カナダの原油会社であるサンコアは、コロナ後の経済再開で恩恵を受ける銘柄です。株価は08年の高値から、70%も低い水準にありますね。22年2Qの売上成長率は+76%、3Qは+47%と好調です。
- 「08年の高値から、株価は70%も暴落している…」
- 「配当利回りは5.2%、$XOMよりも高い配当を払う…」
- 「原油高騰してるが、予想PERは8.8倍と割安である…」
サンコアエナジーは、オイルサンドを所有するカナダの石油企業です。原油の生産だけではなく、精製や販売などの中流事業も行います。オイルサンドの売上比率は43%、精製や販売は50%も占めます。
個人的には、サンコアエナジーは保有したい銘柄のひとつです。
なぜならば、他の原油企業と比較して、財務が安定してるからです。精製が占める割合が高く、常時の営業利益率は17%と高い水準にあります。また、配当性向も50%と、競合のエクソンモービルと比較して持続可能な点も好材料です。
原油価格は22年11月時点で87ドルと高いですね。22年後半には消費量でも以前の水準に戻る見込みです。また、バイデン政権の環境規制や脱炭素化は、既存の原油企業には追い風です。
22年11月の予想PER6.0倍は十分に割安です。
- サンコア株の四半期決算(22年7-9月)の決算は?
- サンコア株の過去10年間の売上高や営業利益は?
- 18年の商品サイクルで、25年に株価は5倍以上になる?
▼▼2022年12月は資産が6000万円を超える▼▼

20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
記事の内容を簡単に知りたい
サンコアエナジー(SU)の四半期決算は?

サンコアエナジー(SU)の四半期決算を紹介します。
22年1Q決算(22年3月31日)
- 売上高:135.01億ドル(前年比+56%)
- oil Sands:64.92億ドル(+54%)
- Exploration and Production:9.36億ドル(+71%)
- Refining and Marketing:77.45億ドル(+55%)
- 営業利益:38.48億ドル(+245%)
- 純利益:29.49億ドル(+259%)
- 1株当たり利益:2.06ドル(+281%)
22年2Q決算(22年6月30日)
- 売上高:161.35億ドル(前年比+76%)
- 営業利益:—億ドル(—%)
- 純利益:39.96億ドル(+360%)
- 1株当たり利益:2.71ドル(+464%)
22年3Q決算(22年9月30日)
- 売上高:150.57億ドル(前年比+47%)
- oil Sands:75.35億ドル(+51%)
- Exploration and Production:10.12億ドル(+36%)
- Refining and Marketing:96.15億ドル(+51%)
- 営業利益:−4.79億ドル(前年度13.14億ドル)
- 純利益:−6.09億ドル(前年度8.77億ドル)
- 1株当たり利益:−0.45ドル(前年度0.59ドル)
3Qの売上高は前年比+47%で150.57億ドル、営業利益は−4.79億ドルでした。3Qや4Qより減速するも、22年1Qも売上と利益は好調です。営業利益率は−3.1%と赤字に転落しています。
オイルサンドの減損で、44億ドルを計上しています。
サンコアは自社株買と債務返済、増配により株主に還元しています。
「当社は業務執行に会社の焦点を当てているため、第 3 四半期には 45 億ドルの調整後資金を運用から提供しました。これは、当社の歴史の中で 2 番目に高いものです。 以前に伝えたことと堅実なビジネス環境と一致して、計画されたメンテナンスを実行しました」と、暫定社長兼最高経営責任者のクリス・スミスは述べています。 「これらの強力な営業キャッシュフローと、四半期の資産処分による収入が、資本配分戦略の実行を支えました。 当社は第 3 四半期に約 17 億ドルの価値を株主に還元しましたが、最近完了した約 36 億ドルの債務の入札は、構造的な長期債務の削減を表しています。」
• 事業からの調整後資金(1)(2)は、前年同期の 26 億 4100 万ドル (普通株式 1 株あたり 1.79 ドル) と比較して、2022 年第 3 四半期には 44 億 7300 万ドル (普通株式 1 株あたり 3.28 ドル) に増加しました。非現金運転資本の変動を含む営業活動によるキャッシュフローは、2022 年第 3 四半期は 44 億 4,900 万ドル (普通株式 1 株あたり 3.26 ドル) でしたが、前年同期は 47 億 1,800 万ドル (普通株式 1 株あたり 3.19 ドル) でした。
• 2022 年第 3 四半期の調整済み営業利益 (1)(2) は、前年同期の 10 億 4300 万ドル (普通株式 1 株あたり 0.71 ドル) から 25 億 6500 万ドル (1 株あたり 1.88 ドル) に増加しました。同社は、2022 年第 3 四半期の純利益が 8 億 7,700 万ドル (普通株式あたり 0.59 ドル) であったのに対し、2022 年第 3 四半期には 6 億 900 万ドル (普通株式あたり 0.45 ドル) の純損失を計上しました。 2022 年第 3 四半期の純損失には、フォート ヒルズ資産の同社の持分に対する 33 億 9,700 万ドルの非現金減損費用、資金調達費用に計上された米ドル建て債務の再評価による 7 億 2,300 万ドルの未実現外国為替損失、および指摘された項目に関連する 8 億 6,600 万ドルの所得税還付。
• Oil Sands は、2022 年第 3 四半期に 32 億 5700 万ドルの調整後資金を運用から生み出しました(3)。これに対し、前年同期は 17 億 4500 万ドルでした。同社のオイルサンド資産からの生産量は、2022 年第 3 四半期の 1 日あたり 646,000 バレル (バレル/日) でしたが、前年同期は 605,100 バレル/日でした。今期の生産量は、今四半期の計画的なメンテナンス活動の減少によるオイルサンド基地での生産量の増加、フォートヒルズでの生産量の増加、およびシンクルードでの計画されたターンアラウンド活動の影響を反映しています。
• 2022 年第 3 四半期には、信頼性の高い操業により、製油所の原油スループットは 466,600 バレル/日となり、稼働率は前年同期の 460,300 バレル/日と 99% に比べてそれぞれ 466,600 バレル/日となりました。同社は、その広範な国内販売ネットワークと輸出チャネルを活用して、前年同期の 551,500 バレル/日と比較して、577,300 バレル/日の精製製品の売上を達成しました。その結果、リファイニング アンド マーケティング (R&M) は、5 億 8,500 万ドルの先入れ先出し (FIFO) 在庫評価損失 (4) の影響を除いて、運用から約 18 億ドルの調整後資金 (3) を生み出しました。 9,100 万ドルの FIFO 利益の影響を除くと、前年同期の運用からの調整済み資金は約 10 億ドルです。
• 2022 年の第 3 四半期、Suncor は引き続き株主還元を拡大する戦略を実行し、約 10 億ドルの自社株買いと 6 億 3,800 万ドルの配当を通じて株主に約 17 億ドルの価値を還元しました。 7 億 400 万ドルの自社株買いと 3 億 900 万ドルの配当による四半期。 2022 年 10 月 31 日の時点で、年初以来、同社は約 46 億ドルの普通株式を買い戻しました。 2021 年 12 月 31 日現在の普通株式。
• 債務削減と年間資本配分目標を達成するために、同社は 2022 年第 3 四半期に純債務 (1) を約 18 億ドル削減しました。これには、7 億 2,300 万ドルの未実現外国為替損失が米ドル建て債務の再評価に与える影響を除きます。 .
• 第 4 四半期に続いて、Suncor は債務の公開買付けを実行し、その結果、額面を下回る約 36 億ドルのさまざまな債券を返済しました。この長期債務の構造的削減は、好機的な市況の中で実行され、事業に対する同社の自信と純債務削減へのコミットメントを示しています。
• 中核事業を通じて価値を最大化する Suncor の戦略に沿って、同社はポートフォリオの最適化と合理化を続けています。 2022 年の第 3 四半期に、同社はノルウェーの探鉱および生産 (E&P) 資産の売却を完了しました。 2022 年の第 3 四半期に続いて、同社は、2023 年の第 1 四半期に完了する予定の決算調整およびその他の決算費用の前に、約 7 億 3,000 万ドルの総収益で風力および太陽光資産を売却することに合意しました。 . 同社の英国の E&P ポートフォリオの売却プロセスは進行中であり、今後 12 か月以内に売却が完了すると予想されています。
• 2022 年の第 3 四半期に続いて、Suncor は、規制当局の承認およびその他の完了条件を条件として、Teck Resources Limited (Teck) の Fort Hills Energy L.P. (Fort Hills) および関連する売上高の 21.3% を取得する契約を締結しました。 10 億ドルのロジスティクス契約、決算調整およびその他の決算費用の前に、Suncor とその関連会社の総運用利子は 75.4% になりました。この取引は、Suncor の収益目標を満たし、コア資産を中心にポートフォリオを最適化するという同社の戦略に基づいています。この取引は、2023 年の第 1 四半期に完了する予定です。
22年4Q決算(22年12月…)
22年4Q決算は、23年2月3日に公開予定です。
では、売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?
サンコアエナジー(SU)の10年間の損益計算書は?

サンコアは、84年に0.2ドルで上場しました。08年に68ドルで最高値を付けるも、その後は長く低迷していますね。20年3月は11ドルに下落するも、22年11月は34ドル前後で推移しています。
その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の決算書を見ると、売上高は15年と20年に低迷しています。サンコアの売上高は原油価格に大きく依存しますね。20年に原油価格は20ドルまで暴落しています。しかし、21年後半には業績が回復し始めています。
21年の営業利益率は、5.5%まで回復しています。
その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)です。BPSは下落基調にある上に、EPSも20年に大きく減少しています。配当利回りは3.2%、配当性向は50%と比較的高い水準ですね。
その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

過去10年間のフリーCF(営業CF−投資CF)は、20年に大きく減少しています。巨額の設備投資が必要なビジネスだが、環境規制もあり投資CFは抑制されています。エネルギー企業の中では、比較的に安定してCFを稼いでると言えます。
では、私たち投資家はどのように判断すればいいのでしょうか?
サンコアエナジー(SU)の注目ポイントは?

サンコアエナジー(SU)の注目すべきポイントを紹介します。
注目1:米国エクソンモービルは世界7位の石油生産者?
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参考:石油業界の世界ランキング
世界の石油業界大手の石油生産量のランキングです。
米国のエクソンモービル は7位、シェブロン は12位にランクインしています。カナダのサンコアは、時価総額でエクソンモービルの6分の1、シェブロン の4分の1と規模が小さいです。
一昔前は、エクソンモービル、トタル、BPなどの欧米企業が市場を支配していました。しかしながら、現在は、サウジアラムコ をはじめとする中東の国営企業が上位を占めています。
では、サンコアの売上構成比を見てみましょう。
注目2:石油精製や販売が売上高の50%を占める?

サンコアの21年1Q時点の売上構成比です。
売上比率が最も高いのは、精製や販売事業で50%を占めます。次いで、アルバータ州北東部のオイルサンド事業が43%、探査と生産が6%を占めます。コロナ後の経済再開で力強く業績を戻しています。
オイルサンド事業は、前年比+31%まで回復していますね。
では、過去に売上高はどのように推移してきたのでしょうか?
注目3:21年4Qの売上成長率は+68%に減速?

サンコアの売上高と成長率の推移です。
原油価格の低迷により、コロナ以前から業績は低迷していました。20年2Qの急激な需要の減少により、前年比は−57%も下落してます。しかし、21年2Qは+114%、3Qは+56%、4Qは+68%と好調が続きます。
売上ベースでは、すでにコロナ以前の水準まで戻しています。
業績が好調なのは、原油価格が好調だからです。消費量はまだ戻してないが、22年2月に87ドルまで回復してます(参考:WTI原油先物とは?)。米国経済再開で消費量が回復する22年は、さらに力強く回復することが予想できます。
サンコアは、高配当銘柄としても知られます。
注目4:22年2月時点の配当利回りは5.2%?

サンコアの配当金と配当利回り推移です。
22年2月時点の配当利回りは5.2%と高いです。ただし、コロナによる需要減で配当金は19年に縮小しています。赤字決算ながらも配当金を出してため、持続性は低いですね。
環境規制が厳しいが、化石燃料は今後も成長が続くのでしょうか?
注目5:30年も再生可能エネルギーは10%未満?
資源エネルギー庁による、世界のエネルギー消費量と人口の推移です。
欧州や米国の環境規制で、化石エネルギーは長く追い風が続きますね。しかし、30年の将来予想を見ると、実は再生可能エネルギーの割合は10%未満です。最も伸び率が高いのは天然ガスで、原油も石炭も高いシェアを持つ点に注意が必要です。
バイデン政権の環境規制は、新規参入を拒むため既存企業には追い風です。米国シェール企業を規制すれば、原油の需要も高まりますね。
個人的には、21年以降も商品相場は力強く推移すると見ています。
注目6:25年前後にハイパーインフレが来る?
株式とコモディティの商品サイクルのグラフです。
株式と商品は負の相関関係があり、18年周期でトレンドが変わります。過去に商品価格が高騰したのは、73年のオイルショック、90年の湾岸戦争、08年の金融危機です。08年にの原油価格は、140ドルまで高騰しています。
このトレンドが繰り返すならば、商品価格は25年前後で最高値をつけます。
もちろん、必ずしも過去と同じ道を辿る保証はありません。しかし、20年の過去最大の金融緩和は、インフレを起こしやすい環境を作っています。過去と同じ道を辿るとは限らないが、トレンドの転換点としては興味深い兆候です。
予想が外れる可能性もあるが、インフレヘッジはしておきたいですね。
▼▼2022年12月は資産が6000万円を超える▼▼

20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
まとめ:サンコアエナジー(SU)の四半期決算は?

- 1917年に創業した、カナダの総合エネルギー会社である
- オイルサンドの生産や採掘、石油や天然ガスの精製や販売を行う
- 他のエネルギー関連企業よりも、利益率が高く業績が安定している
- 原油消費量が回復すれば、原油価格は60ドルに戻る可能性が高い
- 株式と商品は負の相関関係があり、商品が高騰する可能性が高い
- 商品高騰は18年周期で起こり、2025年にピークを付ける
- バフェットも金鉱株やエネルギー株で、インフレヘッジしている
- 中国やカナダなど資源国の景気指標が大きく上向いている
個人的には、サンコアエナジーは保有したい銘柄のひとつです。
なぜならば、他の原油企業と比較して、財務が安定してるからです。精製が占める割合が高く、常時の営業利益率は17%と高い水準にあります。また、配当性向も50%と、競合のエクソンモービルと比較して持続可能な点も好材料です。
21年2Qの売上は前年比+114%で、3Qは+56%、4Qは68%と高成長が続きます。原油価格上昇により、売上ベースではすでにコロナ前の水準です。
原油価格は22年2月時点で87ドルと高いですね。22年後半には消費量でも以前の水準に戻る見込みです。また、バイデン政権の環境規制や脱炭素化は、既存の原油企業には追い風です。
22年2月の予想PER8.8倍は十分に割安です。
エネルギー企業のインフラであるキンダーモルガンは、さらに業績が安定しています。営業利益率は30%と高く、配当利回りは6.3%ですね。サンコアと同様に、コロナ以降に業績が急回復して加速しています。
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