太陽発電の制御装置を開発するエンフェーズ・エナジーは、欧州や米国の環境政策で最も恩恵を受ける銘柄です。コロナ禍で業績は一時的に悪化し、21年から売上は減速しています。23年2Qは+34%に減速しています。
- 「コロナで急落するも、株価は1年で8倍に高騰してる…」
- 「業績が悪化するも、21年4Qは前年比+55%に減速…」
- 「最高値から株価は50%も暴落、投資するチャンスか…」
エンフェーズ・エナジーは、太陽発電向けにマイクロインバーターを提供する米国企業です。同社の制御装置は発電効率が高く、従来の変換装置のシェアを奪う形で急速に欧米で普及しています。22年には潜在市場が3.7倍に拡大すると言います。
エンフェーズ・エナジーは、投資したい銘柄ではありません。
なぜならば、クリーンエネルギーは競合が多く、利益が得にくいビジネスだからです。また、太陽発電は中国企業が多く、価格競争に陥る可能性が高い市場です。順調に市場は拡大し売上も増えているが、長期で安心して投資できる銘柄ではないですね。
同社は、クリーンエネルギーでは珍しく営業利益率が24%と高いです。ただ、21年は売上が減速し、利益率も低下傾向にあります。
22年1Q以降は、積極的に買収を行い業績を持ち直しています。また、相乗効果が高い買収で、利益率も再び上向いています。欧州の電力危機も追い風で、米国やドイツで売り上げを伸ばしていますね。
23年7月時点のPERは30倍と割高ではないです。
- エンフェーズの4半期決算(23年4-6月)は?
- エンフェーズの過去10年間の売上高や営業利益は?
- 環境政策の恩恵を受けるが、投資すべきではない理由は?
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20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
記事の内容を簡単に知りたい
エンフェーズ・エナジー(ENPH)の四半期決算は?

エンフェーズ・エナジー(ENPH)の過去四半期の決算を紹介します。
22年4Q決算(22年12月30日)
- 売上高:7.25億ドル(前年比+75%)
- 営業利益:—億ドル(—%)
- 純利益:1.54億ドル(+192%)
- 1株当たり利益:1.51ドル(+106%)
23年1Q決算(23年3月30日)
- 売上高:7.26億ドル(前年比+64%)
- 営業利益:—億ドル(—%)
- 純利益:1.47億ドル(+183%)
- 1株当たり利益:1.37ドル(+73%)
23年2Q決算(23年6月30日)
- 売上高:7.111億ドル(前年比+34%)×
- 営業利益:1.703億ドル(+80%)
- 純利益:1.571億ドル(+106%)
- 1株当たり利益:1.09ドル(+101%)◯
2Qの売上高は前年比+34%で7.111億ドル、営業利益は+80%で1.703億ドルでした。22年4Qや23年1Qに続き、2Qの売上は減速していますね。営業利益率も23.9%と好調が続きます。
22年1Qに米国のソーラー設置業者を買収しているが、相乗効果は高いと言えそうですね。供給問題と資源高により、22年前半に利益率が低下するも、22年後半は持ち直しています。
同社は、バイデン政権の再生可能エネルギー支援政策の恩恵を受ける銘柄です。また、21年のエネルギー問題もあり、クリエネに期待する米国人も増えそうです。21年に入り太陽光投資が加速し、22も継続して伸びるか注視したいですね。
欧州のエネルギー危機は同社に強い追い風です。
ただし、22年4Qの売上予想は、5.75億ドル(−10%)と弱いです。
カリフォルニア州フリーモント、2023 年 7 月 27 日 — 世界的なエネルギー技術企業であり、マイクロインバーターベースの太陽光発電およびバッテリーシステムの世界大手サプライヤーである Enphase Energy, Inc. (NASDAQ: ENPH) は本日、2023 年第 2 四半期の財務結果を発表しました。 には、社長兼最高経営責任者(CEO)のバドリ・コタンダラマン氏による以下の概要が含まれています。
2023 年の第 2 四半期の四半期売上高は 7 億 1,110 万ドルで、非 GAAP ベースの粗利益率は 46.2% であると報告しました。 当社は、5,198,441 個のマイクロインバーター、つまり約 2,121.3 メガワット DC、および 82.3 メガワット時の IQTM バッテリーを出荷しました。
当社は 18 億ドルの現金、現金同等物、および有価証券を持って 2023 年の第 2 四半期を終了し、2023 年の第 2 四半期には営業キャッシュ フローで 2 億 6,920 万ドルを生み出しました。2023 年の第 2 四半期の設備投資は 4,400 万ドルでした。 2023 年第 1 四半期には 2,250 万ドル。この増加は主に米国の製造および研究開発設備への投資によるものです。
IQ8 マイクロインバータは、2023 年の第 2 四半期における当社のマイクロインバータ出荷全体の約 78% を占めました。現在、米国に加えて、フランス、オランダ、スペイン、ポルトガル、ポーランド、ドイツに IQ8 マイクロインバータを出荷し、新しい高出力電力をサポートしています。 ソーラーパネル。
当社の IQ バッテリー出荷量は、2023 年第 1 四半期の 102.4 メガワット時に対し、2023 年第 2 四半期には 82.3 メガワット時でした。当社は最近、IQ バッテリーをスペインとポルトガルに導入し、当社の最も強力なバッテリー電力供給装置である IQTM バッテリー 5P を発売しました。 IQ Battery 5P はモジュール式で、3.84 kW の連続電力と 7.68 kW のピーク電力を供給できるため、住宅所有者は電力供給中にエアコンなどの重い負荷を簡単に起動できます。 停電。 世界中の 3,500 人を超える設置業者が、IQ バッテリーの設置認定を受けています。
当社は、2023 年の第 2 四半期に、サウスカロライナ州コロンビアの委託製造会社 Flex からマイクロインバーターの出荷を開始しました。 バイデン大統領がフレックス施設を訪問し、その機能を開始できたことを嬉しく思います。 さらに、ウィスコンシン州マウントプレザントにある新しい受託製造パートナーである Foxconn からの出荷も開始しました。 当社は、2023 年の第 2 四半期にこれら 2 つの米国の委託製造業者から約 50,000 ユニットを出荷し、純額 160 万ドルの IRA 利益を実現しました。 インフレ抑制法 (IRA) により、当社は米国での製造を開始できるようになり、新たな雇用が創出され、国のクリーン エネルギー経済が促進され、当社の事業の成長に貢献しています。 当社は引き続き、2023 年の第 3 四半期に米国の 3 番目の委託製造業者からの出荷を開始する予定です。
2021年5月に取締役会によって承認された自社株買いプログラムの一環として、当社は2023年第2四半期に約125万株を平均価格1億59.43ドル、総額約2億ドルで買い戻しました。 これにより、2021年5月に承認された5億ドルの自社株買いプログラムが完了しました。
23年3Q決算(23年9月…)
23年3Q決算は、10月28日に公開予定です。
では、売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか
エンフェーズ・エナジー(ENPH)の損益計算書は?

エンフェーズ・エナジーは12年に7ドルで上場しました。株価は19年後半あたりから、勢いよく上昇していますね。20年3月は26ドルまで急落するも、23年7月は145ドル前後で推移しています。
その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の決算書を見ると、売上と利益は19年に大きく上昇しています。19年の売上は前年比2倍に増え、20年の営業利益率は24%まで増えています。世界的に再生可能エネルギーの需要が増していると言えますね。
その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)です。19年からBPSは大きく上昇しています。18年に2%だった自己資本比率は、20年に40%まで上昇しています。
その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

過去10年間のフリーCF(営業CF−投資CF)は、19年から大きく上昇しています。20年に売上成長率が鈍化する中でも、営業CFは大きく増えていますね。設備投資が大きくなく、基本的には利益が出やすいビジネスだと言えます。
ただし、クリーンエネルギーは新規参入社も多く、今後は競争が激化するかもしれません。では、私たち投資家はどのように投資判断したら良いのでしょうか?
エンフェーズ・エナジー(ENPH)の注目ポイントは?

エンフェーズ・エナジー(ENPH)の注目すべきポイントを紹介します。エンフェーズ・エナジーは、太陽発電向けにマイクロインバーターを提供する米国企業です。同社の制御装置は発電効率が高く、22年には潜在市場が3.7倍に拡大すると言います。
注目1:マイクロインバーターは発電効率が高い?
同社が開発するマイクロインバーターについて説明します。
エンフェーズ・エナジーは、太陽光発電のためのエネルギー管理技術を提供する企業です。具体的には、太陽光発電向けにマイクロインバーターを製造します。マイクロインバーターとは、直流を交流に変換し発電の効率を上げられる装置です。
従来のパワーコンディショナーの代わりに、欧米を中心にマイクロインバーターが急速に普及しています。集中的に変換するパワーコンディショナーよりも、各パネルで分散制御した方が発電効率が高いからです。
ある調査会社によると、17年に4年で4倍の2.1GWに世界市場が拡大したと言います。環境意識が高いカリフォルニアでは、住宅向け太陽光発電システムの25%がマイクロコンバーターを利用しています。
では、同社が開発する装置の潜在市場はどれくらいあるでしょうか?
注目2:22年の潜在市場は3.7倍の125億ドル?
19年と22年の利用可能な市場規模(SAM)の予想です。
エンフェーズ・エナジーの経営陣によると、22年のソーラー市場は3.7倍の125億ドルに拡大すると予想してます。住宅用ソーラーとオフグリッド(独立した送電網)が40億ドル、住宅用蓄電が30億ドル、小規模商業施設が15億ドルです。
実際に実現するか分からないが、潜在的な市場は大きいと言えますね。では、同社は陽光インバータ(変換装置)でどれくらいのシェアを持つでしょうか?
注目3:2社で住宅設備用装置で80%のシェアを持つ?
調査会社による米国の太陽光インバータの市場シェアです。
エンフェーズ・エナジーと競合ソーラーエッジ(SEDG)の2社で、住宅設備の80%のシェアを持ちます。しかし、競合ソーラーエッジの伸び率は高く、13年で4.5%だったシェアは、19年には60.5%まで伸びてます。
参考:ソーラーエッジ(SEDG)四半期決算|太陽発電制御装置で世界7位
エンフェーズ・エナジーは競合にシェアを奪われている構図ですね。では、太陽光の市場規模はどれくらい拡大するのでしょうか?
注目4:世界の太陽発電は30年に2.6倍の1582GW?
30年までの世界的な太陽光の発電力の地域別推移です。
主要国の19年の太陽光発電の容量は593GWです。しかし、30年には2.6倍の1582GWに上昇すると試算されています。アジア太平洋地域が最も大きく、18年時点で全世界の58.1%を占めていますね。
中国、インド、日本市場が拡大し、さらに押し上げそうですね。
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20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
まとめ:エンフェーズ・エナジーの四半期決算は?

- 12年に上場した、太陽光発電のクリーン米国企業
- 太陽光発電向けに、マイクロインバーターを製造する
- 従来の変換装置より発電効率が高く、市場規模は拡大
- 競合と2社で、住宅用変換装置でシェア80%を占める
- 競合ソーラーエッジが、勢いよく拡大しシェアを奪う
- クリーン銘柄では珍しく、営業利益率は24%と高い
エンフェーズ・エナジーは、投資したい銘柄ではありません。
なぜならば、クリーンエネルギーは競合が多く、利益が得にくいビジネスだからです。また、太陽発電は中国企業が多く、価格競争に陥る可能性が高い市場です。順調に市場は拡大し売上も増えているが、長期で安心して投資できる銘柄ではないですね。
同社は、クリーンエネルギーでは珍しく営業利益率が24%と高いです。ただ、21年は売上が減速し、利益率も低下傾向にあります。
21年3Qに予想を上回る決算を出したことで、短期的にはまだまだ注目されそうです。21年のロシア情勢の悪化や原油価格の高騰など、世界的にクリエネに対する期待は引き続き強いです。そのため、短中期的には業績を押し上げそうです。
22年2月時点のPERは121倍、予想PERは47倍と割高です。
競合ソーラエッジは制御装置だけではなく、発電最適化するシステムで提供しています。米国市場ではエンフェーズ・エナジーのシェアを奪い急成長していますね。ただし、世界的には中国企業が強く、ソーラエッジは7番手と低いです。
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