米国のバッケンとメキシコ湾で活動してるヘスは、コロナ禍で最も悪影響を受けた企業のひとつですね。しかし、21年の原油市況の回復により、業績は急回復しています。22年2Qの売上成長率は88%、2Qは+74%に減速しています。
- 「世界各国の経済再開で、原油価格は21年に70ドルになる…」
- 「破綻するシェール株もあるが、市況回復で利益を得られる…」
- 「米国や中東の生産はタイトで、22年はさらに上昇する…」
ヘス(HESS)は、米国バッケンとメキシコ湾で原油やガスを生産する米国シェール企業です。石油と天然ガス液の割合が7割で、天然ガスは2割です。米国の生産量が全体の7割を占めています。
個人的には、ヘスは投資したい銘柄ではありません。
なぜならば、原油市況が上向き業績は回復するも、主要地での生産量は増えてないからです。米国バッケン地域では15年から生産量が増えていません。また、メキシコ湾にいたっては、過去15年間で生産量は半分まで低下しています。
米国内のシェール企業は、採算性が低い地域での生産を停止しています。
短期的には、市況回復で利益を得られる銘柄です。22年初めにガイアナ沖で新たな油田を採掘し、3Qは同地域での生産(前年比+206%)が大幅に増えています。しかしながら、米国内での生産量が増えてない点は注意が必要です。
22年11月時点の予想PERは13倍と割安水準にあります。
- ヘスの4半期決算(22年7-9月)は?
- ヘスの過去10年間の売上高や営業利益は?
- 原油市況は回復してるが、投資すべきでない理由は?
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20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
ヘス(HESS)の四半期決算は?

ヘス(HESS)の四半期決算を紹介します。
21年3Q決算(21年9月30日)
- 売上高:17.40億ドル(前年比+54%)
- バッケン:148千boepd(−26%)
- メキシコ湾:32千boepd(−35%)
- ガイアナ:32千boepd(+68%)
- 営業利益:4.24億ドル(+1384%)
- 純利益:1.15億ドル(+147%)
- 1株当たり利益:0.37ドル(+146%)
21年4Q決算(21年12月30日)
- 売上高:22.55億ドル(前年比+59%)
- バッケン(米国陸上):159千boepd(−22%)
- メキシコ湾:39千boepd(+21%)
- ガイアナ:31千boepd(+19%)
- 東南アジア(オフショア)66千boepd(+17%)
- 営業利益:5.68億ドル(+1362%)
- 純利益:2.65億ドル(前年度−0.97億ドル)
- 1株当たり利益:0.85ドル(前年度−0.32ドル)
22年1Q決算(22年3月31日)
- 売上高:23.71億ドル(前年比+21%)○
- バッケン(米国陸上):152千boepd(−4%)
- メキシコ湾:30千boepd(−47%)
- ガイアナ:30千boepd(−3%)
- 東南アジア(オフショア)64千boepd(—%)
- 営業利益:7.02億ドル(+52%)
- 純利益:4.17億ドル(+86%)
- 1株当たり利益:1.34ドル(+3%)○
22年2Q決算(22年6月30日)
- 売上高:28.88億ドル(前年比+88%)
- 営業利益:—億ドル(—%)
- 純利益:6.67億ドル(+1013%)
- 1株当たり利益:2.15ドル(+795%)
22年3Q決算(22年9月30日)
- 売上高:31.57億ドル(前年比+74%)○
- バッケン(米国陸上):166千boepd(+12%)
- メキシコ湾:30千boepd(−7%)
- ガイアナ:98千boepd(+206%)
- 東南アジア(オフショア)57千boepd(+14%)
- 営業利益:8.88億ドル(+170%)
- 純利益:5.15億ドル(+347%)
- 1株当たり利益:1.34ドル(+3%)✖️
3Qの売上高は前年比+74%で31.57億ドル、営業利益は+170%で8.88億ドルでした。22年1Qと2Qに続き、3Qも好調ですね。営業利益率は28.1%と過去最も高い数値ですね。
同社は原油と天然ガス液が7割、天然ガスが3割を占めます。
21年にガイアナ沖で新ししい油田が発見されたと発表し、3Qは採掘量が大きく増えていますね。ただ、米国シェールのバッケン地域とメキシコ湾での生産量は横ばいです。
22年4Qの生産量は、約370千boepdになるといいます。
Hess が 2022 年第 3 四半期の推定結果を報告
主な開発:
• ガイアナ沖のスタブローク鉱区で今年 8 回目と 9 回目の発見としてヤロー 1 号とセイルフィン 1 号を発表。約110億バレルの石油換算(boe)のブロックの以前の総発見された回収可能な資源の見積もりに追加されます
• 株式の買い戻しと配当により、当四半期に株主に還元された現金総額は 2 億 6,500 万ドルに達しました。この四半期に約 140 万株の普通株式が 1 億 5,000 万ドルで買い戻されました
第 3 四半期の財務および運用のハイライト:
• 2021 年の第 3 四半期の純利益は 1 億 1,500 万ドル、または普通株式あたり 0.37 ドルであったのに対し、純利益は 5 億 1,500 万ドル、または普通株式あたり 1.67 ドルでした。
• 調整後の純利益 1 は 5 億 8,300 万ドルまたは普通株式 1 株あたり 1.89 ドルで、前年同期の純利益は 8,600 万ドルまたは普通株式 1 株あたり 0.28 ドルでした。
• リビアを除く石油とガスの純生産量は、2021 年第 3 四半期の 265,000 boepd から 32% 増加し、351,000 バレル/日 (boepd) でした。
• バッケンの純生産量は 166,000 boepd で、2021 年第 3 四半期の 148,000 boepd から 12% 増加しました。ガイアナの純生産量は、前年同期の 32,000 bopd と比較して、1 日あたり 98,000 バレルの石油 (bopd) でした。
• E&P 資本および探索的支出は、前年同期の 4 億 9,800 万ドルに対して 7 億 100 万ドルでした
• ミッドストリームを除く現金および現金同等物は、2022 年 9 月 30 日の時点で 23.8 億ドルでした。
2022 年更新ガイダンス:
• リビアを除く純生産量は、第 4 四半期に約 370,000 boepd、通年で約 325,000 boepd になると予測されています。
• 通年の E&P 資本および探索的支出は、以前のガイダンスから変更されず、約 27 億ドルになると予想されます。ニューヨーク、2022 年 10 月 26 日 — ヘス コーポレーション (NYSE: HES) は本日、2022 年第 3 四半期の純利益が 5 億 1,500 万ドル、または普通株式 1 株あたり 1.67 ドルであると報告しました。 2021 年の第 3 四半期。調整ベースでは、2021 年の第 3 四半期の純利益は 5 億 8,300 万ドル、つまり普通株式 1 株あたり 1.89 ドルでした。前年同期と比較した税収は、主に 2022 年第 3 四半期の実現販売価格と販売量の上昇によるものです。
CEOのジョン・ヘスは、次のように述べています。 「私たちは独自の価値提案を提供します。つまり、リソースベースを増やし、供給コストを削減し、業界をリードするキャッシュフローの成長を生み出すことで、本質的な価値とキャッシュリターンの両方を成長させることです。当社のポートフォリオがますますフリー キャッシュ フローにプラスになるにつれて、さらなる増配と自社株買いを通じて、株主への資本還元を引き続き優先していきます。」主な営業活動別の税引後利益(損失)は次のとおりです。
Exploration and Production:
E&P の純利益は、2021 年の第 3 四半期の 1 億 7,800 万ドルに対し、2022 年の第 3 四半期は 5 億 7,200 万ドルでした。ヘッジの効果を含めた公社の平均実現原油販売価格は、2022 年第 3 四半期の 1 バレルあたり 85.32 ドルで、前年同期の 1 バレルあたり 63.17 ドルでした。 2022 年第 3 四半期の平均実現天然ガス液化 (NGL) 販売価格は、前年同期の 1 バレルあたり 32.88 ドルと比較して、1 バレルあたり 35.44 ドルであり、平均実現天然ガス販売価格は、1 mcf あたり 5.85 ドルで、4.71 ドルでした。 2021 年第 3 四半期の mcf あたり。
リビアを除く純生産量は、ガイアナとバッケンでの生産量の増加により、2021 年の第 3 四半期の 265,000 boepd と比較して、2022 年の第 3 四半期には 351,000 boepd でした。
2022 年の第 3 四半期の運営コストと費用、生産税と退職税、E&P の一般管理費を含む現金運営費は、1 株あたり 12.76 ドル (リビアを除く) と比較して、1 株あたり 13.19 ドル (リビアを除く: 1 株あたり 13.64 ドル) でした。 : 1 バレルあたり 13.45 ドル)。昨年の第 3 四半期と比較して、今年の第 3 四半期の現金営業費用の増加は、ノースダコタ州での実現販売価格の上昇による生産税と退職税の増加、およびメキシコ湾での改修活動の増加を反映しています。
Bakken (Onshore U.S.): Bakken からの純生産量は、前年同期の 148,000 boepd と比較して 166,000 boepd でした。これは主に、掘削と完了活動の増加と、計画されたメンテナンスのターンアラウンドによる 2021 年の第 3 四半期の生産の削減によるものです。タイオガガスプラントで。同社は 2021 年 9 月に 3 番目の掘削装置を追加し、2022 年 7 月に 4 番目の掘削装置を追加しました。バッケンの純生産量は、第 4 四半期に 165,000 boepd から 170,000 boepd の範囲にあり、2022 年通年では約 155,000 boepd になると予測されています。
メキシコ湾 (米国オフショア): メキシコ湾からの純生産量は、前年同期の 32,000 boepd と比較して、30,000 boepd でした。
ガイアナ (オフショア): Stabroek Block (Hess – 30%) では、Liza Destiny および Liza Unity 浮体式生産、貯蔵、荷卸し船 (FPSO) からの純生産量は、2022 年の第 3 四半期に 32,000 bopd と比較して合計 98,000 bopd になりました。前年の四半期。 2022 年第 3 四半期のガイアナからの純生産量には、7,000 bopd の税バレルが含まれていました。 2021 年の第 3 四半期には、タックス バレルはありませんでした。2022 年 2 月に生産を開始した Liza Unity FPSO は、2022 年 7 月に 220,000 総 bopd の生産能力に達しました。第 3 四半期には、ガイアナから 8 カーゴの原油を販売しました。前年同期の 3 貨物と比較して。 2022 年の第 4 四半期には、9 カーゴの原油を販売する予定です。ガイアナの純生産量は、第 4 四半期に約 110,000 bopd になると予測されています。これには、約 20,000 bopd の税バレルが含まれます。 2022 年通年のガイアナの純生産量は、約 7,000 bopd の税バレルを含む約 77,000 bopd になると予測されています。
22年4Q決算(22年12月…)
22年4Q決算は、23年1月27日に公開予定です。
では、売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?
ヘス(HESS)の損益計算書は?

ヘスは1984年に9ドルで上場しました。株価は順調に上昇し、08年に最高値122ドルを付けています。20年3月は30ドルに下落するも、22年11月は142ドル前後で推移していますね。
その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の決算書を見ると、売上は減少し続けています。主要生産地のメキシコ湾や米国バッケン地域の生産量は増えていません。ただ、21年に原油市況が急回復したことで、営業利益率は21%まで回復していますね。
その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)です。BPSは減少し続け、EPSは赤字が縮小していますね。
その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

過去10年間のフリーCF(営業CF−投資CF)は、21年以外は全て赤字ですね。生産量が少ない地域で活動しているため、営業CFは増えていないですね。今後も事業の縮小は続くと思います。
では、私たち投資家はどのように判断すれば良いのでしょうか?
ヘス(HESS)の注目ポイントは?

ヘス(HESS)の注目ポイントを紹介します。
注目1:バッケン地域の生産量は増えていない?
シェールオイルの生産量は、一貫して上昇傾向にあります。
米国の原油生産量の60%が、シェールオイルの生産地からです。特に生産量を伸ばしているのは、テキサス州にあるPermian地域ですね。15年の原油暴落で一部の地域で生産量が鈍化したが、コスト削減に成功した事で18年に再び上昇傾向にあります。
ヘスは、ウィリストン盆地があるバッケン地域を拠点にしています。Bakken地域は15年に生産量が低迷し、その後も目立って回復していません。この地域は採算性が低く、投資が活発に行われていないからです。
主要拠点であるメキシコの原油生産量も減少しています。
注目2:メキシコの原油生産は15年で半分に低下?
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参考:原油生産統計
メキシコの原油生産量の推移です。
20年のメキシコの原油生産量は95Mトン、04年の半分まで落ち込んでいます。生産量が低下した理由は、おそらく埋蔵量が多くはないからです。14年以降は米国シェールの台頭により、さらに生産量を落としています。
南米で期待されているのは、ブラジルの海底油田すね。
▼▼2022年12月は資産が6000万円を超える▼▼

20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
まとめ:ヘス(HESS)の四半期決算は?

- 1984年に上場した、米国バッケン地域のシェール企業
- 原油とガス液の生産量は7割、天然ガスが2割を占める
- 米国以外では、メキシコ湾と南米ガイアナで活動してる
- 主要生産地バッケンとメキシコ湾の生産量は減り続けてる
- 原油市況回復で好調だが、長期的には低迷する可能性が高い
個人的には、ヘスは投資したい銘柄ではありません。
なぜならば、原油市況が上向き業績は回復するも、主要地での生産量は増えてないからです。米国バッケン地域では15年から生産量が増えていません。また、メキシコ湾にいたっては、過去15年間で生産量は半分まで低下しています。
米国内のシェール企業は、採算性が低い地域での生産を停止しています。
短期的には、市況回復で利益を得られる銘柄です。しかしながら、長期的には生産量が増えず、事業や収益は縮小し続けると思います。シェール企業に投資するならば、生産量が多いパーミヤン地域で活動してるパイオニア・ナチュラく(PXD)の方が良いですね。
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