3Dシステムズは3Dプリンター銘柄で、21年1月に株価が4倍に高騰しましたね。3Dプリンターブームは過去にも訪れており、13年にも5倍に高騰しています。3Dプリンター市場が急拡大するならば、ストラタシスの株価の急騰は続くのでしょうか?
- 「21年1月に、2ヶ月間で株価が4倍に高騰した…」
- 「13年にも3Dプリンターブームで、株価は高騰している…」
- 「21年は米国経済が加熱し、再び3Dブームが起きるのか…」
ストラタシスは、3Dプリンターを提供するイスラエル企業です。デザイン開発者向けに、卓上に置ける小型のデスクトップ3Dプリンターを販売しています。ストラタシスの潜在的なAM市場は、30年には9.9倍の14.9億ドルになると言います。
しかしながら、個人的にはストラタシスは投資したい銘柄でないです。
なぜならば、売上高が伸びない上に、利益率も下がり続けているからです。11年に18%だった営業利益率は、20年には−13%と悪いです。利益が下がり続ける原因は、低価格帯3Dプリンターは競合が多く過当競争に陥っているからです。
ただし、短中期のストラタシスの動向は注視したいです。
なぜならば、短期的には3Dプリンターの業績が上向いているからです。これは、ストラタシスだけではなく、競合の3Dシステムズでも共通しています。ストラタシスのCEOは、現在の業績回復が継続するならば、再び2桁成長に加速する可能性があると言います。
- ストラタシスの4半期決算(22年1-3月)は?
- ストラタシスの過去10年間の売上高や営業利益は?
- 直近決算は好調で、2010年代の2桁成長に回帰する?
▼▼2022年12月は資産が6000万円を超える▼▼
20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
記事の内容を簡単に知りたい
ストラタシス(SSYS)の四半期決算は?
ストラタシス(SSYS)の四半期決算を紹介します。
21年3Q決算(21年9月30日)
- 売上高:1.59億ドル(前年比+24%)
- 営業利益:−0.197億ドル(−55%)
- 純利益:−0.180億ドル(+95%)
- 1株当たり利益:−0.28ドル(+96%)
21年4Q決算(21年12月31日)
- 売上高:1.67億ドル(前年比+17%)
- 営業利益:−0.14億ドル(−737%)
- 純利益:−0.04億ドル(−143%)
- 1株当たり利益:−0.08ドル(−140%)
22年1Q決算(22年3月31日)
- 売上高:1.634億ドル(前年比+21%)
- Products:1.130億ドル(+25%)
- Services:0.503億ドル(+14%)
- 営業利益:−0.195億ドル(前年度−0.183億ドル)
- 純利益:−0.209億ドル(前年度−0.189億ドル)
- 1株当たり利益:−0.32ドル(前年度−0.32ドル)
1Qの売上高は前年比+21%で1.634億ドル、営業利益は−0.195億ドルでした。21年3Qや4Qに続き、22年1Qの売上は横ばいですね。営業利益率は−11.9%と低いですね。
3Dプリンターは経済再開で期待されるも、あまり伸びていません。22年通期の売上予想は、6.9億ドルとしています。
Stratasysの最高経営責任者であるYoavZeif博士は、次のように述べています。重要なのは、システムが主な推進力であり、5年間で最強の第1四半期で36.7%増加し、COVID 2019以前の同時期よりも16.4%増加したことです。インストールベースの拡大。そして、私たちは、最終用途の部品の大量生産のために設計された新しいOrigin P3、H350 SAF、およびNeoシステムからの初期の勢いと貢献に特に興奮しています。」
Zeif博士は、次のように続けています。 、既存の印刷プラットフォームへのアップグレード、およびソフトウェア機能の拡張。私たちは、ポリマー3D印刷でのリーダーシップの地位を高めるために、実行に注力することに執拗に取り組んでいます。クラス最高の人材、システム製品、Go-to-Market、サポートインフラストラクチャを組み合わせ、堅牢なバランスシートを組み合わせることで、Stratasysは2022年以降のバランスで第1四半期の成長を構築できる立場にあります。」
22年2Q決算(22年6月…)
22年2Q決算は、8月17日に公開予定です。
では、売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?
ストラタシス(SSYS)の損益計算書は?
ストラタシスは94年に1.6ドルで上場しました。株価は順調に上昇し3Dプリンターブームで、13年に最高値136ドルを付けています。その後に株価は低迷するも、21年2月に再び上昇し51ドルを付けています。22年5月は17ドル前後で推移しています。
その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?
過去10年間の決算書をみると、14年をピークに売上高は伸びていません。また、13年から赤字決算が続き、20年の営業利益率は−13%です。3Dプリンターが赤字なのは、競合が多く価格競争に陥っているからです。
成長が期待される市場でも、競合が多ければ利益を得られないですね。
その2:BPSとEPSの10年間の推移は?
¥過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)です。14年をピークにBPSは下落し、EPSも赤字を拡大しています。黒字化する兆しは一向に見えないですね。ただし、自己資本比率は76%と高く、倒産の危険性はないです。
その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?
過去10年間のフリーCF(営業CF−投資CF)は、安定して推移してないですね。営業CFが大きく増える年もあれば、赤字に陥る年もあります。営業CFが安定するまでは、安心して投資できる銘柄ではありません。
では、私たちはどのように投資判断すれば良いのでしょうか?
ストラタシス(SSYS)の注目ポイントは?
ストラタシス(SSYS)に投資する上で注目すべきポイントを紹介します。ストラタシスは、デザイン開発者向けに、デスクトップ3Dプリンターを提供するイスラエル企業です。ストラタシスの潜在的なAM市場は、30年には9.9倍の14.9億ドルになると言います。
注目1:年率27.8%で拡大し27年に55.1億ドル?
参考:3D Printing Metal Market Size, Share & Trends Analysis Report
世界の金属用3Dプリンターの市場推移です。
3Dプリンターは最も成長が期待される市場で、特に製造業界で注目を集めているのが金属用です。20年の金属用3Dプリンター市場は10.4億ドルでした。年率27.8%で拡大し、27年には55.1億ドルになると試算されています。
航空宇宙や軍事、医療関係、自動車での用途が急速に加速すると言います。では、2016年時点で3Dプリンターには、どのような用途があるのでしょうか?
注目2:自動車業界の用途が多く全体の21%を占める?
参考:Global 3D Printers Market Projected to Showcase a CAGR of 35%
16年時点の3Dプリンター用途と成長率の推移です。
3Dプリンターの用途で最も大きいのが自動車で21%です。次いで、消費財が18%、ヘルスケアが16%、航空宇宙が14%、産業向けが12%と続きます。最も伸び率が高いのは航空宇宙で+38%で拡大しています。
しかしながら、全体としては産業別で大きな優劣はないですね。3Dプリンターの用途は、全業種で幅広く伸びています。
では、3Dプリンターの市場シェアはどうなっているのでしょうか?
注目3:低価格3Dプリンターは過当競争に陥っている?
細かい数値は示されてないが、低価格3Dプリンターの市場シェアです。
3Dプリンターは成長が期待される分野で、競合企業が多く上場してない会社も多いです。消費者向け3D印刷における業界リーダーは、3Dシステムズ、Stratasys(SSYS)、中国のTiertime(PP3DP)だと言います。
レポートによると、これら3企業は戦略的に失敗し大きな損失を出したと言います。
3D SystemsとStratasysはどちらも、製造部門での厳密な専門的経験から、消費者に対応する戦略にいくつかの誤りを犯し、低コストの3D印刷のダイナミクスと一般的な消費者技術市場についての理解が明らかに不足していることを示しています。アップルのようなビジネスモデルの実装を目指して、両社は、複雑なエンジニアリングと電子機器によって価格が上昇し、エレガントなデザインと使いやすさを目指したシステムを提供することで、誇大広告を利用しようとしました。
では、ストラタシスの事業別の業績はどうでしょうか?
注目4:製品販売が売上高の69%を占める?
ストラタシスの事業別売上高の推移です。
ストラタシスは製品販売とサービスの2つの事業があります。製品販売が売上高の69%を占め、システム向けと消費財向けがあります。主要顧客には自動車や航空業界が多く、フォルクスワーゲン、ボーイング、グーグルがあります。
31%の売上高を占めるサービスは、カスタマーサポートです。ストラタシスは今後の業績について楽観的に見ています。
注目5:AM市場は年率26%で30年に9.9倍になる?
ストラタシスが予想する潜在的なAM市場マーケットの将来推移です。
AMは30年には年率26%で拡大し14.9億ドル、10年で9.93倍に増えると言います。AM技術とは、材料を積み重ねて物体を造形するプラスの技術思想です。従来の多くが材料を除去する加工技術と区別するのに使われています。
AM技術が注目されている理由は、デスクトップに置けるサイズまで小型化されたからです。従来の工作機械は大型が多く、卓上用でも数10Kgもあり、気軽にオフィス内で運用できるものではないです。
しかし、家庭用3Dプリンターの性能向上と低価格化で、開発者1人に1台のプリンターを普及する製造業が増えています。こうした背景もあり、ストラタシスは今後の業績について楽観視しています。3Dプリンターが好調だった、10年代後半の2桁成長を期待しています。
- パンデミックに牽引された自動車や商用航空宇宙などの主要セクターからの現在の継続的な軟化にもかかわらず、2020年第1四半期と比較的類似した今四半期の追跡の収益
- 現在の消費動向が続けば、2Q 2020年に比べ半ば十代での第2四半期の収益成長を期待
- 2500万ドル-フルタイムの仕事への復帰と関連コストおよび買収を反映するために、21年の営業費用は3000万ドル増加-まだ19年のコストを下回
- 最近の投資と戦略的イニシアチブによる大幅な営業レバレッジ–成長の大部分は2022年以降の製造アプリケーションからもたらされると予想されています
まとめ:ストラタシス(SSYS)の四半期決算は?
- 1994年に上場した、3Dプリンターのイスラエル企業
- デザイン開発者向けに、小型3Dプリンターを提供している
- 主要顧客にはグーグル、ボーイング、フォルクスワーゲンなど
- 製品販売が売上高の69%、カスタマサポートが31%を占める
- 売上高は伸びておらず、20年の営業利益率は−13%と悪い
- 潜在的な市場は30年に14. 9億ドル、9.9倍になると予想
個人的には、ストラタシスは投資したい銘柄でないです。
なぜならば、売上高が伸びない上に、利益率も下がり続けているからです。11年に18%だった営業利益率は、20年には−13%と悪いです。利益が下がり続ける原因は、低価格帯3Dプリンターは競合が多く過当競争に陥っているからです。
ただし、短中期のストラタシスの動向は注視したいです。
なぜならば、短期的には3Dプリンターの業績が上向いているからです。これは、ストラタシスだけではなく、競合の3Dシステムズでも共通しています。ストラタシスのCEOは、現在の業績回復が継続するならば、再び2桁成長に加速する可能性があると言います。
本当に実現するか不明だが、3Dプリンター業界の動向に注視したいですね。
短期的には業界最大手の3Dシステムズの業績も上向いています。ストラタシスと同様に株価が急騰し、21年1月には一時的に10倍に高騰しています。ただし、3Dプリンターが本当に強気相場入りしたかはまだ分かりません。
今後の短期的な動向を注視する必要があります。
コメントを残す