世界3位の医療機器メーカーであるメドトロニックは、高齢化社会や中間層増大で最も恩恵を受ける銘柄ですね。20年はコロナ特需もあり業績が好調です。ただ、コロナは21年後半に下火になり、21年4Qの売上成長率は+1.4%、22年1Qは+19%に加速しています。
- 「医療機器メーカーは、高齢化や中間層増大で恩恵を受ける…」
- 「業界最大手のメーカーで、市場シェアの5%を占める…」
- 「海外売上比率が5割を高く、中国の売上は1割で高い…」
サーモ・フィッシャー(TMO)は、世界3位の医療機器メーカーです。最大手はメドトロニック(MDT)、2位はジョンソン(JNJ)次ぐ売上規模です。ただし、分析機器や実験装置に強く、大手のメドトロニックとは事業が被りません。
個人的には、サーモ・フィッシャーは投資したい銘柄のひとつです。
なぜならば、医療機器メーカーは安定成長で、高齢化や中間層増大で恩恵を受ける銘柄だからです。医療機器関連は事業が幅広いため競合は多くはなく、製薬メーカーほどレッドオーシャンではないですね。
同社は買収を通じて事業規模を拡大し、高いシェアを持ちます。
ただ、短期的にはコロナ特需もあり、株価は割高水準にあります。変異株を特定するPCR検査薬を販売し、21年1Qのサイエンス事業の売上は+136%でした。22年はコロナが下火になるため、売上成長率の減速が懸念されます。
ただ、長期的には優良銘柄に変わりがなく安定成長を続ける見込みです。そのため、株価が大きく下落する局面があれば購入したいです。22年5月時点の予想PERは24倍と割高ではありません。
- TMOの4半期決算(22年1-3月)は?
- TMOの過去10年間の売上高や営業利益は?
- コロナ禍は検査需要で好調、21年の業績は不調?
▼▼2022年12月は資産が6000万円を超える▼▼

20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
記事の内容を簡単に知りたい
サーモ・フィッシャー(TMO)の四半期決算は?

サーモ・フィッシャー(TMO)の四半期決算を紹介します。
21年3Q決算(21年10月30日)
- 売上高:93.30億ドル(前年比+9.4%)×
- Life Science Solutions:37.21億ドル(+8.6%)
- Analytical Instruments:14.76億ドル(+10.4%)
- Specialty Diagnostics:13.62億ドル(−4.8%)
- Laboratory Products:34.9億ドル(+12%)
- 営業利益:23.55億ドル(−3%)
- 純利益:19.02億ドル(−1%)
- 1株当たり利益:4.79ドル(−1%)○
21年4Q決算(22年1月31日)
- 売上高:107.02億ドル(前年比+1.4%)○
- Life Science Solutions:41.50億ドル(−5%)
- Analytical Instruments:17.25億ドル(+5%)
- Specialty Diagnostics:14.47億ドル(−27%)
- Laboratory Products:34.9億ドル(+16%)
- 営業利益:25.38億ドル(−18%)
- 純利益:16.58億ドル(−33%)
- 1株当たり利益:4.17ドル(−33%)○
22年1Q決算(22年3月31日)
- 売上高:118.18億ドル(前年比+19%)○
- Life Science Solutions:42.31億ドル(+35%)
- Analytical Instruments:15.18億ドル(+12%)
- Specialty Diagnostics:14.82億ドル(+12%)
- Laboratory Products:54.42億ドル(+46%)
- 営業利益:28.21億ドル(−8%)
- 純利益:22.15億ドル(−6%)
- 1株当たり利益:5.61ドル(−5%)○
4Qの売上高は前年比+19%で118.18億ドル、営業利益は−8%で28.21億ドルでした。21年4Qと比較して、22年1Qの売上は加速しています。営業利益率は23%と直近の数値を下回ります。
同社は検査や分析、実験系の機器で高い市場シェアを持ちます。
売上が大きく減速したのは、コロナ特需である検査製品の売上が減少しているからです。21年後半はコロナが下火になっており、コロナ関連の売上は減少しますね。同社は変異株を特定するためのPCR検査薬を販売しています。コロナ特需で株価は少し割高にあるが、長期的には成長が期待できる銘柄ですね。
参考:新型コロナウイルスの変異を特定するためのPCR検出用試薬
サーモは研究機器から消耗品まであらゆる製品を販売している。最終市場はバイオ製薬 会社や大学だけでなく、動物医療や食品安全検査の分野にまで及ぶ。売上高は過去 5 年 間で年平均 11%ほど伸びている。同社は 2016 年、3D 電子顕微鏡システム会社の FEI と、 細胞・遺伝子解析コンピューティングを手掛けるアフィメトリクスを買収した。2017 年にはパセオンの買収を通じて、製薬会社のために臨床試験を実施する受託研究の分野に進出した。
サーモにとって中国は製造拠点であり、主要な最終市場でもある。同社のマーク・キャス パーCEO は、同社が危険物や冷凍を要する製品など、「業界の非常に詳細な要件」を遵守 しなければならない製品を販売していると語る。現地に代替品がないため、中国で販売 される製品の大部分には関税が課されておらず、関税による影響はないと言う。
22年2Q決算(22年6月…)
22年2Q決算は、7月29日に公開予定です。
では、売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?
サーモ・フィッシャー(TMO)の損益計算書は?

サーモフィッシャーは83年に3ドルで上場しています。株価は常に右肩上がりで最高値を更新し続けています。20年3月は278ドルに下落するも、22年5月は558ドル前後で推移しています。
その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の決算書を見ると、売上は順調に拡大しています。医療機器関連企業は、買収を通じて事業規模を拡大しています。20年に売上が上昇してるのは、コロナ特需で検査薬を提供しているからです。
その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)です。自己資本比率は52%と高く、BPSとEPSも安定して上昇しています。
その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

過去10年間のフリーCF(営業CF−投資CF)は、順調に拡大しています。20年以降はコロナ特需によるCFの増加だが、それ以前も順調に拡大していますね。医療機器メーカーは多いが、事業が多彩で競合は少ないです。
では、私たち投資家はどのように判断すれば良いのでしょうか?
サーモ・フィッシャー(TMO)の注目ポイントは?

サーモ・フィッシャー(TMO)の注目すべきポイントを紹介します。
注目1:医療機器メーカー世界3位でシェア5.0%?
20年時点の医療機器メーカーの世界市場シェアです。
メドトロニックが世界最大の医療機器メーカーで、市場シェアの6.6%を占めます。2位はジョンソン(JNJ)で5.1%、3位は分析や実験系機器に強いサーモフィッシャー(TMO)で5.0%、4位は大型診断機に強いGEで3.8%、5位はドイツのシーメンスヘルシニアーズで3.8%です。
サーモフィッシャーは買収で事業規模を拡大しています。16年には3D電子顕微鏡のFEIと 細胞・遺伝子解析を手掛けるアフィメトリクスを買収しています。
業界最大手であるメドトロニックとは事業規模が被っていません。13年までは、ジョンソンが世界最大の医療機器だったが、メドトロニックが大型買収で1位になりました。サーモフィッシャーもジョンソンを抜いて2位になりそうです。
参考:ジョンソン(JNJ)四半期決算|経済再開後3Qは前年比+11%に減速
では、サーモフィッシャーの事業別売上高はどうでしょうか?
注目2:実験機器のラボ製品が売上比率の38%?
サーモフィッシャーの事業別売上高です。
最も売上比率が高いのは、実験機器のラボ製品で38.0%を占めます。次いで、検査機器などのライフサイエンス部門が37.8%、特殊診断が16.6%、分析機器が15.9%です。
実験機器は伝統的に強く、他の事業は買収で拡大しています。ライフサイエンス部門は、コロナ特需で20年に売上が大きく上昇しています。
では、地域別の売上高はどうでしょうか?
注目3:海外売上比率が49%を占めている?
サーモフィッシャーの地域別の売上比率です。
最も売上比率が高いのは北米で51%と高いです。次いで、欧州が26%、アジア太平洋が20%を占めます。製造拠点である中国での売上が拡大しています。19年は売上比率1割で28億ドル、年率16%で拡大していました。
高齢化が進む最も中国社会で、需要が増えそうですね。
▼▼2022年12月は資産が6000万円を超える▼▼

20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
まとめ:サーモ・フィッシャー(TMO)の決算は?

- 82年に上場した、世界3位の医療機器メーカーである
- 業界1位はメドトロニック、2位はジョンソンである
- 分析機器や実験装置に強く、最大手と事業が被らない
- 変異株の検査需要で、21年1Qは前年比+59%で拡大
- 海外売上比率が49%、中国は10%で年率16%で成長
個人的には、サーモ・フィッシャーは投資したい銘柄のひとつです。
なぜならば、医療機器メーカーは安定成長で、高齢化や中間層増大で恩恵を受ける銘柄だからです。医療機器関連は事業が幅広いため競合は多くはなく、製薬メーカーほどレッドオーシャンではないですね。
同社は買収を通じて事業規模を拡大し、高いシェアを持ちます。
ただ、短期的にはコロナ特需もあり、株価は割高水準にあります。変異株を特定するPCR検査薬を販売し、21年1Qのサイエンス事業の売上は+136%でした。22年はコロナが下火になるため、売上成長率の減速が懸念されます。
ただ、長期的には優良銘柄に変わりがなく安定成長を続ける見込みです。そのため、株価が大きく下落する局面があれば購入したいです。22年2月時点の予想PERは29倍でやや割高水準にあります。
業界最大手はメドトロニック(MDT)ですね。メドトロニックは心血管、医療外科、神経科学、糖尿病など事業が幅広く、特にペースメーカーとインスリンポンプでトップシェアを持ちます。最大手と事業が被っていない点は好材料です。
コメントを残す