原油上流企業に油田サービスを提供するハリバートンは、原油市況の回復で恩恵を受ける銘柄ですね。23年1Qの売上は前年比+30%、2Qは+20%に減速しています。
- 「世界各国の経済再開で、原油価格は22年に100ドルになる…」
- 「破綻する原油企業もあるが、市況回復で利益を得られる…」
- 「米国や中東の生産はタイトで、22年はさらに上昇する…」
シュルンベルジェ(SLB)は、世界1位の油田サービスを提供する仏国企業です。業界最2位はハリバートン(HA)ですね。統合的なサービスを提供するため、デジタル投資にも活発的で売上の10%以上を占めます。
個人的には、シュルンベルジェは投資したい銘柄のひとつです。
なぜならば、原油市況が好調ならば、安定して利益を得られる銘柄だからです。営業利益率は9%前後と安定しており、原油市況が不調だった15年以降も黒字化してる点は高く評価できます。不安定な業界でも、高い技術力を活かしているといえますね。
同社CEOによると、原油の強気相場は長く続くと見ています。23年後半には、需要がより強く回復すると見ていますね。
23年7月時点の予想PER15倍は割高ではありません。
- シュルンベルジェの4半期決算(23年4-6月)は?
- シュルンベルジェの過去10年間の売上高や営業利益は?
- 原油市況は21年に回復し、海底油田の投資は増えている?
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20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
記事の内容を簡単に知りたい
シュルンベルジェ(SLB)の四半期決算は?

シュルンベルジェ(SLB)の四半期決算を紹介します。
22年4Q決算(22年12月30日)
- 売上高:78.78億ドル(前年比+26%)
- 営業利益:—億ドル(—%)
- 純利益:10.64億ドル(+77%)
- 1株当たり利益:0.71ドル(+73%)
23年1Q決算(23年3月30日)
- 売上高:77.36億ドル(前年比+30%)◯
- Digital Integration:8.94億ドル(+4%)
- Reservoir Performance:15.03億ドル(+24%)
- Well Construction:32.61億ドル(+36%)
- Production System:22.07億ドル(+38%)
- 北米:16.98億ドル(+32%)
- 南米:16.17億ドル(+34%)
- 欧州アフリカ:19.74億ドル(+41%)
- 中東アジア:23.94億ドル(+18%)
- 営業利益:11.61億ドル(+82%)
- 純利益:9.34億ドル(+83%)
- 1株当たり利益:0.65ドル(+81%)×
23年2Q決算(23年6月30日)
- 売上高:80.99億ドル(前年比+20%)×
- Digital Integration:9.47億ドル(−1%)
- Reservoir Performance:16.43億ドル(+23%)
- Well Construction:33.63億ドル(+25%)
- Production System:23.13億ドル(+22%)
- 北米:17.46億ドル(+14%)
- 南米:16.24億ドル(+22%)
- 欧州アフリカ:20.31億ドル(+20%)
- 中東アジア:26.42億ドル(+22%)
- 営業利益:15.81億ドル(+36%)
- 純利益:7.31億ドル(+55%)
- 1株当たり利益:0.72ドル(+7%)◯
2Qの売上高は前年比+20%で80.99億ドル、営業利益は+36%で15.81億ドルでした。22年4Qや23年1Qに続き、2Qも売上と利益は好調ですね。営業利益率は、19.5%と過去10年で最も高い数値です。
2Qも過去と同様に、全地域で売上が伸びていますね。ただし、北米市場を中心に成長率はやや減速している点に注意が必要です。
23年7月現在も、同社のCEOは引き続き原油市況に強気です。
売上高は 81 億ドルで、前四半期比 5%、前年同期比 20% 増加しました。
GAAP EPS は 0.72 ドルで、前四半期比 11%、前年同期比 7% 増加しました
料金とクレジットを除く EPS は 0.72 ドルで、前四半期比 14%、前年同期比 44% 増加しました。SLBに起因する純利益は10億3000万ドルで、前四半期比11%増、前年同期比8%増となりました。
調整後EBITDAは19億6,000万ドルとなり、前四半期比10%増、前年同期比28%増となりました。
営業キャッシュフローは16億1000万ドル、フリーキャッシュフローは9億8600万ドルでした。
取締役会は、1 株あたり 0.25 ドルの四半期現金配当を承認しました
International- and Offshore-Led Growth Fueling Strong Margin Expansion and Cash Flows
SLB CEO のオリヴィエ・ル・プーシュ氏は次のようにコメントしました。「国際市場、特に中東およびアジア、およびオフショアにおける大幅な成長を反映した第 2 四半期の業績に非常に満足しています。 北米の収益も、この地域のリグ数は減少したものの、最も回復力の高い盆地および市場セグメントにわたる当社の機敏性の恩恵を受けて、前四半期比で増加しました。 アップサイクルが展開し続ける中、今四半期の決算で明らかになったように、国際およびオフショア主導の成長が税引き前セグメントの力強い営業利益率とキャッシュフローの拡大を促進しており、当社はビジネスの機会に興奮しています。 当社は、海外収益が当社の世界収益のほぼ80%を占め、オフショア収益がその約半分を占めており、これらの市場において非常に有利な立場にあります。 前四半期比および前年比の両方で、広範な国際的な収益の増加が見られ、その結果、すべての部門および地理的領域にわたって利益が拡大しました。
「収益の質に重点を置くことで利益率が向上し続けており、第 2 四半期には多数の複数年契約を獲得しました。 これは、短期的な商品価格の変動を上回る長期的な成長に対する当社の見通しを裏付けており、アップサイクルの幅広さ、回復力、耐久性に対する当社の信念を強化しています。
「前年同期と比較して、国際収益は 21% 増加し、14% 増加した北米を上回りました。 前年同期比では、売上高は 20% 増加し、税引前セグメントの営業利益率は 240 ベーシス ポイント (bps) 拡大しました。これは、10 四半期連続で税引前セグメントの営業利益率が前年同期比で増加したことを示しています。 これは国際市場によるものであり、当社は過去 3 年間で最高の前年比増加利益を記録し、これらの市場での当社事業の収益力を証明しています。」
Middle East & Asia and Offshore Drove Strong Sequential Performance
「その後、当社の収益は 5% (3 億 5,000 万ドル以上) 増加しました。これは主に中東およびアジア地域が 10% (2 億 4,900 万ドル) 増加したことによるものです。 この増加は、サウジアラビア、クウェート、アラブ首長国連邦、エジプト、インド、中国の力強い二桁成長によって推進されました。 同様に、米国メキシコ湾、ブラジル、アンゴラ、ナミビア、カスピ海における当社のオフショア事業も連続して二桁の成長を記録しました。
「全体として、当社の第 2 四半期の税引前セグメントの営業利益率は前四半期比 154 bps 増加しました。 利益率の拡大は、営業レバレッジ、テクノロジー導入の増加、および主要市場におけるインフレとサービス能力の逼迫に応じて調整された契約に起因する価格設定によって推進されました。
「第 2 四半期の営業キャッシュ フローは 16 億 1000 万ドルと大幅に改善し、前四半期比 12 億 8000 万ドル増加し、フリー キャッシュ フローは 9 億 8,600 万ドルとなりました。 この非常に好調なキャッシュフロー実績に貢献したのは、収益の増加、堅調な売掛金回収、在庫回転率の向上、設備投資規律の継続でした。 当社は、今年下半期のフリー キャッシュ フローの創出が上半期よりも明らかに増加すると予想しており、当社は昨年のフリー キャッシュ フローを上回るパフォーマンスを発揮できると確固たる地位を築いています。
「SLBチームがもたらした並外れた結果を非常に誇りに思っています。」
Confidence in the Long-Term Outlook
「国際市場およびオフショア市場では、引き続き上流投資の前向きな勢いが見られます。 これらの市場は、回復力のある長期サイクルのオフショア開発、生産能力の拡大、世界的な探査と評価の復活、エネルギー安全保障とエネルギー移行のための重要な燃料源としてのガスの認識によって推進されています。
「これにより、当社の四半期ハイライトに掲載されている契約件数からわかるように、活動のベースロードが大幅に増加しています。 これらの賞の性質は、陸上と海上の両方でのこのアップサイクルの期間と規模を示しています。 私たちは、お客様にとって選ばれるパートナーであることを今後も誇りに思っています。
「国際支出が2023年下半期にさらに勢いを増し、予想通り北米経済が減速する中、このサイクルは引き続きSLBの強みと密接に一致しており、通期の財務目標に対する当社の自信を裏付けています。」
「これは私たちの業界にとって魅力的な環境であり、SLB は顧客や株主と歩調を合わせて歩む規律ある効率的な企業です。 当社は利益重視の戦略と株主利益への取り組みを実行するのに有利な立場にあると信じています。」
23年3Q決算(23年9月…)
23年3Q決算は、10月22日に公開予定です。
では、売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?
シュルンベルジェ(SLB)の損益計算書は?

シュルンベルジェは85年に9ドルで上場しています。株価は14年に最高値109ドルを付けるも、その後は長く低迷しています。20年3月は18ドルまで下落し、23年7月は56ドル前後で推移していますね。
その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の決算書を見ると、売上と利益は14年をピークに長く低迷しています。ただし、21年後半の売上は持ち直し、営業利益率も10.9%に上向いています。原油市況が回復する22年は、さらに成長が期待できますね。
その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)です。BPSは減少傾向にあり、EPSは21年に黒字に反転していますね。
その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

過去10年間のフリーCF(営業CF−投資CF)は、黒字を維持しています。原油市況が不況でも、CFを確保していたのは高く評価できますね。原油市況の回復で、22年は営業CFを押し上げそうです。
では、私たち投資家はどのように判断すれば良いのでしょうか?
シュルンベルジェ(SLB)の注目ポイントは?

シュルンベルジェ(SLB)の注目ポイントを紹介します。
注目1:シェルンベルジェは油田サービスで業界1位?
世界の油田サービス大手の市場シェアです。
14年とデータは古いが、業界最大手の油田サービスはシュルンベルジェ(SLB)で29%です。2位にハリバートンで18%、3位にベーカー・ヒューズ(BKR)で15%と続きます。大手3社は、坑井セメント作業、坑井仕上げ設備、圧力ポンプ、掘削、デジタルサービスなどに幅を広げています。
注目2:20年の原油上流投資は−29%で縮小?
原油生産の上流投資の推移です。
Rystad Energyの分析によると、世界の原油上流への投資は20年に3830億ドルでした。これは、19年よりも29%の減少で、過去15年で最低レベルです。また、21年の予想は、20年の横ばいになると言います。
最も影響を受けたのはシェールオイルで−52%、オイルサンドが−44%です。海洋深海は−15%と最も少ないですね。21年後半に原油市況が回復したことで、22年は原油上流投資が活発化することが期待されています。
▼▼2022年12月は資産が6000万円を超える▼▼

20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
まとめ:シュルンベルジェ(SLB)の四半期決算は?

- 1984年に上場した、油田サービスを提供する米国企業
- 業界2位は米国ハリバートン、3位はベイカーヒューズ
- 統合的なデジタルサービスも提供、売上の10%を占める
- 21年3Qに業績は上向き、南米は前年比+40%で成長
- 21年後半に市況が上向き、22年の投資も楽観的に見てる
個人的には、シュルンベルジェは投資したい銘柄のひとつです。
なぜならば、原油市況が好調ならば、安定して利益を得られる銘柄だからです。営業利益率は9%前後と安定しており、原油市況が不調だった15年以降も黒字化してる点は高く評価できます。不安定な業界でも、高い技術力を活かしているといえますね。
中長期的には、同社の業績はまだまだ上向くと思います。
なぜならば、原油やガスの市況は22年も楽観的だからです。多くの原油生産企業が、22年に投資に力を入れる予定で、21年3Qは南米で売上前年比+60%と好調です。4Qには欧州や中東でも新規の設備投資が増えているといいます。
原油生産の強気サイクルは初期段階で22年も期待できる相場です。22年1月時点の予想PERは20倍と割高ではありません。
業界2番のハリバートンの方が、売上成長率が高いですね。21年3Qは前年比+64%、主要地域である北米と南米が前年比+64%と加速しています。
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