バイデン政権が誕生し、21年はクリーンエネルギーのブームになりそうです。環境銘柄の先駆者はテスラで、20年3月から株価は1年で10倍にも急騰しています。23年7月時点での予想PER74倍は割高なのでしょうか?
- 「環境銘柄の先駆者で、1年で株価が10倍に高騰した…」
- 「21年10月でPER456倍だが、成長率はまだ高い…」
- 「EUでガソリン車が廃止など、EV車には追い風が吹く…」
テスラは、電気自動車を製造する米国メーカーです。地域別売上高は米国が5割、中国が2割、その他が3割を占めます。21年の中国のEV市場は好調で、販売台数は前年比3.7倍で短期的には米国に匹敵する規模まで伸びています。
個人的には、テスラは投資したい銘柄ではありません。
なぜならば、売上は順調に拡大するも、PERが割高で期待値が高いからです。22年4月時点でPERは199倍まで低下するも、依然として高いです。ただ、23年4月の予想PERは47倍と、以前ほどは割高ではないですね。
23年は値下げにより、営業利益率は11%に低下しています。
長期的には、懸念材料の方が大きいです。急拡大している中国市場では、ニオやシャオペンなどの新興企業が勢いよく伸びています。また、欧州や米国では、大手自動車メーカーもEVの開発に着手しています。EVは差別化が難しく、最終的にはブランド力に依存します。
23年7月時点ではもう割高でないが、競争激化を考えると欲しい銘柄ではありません。実際に、中国と欧州のシェアは伸び悩み始めています。
- テスラの4半期決算(23年4-6月)は?
- テスラの過去10年間の売上高や営業利益は?
- 23年4月時点のPER47倍は、割高なのか?
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20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
記事の内容を簡単に知りたい
テスラ(TSLA)の四半期決算は?

テスラ(TSLA)の四半期の決算を紹介します。
22年4Q決算(22年12月30日)
- 売上高:243.18億ドル(前年比+37%)
- 営業利益:39.01億ドル(+49%)
- 純利益:36.87億ドル(+58%)
- 一株利益:1.19ドル(+40%)
23年1Q決算(23年3月30日)
- 売上高:233.29億ドル(前年比+24%)✖️
- Automotive:199.63億ドル(+18%)
- Energy generation:15.29億ドル(+148%)
- Services and other:18.37億ドル(+44%)
- 営業利益:26.64億ドル(−26%)
- 純利益:25.13億ドル(−24%)
- 一株利益:0.73ドル(−23%)×
23年2Q決算(23年6月30日)
- 売上高:249.27億ドル(前年比+47%)○
- Automotive:212.68億ドル(+46%)
- Energy generation:15.09億ドル(+74%)
- Services and other:21.50億ドル(+47%)
- 営業利益:23.99億ドル(−3%)
- 純利益:27.03億ドル(+20%)
- 一株利益:0.78ドル(+20%)○
2Qの売上高は前年比+47%で249.27億ドル、営業利益は−3%で23.99億ドルでした。22年4Qや23年1Qと比較して、2Qの売上は加速しています。営業利益率は9.6%まで低下しています。
自動車生産台数は47.97万台(前年比+86%)、納車数は46.61万台(+83%)と好調です。テキサス州のオースティン工場にて、モデルYに続きサイバートラックも生産するとしています。また、上海での新しい工場も計画しています。
需要減少を補うために、テスラは大幅に値下げてしていますね。原材料や人件費が高騰する中での値引きは悪材料ですね。
2023 年第 2 四半期は、多くのレベルで記録的な四半期となり、当社の過去最高の生産と納品が達成され、単一四半期での収益は 250 億ドルに近づきました。 私たちが現在置かれているマクロ経済環境を考慮すると、このような結果を達成できたことに興奮しています。
第 1 四半期と第 2 四半期初めに値下げを行ったにもかかわらず、当社の営業利益率は約 10% と健全な水準を維持しました。 これは、当社の継続的なコスト削減努力、ベルリンとテキサスでの継続的な生産増加の成功、および当社のエネルギーおよびサービスおよびその他の事業の好調な業績を反映しています。
AI 開発の最前線に立つという当社の取り組みは、Dojo トレーニング コンピューターの生産開始により新たな章に入りました。 私たちは、社内で設計された Dojo ハードウェアを使用して、ニューラル ネット トレーニングの膨大なニーズが満たされることを期待しています。 ニューラル ネットのトレーニング能力が向上すると、オートパイロット チームが新しいソリューションを反復する機会が増えます。
結論として、当社はコスト削減、将来の成長を可能にする新製品開発、研究開発への投資、より良い車両融資オプション、継続的な製品改善、フリーキャッシュフローの創出に重点を置いています。 この不確実な時代の課題はまだ終わっていませんが、私たちはさまざまな可能性の高いプロジェクトを通じて、ビジネスの長期的な成功に向けた適切な要素を備えていると信じています。
23年3Q決算(22年9月…)
23年3Q決算は、10月20日に公開予定です。
では、売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?
テスラ(TSLA)の10年間の損益計算書は?

テスラは2010年に3.9ドルで上場しています。株価は19年後半から大きく上昇し、21年1月に最高値850ドルを付けていますね。23年7月は262ドル前後で推移しています。
その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年の決算書を見ると、売上は順調に拡大しています。21年の売上高は359億ドルで、過去10年で176倍です。しかし、利益は伸びておらず、21年の営業利益率は6.1%と低いですね。
その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)です。20年にBPSは大きく上昇し、EPSは20年に黒字化していますね。BPSが大きく上昇した要因は、BTC価格が急騰したからですね。
その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

過去10年間のフリーCF (営業CF−投資CF)は、順調に拡大しています。投資CFが拡大しているが、営業CFも18年から大きく上昇しています。投資CFが拡大してるのは、ベルリン、テキサスにギガファクトリーを建設してるからです。
では、私たち投資家はどのような点に注目すれば良いのでしょうか?
テスラ(TSLA)の注目すべきポイントは?

テスラに投資するか決める上では、何に注目して判断すれば良いのでしょうか。
注目1:北米が売上比率の5割、中国が2割を占める?
テスラの地域別の売上高の推移です。
20年の売上比率が最も大きい地域は、北米で5割を占めます。次いで、中国が2割、その他の地域が3割と続きますね。ただ、テスラは地域別の販売台数を公表していません。調査会社によると、21年1Qの中国の販売台数は3.7倍で、米国とほぼ並んだと言います。
急拡大してる中国市場では、テスラ以外にもEVメーカーが乱立しています。
注目2:中国国内でテスラは売上比率51%を占める?
20年1Q時点の中国のEVメーカーの市場シェアです。
中国で最も売れているEVメーカーは、テスラで51%を占めています。しかし、中国企業の勢いも強く、ニオ(NIO)が16%、LEADING IDEALが11%、XioaPengが6%と追随していますね。
21年3月のニオの売上高は、前年比+481%で拡大しています。
参考:ニオの四半期決算|20年3Qは前年比+146%でも割高な理由は?
では、世界的にEVはどれくらい売れているのでしょうか?
注目3:欧州EV市場が前年比+137%で中国を抜く?
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参考:Global Plug-in Vehicle Sales Reached over 3,2 Million in 2020
EV車の地域別の売上高の推移です。
19年時点のEV比率は2.5%、中国がEV市場の牽引役でした。しかし、20年は欧州が中国市場を越えて急成長しています。欧州はEU国境炭素税を導入し、26年までにガソリン車を禁止するとしています(参考:EU国境炭素税)。
欧州がEV車にこだわる理由は、ガソリン車の競争で米国と日本に負けたからですね。15年にフォルクスワーゲン社の排出ガス問題があり、欧州はEV車に方向転換しています。
20年の欧州の販売台数は、前年比+137%で中国を超えました。

では、国別ではどれだけEVは普及しているのでしょうか?
注目4:ノルウェーの販売台数のEV比率は49%?
18年時点の国別の販売台数におけるEV比率です。
EVが最も普及してるのは、ノルウェーで販売台数の49%をEVが占めます。次いで、アイスランドが19%、スェーデンが8%と北欧勢が続きます。世界最大のEV市場である中国の比率は4.4%、米国は2.1%しかないですね。
ただし、中国の販売台数は105万台、米国が36万台、ノルウェーが7.3万台です。EVが普及してる国に共通してるのは、政府からの手厚い補助金があることです。中国は21年もEVの補助金を延長しています。

補助金なしで成長できるほど、EVは競争力が高い訳ではないですね。ただし、世界的には欧州や中国を中心に、今後もEV車は増えていく事が予想できますね。
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20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
まとめ:テスラ(TSLA)の四半期決算は?

- 売上高が2桁成長を続けるも、黒字化したのは2019年
- テスラは、世界販売台数でトップ10位に入らない
- 販売台数の規模は、VWやトヨタの17分の1しかない
- EV市場に絞ると、テスラの販売台数は世界1位になる
- EV市場では、2020年時点でテスラの競合社はいない
- EV市場が大きい国は、補助金や税優遇制度で守られている
- 営業利益率が5%未満で、アップルと比較して優位性は低い
個人的には、テスラは投資したい銘柄ではありません。
なぜならば、売上は順調に拡大するも、PERが割高で期待値が高いからです。22年4月時点でPERは199倍まで低下するも、依然として高いです。ただ、利益率は好調で予想PERは96倍と順調に低下しています。
短期的には、まだまだ業績好調は続きそうですね。22年1Qは前年比+81%に再加速し、営業利益率も19%と自動車業界では特出して高い数値です。
ただ、長期的に見ると懸念材料もあります。急拡大している中国市場では、ニオやシャオペンなどの新興企業が勢いよく伸びています。また、欧州や米国では、大手自動車メーカーもEVの開発に着手しています。
EVは差別化が難しく、最終的にはブランド力に依存します。個人的には、すでに期待値が高い銘柄には投資したくはありません。株価上昇余地はまだまだ高いが、予想PERが96倍は気持ちよく購入できる価格ではないです。
業績に期待はしているが、引き続き買いではありません。
テスラは急拡大する中国市場で販売高を増やしています。そのため、テスラの最大のライバルは、前年比+481%で急拡大するニオです。大手自動車メーカーが、本格的にEV市場に参入するのはまだ先になりそうです。
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