半導体市場はクラウド、5G、AI、自動運転で21年に最も好調な業界だと言われています。米中貿易摩擦も、21年後半の経済再開後も業績好調が続いています。22年1Qの売上は前年比+30%、2Qも+24%と高いですね。
- 「20年4月のコロナ以降、株価は2.5倍に高騰…」
- 「コロナ禍からの回復で、半導体市場が拡大する…」
- 「EDAベンダーは、競争が少なく安定してる…」
シノプシス(SNPS)は、EDAソフトで業界1位の米国企業です。半導体を製造する企業に、EDA(電子設計自動化ツール)を提供しています。半導体設計資産(IP)を提供するIPペンダーでもあり、ソフトバンクのARM社に次いで業界2位です。
個人的には、シノプシスは長期で保有したい銘柄のひとつです。
なぜならば、競争が激しい半導体メーカーと違い、EDAベンダーは競争が少ないからです。その証拠に、粗利益率は78%と利益率が高いビジネスです。急激に売上が伸びる事はないが、毎年着実に利益を積み重ねていますね。
競争やトレンドが激しい半導体市場で、安心して投資できる銘柄です。
米中貿易摩擦が一服したことで、20年4Q以降(10月期)以降はマイナス成長が続いていました。しかし、その後は上方修正しながら力強く成長しています。22年2Qの売上成長率は24%、3Qの売上予想も+15%と好調です。
22年5月時点の予想PER35倍は割高ではありません。
- シノプシス直近の4半期決算(22年1-3月)は?
- シノプシスの過去10年間の売上高や営業利益は?
- PER61倍で割高水準だが、投資したい理由は?
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20年3月に米国株を初めて、1.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、資産が大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。集中投資した銘柄が大きく反発し、短期間で数倍に高騰したに過ぎません。私には投資の才能がないのは明らかで、会社員時代は日本株で200万円も損失を出しています。
また、世界の株式市場が暴落した時に、運良く時間とお金がありました。31歳で無収入で会社員を辞めた私は、2年6ヶ月後にアフィリで月130万円稼ぐ事に成功しています。実は、アフィリで稼げたのも運の要素が大きいです。
では、どのような過程を経て、米国株の運用額を10倍に増やしたでしょうか?
記事の内容を簡単に知りたい
シノプシス(SNPS)の四半期決算は?

シノプシス(SNPS)の四半期決算を紹介します。
21年4Q決算(21年10月30日)
- 売上高:11.52億ドル(前年比+12.3%)
- Time-based products:6.88億ドル(+13%)
- Upfront products:2.74億ドル(+12%)
- Maintenance and service:1.90億ドル(+9%)
- 営業利益:1.90億ドル(−4%)
- 純利益:2.01億ドル(+2%)
- 一株利益:1.27ドル(+1%)
22年1Q決算(22年1月31日)
- 売上高:12.70億ドル(前年比+30%)◯
- Time-based products:7.07億ドル(+12%)
- Upfront products:3.68億ドル(+111%)
- Maintenance and service:1.94億ドル(+18%)
- 営業利益:3.47億ドル(+134%)
- 純利益:3.13億ドル(+93%)
- 一株利益:1.99ドル(+93%)◯
22年2Q決算(22年4月30日)
- 売上高:12.79億ドル(前年比+24%)◯
- Time-based products:7.23億ドル(+11%)
- Upfront products:3.36億ドル(+60%)
- Maintenance and service:2.18億ドル(+31%)
- 営業利益:3.63億ドル(+87%)
- 純利益:2.94億ドル(+50%)
- 一株利益:1.89ドル(+52%)◯
2Qの売上高は+24%で12.79億ドル、営業利益は+87%で3.63億ドルでした。1Qに続き2Qの売上と利益も好調でしたね。営業利益率は28.3%と過去最高に高い水準ですね。
米中貿易摩擦の影響は、半導体製造装置に追い風でしたね。経済再開が進む21年後半も業績は好調で、見通しを引き上げています。22年度も半導体市況が良いことを示唆していますね。
22年3Qの売上予想は、12.25億ドル(前年比+15%)と好調です。22年通期の売上予想も50.25億ドルと高いです。
「シノプシスは、すべての製品グループと地域で強力なガイダンス目標を上回り、優れた第2四半期を達成しました。上半期の強力な実行と事業への信頼に基づいて、通年の目標を大幅に引き上げています」とAartdeGeusは述べています。 シノプシスの会長兼最高経営責任者。 「当社の財務の勢いは、画期的な新しいイノベーション、強力な半導体および電子機器市場の需要、優れた運用実行を備えた比類のない製品ポートフォリオの3つの推進力に基づいています。不確実な地政学的環境におけるマクロ経済の不安定さにもかかわらず、お客様は新しいものを可能にするための投資を優先し続けます。」 「スマートエブリシング」時代。2022年度には、年間収益が約20%増加し、50億ドルのマイルストーンを通過し、営業利益率のさらなる拡大を推進し、1株あたりの収益を25%以上増加させ、約16億ドルの営業キャッシュフローを生み出すと見込んでいます。 」
22年3Q決算(22年8月…)
22年3Q決算は、8月19日に公開予定です。
では、売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?
シノプシス(SNPS)の10年間の損益計算書は?

シノプシスは1992年に7ドルで上場しています。株価は常に最高値を更新し続けていますね。22年5月は285ドル前後で推移しています。
その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の決算書を見ると、順調に売上高が拡大しています。半導体業界は景気サイクルの影響を受けるが、同社は常に右肩上がりです。これは、半導体製造工程が複雑化し、EDAツールの需要が伸びているからです。
利益も右肩上がりで、21年の営業利益率は18%と高いです。
その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)は安定して推移しています。特に18年以降は順調に拡大していますね。
その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

過去10年間のフリーCF(投資CF−営業CF)は、右肩上がりで増えています。EDAツールの開発は、投資CFが少ない優良ビジネスだと言えますね。中国経済の鈍化や米中貿易摩擦の影響を受けず、順調にCFは拡大しています。
では、私たち投資家はどのように判断すれば良いのでしょうか?
シノプシス(SNPS)の注目ポイントは?

シノプシス(SNPS)の注目すべきポイントを紹介します。
注目1:EDAは3社が独占状態にあり業界1位?
- 1位:シノプシス(Synopsys)
- → 論理合成ツールに強く、開発工程の下流で使われる
- 2位:ケイデンス・デザイン・システムズ(Cadence Design Systems)
- → シミュレーションに強く、開発工程の上流で使われる
- 3位:メンター・グラフィックス(Mentor Graphics)
- → 電子回路基板設計ソリューションで業界1位
EDA(Electronic Design Automation)とは、半導体や電子機器の設計作業を自動化で行うこと、またはそのツールやソフトウェアを指します。EDAベンダーは、電子設計を自動化するツールを半導体メーカーに提供しています。
ケイデンスデザインシステムズは、業界で2位のEDAベンダーです。
ケイデンスはシミュレーションソフトに強いが、上流工程の設計サービスも提供しています。同じEDA業界の中でも、業界1位のシノプシスとは事業領域が異なります。シノプシスのEDAツールは、下流工程で使われる事が多いです。
また、 EDAベンダーは経済的な堀が高く競争優位性が高いです。
EDAツールの開発は、レベルが高く専属エンジニアを育てるのが難しいです。ケイデンスの年収は15.6万ドル(1669万円)、米国高給ランキングで5位です。高給な理由は、優秀な社員を囲い込み独立を防ぐためだと言われています。
では、ケイデンスの売上高はどのように推移してきたのでしょうか?
注目2:22年1Qは売上前年比+30%に加速?

シノプシスの四半期毎の売上高推移です。
20年4Qは貿易摩擦の影響もあり、前年比+20%まで拡大しています。しかし、在庫が一巡したこともあり、21年3Qは+9.6%まで減速しています。ただ、経済再開後の業績は好調で、22年1Qは+30%に加速してますね。
これは、半導体市場の先行指標である同社は、22年後半も業界全体が好調だと示唆しています。
では、シノプシス社の事業別の売上高を見てみましょう。
注目3:売上高の6割を占めるEDAが減少傾向にある?

事業別の売上高を見ると、成長が鈍化している元凶が分かりますね。
シノプシス社の売上比率はEDAツールで6割、半導体IPビジネスで3割、残り1割がソフトウェア品質やサポートです。EDAツールは業界1位、半導体IPビジネスはソフトバンクに買収されたARM社に次いで業界2位です。
過去3年間の推移を見ると、EDAツールの売上高比率が2年で7%も下落していますね。
EDAツールの売上高が落ちている原因は、競合他社によるシェアの拡大、それから米中貿易摩擦の影響が考えられます。米国政府は、米国企業とファーウェイの取引を禁止しているが、禁止する取引先を拡大しています。
取引禁止の中には、半導体設計を支援するEDAツールも含まれます(参考:米中分離が長期化するこれだけの理由)。
では、海外売上比率はどれくらいあるのでしょうか?
注目4:売上比率は米国が46%を占める?

シノプシスの20年時点の地域別の売上比率です。
地域別売上比率が最も高いのは、米国で全体の46%を占めます。次いで、中国を含むアジア地域が21%、韓国が12%、欧州が10%、日本が9%と続きます。19年の不調は、主に米国と中国の売上が減速したからです。
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20年3月に米国株を初めて、1.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、資産が大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。集中投資した銘柄が大きく反発し、短期間で数倍に高騰したに過ぎません。私には投資の才能がないのは明らかで、会社員時代は日本株で200万円も損失を出しています。
また、世界の株式市場が暴落した時に、運良く時間とお金がありました。31歳で無収入で会社員を辞めた私は、2年6ヶ月後にアフィリで月130万円稼ぐ事に成功しています。実は、アフィリで稼げたのも運の要素が大きいです。
では、どのような過程を経て、米国株の運用額を10倍に増やしたでしょうか?
まとめ:シノプシス(SNPS)の四半期決算は?

- EDAベンダーは3社が独占状態で、1番手のソフト会社である
- 半導体メーカーに、集積回路や電子機器など設計作業の自動化をサポート
- 売上高は拡大するも、2019年以降は低迷している
- 営業利益率は16%と、業界2番手のケイデンス社よりも低い
- 米中貿易摩擦の影響で、アジア地域の売上が減少傾向にある
個人的には、シノプシスは長期で保有したい銘柄のひとつです。
なぜならば、競争が激しい半導体メーカーと違い、EDAベンダーは競争が少ないからです。その証拠に、粗利益率は78%と利益率が高いビジネスです。急激に売上が伸びる事はないが、毎年着実に利益を積み重ねていますね。
競争やトレンドが激しい半導体市場で、安心して投資できる銘柄です。
米中貿易摩擦が一服したことで、20年4Q以降(10月期)以降はマイナス成長が続いていました。しかし、その後は上方修正しながら力強く成長しています。22年1Qの売上成長率は30%、2Qの売上予想も+22%と好調です。
22年2月時点の予想PER39倍は割高ではありません。
同社の業績が上向くならば、競合ケイデンス・デザイン・システムズ(CDNS)も同様です。EDAツールで競合だが、厳密には得意分野が異なるため競争していません。CDNSは同社よりも利益率が高く安定しています。
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