太陽発電モジュールのファースト・ソーラーは、環境政策で最も恩恵を受ける銘柄です。経済再開後は停滞するも、商品高騰もあり4Qはプラスに転じています。23年1Qの売上は前年比+49%、2Qは+30%に減速しています。
- 「コロナで急落するも、株価は1年で3倍に高騰してる…」
- 「業績が悪化するも、21年は前年比+50%に再加速…」
- 「商品価格高騰で、営業利益率は14%まで上昇している…」
ファースト・ソーラーは、太陽光発電モジュールとシステムを製造開発する米国企業です。売上高は伸び悩み、米国の競合企業サンラン(RUN)や中国企業にシェアを奪われています。20年後半は商品高騰もあり、モジュール事業の売上高が増えています。
個人的には、ファースト・ソーラーは投資したい銘柄ではありません。
なぜならば、太陽光発電の市場は拡大してるが、売上高は長く伸びていないからです。売上高のピークは15年で、以降は横ばいか下落が続きます。米国内ではサンランにシェアを奪われ、モジュール事業では中国企業と価格競争してるからです。
ただ、欧州危機もあり再びクリーンエネルギーが脚光を浴びていますね。
ただ、世界的な商品高騰により、材料や素材関連の価格が上昇するなど、将来を見通すのは難しそうですね。同社の22年はマイナス成長に陥っています。
23年8月の予想PER22倍は割高ではないですね。
- ファーストソーラーの4半期決算(23年4-6月)は?
- ファーストソーラーの過去10年間の売上高や営業利益は?
- 世界的な商品高騰で業績が好調でも、投資すべきでない理由は?
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ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
記事の内容を簡単に知りたい
ファースト・ソーラー(FSLR)の四半期決算は?

ファースト・ソーラー(FSLR)の過去四半期の決算を紹介します。
22年4Q決算(22年12月30日)
- 売上高:10.02億ドル(前年比+10%)
- 営業利益:—億ドル(—%)
- 純利益:−0.07億ドル(−105%)
- 1株当たり利益:−0.07ドル(−105%)
23年1Q決算(23年3月30日)
- 売上高:5.48億ドル(前年比+49%)
- 営業利益:—億ドル(—%)
- 純利益:0.42億ドル(+198%)
- 1株当たり利益:0.40ドル(+195%)
23年2Q決算(23年6月30日)
- 売上高:8.10億ドル(前年比+30%)○
- 営業利益:1.68億ドル(+16%)
- 純利益:1.70億ドル(+209%)
- 1株当たり利益:1.59ドル(+205%)○
2Qの売上高は前年比+30%で8.10億ドル、営業利益は+16%で1.68億ドルでした。23年1Qと比較して、2Qは売上が減速していますね。営業利益率は20.7%と急上昇しています。
欧州のエネルギー危機もあり、再びクリーンエネルギー関連は脚光を浴びていますね。ただし、同社の売上は22年に落ちていますね。
23年通期の売上予想は、35億ドルと上方修正しています。
第 2 四半期の純売上高は 8 億 1,100 万ドルで、前四半期から 2 億 6,200 万ドル増加しました。 この増加は主に、当社の次世代シリーズ 7 モジュールの販売開始などのモジュール販売量の増加と、当社モジュールの平均販売価格 (「ASP」) の上昇によるものです。
同社は、2023 年第 1 四半期の希薄化後 1 株あたりの純利益が 0.40 ドルであったのに対し、第 2 四半期の希薄化後 1 株あたりの純利益は 1.59 ドルと報告しました。
第 2 四半期末時点の現金、現金同等物、制限付き現金、制限付き現金同等物、および有価証券から負債を差し引いた額は、前四半期末の 20 億ドルから 15 億ドルに減少しました。 この減少は主に、アラバマ州、インド、オハイオ州での製造能力の拡大とエボラー社の買収に関連した資本支出によるものです。
ファースト・ソーラーのマーク・ウィドマー最高経営責任者(CEO)は「2023年の半分が過ぎ、2023年も今後も成長を続ける中、商業、運営、財務の基盤は引き続き強化される」と述べた。 「今年の第 2 四半期も、次世代シリーズ 7 モジュールの生産と納入を強化し、戦略的買収により薄膜 PV における世界的リーダーシップを強化し、堅調な予約を継続したため、第 1 四半期に確立された着実な進歩が続きました。」 そしてASPの勢い。 さらに、持続可能な長期成長への取り組みを継続するため、本日初めに、米国内で 5 番目となる完全垂直統合型の新しい製造施設の建設に最大 11 億ドルを投資することを発表しました。」
23年3Q決算(23年9月…)
23年3Q決算は、10月28日に公開予定です。
では、売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか
ファースト・ソーラー(FSLR)の損益計算書は?

ファーストソーラーは06年に24ドルで上場しました。08年に最高値311ドルをつけた後は、一貫して下落しています。20年3月は35ドルに急落するし、23年8月は213ドル前後で推移しています。
その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の決算書を見ると、売上は下落か横ばいが続きます。19年は上昇するも、20年はコロナで再び下落していますね。ただし、経済活動が本格的に再開する21年は、再び売上は上向きそうですね。
18年に営業利益率は1.8%だが、21年は14%まで回復しています。これは商品高騰による素材関連の価格上昇によるものです。
その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)です。BPSは横ばい、EPSは20年と21年は好調です。21年の自己資本比率は80%と高いです。
その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

過去10年間のフリーCF(営業CF−投資CF)は、赤字の年が多いです。設備投資を必要とするビジネスだが、営業CFは伸びていないですね。利益が出にくいビジネスで、競合にシェアを奪われている可能性もあります。
では、私たち投資家はどのように投資判断したら良いのでしょうか?
ファースト・ソーラー(FSLR)の注目ポイントは?

ファースト・ソーラー(FSLR)の注目すべきポイントを紹介します。ファースト・ソーラーは、太陽光発電モジュールとシステムを製造開発する米国企業です。売上高は伸び悩み、米国の競合企業サンランや中国企業にシェアを奪われています。
注目1:太陽光モジュール事業は売上の62%を占める?
ファーストソーラの事業別売上高の推移です。
太陽光発電モジュール事業は、売上高が年々増加し4年で2.5倍に拡大しています。20年の売上比率は62%を占めていますね。対して、太陽光発電システム事業は縮小傾向にあり、売上比率は38%まで落ちています。
商品高騰により、モジュール事業の利益率は改善していますね。では、ファーストソーラーは太陽光発電モジュールで、どれくらいのシェアを持つのでしょうか?
注目2:太陽光発電モジュールで世界2位で5.3%?
12年時点の太陽光モジュールの上位15社です。
業界最大手は中国のインリー・グリーン・エナジーで6.7%、2位はファーストソーラーで5.3%のシェアを持ちます。中国企業の多くが参入していますね。ファーストソーラーの売り上げが伸びないのは、中国にシェアを奪われてる可能性があります。
では、世界の太陽発電の市場はどれくらい拡大するのでしょうか?
注目3:世界の太陽発電は30年に2.6倍の1582GW?
30年までの世界的な太陽光の発電力の地域別推移です。
主要国の19年の太陽光発電の容量は593GWです。しかし、30年には2.6倍の1582GWに上昇すると試算されています。アジア太平洋地域が最も大きく、18年時点で全世界の58.1%を占めていますね。
中国、インド、日本市場が拡大し、さらに押し上げそうですね。
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20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
まとめ:ファースト・ソーラーの四半期決算は?

- 06年に上場した、太陽発電モジュールの米国企業
- 米国住宅向けに、太陽光発電システムも提供している
- ベトナム、マレーシア、オハイオ州に生産拠点がある
- 米国内ではサンラン、アジアでは中国企業と競争してる
- 15年をピークに売上は減少、21年は上昇している
- 1.8%だった営業利益率は、21年に14%に上昇
- 商品高騰でモジュール事業が恩恵、売上比率は62%
個人的には、ファースト・ソーラーは投資したい銘柄ではありません。
なぜならば、太陽光発電の市場は拡大してるが、売上高は長く伸びていないからです。売上高のピークは15年で、以降は横ばいか下落が続きます。米国内ではサンランにシェアを奪われ、モジュール事業では中国企業と価格競争してるからです。
ただし、コロナ後の20年後半以降は、売上と利益が上向いています。
世界的な商品高騰により、材料や素材関連の価格が上昇してるからです。そのため、18年に1.8%だった営業利益率は、21年に14%まで上昇しています。ただし、21年3Qは、前年比−38%と失速しています。
米国内の住宅用太陽光発電設備では、競合サンランにシェアを奪われています。サンランもコロナ禍で業績が落ち込むも、21年1Qは前年比+58%に加速しています。住宅向けにソーラーパネルシステムを設置し、安価でクリーンな電力を提供しています。
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