コロナによる原油やガス価格の暴落で、エネルギー株に投資する人が増えています。欧州や中国の電力問題で、21年後半に原油や天然ガス市況が上向いています。22年2Qの売上は前年比+54%、3Qは+39%に減速しています。
- 「世界各国の経済活動再開で、シェール株は必ず利益を得られる…」
- 「破綻するシェール株もあるが、原油が上昇すれば大きく儲けられる…」
- 「PER2.6倍と割安で、安全にバリュー株投資ができるはず…」
ペトロブラスは、1954年に創業したブラジルを拠点とするエネルギー企業です。ブラジル政府が支配権を持ち、海洋油田での石油生産や精製を行います。原油が80%を占め、生産量は日量220万バレルです。ブラジルは世界8位の原油生産国であり、11位の輸出大国ですね。
ペトロブレスは、投資したい銘柄のひとつです。
なぜならば、石炭や天然ガスと比較して原油は安く、22年も市況は好調だと思うからです。気候変動や環境対策で先進国が原油生産を抑制するならば、ブラジルの原油企業は利益を得られますね。また、同社は精製の割合も高く業績は安定しています。
22年度の営業利益率は41%と急速に業績を回復しています。
ただ、22年の原油市況は供給過剰だと予想する専門家も多いです。また、原油価格が高止まりするならば、米国のシェール企業も生産を増やす可能性もあります。海洋油田は採算性が低く、コスト競争力で米国シェールに勝てません。
同社に投資する際には、原油市況に注視する必要がありますね。22年11月の予想PERは3.9倍と十分に割安で投資すべきだと思います。
- PBR株の4半期決算(22年7-9月)は?
- PBR株の過去10年間の売上高や営業利益は?
- シェール革命ブーム後もで、PBR株に投資できる理由は?
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20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
記事の内容を簡単に知りたい
ペトロブラス(PBR)四半期決算は?

ペトロブラス(PBR)の四半期決算を紹介します。
22年3Q決算(22年9月30日)
- 売上高:324.11億ドル(前年比+39%)
- Diesel:116.85億ドル(+71%)
- Gasoline:41.09億ドル(+21%)
- Liquefied petroleum gas:13.55億ドル(+5%)
- Jet fuel:15.34億ドル(+143%)
- Naphtha:6.29億ドル(+19%)
- Fuel oil:3.81億ドル(−30%)
- Other oil:14.84億ドル(+24%)
- 国内:258.11億ドル(+47%)
- 海外:66.00億ドル(+14%)
- 営業利益:141.70億ドル(+14%)
- 純利益:87.90億ドル(+47%)
- 1株当たり利益:—ドル(—%)
22年4Q決算(22年12月30日)
- 売上高:2189億レアル(前年比+24%)
- 営業利益:—億ドル(—%)
- 純利益:433億レアル(+47%)
- 1株当たり利益:1.26レアル(+76%)
23年1Q決算(23年3月30日)
- 売上高:267.11億ドル(前年比−1.5%)
- Diesel:83.05億ドル(+11%)
- Gasoline:36.94億ドル(−0.8%)
- Liquefied petroleum gas:9.29億ドル(−21%)
- Jet fuel:14.06億ドル(+41%)
- Naphtha:4.78億ドル(−21%)
- Fuel oil:2.86億ドル(−21%)
- Other oil:10.84億ドル(−14%)
- 国内:196.53億ドル(−0.8%)
- 海外:71.18億ドル(−3.4%)
- 営業利益:115.53億ドル(−6%)
- 純利益:73.70億ドル(−14%)
- 1株当たり利益:—ドル(—%)
1Qの売上高は前年比−1.5%で267.11億ドル、営業利益は−6%で115.53億ドルでした。23年3Qや4Qと比較して、売上は減速しています。営業利益率は43%と過去10年で最も高い数値です。
ブラジル最大の海洋油田で、石油の生産と製油所を運営する総合型のエネルギー企業です。原油生産が全体の83%を占めます。
23年1Qの配当は1.13ドル、年間配当利回りは39%前後です。
• 経常EBITDAは143億ドルで、ペトロブラス史上4番目に高い
• 純負債/調整後EBITDA比率は0.58倍で、2010年以来最高の成績
• 総債務水準は2010年以来最低となり、533億米ドルに達した
• 一貫した営業キャッシュの創出、営業キャッシュフローは103億米ドルに達する
• 626億レアルの納税による社会への還元
• 2023 年 2 月のプレソルトの月間生産記録は 213 万ボド生産でした。プレソルトの生産は、同四半期のペトロブラスの総生産量の 77% を占めました)
• マルリムの新しいプラットフォーム: FPSO Anna Nery は 2023 年 5 月に稼働開始、FPSO Anita Garibaldi はすでに稼働中
• ブジオスフィールドの 5 番目のユニット – FPSO アルミランテ バローゾはすでに設置されており、2023 年第 2 四半期に操業を開始する予定です。
• プレソルトでの記録的な生産量:FPSOグアナバラ(メロ油田)、2023年2月の平均石油生産量は日量179百万バレル
• ディーゼル、ガソリン、QAV が総生産量の 67% に達する高い精製収率
• 持続可能な製品:REPAR でのディーゼル R の認証、新しいプレミアムガソリンの発売、国内市場での硫黄含有量が最大 1% の燃料油のみの商品化、超低硫黄船舶用軽油の商品化の開始。
CFOメッセージ
CEO ジャン・ポール・プラテスからのメッセージ
私たちの管理下にあるペトロブラスの最初の四半期業績を皆さんと共有できることを非常に誇りに思います。 1月に私がCEOに就任して以来、私はペトロブラスがより効率的で財務的に健全で包括的な企業となり、人々が意思決定の焦点であり最優先事項となるよう取り組んできました。 今日、私たちが一連の進歩と記録を記録しているとすれば、それはひとえに従業員が技術的な専門知識を結果に変えることに成功したからです。 私たちは、ペトロブラスの従業員一人ひとりが、私たちの共同使命の中で、人生への取り組み、卓越性の絶え間ない探求の誇り、そしてブラジルにこれまで以上の価値を生み出すという挑戦を理解してもらうことを目指しています。
当社の財務結果は、当社の優れた経営成績を反映しています。 プレソルトは引き続き当社の収益と営業キャッシュフローの原動力であり、現在では当社の総生産量の 77% を占めています。 2月、プレソルトは、高い井戸生産性と、高効率と低炭素強度を組み合わせた最先端技術の利用のおかげで、日量石油換算213万バレルという新月産生産記録を達成した。 当社は、ますます効率性を高め、排出量を削減しながら生産を拡大しています。
私たちは 5 月に、カンポス盆地で最新のプラットフォームである FPSO Anna Nery を立ち上げました。 さらに、2 つの追加プラットフォームが生産準備が整っています。1 つはブジオスフィールドのアルミランテ バローゾ、もう 1 つは現在マルリムフィールドで係留中のアニタ ガリバルディです。 さらに、他の 13 のプラットフォームが 2027 年までに生産を開始する予定です。
当社は、より効率的で持続可能な製品と燃料の開発に取り組んでいます。 当社は再生可能成分を含む 580 万リットルのディーゼルを生産し、約 610 トンの CO2 に相当する排出量削減を実現しました。 そして、この第 1 四半期には、硫黄含有量が低い S-10 ディーゼルの売上高が記録的な数字に達し、ペトロブラスのディーゼル総売上高の 63% を占め、2022 年第 4 四半期の記録を上回りました。
私たちはより持続可能な未来に向けて準備を進めています。 そこで、当社はエネルギー移行と持続可能性担当の事務局長を創設し、再生可能エネルギーに焦点を当てた新しいプロジェクトを一緒に分析するためにエクイノール、シェル、その他の企業とパートナーシップを締結しました。
23年2Q決算(23年6月…)
23年2Q決算は、8月12日に公開予定です。
では、売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?
ペトロブラス(PBR)の損益計算書は?

ペトロブラスは01年に7.1ドルで上場しました。08年に最高値の72ドルをつけるも、その後は長く低迷していますね。20年4月は5.6ドルまで下落するも、23年5月は11.3ドルで推移しています。
その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の決算書を見ると、14年の原油暴落やシェール革命を経て売上は減少していますね。21年に原油市況が急回復したことで、売上と利益は上向いています。21年の営業利益率は39%と過去最高に高いですね。
その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)です。BPSは縮小傾向にあり、EPSも赤字が多いですね。
その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

過去10年間のフリーCF(営業CF−投資CF)は、順調に拡大しています。ただ、設備投資は縮小傾向にあり、営業CFもあまり伸びていないですね。全体的に事業を縮小しているように見えます。
では、私たちはどのように投資判断すればいいのでしょうか?
ペトロブラス(PBR)の注目ポイントは?

ペトロブラスに投資する上で注目すべきポイントを紹介します。
注目1:原油価格は21年11月に80ドルまで回復?
過去5年間の原油価格の推移です。
20年3月のコロナ危機で20ドルまで暴落しています。しかし、世界的に経済再開が進む過程で、原油価格は持ち直していますね。需給は引き続きタイトであり、22年には100ドルに到達する可能性もあります。
注目2:米国は45年ぶりに世界最大の産油国になった?
米国は2018年に世界最大の産油国になりました。
1日当たりの石油生産量は、2013年にサウジアラビアやロシアを抜いています。2018年の年間平均生産量は1095万BDとなり、45年ぶりに世界1位の産油国です。2019年も勢いは止まらず、生産量は増加を続けています。
生産量が急増した理由は、2010年代に始まったシェール革命の影響が大きいです。シェール層から天然ガスを取り出す技術は、石油にも応用する事で生産量を増やしています。
また、天然ガスの生産量は、米国とロシアが中東諸国の4倍以上の生産量があります。シェール革命で天然ガスの生産量が増え続けている米国は、世界2位のロシアとも差を広げつつあります。
意外と知られてない事実だが、米国はすでに世界4番手の天然ガス輸出大国です。米国内で余った天然ガスは、液体化(LNG)して海外に輸出しています。
注目3:22年Q2にコロナ以前の水準まで回復する?
21年以降の原油の供給と需要予測です。世界の原油消費量(緑色)を見ると、22年2Qにはコロナ以前の水準まで回復する見込みです。
▼▼2022年12月は資産が6000万円を超える▼▼

20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
まとめ:ペトロブラス(PBR)の四半期決算は?

- 1954年に創業、ブラジルの総合エネルギー企業である
- ブラジル政府が支配権を持ち、原油生産と精製を行う
- 海上油田で原油が8割を占める、海上は採算性が低い
- シェール革命により、売上高は右肩下がりで下落する
- 石油精製を行うことで、他の原油企業より利益率は高い
- 21年に原油市況が上向き、営業利益率は39%まで上昇
ペトロブレスは、投資したい銘柄のひとつです。
なぜならば、石炭や天然ガスと比較して原油は安く、22年も市況は好調だと思うからです。気候変動や環境対策で先進国が原油生産を抑制するならば、ブラジルの原油企業は利益を得られますね。また、同社は精製の割合も高く業績は安定しています。
21年度の営業利益率は39%と急速に業績を回復しています。
ただ、21年の原油市況は供給過剰だと予想する専門家も多いです。また、原油価格が高止まりするならば、米国のシェール企業も生産を増やす可能性もあります。海洋油田は採算性が低く、コスト競争力で米国シェールに勝てません。
同社に投資する際には、原油市況に注視する必要があります。
EOGリソーシズも収益性が高いシェール企業です。21年2Qは前年比+240%で拡大し、営業利益率は29%と過去最高に高いですね。米国シェール企業が増産するならば、海上油田の業績は再び下落しますね。
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