バイデン政権が誕生し、21年はクリーンエネルギーのブームになりそうです。環境銘柄の先駆者はテスラで、20年3月から株価は1年で10倍にも急騰しています。22年10月時点での予想PER37倍は割高なのでしょうか?
- 「環境銘柄の先駆者で、1年で株価が10倍に高騰した…」
- 「21年10月でPER456倍だが、成長率はまだ高い…」
- 「EUでガソリン車が廃止など、EV車には追い風が吹く…」
テスラは、電気自動車を製造する米国メーカーです。地域別売上高は米国が5割、中国が2割、その他が3割を占めます。21年の中国のEV市場は好調で、販売台数は前年比3.7倍で短期的には米国に匹敵する規模まで伸びています。
個人的には、テスラは投資したい銘柄ではありません。
なぜならば、売上は順調に拡大するも、PERが割高で期待値が高いからです。22年4月時点でPERは199倍まで低下するも、依然として高いです。ただ、10月の予想PERは37倍と、現在の株価水準は割高ではありません。
短期的には、まだまだ業績好調は続きそうですね。22年3Qは前年比+56%と引き続き高い成長率です。また、営業利益率も17%と自動車業界では特出して高い数値です。
ただ、長期的に見ると懸念材料もあります。急拡大している中国市場では、ニオやシャオペンなどの新興企業が勢いよく伸びています。また、欧州や米国では、大手自動車メーカーもEVの開発に着手しています。EVは差別化が難しく、最終的にはブランド力に依存します。
22年10月時点ではもう割高でないが、競争激化を考えると欲しい銘柄ではありません。実際に、中国と欧州のシェアは伸び悩み始めています。
- テスラの4半期決算(22年6-9月)は?
- テスラの過去10年間の売上高や営業利益は?
- 22年10月時点のPER37倍は、割高なのか?
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20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
記事の内容を簡単に知りたい
テスラ(TSLA)の四半期決算は?

テスラ(TSLA)の四半期の決算を紹介します。
22年1Q決算(22年3月31日)
- 売上高:187.56億ドル(前年比+81%)◯
- Automotive:168.61億ドル(+87%)
- Energy generation:6.16億ドル(+24%)
- Services and other:12.79億ドル(+43%)
- 営業利益:36.03億ドル(+507%)
- 純利益:37.36億ドル(+255%)
- 一株利益:3.22ドル(+246%)○
22年2Q決算(22年6月30日)
- 売上高:169.34億ドル(前年比+41%)
- 営業利益:—億ドル(—%)
- 純利益:22.59億ドル(+97%)
- 一株利益:0.76ドル(+56%)
22年3Q決算(22年9月30日)
- 売上高:214.54億ドル(前年比+56%)✖️
- Automotive:186.92億ドル(+55%)
- Energy generation:11.17億ドル(+38%)
- Services and other:16.45億ドル(+84%)
- 営業利益:36.28億ドル(+84%)
- 純利益:32.92億ドル(+100%)
- 一株利益:0.95ドル(+98%)○
3Qの売上高は前年比+56%で214.54億ドル、営業利益は+84%で36.28億ドルでした。22年1Qや2Qに続き、3Qも高い売上成長率ですね。営業利益率は17.2%と過去最高水準です。
自動車生産台数は前年比+54%、予想を下回るも悪くはない。テキサス州のオースティン工場にて、モデルYに続きサイバートラックも生産するとしています。
原材料高騰やドル高、物流の問題はあるも業績は好調ですね。
22年4Q決算(22年12月…)
22年4Q決算は、23年1月20日に公開予定です。
では、売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?
テスラ(TSLA)の10年間の損益計算書は?

テスラは2010年に3.9ドルで上場しています。株価は19年後半から大きく上昇し、21年1月に最高値850ドルを付けていますね。22年11月は222ドル前後で推移しています。
その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年の決算書を見ると、売上は順調に拡大しています。21年の売上高は359億ドルで、過去10年で176倍です。しかし、利益は伸びておらず、21年の営業利益率は6.1%と低いですね。
その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)です。20年にBPSは大きく上昇し、EPSは20年に黒字化していますね。BPSが大きく上昇した要因は、BTC価格が急騰したからですね。
その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

過去10年間のフリーCF (営業CF−投資CF)は、順調に拡大しています。投資CFが拡大しているが、営業CFも18年から大きく上昇しています。投資CFが拡大してるのは、ベルリン、テキサスにギガファクトリーを建設してるからです。
では、私たち投資家はどのような点に注目すれば良いのでしょうか?
テスラ(TSLA)の注目すべきポイントは?

テスラに投資するか決める上では、何に注目して判断すれば良いのでしょうか。
注目1:北米が売上比率の5割、中国が2割を占める?
テスラの地域別の売上高の推移です。
20年の売上比率が最も大きい地域は、北米で5割を占めます。次いで、中国が2割、その他の地域が3割と続きますね。ただ、テスラは地域別の販売台数を公表していません。調査会社によると、21年1Qの中国の販売台数は3.7倍で、米国とほぼ並んだと言います。
急拡大してる中国市場では、テスラ以外にもEVメーカーが乱立しています。
注目2:中国国内でテスラは売上比率51%を占める?
20年1Q時点の中国のEVメーカーの市場シェアです。
中国で最も売れているEVメーカーは、テスラで51%を占めています。しかし、中国企業の勢いも強く、ニオ(NIO)が16%、LEADING IDEALが11%、XioaPengが6%と追随していますね。
21年3月のニオの売上高は、前年比+481%で拡大しています。
参考:ニオの四半期決算|20年3Qは前年比+146%でも割高な理由は?
では、世界的にEVはどれくらい売れているのでしょうか?
注目3:欧州EV市場が前年比+137%で中国を抜く?
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参考:Global Plug-in Vehicle Sales Reached over 3,2 Million in 2020
EV車の地域別の売上高の推移です。
19年時点のEV比率は2.5%、中国がEV市場の牽引役でした。しかし、20年は欧州が中国市場を越えて急成長しています。欧州はEU国境炭素税を導入し、26年までにガソリン車を禁止するとしています(参考:EU国境炭素税)。
欧州がEV車にこだわる理由は、ガソリン車の競争で米国と日本に負けたからですね。15年にフォルクスワーゲン社の排出ガス問題があり、欧州はEV車に方向転換しています。
20年の欧州の販売台数は、前年比+137%で中国を超えました。

では、国別ではどれだけEVは普及しているのでしょうか?
注目4:ノルウェーの販売台数のEV比率は49%?
18年時点の国別の販売台数におけるEV比率です。
EVが最も普及してるのは、ノルウェーで販売台数の49%をEVが占めます。次いで、アイスランドが19%、スェーデンが8%と北欧勢が続きます。世界最大のEV市場である中国の比率は4.4%、米国は2.1%しかないですね。
ただし、中国の販売台数は105万台、米国が36万台、ノルウェーが7.3万台です。EVが普及してる国に共通してるのは、政府からの手厚い補助金があることです。中国は21年もEVの補助金を延長しています。

補助金なしで成長できるほど、EVは競争力が高い訳ではないですね。ただし、世界的には欧州や中国を中心に、今後もEV車は増えていく事が予想できますね。
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20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
まとめ:テスラ(TSLA)の四半期決算は?

- 売上高が2桁成長を続けるも、黒字化したのは2019年
- テスラは、世界販売台数でトップ10位に入らない
- 販売台数の規模は、VWやトヨタの17分の1しかない
- EV市場に絞ると、テスラの販売台数は世界1位になる
- EV市場では、2020年時点でテスラの競合社はいない
- EV市場が大きい国は、補助金や税優遇制度で守られている
- 営業利益率が5%未満で、アップルと比較して優位性は低い
個人的には、テスラは投資したい銘柄ではありません。
なぜならば、売上は順調に拡大するも、PERが割高で期待値が高いからです。22年4月時点でPERは199倍まで低下するも、依然として高いです。ただ、利益率は好調で予想PERは96倍と順調に低下しています。
短期的には、まだまだ業績好調は続きそうですね。22年1Qは前年比+81%に再加速し、営業利益率も19%と自動車業界では特出して高い数値です。
ただ、長期的に見ると懸念材料もあります。急拡大している中国市場では、ニオやシャオペンなどの新興企業が勢いよく伸びています。また、欧州や米国では、大手自動車メーカーもEVの開発に着手しています。
EVは差別化が難しく、最終的にはブランド力に依存します。個人的には、すでに期待値が高い銘柄には投資したくはありません。株価上昇余地はまだまだ高いが、予想PERが96倍は気持ちよく購入できる価格ではないです。
業績に期待はしているが、引き続き買いではありません。
テスラは急拡大する中国市場で販売高を増やしています。そのため、テスラの最大のライバルは、前年比+481%で急拡大するニオです。大手自動車メーカーが、本格的にEV市場に参入するのはまだ先になりそうです。
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