米国のバッケンとメキシコ湾で活動してるヘスは、コロナ禍で最も悪影響を受けた企業のひとつですね。しかし、21年の原油市況の回復により、業績は急回復しています。23年1Qの売上成長率は+4.4%、2Qは−23%に減速しています。
- 「世界各国の経済再開で、原油価格は21年に70ドルになる…」
- 「破綻するシェール株もあるが、市況回復で利益を得られる…」
- 「米国や中東の生産はタイトで、22年はさらに上昇する…」
ヘス(HESS)は、米国バッケンとメキシコ湾で原油やガスを生産する米国シェール企業です。石油と天然ガス液の割合が7割で、天然ガスは2割です。米国の生産量が全体の7割を占めています。
個人的には、ヘスは投資したい銘柄のひとつです。
なぜならば、22年に原油価格は下落するも、23年以降も強気相場が続くと思うからです。21年と22年に売上成長率は大きく上向き、営業利益率も35%に上昇しています。
ただし、主要生産地域の米国バッケンとメキシコ湾の生産量は増えていません。対して、22年初めにガイアナ沖で新たな油田を採掘し、22年3Qは同地域での生産(前年比+206%)が大幅に増えています。ガイアナ油田でどれだけ増えるかは不明だが、長期的には楽観的に見ています。
23年8月時点の予想PERは36倍は割安ではないですね。
- ヘスの4半期決算(23年4-6月)は?
- ヘスの過去10年間の売上高や営業利益は?
- 原油市況は回復してるが、投資すべきでない理由は?
▼▼2022年12月は資産が6000万円を超える▼▼

20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
記事の内容を簡単に知りたい
ヘス(HESS)の四半期決算は?

ヘス(HESS)の四半期決算を紹介します。
22年4Q決算(22年12月30日)
- 売上高:30.26億ドル(前年比+28%)
- 営業利益:—億ドル(—%)
- 純利益:4.97億ドル(+87%)
- 1株当たり利益:—ドル(—%)
23年1Q決算(23年3月30日)
- 売上高:24.53億ドル(前年比+4.4%)○
- バッケン(米国陸上):163千boepd(+5.8%)
- メキシコ湾:33千boepd(+10%)
- ガイアナ:112千boepd(+273%)
- 東南アジア:66千boepd(+3%)
- 営業利益:6.04億ドル(−22%)
- 純利益:3.46億ドル(−17%)
- 1株当たり利益:1.13ドル(−13%)○
23年2Q決算(23年6月30日)
- 売上高:23.20億ドル(前年比−23%)○
- バッケン(米国陸上):181千boepd(+29%)
- メキシコ湾:32千boepd(+10%)
- ガイアナ:110千boepd(+64%)
- 東南アジア:64千boepd(−4%)
- 営業利益:4.47億ドル(−39%)
- 純利益:1.19億ドル(−83%)
- 1株当たり利益:0.39ドル(−81%)○
2Qの売上高は前年比−23%で23.20億ドル、営業利益は−39%で4.47億ドルでした。22年4Qと23年1Qに続き、2Qも減速していますね。営業利益率は19.2%と少し低下しています。
同社は原油と天然ガス液が7割、天然ガスが3割を占めます。
21年にガイアナ沖で新ししい油田が発見されたと発表し、採掘量が大きく増えていますね。ただ、米国シェールのバッケン地域とメキシコ湾での生産量は横ばいです。
23年3Qの生産量予想は、バッケンで185千boepd、ガイアナで110千boepdと横ばいです。
Key Development
• ガイアナ沖のスタブルック鉱区での5番目の開発であるウアルの認可開発。生産能力は1日当たり約25万総バレル(bopd)の原油。 最初の石油は2026年に期待されている
• Stabroek 鉱区探査ライセンスの 2027 年 10 月までの 1 年間延長が認められました。
• メキシコ湾のピッケレル-1 探査井での石油発見。これはチューブラー・ベルズ生産施設と連携し、2024 年半ばに最初の石油が産出される予定である。
Highlight:
• 純利益は1億1,900万ドル(1株あたり0.39ドル)で、2022年第2四半期の純利益は6億6,700万ドル(1株あたり2.15ドル)でした。 2023 年第 2 四半期の調整純利益 1 は 2 億 100 万ドル、または 1 株あたり 0.65 ドルでした。
• 石油およびガスの純生産量は、2022 年第 2 四半期の資産売却の試算値である日量 303,000 バレル(BOEPD)から 28% 増加し、石油換算で 387,000 バレル/日(BOEPD)となりました。
• バッケンの純生産量は 181,000 バレル/日で、2022 年第 2 四半期の 140,000 バレル/日から 29% 増加しました。 ガイアナの純生産量は、前年同期の 67,000 bopd と比較して、110,000 bopd でした。
• E&P 資本および探鉱支出は、前年同期の 6 億 2,200 万ドルに対し、9 億 3,300 万ドルとなりました。
Update Guidance:
通年の純生産量は、主に好調な操業実績と第4四半期初めにパヤラ開発が開始される予定であることにより、従来のガイダンス36万5,000ボエプ日から37万5,000ボエプ日と比較して、38万5,000ボエプ日から39万ボエプ日の範囲になると予想されています。
ニューヨーク、2023 年 7 月 26 日 — ヘス コーポレーション (NYSE: HES) は本日、2023 年第 2 四半期の純利益が 1 億 1,900 万ドル (1 株あたり 0.39 ドル) であると報告しました。これに対し、2023 年第 2 四半期の純利益は 6 億 6,700 万ドル (1 株あたり 2.15 ドル) 調整ベースで、当社は2023年第2四半期の純利益が2億100万ドル、または1株あたり0.65ドルであると報告しました。前年同期と比較した調整後の税引後業績の減少は、実現販売価格の低下を反映しています。 2023 年第 2 四半期の生産量増加による純影響により部分的に相殺されます。
CEOのジョン・ヘス氏は、「当社は、世界の増大するエネルギー需要に応えるため、安全かつ責任を持って石油とガスを生産しながら、業界をリードするキャッシュフローの成長と株主への財務的利益を提供する戦略を引き続き成功裡に実行している」と述べた。
Exploration and Production:
E&P の純利益は 723 ドルだったのに対し、2023 年第 2 四半期は 1 億 5,500 万ドルでした。調整後、E&P の 2023 年第 2 四半期の純利益は 2 億 3,700 万ドルでした。 ヘッジ効果を含む当社の平均実現原油販売価格は、2023 年第 2 四半期には 1 バレルあたり 71.13 ドルでした。これに対し、前年同期は 1 バレルあたり 99.16 ドルでした。 2023 年第 2 四半期の実現天然ガス液 (NGL) の平均販売価格は 1 バレルあたり 17.95 ドルでした(前年同期は 1 バレルあたり 40.92 ドルでした)。また、実現天然ガスの平均販売価格は 1 mcf あたり 6.45 ドルだったのに対し 3.82 ドルでした。 2022 年の第 2 四半期の mcf あたり。純生産量は、主にガイアナとバッケンでの生産量の増加により、2022 年第 2 四半期の資産売却額の試算値 303,000 バレルと比較して、2023 年第 2 四半期の純生産は 387,000 バレルでした。
営業費用と経費、生産税と退職税、E&Pの一般管理費を含む現金営業費用は、2023年第2四半期には石油換算1バレル(BOE)当たり13.97ドルであったのに対し、売却された資産の試算では1バレル当たり14.56ドルでした。 、前年四半期。 現金営業コストの減少は生産量の増加を反映していますが、メキシコ湾での作業再開活動の増加によって部分的に相殺されています。
Bakken:
バッケンからの純生産量は、2023 年第 2 四半期の純生産量が 181,000 ボエプ日で、前年同期の 140,000 ボエプ日でした。これは、掘削および完成活動の増加、一次産品価格の低下による収益契約のパーセンテージに基づく NGL および天然ガスの受入量の増加を反映しています。 前年同期の天候による閉鎖後の稼働時間の増加。 NGLおよび天然ガスの実現価格の低下により、ガス処理料金の対価として受け取る量が増加したため、収益割合契約に基づいて受け取ったNGLおよび天然ガスの量は、2022年第2四半期の7,000ボエプ日と比較して、2023年第2四半期には22,000ボエプ日となりました。 2023 年の第 2 四半期中に、同社は 32 個の井戸を掘削し、28 個の井戸を完成させ、30 個の新しい井戸を稼働させました。 バッケンの純生産量は、2023 年通年で日量 17 万 5,000 バレルから 18 万バレルの範囲になると予測されており、従来のガイダンス範囲である日量 16 万 5,000 バレルから 17 万バレルから増加します。
Gulf of Mexico:
2023 年第 2 四半期のメキシコ湾からの純生産量は、前年同期の 29,000 バレル/日と比較して、32,000 バレル/日でした。
2023 年 7 月、ミシシッピ キャニオン ブロック 727 にあるピッケレル 1 探査井 (ヘス – 100%) で石油が発見されました。 この油井は、高品質の含油中新世の貯留層で純利益約 90 フィートに達しました。 この井戸をチューブラー・ベルズ生産施設に結びつける計画が進行中で、最初の石油は2024年半ばに生産される予定だ。Guyana:
スタブルック鉱区(ヘス – 30%)では、Liza Destiny と Liza Unity の浮体式生産貯蔵積出船 (FPSO) からの純生産量は、2023 年第 2 四半期には合計 110,0002 bopd でしたが、2023 年の第 2 四半期の純生産量は 67,0002 bopd でした。 前年四半期。 2022年2月に生産を開始したリザ・ユニティFPSOは、2022年7月には生産能力約22万総BOPDに達しました。2023年の第2四半期には、前年同期の6カーゴと比較して、ガイアナ産原油9カーゴを販売しました。 クォーター。 2023 年通年のガイアナの純生産ガイダンスは、従来のガイダンス範囲である 105,000 bopd ~ 110,000 bopd と比較して、約 115,0002 bopd になると予想されます。
3番目の開発であるPayaraは、約22万総BOPDの生産能力を持ち、第4四半期初めの立ち上げに向けて順調に進んでいます。 4番目の開発であるYellowtailは2022年4月に認可され、生産能力は約25万総BOPDで、最初の生産は2025年に予定されています。 5番目の開発であるUaruは2023年4月に認可され、生産能力は約25万総BOPDで最初の生産が行われます。 2026年に予想されています。
スタブルック鉱区の探査ライセンスの有効期限は、2026年10月から2027年10月まで1年間延長され、発見者が所有していない土地の20%の放棄を要求する探査ライセンスの最初の更新期間の終了は、 いずれも新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる不可抗力の結果として、2023年10月から2024年10月まで1年間延長された。
23年3Q決算(23年9月…)
23年3Q決算は、10月27日に公開予定です。
では、売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?
ヘス(HESS)の損益計算書は?

ヘスは1984年に9ドルで上場しました。株価は順調に上昇し、08年に最高値122ドルを付けています。20年3月は30ドルに下落するも、23年8月は147ドル前後で推移していますね。
その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の決算書を見ると、売上は減少し続けています。主要生産地のメキシコ湾や米国バッケン地域の生産量は増えていません。ただ、21年に原油市況が急回復したことで、営業利益率は21%まで回復していますね。
その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)です。BPSは減少し続け、EPSは赤字が縮小していますね。
その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

過去10年間のフリーCF(営業CF−投資CF)は、21年以外は全て赤字ですね。生産量が少ない地域で活動しているため、営業CFは増えていないですね。今後も事業の縮小は続くと思います。
では、私たち投資家はどのように判断すれば良いのでしょうか?
ヘス(HESS)の注目ポイントは?

ヘス(HESS)の注目ポイントを紹介します。
注目1:バッケン地域の生産量は増えていない?
シェールオイルの生産量は、一貫して上昇傾向にあります。
米国の原油生産量の60%が、シェールオイルの生産地からです。特に生産量を伸ばしているのは、テキサス州にあるPermian地域ですね。15年の原油暴落で一部の地域で生産量が鈍化したが、コスト削減に成功した事で18年に再び上昇傾向にあります。
ヘスは、ウィリストン盆地があるバッケン地域を拠点にしています。Bakken地域は15年に生産量が低迷し、その後も目立って回復していません。この地域は採算性が低く、投資が活発に行われていないからです。
主要拠点であるメキシコの原油生産量も減少しています。
注目2:メキシコの原油生産は15年で半分に低下?
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参考:原油生産統計
メキシコの原油生産量の推移です。
20年のメキシコの原油生産量は95Mトン、04年の半分まで落ち込んでいます。生産量が低下した理由は、おそらく埋蔵量が多くはないからです。14年以降は米国シェールの台頭により、さらに生産量を落としています。
南米で期待されているのは、ブラジルの海底油田すね。
▼▼2022年12月は資産が6000万円を超える▼▼

20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
まとめ:ヘス(HESS)の四半期決算は?

- 1984年に上場した、米国バッケン地域のシェール企業
- 原油とガス液の生産量は7割、天然ガスが2割を占める
- 米国以外では、メキシコ湾と南米ガイアナで活動してる
- 主要生産地バッケンとメキシコ湾の生産量は減り続けてる
- 原油市況回復で好調だが、長期的には低迷する可能性が高い
個人的には、ヘスは投資したい銘柄ではありません。
なぜならば、原油市況が上向き業績は回復するも、主要地での生産量は増えてないからです。米国バッケン地域では15年から生産量が増えていません。また、メキシコ湾にいたっては、過去15年間で生産量は半分まで低下しています。
米国内のシェール企業は、採算性が低い地域での生産を停止しています。
短期的には、市況回復で利益を得られる銘柄です。しかしながら、長期的には生産量が増えず、事業や収益は縮小し続けると思います。シェール企業に投資するならば、生産量が多いパーミヤン地域で活動してるパイオニア・ナチュラく(PXD)の方が良いですね。
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