海上支援船のオーナー企業であるタイドウォーターは、コロナで最も悪影響を受けた企業のひとつです。しかしながら、原油市況が上向いたことで、海上投資も活発化しています。23年1Qの売上は前年比+83%から、2Qの+31%に減速しています。
- 「コロナの影響で、20年の高値から79%も暴落した…」
- 「原油市況は回復しており、北南米や西アフリカで投資が再開…」
- 「市況が回復しつつあり、売上成長率は+6%に反転している…」
タイドウォーター(TDW)は、最多の海上支援船を保有する米国オーナー企業です。北南米や西アフリカ、欧州や地中海、中東やアジア地域などで活動しています。売上高の大半は米国で、22年は北米や西アフリカで新規プロジェクトが開始します。
個人的には、タイドウォーターは投資したい銘柄のひとつですね。
なぜならば、原油市況が回復したことで、洋上エネルギーの投資が活発化しているからです。市況が回復しても米国シェールの生産量は増えず、再び海底油田の投資が増えています。21年に西アフリカなどで活動量が増え、22年は新規プロジェクトも立ち上がります。
21年3Qの売上前年比は+6%に転換しています。
タイドウォーターは財政的に健全で、営業CFも回復基調にあります。そのため、原油市況が回復し、海洋エネルギーの投資が増えれば、最も恩恵を受けられる銘柄です。23年に市況は引き続き回復すると見ているため、投資したい銘柄です。
- タイドウォーターの4半期決算(23年4-6月)は?
- タイドウォーターの過去10年間の売上高や営業利益は?
- 21年に原油価格は70ドルに回復、22年も好調は続くか?
▼▼2022年12月は資産が6000万円を超える▼▼

20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
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タイドウォーター(TDW)の四半期決算は?

タイドウォーター(TDW)の四半期決算を紹介します。
22年4Q決算(22年12月30日)
- 売上高:1.87億ドル(前年比+77%)
- 営業利益:—億ドル(—%)
- 純利益:0.10億ドル(+128%)
- 1株当たり利益:0.30ドル(+190%)
23年1Q決算(23年3月30日)
- 売上高:1.93億ドル(前年比+83%)◯
- 営業利益:0.24億ドル(前年度−0.07億ドル)
- 純利益:0.10億ドル(前年度−0.12億ドル)
- 1株当たり利益:0.21ドル(前年度−0.29ドル)✖️
23年2Q決算(23年6月30日)
- 売上高:2.14億ドル(前年比+31%)
- 営業利益:0.38億ドル(+21倍)
- 純利益:0.22億ドル(前年度−0.25億ドル)
- 1株当たり利益:0.43ドル(前年度−0.61ドル)
1Qの売上高は前年比+83%で1.93億ドル、営業利益は0.24億ドルでした。22年4Qや23年1Qに続き、2Qの売上も減速しています。しかし、営業利益率は17.7%と大幅に上向いています。
23年通期の売上予想は9億ドルから、10.3億ドルに引き上げています。また、船舶営業利益率は約 5 億ドルを見込みます。
同社CEOは強気相場に期待しています。
・収益は 2 億 1,500 万ドルで、2023 年の第 1 四半期と比べて 11.3% 増加しました。
・1 日の平均料金は 1 日あたり 16,042 ドルに増加し、2023 年の第 1 四半期より 1,418 ドル増加しました
・純利益は2,260万ドルで、2023年第1四半期から1,200万ドル近く増加
・調整後EBITDAは7,200万ドルで、2023年第1四半期から1,290万ドル増加
・2023 年第 2 四半期の総合先端ターム契約日レートは 10.9% 上昇して 23,498 ドル
・2023 年 7 月 5 日に Solstad の買収を完了。 2023 年第 4 四半期までに 5 隻の船舶が完全に統合され、全艦隊が統合される
・2023年8月に190万のシリーズAおよびシリーズBワラントの行使により1億1,150万ドルの現金を受け取りましたヒューストン–(BUSINESS WIRE)–タイドウォーター社(NYSE:TDW)は本日、2023年6月30日までの3か月と6か月の収益が、それぞれ1億6,340万ドルと2億6,920万ドルだったのに対し、それぞれ2億1,500万ドルと4億810万ドルになったと発表しました。 2022年6月30日に終了した3か月と6か月のタイドウォーターの純利益は、それぞれ2,260万ドル(普通株1株あたり0.43ドル)と3,330万ドル(普通株1株あたり0.64ドル)でした。 2022年6月30日までの3か月および6か月の純損失は、それぞれ2,560万ドル(普通株1株あたり0.61ドル)および3,770万ドル(普通株1株あたり0.91ドル)です。6月30日までの3か月および6か月の純利益には、 2023 年の合併費用と退職費用はそれぞれ 120 万ドルと 270 万ドルでした。 これらの項目を除くと、2023年6月30日までの3か月および6か月の純利益は、それぞれ2,380万ドル(普通株1株あたり0.46ドル)および3,600万ドル(普通株1株あたり0.69ドル)となるはずでした。 2022年6月30日までの3か月と6か月の純損失には、合併費用と退職費用のそれぞれ730万ドルと960万ドルが含まれていた。 両方の期間で1,420万ドルのワラント損失が発生しました。 2022年6月30日までの6か月間の純損失には、長期資産の減損クレジットと180万ドルのバーゲン購入益が含まれていた。 これらの項目を除くと、2022年6月30日までの3か月および6か月の純損失は、それぞれ410万ドル(普通株1株あたり0.10ドル)および1,570万ドル(普通株1株あたり0.38ドル)となるはずでした。
タイドウォーターの社長兼最高経営責任者であるクインティン・ニーン氏は次のようにコメントしています。 連結世界平均日料金は前四半期比で1日あたり約1,400ドル改善し、2021年末以来の1日あたり5,500ドルの増加に近づきました。商業および入札活動が引き続き堅調で、季節要因が改善したことにより、日料金改善のペースは前四半期から加速しました。 短期的な 1 日料金の実現を促進するのに役立ちました。 日料金の勢いは、大小のオフショア船舶の世界的な供給不足によって推進されており、その結果、当社の 5 つのセグメントのそれぞれが第 2 四半期に大幅な日料金の拡大を実現しました。 オフショア設備投資の長期的な増加が予想され、船舶の契約期間やプロジェクトの将来の開始日に関して顧客との会話がますます建設的な調子になっており、船舶供給における既存および将来予想される制約と相まって、 私たちがこれまで見てきたように、当社のビジネスには長期的な市場背景があります。
「私たちは、ソルスタッド・オフショアから取得した高品質、高仕様の PSV 艦隊の追加に興奮しており、すでにこれらの船舶のうち 5 隻をタイドウォーター船舶の運用インフラストラクチャーに統合することに成功しています。 主に Solstad Offshore 船舶の買収完了により、第 3 四半期の収益は少なくとも 8,000 万ドル増加するはずです。 私たちは、今年の残りの連合艦隊と市場に関する見解を更新し、2023 年の年間ガイダンスである収益約 10 億 3,000 万ドルと船舶営業利益率約 5 億ドルを改めて表明します。
「当四半期の収益は合計 2 億 1,500 万ドルで、前四半期比 2,190 万ドル、または 11.3% 増加しました。 当四半期の粗利益は、フリート全体の日料金の上昇により大幅に改善されました。 船舶の粗利益率は 4 ポイント以上拡大して 43.8% となり、この改善率は今年の残りの期間も続くと予想されます。 使用率は前四半期の 80.6% から 79.4% に若干低下しました。 第 2 四半期の稼働率は若干減少しました。これは、当社が世界規模で長期日料金を最大化するために生産能力を保留し、船団の配置を変更したためです。その結果、当社の船舶の利益率が高い地域をターゲットとしたため、摩擦的失業が発生する日数が増加しました。 日中料金を最大化するこの戦略の機会費用は、第 2 四半期に約 800 万ドルでした。 乾ドックの日数は前四半期比で約 17.0% 増加しましたが、乾ドックの支出は第 2 四半期に 31.8% 減の 2,140 万ドルとなり、年初から現在までの乾ドックの支出総額は 5,270 万ドルとなりました。 7月初旬にソルスタッド・オフショアから追加で37台のPSVを取得したことにより、2023年通期のドライドック費用は約8,700万ドルになると予想されており、これはタイドウォーター船団に対して以前予想していた約7,700万ドルを上回っています。
「当社の地域の営業成績に目を向けると、北海では季節要因が和らぎ収益が大幅に改善し、日料金が約3,400ドル(23.0%)上昇し、船舶のキャッシュマージンが9パーセントポイント以上上昇して45.8%となりました。 西アフリカでは当四半期も引き続き勢いがあり、日中料金は 1 日あたり約 1,400 ドル (11.0%) 上昇し、船舶のキャッシュマージンは 7 パーセントポイント以上拡大して 53.6% となりました。 興味深いことに、中東の一日料金は 1 日あたり約 770 ドル、つまり 8.0% 上昇しました。 中東は通常、日中のレートの大きな変動が見られない市場であるため、この動きは特に注目に値します。 米州とアジア太平洋地域における日中料金の拡大は、大幅な数の新規契約によって第 1 四半期に堅調な日中料金が拡大した後、それぞれ約 2.0% と 3.0% 増加しました。 さらに、第 2 四半期中に南北アメリカ地域では、回収不可能と判断した特別目的顧客の債権残高に関連して約 400 万ドルを留保しました。
「日当料金、収益、営業利益率の大幅な改善は、当社の献身的で優秀な従業員の多大な努力のおかげで可能です。 私たちは、ソルスタッド・オフショアから新しい従業員を迎えることをうれしく思います。ソルスタッド・オフショアで最も安全で、最も持続可能で、最も信頼性が高く、最も収益性の高い、ハイスペックなオフショア・エネルギー支援船隊の構築を一緒に前進させながら、従業員に安全でやりがいのある環境を提供することに今後も全力で取り組んでいきます。 世界。”
23年3Q決算(23年9月…)
23年3Q決算は、11月8日に公開予定です。
では、売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?
タイドウォーター(TDW)の損益計算書は?

タイドウォーターは1984年に556ドルで上場しました。原油高騰時代の08年に最高値2204ドルをつけたあと長く低迷しています。23年8月は57ドル前後で推移しています。
その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の決算書を見ると、売上は15年をピークに下落しています。米国シェールの台頭により、洋上エネルギーの需要が低下したからです。20年と21年はコロナの影響で、さらに需要が縮小していますね。
その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)です。自己資本比率は65%と高く倒産の心配はありません。ただし、EPSは赤字で長く低迷していますね。
その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

過去10年間のフリーCF(営業CF−投資CF)は、事業規模の縮小で低下しています。最近のトレンドを見ると、営業CFは19年が底値で20年と21年は持ち直しています。市況が回復したことで、洋上船の需要が増しているからです。
では、私たち投資家はどのように判断すれば良いのでしょうか?
タイドウォーター(TDW)の注目ポイントは?

タイドウォーター(TDW)の注目ポイントを紹介します。
注目1:海上支援船の業界1位で198隻を保有する?
19年時点の海洋支援船オーナーの世界シェアです。
タイドウォーターは、海洋支援船の最大手で198船を保有しています。海洋支援船業界は、米国シェールの台頭により長く低迷しています。これを受けて、業界7番手のホーンベックオフショアは債務危機に陥っています。
さらには、20年3月のコロナによる市況悪化で多くの競合が打撃を受けています。タイドウォーターはこの時期に債務の借換を実行し、他企業と比較して潤沢な資金を持ちます。また、21年2Qに業績が反転してる点も好感できます。
債務超過で潰れる企業が増えるほど、市況が反転した時に利益を得られます。
▼▼2022年12月は資産が6000万円を超える▼▼

20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
まとめ:タイドウォーター(TDW)の決算は?

- 1984に上場した、海上支援船を保有する米国企業
- 19年時点で保有船数は最大で、198隻を保有する
- 北南米や西アフリカ、地中海や中東、アジアで広く活動
- 22年は北米や西アフリカで、新規プロジェクトが開始
- 原油生産企業の投資が活発化し、営業CFは黒字化に成功
- 原油価格は70ドルに回復、22年も市況は引き続き強い
個人的には、タイドウォーターは投資したい銘柄のひとつですね。
なぜならば、原油市況が回復したことで、洋上エネルギーの投資が活発化しているからです。市況が回復しても米国シェールの生産量は増えず、再び海底油田の投資が増えています。21年に西アフリカなどで活動量が増え、22年は新規プロジェクトも立ち上がります。
21年3Qの売上前年比は+6%に転換しています。
タイドウォーターは財政的に健全で、営業CFも回復基調にあります。そのため、原油市況が回復し、海洋エネルギーの投資が増えれば、最も恩恵を受けられる銘柄です。22年に市況は引き続き回復すると見ているため、投資したい銘柄です。
海底油田に投資するならば、オーシャニアリング(OII)が最適です。同社の業績も21年2Qにプラスに転換しています。米国シェールの生産量が増えないならば、米国外の原油生産は恩恵を受けそうです。
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