中古車販売のECサイトを運営するブルームは、コロナで最も恩恵を受けた銘柄のひとつです。米国の中古車市況は好調だが、22年2Qの売上は前年比−37%、3Qは−62%に減速しています。
- 「コロナでEC売上が加速、前年比+136%で増えた…」
- 「ECはコロナで追い風、実店舗は経済再開で恩恵を受ける…」
- 「EC銘柄なのに株価は伸びず、今なら割安に購入できる…」
ブルームは、中古車をメインで販売するECサイトを運営する米国企業です。販売店など実店舗を経由せず、オンラインだけで完結できる利点があります。ただし、小会社が実店舗を経営しているため、EC以外の売上高も決算に計上されています。
個人的には、ブルームは投資したい銘柄ではありません。
なぜならば、営業利益と営業CFが大幅な赤字で、利益が出ないビジネスモデルだからです。大手自動車会社と提携してないブルームは、中古車の在庫不足や価格上昇というデメリットを受けます。また、実店舗も運営するブルームは、競合のカーバナよりも成長率が低いです。
売上高は好調だが、21年の営業利益率は−11%と赤字です。また、21年後半も米国の中古車市況は好調だったが、22年後半は急速に冷え込んでいます。
- ブルームの4半期決算(22年7-9月)は?
- ブルームの過去10年間の売上高や営業利益は?
- 21年の米国の経済再開後も、EC売上高は成長できるか?
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20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
記事の内容を簡単に知りたい
ブルーム(VRM)の四半期決算は?

ブルーム(VRM)の四半期決算を紹介します。
22年1Q決算(22年3月31日)
- 売上高:9.23億ドル(前年比+56%)◯
- Ecommerce:6.75億ドル(+59%)
- Wholesale:1.39億ドル(+18%)
- TDA:0.56億ドル(+18%)
- Retail Financing:0.47億ドル(+100%)
- 営業利益:−3.15億ドル(前年度−0.75億ドル)
- 純利益:−3.10億ドル(前年度−0.77億ドル)
- 1株当たり利益:−2.26ドル(前年度−0.57ドル)◯
22年2Q決算(22年6月30日)
- 売上高:4.75億ドル(前年比−37%)
- 営業利益:—億ドル(—%)
- 純利益:−1.15億ドル(−74%)
- 1株当たり利益:−0.73ドル(−52%)
22年3Q決算(22年9月30日)
- 売上高:3.40億ドル(前年比−62%)✖️
- Retail:2.34億ドル(−69%)
- Wholesale:0.47億ドル(−65%)
- Product:0.13億ドル(−50%)
- Financing:0.40億ドル(—%)
- 営業利益:−0.78億ドル(前年度−0.94億ドル)
- 純利益:−0.51億ドル(前年度−0.98億ドル)
- 1株当たり利益:−0.37ドル(前年度−0.72ドル)✖️
3Qの売上高は前年比−62%で3.40億ドル、営業利益は−0.78億ドルでした。22年1Qや2Qに続き、3Qの売上も急減しています。営業利益率も−22%まで低下しています。
ブルームはコロナの恩恵と損害の両方を受けています。
半導体不足やサプライチェーン混乱により、世界中で新車価格は高騰していますね。そのため、米国内の中古車の価格は右肩上がりで上昇しています。経済再開が進むも、同社のオンライン経由の売上は引き続き高いです。
ただし、22年後半は急速に売上が減速していますね。
22年4Q決算(22年12月…)
22年4Q決算は、23年2月8日に公開予定です。
では、売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?
ブルーム(VRM)の10年間の損益計算書は?

ブルームは20年6月に43ドルで上場しました。株価は横ばいか下落で伸び悩み、22年11月は1.0ドル前後で推移しています。
その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の決算書を見ると、中古車市況が上向いたことで21年に売上は拡大しています。しかし、売上は増えるも利益は改善できていないですね。21年の営業利益率は−11%と低いです。
その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)です。EPSは21年に黒字化に成功しています。
その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

過去10年間のフリーCF(営業CF−投資CF)は、毎年赤字幅拡大しています。売上は順調に拡大しているが、営業CFもマイナスですね。中古車の仕入れやマーケティング費用がネックになっているかもしれません。
では、私たちはどのように投資判断すれば良いのでしょうか?
ブルーム(VRM)の注目すべきポイントは?

ブルーム(VRM)に投資する上で注目すべきポイントを紹介します。ブルームは新車と中古車を販売するECサイトを運営する企業です。販売店など実店舗を経由せず、全てオンラインだけで完結できる事で注目を集めています。
注目1:中古車業界に占めるEC比率は0.9%だけ?
ブルームによる米国の中古車市場とEC売上高のシェアです。
米国で中古車市場は8410億ドルを超えるほど大きな市場です。食品販売が6830億ドル、新車販売が636億ドルと、他の業界と比較してもかなり大きいですよね。しかしながら、EC売上高に占める割合は0.9%だけです。
そのため、中古車のEC販売市場は伸び代が高い分野だと言えます。ブルームが主張する通り、米国の中古車市場は寡占企業がいない特殊な業界です。
注目2:業界最大手のCarMaxの市場シェアは2%だけ?
ブルームによる米国の中古車市場の市場シェアです。
ブルームによると、上位100社の販売店でも市場シェアは9%だけだと言います。対して、41%が上位100社以外の販売店が占め、残りの50%は個人による受け渡しです。
業界最大手のCarMaxでも2%のシェアだけです。中古車EC販売の競合であるカーバナ(CVNA)のシェアは0.5%、ブルームは0.1%にも満たない規模です。
では、米国の中古車市場はどれくらい成長しているのでしょうか?
注目3:中古車市場は年率7.1%で1531億ドルに拡大?
米国の中古車販売店の市場規模推移です。
21年の中古車販売店の市場規模は1531億ドルと推計されています。21年までは年率7.1%で拡大し、27年にはさらに成長すると言います。そのため、新興企業の多くが中古車市場を狙っていますね。ECは世界的なトレンドなので、中古車市場にも波及する可能性はあります。
しかしながら、個人的にはブルームは投資したい銘柄ではありません。なぜならば、競合企業であるカーバナの方が力強く成長しているからです。
注目4:競合カーバナの売上高は年率42%で拡大?
2015年からのカーバナの業績をまとめた資料です。
カーバナは平均して年率42%で売上高が拡大しています。また、販売台数は年率37%で24万台に増え、自動販売機は年率17%で27箇所に増えています。コロナ禍でもペースは落ちず、順調に売上高と販売台数を増やしています。
カーバナの方が業績良いのは、ブルームと違い実店舗がないからです。ブルームの決算書を見ると、子会社テキサスダイレクトオートの業績が悪化しています。
参考:カーバナ(CVNA)の四半期決算|中古車ECサイトで株価は10倍
▼▼2022年12月は資産が6000万円を超える▼▼

20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
まとめ:ブルーム(VRM)の四半期決算は?
- 20年6月に上場した、中古車ECを運営する米国企業
- 購入者はオンラインだけで完結でき、返品もできる
- EC経由の販売だけでなく、小会社は実店舗も経営している
- 20年4Q売上高は前年比+14%、EC事業は+43%
- 売上高は伸びているが、営業利益率は−13%に拡大した
- 米国の中古車市場は9千億ドルだが、寡占化企業がいない
- 大手CARMAXのシェアは2%、ブルームは0.1%だけ
個人的には、ブルームは投資したい銘柄ではありません。
なぜならば、営業利益と営業CFが大幅な赤字で、利益が出ないビジネスモデルだからです。大手自動車会社と提携してないブルームは、中古車の在庫不足や価格上昇というデメリットを受けます。また、実店舗も運営するブルームは、競合のカーバナよりも成長率が低いです。
売上高は好調だが、21年の営業利益率は−11%と赤字です。21年後半も米国の中古車市況は好調だが、積極的に投資したい銘柄ではないですね。
ECに特化しているカーバナの株価は、20年3月から10倍に高騰しています。
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