売上が急落していますね。同様のことは、競合のインテルでも起きています。ただ、主力のデーターセンターは引き続き高い成長率を維持しています。

ザイリククス(XLNX)は、22年1Qに買収完了しています。

22年4Qの売上予想は、55億ドル(前年比+14%)と弱いです。22年通期の売り上げ予想は235億ドルです。

AMDの会長兼最高経営責任者(CEO)であるリサ・スー博士は、次のように述べています。 -データセンター、組み込み、ゲームコンソール製品の売上増加による前年比。 当社のリーダーシップ製品ポートフォリオ、強力なバランスシート、およびデータセンターと組み込み事業における継続的な成長の機会により、現在の市場のダイナミクスをうまく乗り切ることができると確信しています。」

過去の期間の結果は、比較のために現在のレポート セグメントに準拠しています。
• データセンター セグメントの収益は 16 億ドルで、前年比 45% 増でした。
EPYCTM サーバー プロセッサ。営業利益は、前年同期の 3 億 800 万ドル (28%) と比較して、5 億 500 万ドル (収益の 31%) でした。営業利益と利益率の増加は、主に収益の増加によるものですが、営業費用の増加により一部相殺されました。
• クライアント セグメントの収益は 10 億ドルで、PC 市場の低迷と PC サプライ チェーン全体での大幅な在庫調整によりプロセッサの出荷が減少したため、前年同期比で 40% 減少しました。クライアント プロセッサの ASP は、主に RyzenTM デスクトップ プロセッサの売上構成がより豊富になったことにより、前年比で増加しました。営業損失は 2,600 万ドルで、前年同期の営業利益は 4 億 9,000 万ドルまたは 29% でした。この減少は、主に収益の減少によるものでした。
• ゲーム セグメントの収益は 16 億ドルで、グラフィックス収益の減少により部分的に相殺されたセミカスタム製品の売上増加により、前年同期比 14% 増加しました。営業利益は 1 億 4,200 万ドルで、前年同期の 2 億 3,100 万ドルまたは収益の 16% でした。この減少は主に、グラフィック事業におけるグラフィック収益と在庫、価格設定および関連費用の減少によるものでした。営業利益率は、主にグラフィックス収益の減少と営業費用の増加により低下しました。
• エンベデッド セグメントの収益は 13 億ドルで、主にザイリンクスのエンベデッド製品の収益が含まれたことにより、前年同期比で 1,549% 増加しました。営業利益は 6 億 3,500 万ドル (収益の 49%) で、前年同期は 2,300 万ドル (30%) でした。営業利益と利益率の増加は、主に収益の増加によるものです。
• その他すべての営業損失は、主にザイリンクスの買収に関連する無形資産の償却により、前年同期の 1 億 400 万ドルから 13 億ドルになりました。

Outlook:

AMD の見通しに関する記述は、現在の予想に基づいています。 以下の記述は将来の見通しに関するものであり、実際の結果は、市場の状況および以下の「注意事項」に記載されている要因によって大きく異なる可能性があります。 AMD の第 4 四半期は 14 週間の四半期です。

AMD は、2022 年の第 4 四半期の収益が約 55 億ドル、プラスまたはマイナス 3 億ドルで、前年比で約 14% 増加し、連続して横ばいと予想しています。 組み込みおよびデータセンターのセグメントは、前年比および連続して成長すると予想されます。 AMD は、2022 年の第 4 四半期の非 GAAP 粗利益率が約 51% になると予想しています。

AMDは、2022年通年の収益が約235億ドルプラスマイナス3億ドルになると予想しており、組み込みおよびデータセンターセグメントの成長により、2021年と比較して約43%増加します。 AMD は、2022 年の非 GAAP 粗利益率が約 52% になると予想しています。

参考:AMD Reports 3 Quarter 2022 Financial Results

22年4Q決算(22年12月…)

22年4Q決算は、23年1月2日に公開予定です。

では、売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?

AMDの10年間の損益計算書は?

AMDは1984年に16ドルで上場しました。20年の40ドルを高値に伸び悩むも、16年から株価が上昇しています。22年11月は62ドル前後で推移しています。

その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の決算書を見ると、16年から売上と利益が増えています。「Ryzen」の開発に成功し、順調に売上が増えていますね。16年に−8.9%だった営業利益率は、21年には16.2%まで上昇しています。

パンデミック特需もあり、21年後半も力強く成長しそうです。

その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)です。BPSもEPSも16年から順調に拡大してる事が分かりますね。

その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

 

過去10年間のフリーCF(営業CFー投資CF)は、19年に黒字に成功しています。パンデミック禍でも汎用半導体は好調で、大きく営業CFを伸ばしています。AMDは生産を外部に委託するファブレス企業で、投資CFが少ないのが特徴です。

では、私たち投資家はどのように投資判断すればいいでしょうか?

AMDに投資する上で注目ポイントは?

AMDの注目すべきポイントを紹介します。

注目1:半導体世界1位はインテルで698億ドル?

参考:2019年半導体企業ランキング、Intelが首位返り咲き

19年時点の半導体メーカーの売上高ランキングです。

半導体メーカー世界1位は、インテルで売上高は698億ドルです。2位は韓国サムソンで556億ドル、3位は台湾TSMCで345億ドル、4位は韓国SK Hynixで228億、5位米国マイクロンが199億ドルと続きます。

19年時点では、AMDでは上位15社にランクインしてません。しかし、21年の売上高114億ドルで換算すると9位にランクインします。ADMは最も急成長している半導体メーカーです。

ADMはインテルのシェアを奪う事で急成長しています。

注目2:PC向け半導体のシェアは33%まで拡大?

参考:プロセッサ市場の下剋上なるか?

過去8年間のインテルとAMDのCPUシェアです。

世界中のPCに搭載されている半導体の8割は、インテル製品だと言われていました。しかし、16年に10nmの立ち上げに失敗した事で、20年は65%まで落とします。対照的に、7nmの生産に成功したAMDは、17%から33%に上昇します。

AMDが開発した「Ryzen」は、高性能で人気が高いです。

高性能なCPU(集積面積が低いほど性能が高い)の開発に成功した上に、インテルより価格を低く設定していますRyzenは価格帯が6千〜1万円ほど安く、ベンチマークスコアでも圧倒しています(参考:何故CPUにAMD Ryzen が選ばれるのか?)。

主要家電量販店の週次の結果によると、最新の販売台数ではインテルを上回ります。秋葉原の家電量販店では、AMDを指名買いするお客さんが増えたといいます。

参考:AMDの四半期決算|前年比+54%成長でも投資すべきでない理由は?

AMDはデータセンター向けでも、インテルからシェアを奪っています。

注目3:AMDのDC向けは前年比+286%に加速?

参考:IntelとAMDの業績比較とIntel Q1 2021決算の振返り

インテルとAMDの売上高と成長率の推移です。

20年Q2までは、インテルの売上成長率は+43%と高いです。しかし、20年Q3に減速し、マイナス成長に陥っています。対照的に、AMDは20年Q3に+116%、21年Q1に+286%と大幅に上昇しています。

ただし、Q4は+183%に減速してる点は注意が必要です。

アマゾン、マイクロソフト、グーグルなどの事業者は、AMDの割合を増やしています。ただし、AMDのDC部門は、PS5やXboxの売上が含まれる点に注意が必要ですパンデミックによる都市封鎖の恩恵を受けて、ゲーム機器は世界中で大量に売れましたね。

純粋なデータセンター向けだけの数値は、AMDは公開していません。

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20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました

ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。

過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。

参考:【自己紹介】米国株1.5年で運用額を10倍の「4727万円」に増やす

まとめ:AMDの四半期決算は?

AMDの注目ポイントは...
  1. PC部門の売上高は、4年で4倍に増えてる
  2. 2016年に発売した「Ryzen」が、成長を牽引してる
  3. インテルよりも、高性能&低価格で販売してる
  4. 2桁成長でも、売上高はインテルの11分の1しかない

個人的には、AMDは投資したい銘柄のひとつです。

なぜならば、競合インテルからシェアを奪い、PCとクラウド向けで急成長してるからです。売上高は過去5年で3倍に拡大し、世界上位10社に入る規模です。インテルが8割を独占していたPC市場で、AMDのシェアは2倍の34%に伸ばしています。

また、データセンター向けの半導体チップも急拡大しています。

20年Q3にインテルの売上高はマイナスに転落しています。対照的に、AMDのデータセンター&組み込み事業は、21年Q1に前年比+286%で拡大しています。コロナ特需が終わりゲーム機器向けは減速するも、引き続き高い成長率を維持しています。とりわけ、経済再開後はクラウド向けが好調です。

22年2月時点のPER34倍は十分に割安だと言えます。

AMDは、エヌビディアに買収されるという報道もあります。GPUを開発するエヌビディアも、インテルから間接的にシェアを奪う形で急成長しています。

参考:エヌビディアNVIDIAの四半期決算|クラウド+AIで大幅な増収増益?

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