エンジン大手のカミンズは、コロナ後の景気回復で恩恵を受ける銘柄ですね。商用トラックや鉄道は経済再開で期待されるも、サプライ問題で不調です。22年4Qも23年1Qも売上成長率は、前年比+32%と好調です。
- 「コロナで急落するも、株価は1年で2倍に高騰してる…」
- 「顧客が影響を受けるも、20年後半には業績が急回復した…」
- 「ディーゼル排出規制もあり、PER12倍で割安水準にある…」
カミンズは、エンジン関連製品を製造する米国大手メーカーです。トラック向けエンジンは北米1位のシェアで36.7%を占めます。ただし、自動車メーカーにシェアを奪われてる上に、ディーゼルエンジンは世界的な環境規制に逆行します。近年は天然ガスエンジンを搭載するトラックなども開発しています。
個人的には、カミンズは投資したい銘柄ではありません。
なぜならば、環境規制に逆行する銘柄で、長期的に成長し続けるのは難しいからです。トラック向けはディーゼルエンジンが主流だが、将来的には電気や水素に移行する可能性もあります。好業績でもPERが低い理由は、近年のディーゼル排出規制によるものです。
23年5月時点の予想PERは12倍は割安です。
- カミンズの4半期決算(23年1-3月)は?
- カミンズの過去10年間の売上高や営業利益は?
- ディーゼル排出規制が強まるが、業績が好調な理由は?
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20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
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カミンズ(CMI)の四半期決算は?

カミンズ(CMI)の過去四半期の決算を紹介します。
22年4Q決算(22年12月30日)
- 売上高:77.70億ドル(+32%)
- 営業利益:—億ドル(—%)
- 純利益:6.31億ドル(+60%)
- 1株当たり利益:4.51ドル(+65%)
23年1Q決算(23年3月30日)
- 売上高:84.53億ドル(+32%)◯
- Components:35.57億ドル(+78%)
- Engine:29.86億ドル(+8.4%)
- Distribution:24.06億ドル(+13%)
- Power System:13.43億ドル(+15%)
- Accelera:0.85億ドル(+174%)
- 北米:+39%
- 海外:+24%
- 営業利益:10.26億ドル(+69%)
- 純利益:7.90億ドル(+88%)
- 1株当たり利益:5.55ドル(+90%)◯
23年2Q決算(23年6月30日)
- 売上高:86.38億ドル(+31%)◯
- Components:34.25億ドル(+75%)
- Engine:29.88億ドル(+7.6%)
- Distribution:25.95億ドル(+15%)
- Power System:14.57億ドル(+21%)
- Accelera:0.85億ドル(+102%)
- 北米:+31%
- 海外:+32%
- 営業利益:9.97億ドル(+11%)
- 純利益:7.20億ドル(+2%)
- 1株当たり利益:5.05ドル(+2%)◯
2Qの売上高は前年比+31%で86.38億ドル、営業利益は+11%で9.97億ドルでした。22年4Qや23年1Qに続き、2Qの売上も好調ですね。営業利益率は11.5%と悪くはないですね。
商用トラックや鉄道機関に使われるため、景気敏感株として知られてます。ディーゼルエンジンを製造するカミンズは、経済再開で期待される銘柄です。
同社CEOによると、海外を含むすべての地域で需要は強いと述べています。23年通期の売上成長率は、17.5%に引き上げています。
・第 2 四半期の収益は 86 億ドルを記録。 GAAP1 純利益は 7 億 2,000 万ドル
・第 2 四半期の EBITDA は売上高の 15.1% でした。・ 希薄化後 EPS は 5.05 ドル 第 2 四半期の業績には、Atmus Filtration Technologies Inc. の分離に関連する費用 2,300 万ドル、または希薄化後 1 株あたり 0.13 ドルが含まれています。
・同社は2023年通期の見通しを維持しており、売上高は15~20%増加、EBITDAは15.0~15.7%になると予想している。
第 2 四半期の売上高は 86 億ドルで、2022 年の同四半期と比べて 31% 増加しました。メリトールの追加とほとんどの世界市場での強い需要により、北米での売上高は 31% 増加し、海外での売上高は 32% 増加しました。
ジェニファー・ラムジー会長兼最高経営責任者(CEO)は「当社の主要な市場と地域のほとんどで強い需要があり、2023年第2四半期には記録的な収益と堅実な収益性をもたらした」と述べた。 「当社は、財務パフォーマンスをサイクルごとに改善し、株主に現金を還元し、世界中のお客様の成功を後押しする製品ポートフォリオの構築を継続するための投資に優先順位を付けることに取り組んでいます。 高品質の製品を確保し、顧客との関係を強化し、継続的なサプライチェーンの制約に対処することで、顧客のニーズに応え、強い需要レベルに対応するためにたゆまぬ努力を続けているカミンズの従業員に感謝したいと思います。」
第 2 四半期のカミンズに帰属する純利益は 7 億 200 万ドル、または希薄化後 1 株あたり 5.05 ドルでした。これに対し、2022 年の純利益は 7 億 200 万ドル、または希薄化後 1 株あたり 4.94 ドルでした。この結果には、アトマス社の分離に関連する費用 2,300 万ドル、または希薄化後 1 株あたり 0.13 ドルが含まれています。 2023 年の第 2 四半期には 2,900 万ドル (希薄化後 1 株あたり 0.16 ドル)、2022 年の第 2 四半期には 2,900 万ドル (希薄化後 1 株あたり 0.16 ドル) が含まれます。また、2022 年の第 2 四半期には、無期限の引当金の調整による利益として 4,700 万ドル (希薄化後 1 株あたり 0.33 ドル) が含まれています。 ロシアでの事業を停止します。 第 2 四半期の税率は、不利な個別税項目の 300 万ドル、または希薄化後 1 株あたり 0.02 ドルを含めて 22.3% でした。
第 2 四半期の利息・税・減価償却前利益 (EBITDA) は 13 億ドル (売上高の 15.1%) で、前年同期は 11 億ドル (売上高の 16.0%) でした。 2023年第2四半期のEBITDAにはアトムスの分離に関連する費用が含まれており、2022年第2四半期のEBITDAにはロシアでの無期限の事業停止に関連する引当金の放出と上記のアトムスの分離に関連する費用が含まれています。 第 2 四半期の EBITDA パーセンテージは主にメリトール社の希薄化影響により減少しました。メリター社の粗利益パーセンテージは現在当社の平均よりも低いです。
OUTLOOK:
現在の予測に基づいて、カミンズは、ほとんどの市場、特に北米での強い需要により、2023 年通年の収益見通しを 15 ~ 20% 増加するという見通しを維持しています。 EBITDA は依然として売上高の 15.0 ~ 15.7% の範囲にあると予想されます。
上記の見通しには、2023 年のメリター事業の予想業績が含まれています。この見通しは、2023 年全体にわたってアトマスが含まれることを前提としていますが、計画されている事業の分離に関連するコストや便益は除外されています。 コンポーネントセグメント内で、カミンズは、以前のガイダンスと一致して、2023年のメリット事業の収益が47億ドルから49億ドル、EBITDAが売上高の10.3%から11.0%の範囲になると予想しています。
当社は引き続き強力な営業キャッシュフローと株主利益を生み出す計画であり、営業キャッシュフローの50%を株主に還元するという長期戦略目標に全力で取り組んでいます。 短期的には、収益性の高い成長のための再投資、増配、負債の削減に注力していきます。
「需要は2023年まで堅調に続くと見ており、収益と収益性に関するガイダンスを維持しながら、引き続き世界経済指標を注意深く監視していきます。 経済の勢いが鈍化しても、カミンズは将来の成長への投資を継続し、Destination Zero戦略を推進する中で顧客に新技術を提供し、株主に現金を還元する強力な立場を維持するだろう」とラムジー氏は述べた。
23年3Q決算(23年9月…)
23年3Q決算は、11月4日に公開予定です。
では、売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか
カミンズ(CMI)の10年の損益計算書は?

カミンズは1973年に5ドルで上場しました。株価は順調に上昇し、常に最高値を更新し続ける銘柄です。20年3月は116ドルまで急落するも、23年8月は242ドル前後で推移しています。
その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の決算書を見ると、売上高は緩やかに上昇しています。20年はコロナ禍で大きく減速するも、後半には回復し始めています。営業利率も10%前後で安定していますね。ディーゼル排出規制がありながらも、業績は好調だと言えます。
その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)です。BPSもEPSも順調に上昇していますね。景気動向に影響を受ける景気敏感株です。10年で24%の自社株買を行い、配当金も4倍に増えています。
その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

過去10年間のフリーCF(営業CF−投資CF)は、順調に上昇しています。エンジンを開発する製造業であるため、設備投資は少なくないビジネスですね。しかしながら、十分に営業CFを稼いでいるため、比較的に安定したビジネスだと言えます。
環境に逆行するビジネスで、新規参入者が少ないと予想できます。では、私たち投資家はどのように投資判断したら良いのでしょうか?
カミンズ(CMI)の注目すべきポイントは?

カミンズ(CMI)の注目すべきポイントを紹介します。カミンズは、エンジン関連製品を製造する米国大手メーカーです。トラック向けエンジンは北米1位のシェアで36.7%を占めます。ただし、ディーゼルエンジンは世界的な環境規制に逆行します。
注目1:北米最大のトラックエンジンのシェアで36.7%?
15年時点の北米でトラックに搭載されてるエンジンのシェアです。
カミンズのトラックエンジンのシェアは36.7%で1位です。2位はドイツのダイムラーで27.7%、3位はスウェーデンのボルボで11.7%、4位は米国のパッカー(PCAR)、と続きます。2-4位は自動車会社がランクインしていますね。
1位のカミンズは、2位以下の自動車会社にシェアを奪われていますね。
カミンズはエンジンを開発するが、自社でも最終形態のトラックの販売もしています。そのため、エンジンを供給している顧客が競合企業でもあります。15年のエンジンシェアを見ると、自動車のOEM(純製品の製造業者)にシェアを奪われてる事が分かります。
では、カミンズの売上構成はどうなっているでしょうか?
注目2:エンジンの売上比率が32%と最も高い?
21年1Q時点のカミンズの売上構成比率です。
売上比率が最も大きいのはエンジンで32%を占めます。次いで多いのが、完成品を販売するSistribution事業で28%、エンジン部品を販売するComponents事業が26%、家庭用発電機などのパワーシステム事業が14%です。
カミンズはディーゼル向けのエンジンをトラックメーカーに販売しています。また、自社製品のトラックなどの完成品も製造しています。
では、地域別の売上高はどうでしょうか?
注目3:地域別の売上比率は北米市場が56%と高い?
カミンズの地域別の売上構成比です。
カミンズは北米の売上比率が56%と最も高いです。次いで、中国が16%、欧州が11%、アジア太平洋が6%と積極的に海外にも進出しています。カミンズが売上高を増やすには、中国やアジア市場が重要になりそうですね。
ただし、環境規制の問題もあり、将来どう動くかを予想するのは難しいです。
▼▼2022年12月は資産が6000万円を超える▼▼

20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
まとめ:カミンズ(CMI)の四半期決算は?

- 73年に上場した、エンジン製造する米国大手メーカー
- トラック向けエンジンで、北米1位でシェアは36.7%
- 売上高はコロナで急落するも、20年後半に回復する
- 営業利益率は10%前後、製造業の中ではとりわけ高い
- ディーゼル排出規制もあり、将来的には業績は低迷するかも
個人的には、カミンズは投資したい銘柄ではありません。
なぜならば、環境規制に逆行する銘柄で、長期的に成長し続けるのは難しいからです。トラック向けはディーゼルエンジンが主流だが、将来的には電気や水素に移行する可能性もあります。好業績でもPERが低い理由は、近年のディーゼル排出規制によるものです。
長期的には、どちらに動くか予想するのは難しいですね。
経済再開後は成長が期待されるも、サプライ問題で業績は上向いていません。21年4Qは前年比+0.3%まで後退、特に売上比率が5割を超える北米市場で不調です。22年は中国以外の全地域で売上が上向くとしています。
22年2月時点の予想PERは12倍は割安だと思います。
商用トラックや鉄道機関で利用されるディーゼルエンジンは、景気敏感株として知られます。景気敏感株の動向は、今後の米国経済の動向を見る上で重要な銘柄ですね。農業機械を製造するディーア(DE)も景気敏感株として知られます。
ディーアも20年後半に業績が反転し、営業利益は+187%に加速しています。
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