通信キャリアのTモバイルは、5Gや在宅ワーク増加の恩恵を受ける銘柄ですね。米国は大手3社が寡占化していて、同社は最も契約者数を伸ばしている企業です。ただ、23年1Qの売上前年比は−2.4%、2Qは−2.6%と横ばいですね。
- 「07年に66ドルで上場、21年は2倍に上昇する…」
- 「業界4位のスプリントを買収、大手2社を追随してる…」
- 「業界3社が寡占化しており、最も成長率が高い企業だ…」
Tモバイル(TMUS)は、米国の3大通信キャリアのひとつですね。業界内で最も成長率が高く、20年に業界4位のスプリントを買収しています。買収により業界2番手のベライゾン(VZ)と並ぶシェアを持ちます。
個人的には、Tモバイルは投資したい銘柄ではありません。
なぜならば、通信は成長が期待できない成熟産業で、低料金で提供することでシェアを拡大しているからです。大手2社からシェアを奪うことに成功しても、業界全体としては悪材料です。
21年4Qの売上成長率は2.2%と低く、足元の伸びは軟調です。
マイナス成長だったAT&T(T)やベライゾン(V)よりは良いが、収益性の低下は避けられないですね。通信業界に投資する利点は、あまり大きいとは言えません。
23年7月時点の予想PER19倍と割高ではないですね。
- Tモバイルの4半期決算(23年4-6月)は?
- Tモバイルの過去10年間の売上高や営業利益は?
- スプリントを買収し、大手3社で最も成長率が高い?
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20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
Tモバイル(TMUS)の四半期決算は?

Tモバイル(TMUS)の四半期決算を紹介します。
22年4Q決算(22年12月30日)
- 売上高:202.73億ドル(前年比−2.4%)
- 営業利益(EBITDA):—億ドル(—%)
- 純利益:14.77億ドル(+250%)
- 1株当たり利益:1.59ドル(+44%)
23年1Q決算(23年3月30日)
- 売上高:196.32億ドル(前年比−2.4%)
- 営業利益(EBITDA):—億ドル(—%)
- 純利益:19.40億ドル(+172%)
- 1株当たり利益:1.75ドル(+24%)
23年2Q決算(23年6月30日)
- 売上高:191.96億ドル(前年比−2.6%)×
- Postpaid service:120.70億ドル(+5.5%)
- 営業利益(EBITDA):74.05億ドル(+5.7%)
- 純利益:22.21億ドル(前年度−1.08億ドル)
- 1株当たり利益:1.86ドル(前年度−0.09ドル)○
2Qの売上高は前年比−2.6%で191.96億ドル、営業利益(EBITDA)は+5.7%で74.05億ドルでした。22年4Qや23年1Qに続き、2Qもマイナス成長が続きます。
経済再開に伴い、通信需要はやや減少しています。
ただ、PostPaidサービスの加入数は好調で、12.4万人が増えています。総顧客数は過去最高の1.166億人にも及びます。同社CEOは今後の見通しについても強気で、5Gネットワークでは他社を圧倒しているといいます。
22年通期の売上予想は、サービス事業で154億ドル(+4%)です。
ネットワークのリーダーシップと Phone Freedom の開始によって業界をリードする顧客の成長が促進(1)
• ポストペイドの純口座追加数は 299,000 件で、業界最高
• 後払いの純顧客数は 160 万人増加、業界最高でガイダンスも向上
• ポストペイド電話ネットの顧客数は 76 万人増加、業界最高、第 2 四半期では 8 年間で最高
• ポストペイド電話の解約率は 0.77% で、史上初めて業界最高、そして過去最低を記録
• 高速インターネットの純顧客数は 509,000 人増加し、AT&T、Verizon、Comcast、Charter の合計を 5 四半期連続で上回りました。差別化された収益性の高い成長戦略が業界をリードする財務パフォーマンスを推進
• サービス収益は前年比 3% 増の 157 億ドル、ポストペイド サービス収益は前年比 5% 増の 121 億ドルで、いずれも業界最高の成長を記録
• 純利益は22億ドルで前年比23億ドル増加、希薄化後一株当たり利益(「EPS」)は1.86ドルで前年比1.95ドル増加し、業界最高の成長を記録した。
• コア調整後 EBITDA(2) は 73 億ドルで、前年比 11% 増加し、業界の成長とガイダンスの引き上げにおいて最高でした。
• 営業活動により得られた純キャッシュは 44 億ドルで、前年比 3% 増加し、見通しを引き上げました。
• 調整後のフリー キャッシュ フロー(2)は 29 億ドルで、前年比 64% 増加しました。
• 2023年第2四半期に普通株2,520万株を35億ドルで買い戻しT-Mobile は全国ネットワーク全体のリーダーとして君臨し、最大、最速、最も多くの賞を受賞した 5G ネットワーク
• Ookla が全体的なネットワーク パフォーマンスで 3 四半期連続ですべてのカテゴリを席巻し、Opensignal とウムラウトも複数の全体的なネットワークと 5G カテゴリで継続的に勝利を収めています。
• 5G ネットワークはアメリカ国民の 98% をカバーし、超大容量 5G は 2 億 8,500 万人をカバーします。T-Mobile US, Inc. (NASDAQ: TMUS) は本日、2023 年第 2 四半期の業績を報告しました。これは、ポストペイド電話の総増加額の増加と最低のポストペイド電話の増加により、業界最高のポストペイド顧客の増加を達成しました。 同社のネットワークとバリューリーダーシップのユニークな組み合わせによって、史上初めて業界でのチャーンが実現しました。 同社は、2023 年通期の見通しを引き上げながら、業界をリードする顧客の増加をサービス収益、純利益、およびコア調整後 EBITDA におけるクラス最高の成長に変換し続けています。 さらに、T-Mobile は株主に価値を還元する計画を実行し続け、四半期を通じて 35 億ドルの普通株式を買い戻します。
「当社のカテゴリーの成長が鈍化した場合、T-Mobile の業績はどうなるだろうかと疑問に思っているなら、8 年間で最高となる第 2 四半期ポストペイド電話の純増数や、ポストペイド電話の解約率が世界で最低であることなど、当社の最新の業績で答えが見つかると思います。」 T-Mobile の CEO、Mike Sievert 氏は次のように述べています。 「私たちは大胆な目標を設定し、耐久性があり差別化された計画を打ち出し、その計画どおりに機能しています。 そして今、私たち独自の成長機会、最新のアンキャリアへの取り組みの勢い、そして顧客への提供において最高でありたいという抑えられない願望に支えられ、私たちは注目すべき存在であり、速度を落とすつもりはありません。」
23年3Q決算(23年9月…)
23年3Q決算は、10月28日に公開予定です。
では、売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?
Tモバイル(TMUS)の損益計算書は?

Tモバイルは07年に66ドルで上場しています。最高値は21年5月の144ドルで、23年7月は139ドル前後で推移しています。
その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の決算書を見ると、20年と21年に大きく売上が伸びています。20年に業界4位のスプリントを買収したからですね。21年の営業利益率は9.5%に低下するも、シナジー効果はこれからですね。
その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)です。自己資本比率は33%で、EPSも比較的に安定しています。
その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

過去10年間のフリーCF(営業CF−投資CF)は、常に赤字です。業界3位であるTモバイルは、顧客を獲得するために積極的に設備投資しています。20年や21年は5G投資もあり、投資CFは増えていますね。
では、私たち投資家はどのように判断すれば良いのでしょうか?
Tモバイル(TMUS)の注目ポイントは?

Tモバイル(TMUS)の注目ポイントを紹介します。
注目1:Tモバイルは通信業界3位で29%のシェア?
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参考:Wireless subscriptions market share by carrier in the U.S.
ワイヤレス通信の加入者数の市場シェアです。
ワイヤレス通信は大手3社が寡占化しています。業界最大手はAT&T(T)が39%、2位はベライゾン(VZ)が29%、3位にスプリントを買収したTモバイルが29%と続きます。買収したことで、2位のベライゾンとは差が縮小しています。
では、Tモバイルの事業別の売上を見てみましょう。
注目2:ポストペイド事業が売上比率の5割?
Tモバイルの事業別の売上高推移です。
20年4月にスプリントを買収したことで、売上高は大きく増えています。特に、売上が大きい事業は後払いサービスで、売上比率の5割を超えています。次いで、設備関連事業、前払いサービス事業ですね。
スプリントとの相乗効果は高いですね。
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20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
まとめ:Tモバイル(TMUS)の決算は?

- 07年に上場した、3大通信キャリアの米国企業
- 業界4位のスプリントを買収し、3社が寡占化してる
- 買収したことで売上を伸ばすも、21年後半は停滞気味
- 低価格帯で提供するため、営業利益率は10%と低い
- 技術的には2社より遅れ、5G投資の先行投資は大きい
個人的には、Tモバイルは投資したい銘柄ではありません。
なぜならば、通信は成長が期待できない成熟産業で、低料金で提供することでシェアを拡大しているからです。大手2社からシェアを奪うことに成功しても、業界全体としては悪材料です。
21年4Qの売上成長率は2.2%と低く、足元の伸びは軟調です。
マイナス成長だったAT&T(T)やベライゾン(V)よりは良いが、収益性の低下は避けられないですね。低成長産業での高い成長率は魅力だが、22年2月時点の予想PER32倍と高いです。通信業界に投資する利点は、あまり大きいとは言えません。
業界3位のTモバイルが攻勢を仕掛けているため、業界地図は一変しています。最大手のAT&Tやベライゾンはメディ事業を売却し、競争力を高めていますね。連続増配33年で知られるAT&Tだが、21年にワーナー事業を売却し、減配すると予想されています。
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