海底油田向けに設備を提供するテクニップFMCは、原油価格の高騰で恩恵を受ける銘柄ですね。20年以降はシェール企業の生産が増えず、再び海上油田も注目を浴びつつあります。23年1Qの売上は前年比+10%、2Qは+14%に加速しています。
- 「世界各国の経済活動再開で、エネルギー株は恩恵を受ける…」
- 「シェール企業の台頭で、株価は高値から−87%も暴落した…」
- 「21年12月に、原油価格は70ドルまで回復している…」
テクニップFMC(FTI)は、海底油田生産者向けに海底設備や建設サービス、原油タンカーを提供する英国企業です。17年にフランステクニップ社と米国FMCテクノロジーズが合弁した企業です。同社は主にブラジルの海底油田に提供しています。
個人的には、テクニップFMCは投資したい銘柄ではありません。
なぜならば、米国シェールが台頭する以前から、売上は伸び悩み利益率も低いからです。事業が好調だった13年でも、営業利益率は8.9%と低いですね。原油価格が上昇して海底油田が注目されても、大きな恩恵を受けないと思います。
ただ、中長期的には同社の業績は上向くと思います。
なぜならば、世界8位の産油国ブラジルの大手企業ペトロブラス(PBR)と業務提携しているからです。ブラジルは非OPECの中で数少ない原油生産量が増え続けている国です。同社CEOも海底油田の強気相場は25年まで続くと言及しています。
- テクニップFMCの4半期決算(23年4-6月)は?
- テクニップFMCの過去10年間の売上高や営業利益は?
- シェール企業の生産量は低く、海上油田は生産を増やす?
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20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
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テクニップFMC(FTI)の四半期決算は?

テクニップFMC(FTI)の四半期決算を紹介します。
22年4Q決算(22年12月30日)
- 売上高:16.94億ドル(前年比+11%)
- 営業利益:—億ドル(—%)
- 純利益:−0.37億ドル(+76%)
- 1株当たり利益:−0.05ドル(+58%)
23年1Q決算(23年3月30日)
- 売上高:17.17億ドル(前年比+10.4%)◯
- Subsea:13.87億ドル(+7.6%)
- Technologies:3.29億ドル(+23.7%)
- 営業利益:0.07億ドル(前年度−0.34億ドル)
- 純利益:0.004億ドル(前年度−0.61億ドル)
- 1株当たり利益:0.01ドル(前年度−0.13ドル)✖️
23年2Q決算(23年6月30日)
- 売上高:19.72億ドル(前年比+14.8%)◯
- Subsea:16.18億ドル(+14.4%)
- Technologies:3.53億ドル(+16.9%)
- 営業利益:−0.96億ドル(前年度0.27億ドル)
- 純利益:−0.87億ドル(前年度0.21億ドル)
- 1株当たり利益:−0.20ドル(前年度0.0ドル)✖️
2Qの売上高は前年比+14.8%で19.72億ドル、営業利益は−0.96億ドルでした。23年1Qと比較して、2Qの売上は加速していますね。ただし、営業利益率も−4.8%と低いです。
同社は17年に TechnipとFMCが合併した企業です。
同社は主にブラジルの海底油田で活動しています。
ペトロブラス(PBR)と業務提携するなど、23年の見通しについても楽観的です。ブラジルは非OPEC国で、原油生産量が増えている貴重な油田ですね。更には、アラムコからの受注も好調で、Technologies事業の売上が増えていますね。
受注残高は132.78億ドル(前年比+25%)まで積み上がっています。
23年通期の売上予想は、Subsee事業が61億ドル、Technologies事業が1.375億ドルとしています。
同社のCEOは海底油田に大して、引き続き強気の発言をしています。
•海底受注は41億ドル。 iEPCITM と Subsea 2.0TM の両方の受信を記録します
• 海底受注の見通しは上方修正。 通期では90億ドルに達すると予想される
• 全社の受注残は前四半期比 25% 増加して 133 億ドルになりました
• 営業キャッシュフローは 1 億 5,600 万ドル。 フリーキャッシュフローは1億300万ドル
• 四半期配当を開始。 買戻し承認が8億ドルに増加
• 少なくとも 2025 年まで年間フリー キャッシュ フローの 60% 以上を分配するというコミットメント第 2 四半期の全社収益は 19 億 7,220 万ドルでした。 TechnipFMC に起因する継続事業からの損失は 8,720 万ドルでした。 これらの結果には、合計 1 億 3,120 万ドル (1 株あたり 0.30 ドル) の税引き後の費用と控除が含まれており、これには以下が含まれます (図表 6)。
• 以前に開示されたフランス国家検察庁とのすべての未解決問題の最終解決に関連する、追加の非経常的な法的和解費用 1 億 2,650 万ドル。 と
• リストラおよびその他の費用 470 万ドル。継続事業からの調整後の利益は 4,400 万ドル、つまり希薄化後 1 株あたり 0.10 ドルでした (図表 6)。Shareholder Distribution Update
2023 年 7 月 26 日、当社は取締役会 (「取締役会」) が 1 株あたり 0.05 ドルの四半期現金配当を承認および宣言したと発表しました。 当社は四半期ベースで配当を支払う予定であり、この配当は年率ベースで 1 株あたり 0.20 ドルに相当します。
取締役会はまた、最大4億ドルの追加株式買い戻しも承認した。 既存のプログラムと合わせて、当社の株式買い戻し承認総額は 8 億ドルに増額され、そのうち 2 億ドルは現在までに完了しています。 残りの最大6億ドルの買い戻し権限は、昨日の終値で同社の発行済み株式の7%以上に相当する。
TechnipFMC の会長兼 CEO である Doug Pferdehirt 氏は次のように述べています。 当四半期の全社収益は20億ドル、為替を除く調整後EBITDAは2億5,400万ドルでした。 サブシーとサーフェステクノロジーズの両社は、サブシーの調整後EBITDAマージンが420ベーシスポイント増加して14.4%となり、2018年以来最高の四半期マージンを達成するなど、引き続き改善を達成しました。」
フェルデハート氏はさらに、「当期の海底インバウンド受注額41億ドルは非常に好調で、セグメントの受注残は前四半期比29%増の121億ドルに達しました。 海底受注には、これまでで最大の iEPCITM の直接受注、ブラジルでの BM-C-33 開発に関する Equinor からの契約など、6 つの統合プロジェクトが含まれています。 年初から現在まで、iEPCITM は当社の受注の 50% 以上を占めています。 私たちは、iEPCITM が 2023 年に過去最高のインバウンドを達成することを引き続き期待しています。これは、多くの場合直接報酬に変換される記録レベルの iFEEDTM 活動によって実現されます。」
「当社は引き続き Subsea 2.0TM プラットフォームの採用を促進し、より多くのクライアントが当社の受注構成製品ポートフォリオの利点を認識しています。 この四半期に、当社はシェブロンと 20 年間のフレーム契約を締結し、エクイノールとエクソンモービルからこの独自のテクノロジーを活用するプロジェクトを受注しました。」
ファーデハート氏はさらに、「今年上半期の海底インバウンドは総額67億ドルに達し、通年の見通しを引き上げる自信が得られた。 現在、2023 年には注文額が 90 億ドルに達すると予想しています。これらの注文の 70% は、iEPCITM、海底サービス、その他すべての直接特典の組み合わせによるものと予想されており、当社のインバウンドの質が強調されています。」
「市場の背景は依然として非常に強い。 FEED パイプラインは拡大を続けており、より多くのプロジェクトが最終的な投資決定に向けて進んでいます。 今後 24 か月間に利用可能なプロジェクトをハイライトした当社の海底機会リストは引き続き堅調です。 「長期的な見通しも改善しており、クライアントは2030年まで続くプロジェクトの能力を確保しています。これらは、市場サイクルが長期化するという当社の見解を裏付ける多くの具体的な兆候の1つです。」
ファーデハート氏はさらに、「株主価値を最大化するという当社の継続的な取り組みを証明するために、当社は四半期配当を開始し、既存の株式買戻し承認の規模を8億ドルに倍増しました。 これらの措置は、過去 12 か月間に買い戻した 2 億ドルの株式に基づいています。」
「また、少なくとも2025年まで年間フリーキャッシュフローの60%以上を株主に還元するという新たな約束も発表しました。これは、財務業績の持続的な改善を達成するという当社の自信と当社の長期見通しの強さに裏付けられています。」 当社は改善された利益の重要な部分を株主に分配し、同時にバランスシートをさらに強化するつもりです。」
フェルデヒルト氏は次のように結論付けました。「当社は戦略的に非常に差別化された立場に自らを配置しました。 当社の総注文と収益の 90% 以上は、北米の土地市場以外で生み出されています。 私たちは、すべてのステークホルダーにとってより大きな価値を確実に生み出すために、ビジネスの運営方法を根本的に変えています。 これは市場によって明らかに認識されており、当四半期は iEPCITM と Subsea 2.0TM の両方において当社の歴史の中で最高レベルのインバウンド活動を表しています。 今後さらに野心的な旅を続ける中で、将来のマイルストーンを皆さんと共有できることを楽しみにしています。」
23年3Q決算(23年9月…)
23年3Q決算は、19月28日に公開予定です。
では、売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?
テクニップFMC(FTI)の損益計算書は?

テクニップFMCは01年に3.3ドルで上場しました。株価は順調に上昇し続け、14年7月に最高値46ドルをつけています。23年8月は17.5ドル前後で推移していますね。
その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の決算書を見ると、売上は横ばいで推移しています。利益率は低下傾向にあり、21年の営業利益率は6.2%と低いですね。
その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)です。BPSもEPSも減少傾向にありますね。
その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

過去10年間のフリーCF(営業CF−投資CF)は、19年以降は順調に拡大していますね。海底油田銘柄だが、20年はコロナの影響をほとんど受けていません。
では、私たち投資家はどのように判断すれば良いのでしょうか?
テクニップFMC(FTI)の注目ポイントは?

テクニップFMC(FTI)の注目ポイントを紹介します。テクニックFMCは、主にブラジルの海底油田向けに製品を提供しています。
注目1:ブラジルは非OPEC国で原油量が増加?
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参考:原油生産統計
ブラジルの原油生産量の年間推移です。
米国のシェール台頭により、米国が世界最大の原油生産国になりましたね。それを受けて、サウジアラビアやロシア、どれから非OPEC国の生産量は落ちています。しかし、非OPEC国の中では、ブラジルは積極的に原油に投資していますね。
20年はコロナ禍で、多くの原油生産国が減らす中でも生産量は増加しています。テクニップFMCは、ブラジル最大の原油企業ペトロブラス(PBR)と協業しています。そのため、ブラジル油田が拡大することで、同社は恩恵を受けられます。
参考:ペトロブラス(PBR)四半期決算|21年3Qは+71%に減速
▼▼2022年12月は資産が6000万円を超える▼▼

20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
まとめ:テクニップFMC(FTI)の決算は?

- 15年に設立した、海底油田に設備を提供する英国企業
- 17年に仏テクニップ社と米FMCテクノロジーズが合弁
- ブラジルのペトロブラスの海底油田に、主に製品を提供
- 営業利益率は平均して8%と低く、利益率は高くはない
個人的には、テクニップFMCは投資したい銘柄ではありません。
なぜならば、米国シェールが台頭する以前から、売上は伸び悩み利益率も低いからです。事業が好調だった13年でも、営業利益率は8.9%と低いですね。原油価格が上昇して海底油田が注目されても、大きな恩恵を受けないと思います。
ただ、中長期的には同社の業績は上向くと思います。
なぜならば、世界8位の産油国ブラジルの大手企業ペトロブラス(PBR)と業務提携しているからです。ブラジルは非OPECの中で数少ない原油生産量が増え続けている国です。原油の多様化を目指して、22年にも投資を増やすと述べていますね。
海底油田に投資するならば、オーシャニアリングの方が株価が上昇する可能性は高いと思います。
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