スマホ通信チップを製造するクアルコムは、5Gで最も恩恵を受ける銘柄です。最大の顧客であるアップルの5G対応iPhoneは中国で好調で、過去最高益を記録しています。業績も好調で22年1Qの売上は前年比+30%、2Qは+41%に加速しています。
- 「5Gスマホ期待で、20年4月から株価は2.5倍に急騰…」
- 「売上と利益率は過去最高、予想PERは11倍で割安だ…」
- 「23年にはアップルは、自社製通信チップを開発する…」
クアルコム(QCOM)は、世界7位の米国の半導体メーカーです。WCDMAやLTEのスマホチップに強みがあり、5G通信時代でも恩恵を受ける銘柄です。13年までは完全に市場を独占していたが、21年のシェアは29%まで落ちています。
個人的には、クアルコムは投資したい銘柄のひとつです。
なぜならば、5Gスマホの市場が急拡大し、その恩恵を最も受ける銘柄だからです。アジア勢にシェアを奪われるも、5Gスマホではまだ高い優位性を持ちます。19年にアップルと和解したことで、21年は過去最高の売上高を更新しています。
ただ、クアルコムは短期と長期で評価が大きく異なります。
短期的には、5G対応のiPhoneの販売高は好調で、クアルコムの業績を押し上げています。しかし、23年にはアップルは独自の5Gチップを開発すると言います。アップルが自社チップに切り替えたら、クアルコムの業績は悪化するかもしれません。
ただ、22年5月時点の予想PERは11倍と低く割安水準にあります。長期的には懸念材料もあるが、業績を踏まえると明らかに安いです。依然として競争優位性は高く、増配目的で保有したい銘柄のひとつです。
- クアルコムの4半期決算(22年1-3月)は?
- クアルコムの過去10年間の売上高や営業利益は?
- 市場シェアを奪われるが、5Gで業績好調が続く?
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ただし、資産が大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。集中投資した銘柄が大きく反発し、短期間で数倍に高騰したに過ぎません。私には投資の才能がないのは明らかで、会社員時代は日本株で200万円も損失を出しています。
また、世界の株式市場が暴落した時に、運良く時間とお金がありました。31歳で無収入で会社員を辞めた私は、2年6ヶ月後にアフィリで月130万円稼ぐ事に成功しています。実は、アフィリで稼げたのも運の要素が大きいです。
では、どのような過程を経て、米国株の運用額を10倍に増やしたでしょうか?
記事の内容を簡単に知りたい
クアルコム(QCOM)の四半期決算は?

クアルコム(QCOM)の四半期決算を紹介します。
21年4Q決算(21年9月30日)
- 売上高:93.36億ドル(前年比+12%)
- Equipment and services:76.32億ドル(+55%)
- Handsets:46.86億ドル(+56%)
- RF front-end:12.37億ドル(+45%)
- Automotive:2.70億ドル(+44%)
- IoT:15.40億ドル(+66%)
- Licensing:17.04億ドル(−51%)
- 営業利益:29.02億ドル(−16%)
- 純利益:27.98億ドル(−6%)
- 一株利益:2.45ドル(−6%)
22年1Q決算(21年12月31日)
- 売上高:107.05億ドル(前年比+30%)
- Equipment and services:86.82億ドル(+34%)
- Handsets:59.83億ドル(+42%)
- RF front-end:11.32億ドル(+7%)
- Automotive:2.56億ドル(+21%)
- IoT:14.76億ドル(+41%)
- Licensing:20.23億ドル(+12%)
- 営業利益:38.65億ドル(+48%)
- 純利益:33.99億ドル(+38%)
- 一株利益:2.98ドル(+41%)
22年2Q決算(22年3月31日)
- 売上高:111.64億ドル(前年比+41%)◯
- Equipment and services:95.28億ドル(+52%)
- Handsets:63.25億ドル(+56%)
- RF front-end:11.60億ドル(+28%)
- Automotive:3.39億ドル(+41%)
- IoT:17.24億ドル(+61%)
- Licensing:17.47億ドル(+3%)
- 営業利益:38.58億ドル(+78%)
- 純利益:29.34億ドル(+66%)
- 一株利益:2.57ドル(+67%)◯
2Qは前年比+41%で111.64億ドル、営業利益は+78%で38.58億ドルでした。21年4Qや22年1Qと比較して、2Qは売上と利益が再加速しています。営業利益率も34%と過去最高に高い水準です。
1Qに引き続き、全ての事業が好調ですね。5G向け携帯チップ、RFフロントエンド(5G向け高性能コンポーネント)、車載向けチップ、IoTが好調ですね。5G通信時代に向けて、これらも高い成長率が期待できます。
22年2Q売上予想は、105.9億ドル(+31%)に引き上げています。アクセス可能な潜在市場は今後10年で7倍になるといいます。
22年3Q決算(22年6月…)
22年3Q決算は、7月28日に公開予定です。
では、売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?
クアルコム(QCOM)の10年間の損益計算書は?

クアルコムは91年に0.7ドルで上場しました。99年に高値88ドルを付けるも、その後は長く低迷しましたね。5G期待で20年は力強く上昇し、22年5月は143ドル前後で推移しています。
その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の決算書を見ると、売上と利益は長く伸び悩んでいます。低迷している原因は、独占禁止法などの訴訟リスク、それから価格競争力がある中国や台湾勢にシェアを奪われているからです。
しかし、21年は大きく売上を伸ばし営業利益率も30%と高いです。これは19年にアップルと和解し、5G対応iPhoneの売れ行きが好調だからです。
その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)です。売上の伸び悩みや訴訟によりBPSは減少しています。ただし、5Gスマホが好調でEPSは上昇傾向にありますね。
その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

過去10年間のフリーCF(営業CF−投資CF)は、21年に大きく上昇しています。アジア勢にシェアを奪われる事で、営業CFは伸びていません。しかし、特許に守られている事もあり、投資CFが少ない優良ビジネスですね。
では、私たち投資家はどう投資判断すれば良いでしょうか?
クアルコム(QCOM)の注目ポイントは?

クアルコム(QCOM)の注目ポイントを紹介します。
注目1:クアルコムは世界7位の半導体メーカー?
19年の半導体企業の売上高ランキングです。
半導体メーカー世界1位は、インテルで売上高は698億ドルです。2位は韓国サムソンで556億ドル、3位は台湾TSMCで345億ドル、4位は韓国SK Hynixで228億、5位米国マイクロンが199億ドルと続きます。
モバイル端末向け携帯チップを開発するクアルコムは、世界7位の規模です。
通信関連で大量に特許を占有するクアルコムだが、その牙城は崩れつつあります。台湾や韓国、それから中国企業にシェアを奪われています。
注目2:アジア勢の攻勢で17年はシェア49%に低下?
クアルコムは、携帯向けモデムチップの独占企業でした。
WCDMAやLTEの携帯電話チップで強い理由は、創業者が通信規格CDMAの策定に関わっていたからです。世界中で使用される携帯電話の中には、クアルコムの製品が内蔵されています。通信規格の圧倒的な強みは、5G時代でも継承されます。
ただし、近年はその牙城が崩れつつありますね。
また、高すぎる市場占有率ゆえに、常に訴訟リスクも抱えています。2015年には中国から独占禁止法で訴訟され、多額の賠償金を支払っています。19年に和解するも、アップルとも長く訴訟問題がありましたね。現在は和解し再びアップルに納品してます。
では、21年の市場シェアはどのように推移してるでしょうか?
注目3:20年のクアルコムの市場シェアは29%?
20年Q2と前年のAP(スマホアプリプロセッサー)の市場シェアです。
APの市場シェアトップはクアルコムで29%です。次いで、台湾のMediatekが26%、中国ファーウェイのHisiliconが16%、アップルとサムソンが13%と続きます。クアルコムがシェアを落としたのに対し、台湾、中国、アップルは伸ばしています。
今後の動きを予想するのは困難です。
米中貿易摩擦により、Hisiliconは独自のシリコンを製造できません。しかし、中国政府は半導体に力を入れており、いずれは自力で追いつく可能性も高いです。MediaTekは価格競争力が高く、新興国で引き続き高いシェアを取りそうです。
19年と20年は減速が続くスマホ市場だが、5G需要がAP市場の成長を牽引しそうです。20年2Qの5Gスマホの売上高は、前年比+126%で増加しています。
5Gスマホ市場では、クアルコムが圧倒的に強いです。
注目4:クアルコムは5Gスマホ市場で圧倒的に有利?
19年時点のクアルコム製とファーウェイ製のスマホです。
訴訟リスクはあるが、クアルコムはまだまだ市場を圧倒しています。18年や19年に発売される5Gスマホの中身は、クアルコム製の通信チップです。通信チップの開発は難易度が高く、インテルは5G開発に失敗しています。
その結果、アップルはクアルコムとの和解に持ち込みましたね。21年前半は5G対応のiPhone売上高は過去最高で、クアルコムの業績を押し上げています。アップルのiPhoneは5Gが最も急速に進む中国で販売高が拡大しています。
この流れは、21年後半も22年も続きそうです。
参考:アップル(AAPL)四半期決算|中国が前年比+87%で過去最高水準
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20年3月に米国株を初めて、1.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、資産が大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。集中投資した銘柄が大きく反発し、短期間で数倍に高騰したに過ぎません。私には投資の才能がないのは明らかで、会社員時代は日本株で200万円も損失を出しています。
また、世界の株式市場が暴落した時に、運良く時間とお金がありました。31歳で無収入で会社員を辞めた私は、2年6ヶ月後にアフィリで月130万円稼ぐ事に成功しています。実は、アフィリで稼げたのも運の要素が大きいです。
では、どのような過程を経て、米国株の運用額を10倍に増やしたでしょうか?
まとめ:クアルコム(QCOM)の四半期決算は?

- 3Gと4Gの通信規格に強く、5Gでも技術的な強みがある
- スマホ向け携帯チップで、市場シェアは50%を占める
- 2019年の営業利益率は高いが、訴求リスクで利益を圧迫している
- 2019年にアップルと和解し、アップルの5G向けを受注した
- 2019年に米国取引委員会に敗訴し、ライセンス収入は減るかも
個人的には、クアルコムは投資したい銘柄のひとつです。
なぜならば、5Gスマホの市場が急拡大し、その恩恵を最も受ける銘柄だからです。アジア勢にシェアを奪われるも、5Gスマホではまだ高い優位性を持ちます。19年にアップルと和解したことで、21年は過去最高の売上高を更新しています。
ただ、クアルコムは短期と長期で評価が大きく異なります。
短期的には、5G対応のiPhoneの販売高は好調で、クアルコムの業績を押し上げています。しかし、23年にはアップルは独自の5Gチップを開発すると言います。アップルが自社チップに切り替えたら、クアルコムの業績は悪化するかもしれません。
ただ、22年2月時点の予想PERは16倍と低く割安水準にあります。長期的には懸念材料もあるが、業績を踏まえると明らかに安いです。依然として競争優位性は高く、増配目的で保有したい銘柄のひとつです。
クアルコムの競合は、通信機器に強いブロードコムです。両企業は合弁案があったが、トランプ政権の反対にあり頓挫しています。ブロードコムも5Gの恩恵を受ける銘柄のひとつです。
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