オクシデンタル・ペトロリウム(OXY)四半期決算|1Qは-15%に減速

コロナによる原油やガス価格の暴落で、エネルギー株に投資する人が増えています。エネルギーは割安株が多く、資源価格が戻れば確実に利益を得られる低リスクの投資かもしれません。22年4Qの売上は前年比+3.8%だが、23年1Qは−15%に減速しています。

  • 「世界各国の経済活動再開で、シェール株は必ず利益を得られる…」
  • 「破綻するシェール株もあるが、原油が上昇すれば儲けられる…」
  • PERが14倍と割安で、安全にバリュー株投資ができるはず…」

オクシデンタル・ペトロリウムは、1920年にテキサスで創業した9番目の老舗エネルギー企業です。米国、中東、コロンビアで原油やガス探査を行います。米国の生産量が7割と多く、パーミヤン地域で活動しています埋蔵量は38億2700万バレルで、石油が51%を占めます。

個人的には、オクシデンタルは保有したい銘柄のひとつです。

なぜならば、原油市況が好調で業績が急回復しているからです原油が暴落した20年は営業利益率が−7.1%に落ち込むも、22年1Qの利益率は58%と過去最高水準にあります。

収益性が低い地域にも油田はあるも、22年の業績は好調ですね。

ただ、21年2Qは前年比+103%、3Qは+107%、4Qは+139%と力強い回復が続きます。21年10月にガーナの油田を売却するなど、収益性が高い事業に集中していますね。

23年5月の予想PER9.7倍は割安ですね。

OXYの投資判断したい人向け
  1. オキシデンタル株の4半期決算(23年1-3月)は?
  2. オキシデンタル株の過去10年間の売上高や営業利益は?
  3. オキシデンタル株は、債務超過で破綻する可能性が高い?

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20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました

ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。

過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。

参考:【自己紹介】米国株1.5年で運用額を10倍の「4727万円」に増やす

オクシデンタル・ペトロリウム(OXY)四半期決算は?

オクシデンタル・ペトロリウム(OXY)の四半期決算を紹介します。

22年1Q決算(22年3月31日)

1Q決算の内容は...
  1. 売上高:83.49億ドル(前年比+57)◯
  2.  Oil & Gas:60.76億ドル(+65%
  3.  Chemical:16.84億ドル(+54%
  4.  Midstream:8.82億ドル(+9.2%
  5.  Elimination:−2.92億ドル(—%)
  6. 営業利益:48.76億ドル(+16倍
  7. 純利益:46.76億ドル(前年度−3.46億ドル)
  8. 1株当たり利益:4.65ドル(前年度−0.36ドル)◯

22年2Q決算(22年6月30日)

2Q決算の内容は...
  1. 売上高:106.76億ドル(前年比+79
  2. 営業利益:—億ドル(—%)
  3. 純利益:37.55億ドル(+3545%
  4. 1株当たり利益:3.16ドル(+887%

22年3Q決算(22年9月30日)

3Q決算の内容は...
  1. 売上高:95.01億ドル(前年比+39)◯
  2.  Oil & Gas:70.98億ドル(+43%
  3.  Chemical:16.91億ドル(+21%
  4.  Midstream:10.05億ドル(+43%
  5.  Elimination:−4.04億ドル(前年度−2.61億ドル)
  6. 営業利益:33.82億ドル(+213%
  7. 純利益:25.46億ドル(+305%
  8. 1株当たり利益:2.52ドル(+287%)✖️

22年4Q決算(22年12月30日)

4Q決算の内容は...
  1. 売上高:82.19億ドル(前年比+3.8%
  2. 営業利益:—億ドル(—%)
  3. 純利益:19.27億ドル(+25%
  4. 1株当たり利益:1.61ドル(+8%

23年1Q決算(23年3月30日)

1Q決算の内容は...
  1. 売上高:72.58億ドル(前年比−15%)✖️
  2.  Oil & Gas:53.25億ドル(−13%)
  3.  Chemical:14.05億ドル(−16%)
  4.  Midstream:7.51億ドル(−15%)
  5.  Elimination:−2.56億ドル(前年度−2.92億ドル)
  6. 営業利益:16.34億ドル(−41%)
  7. 純利益:9.83億ドル(−79%)
  8. 1株当たり利益:1.00ドル(−79%)✖️

1Qの売上高は前年比−15%で72.58億ドル、営業利益は−41%の16.34億ドルでした。22年3Qと4Qに引き続き、23年1Qの売上も減速しています。営業利益率は22.5%と悪くないですね。

経済再開に伴い急激に売上が回復していますね。また、10月にはガーナの油田を売却し、財務的にも大きく改善しています。資源高が続く22年はさらに業績が上向きそうですね。

配当金は0.18ドル(利回1.2%)としています。

• 好調な営業成績により、営業キャッシュフローは 29 億ドル、運転資本前の営業キャッシュフローは 32 億ドルとなりました。
• 設備投資は 15 億ドルで、運転資本が 17 億ドルになる前の四半期フリー キャッシュ フローが生じます。
生産量は 1,220 Mboed で、ガイダンスの中間点を 40 Mboed 上回りました。 通年の生産見通しは1,195Mboedに引き上げ
30億ドルの買戻しプログラムの25%以上を占める7億5,200万ドルの普通株式を買戻し
• 6 億 4,700 万ドルの優先株の償還を開始し、株主還元枠組みの次の段階を開始しました。
• OxyChem の概算ガイダンスは税引前利益 4 億 7,200 万ドルです。 通期見通しは15億ドルに引き上げ
• 希薄化後一株当たりの利益は 1.00 ドル、調整後の希薄化後一株当たりの利益は 1.09 ドル

社長兼最高経営責任者のヴィッキー・ホルブ氏は、「2023年の第1四半期に、優先株式の償還を開始し、当社の株主還元枠組みは重要なマイルストーンに達し、当社の普通株主への企業価値の移転がさらに前進した」と述べた。 優れた運用パフォーマンスを実現し、それが当社の財務的成功を推進します。 当社は第 1 四半期の成功をさらに発展させる上で有利な立場にあり、石油・ガス生産とオキシケムの税引き前利益の通期見通しを引き上げました。」

Oil and Gas

2023 年第 1 四半期の石油およびガスの税引前利益は 16 億ドルで、2022 年第 4 四半期の税引前利益は 25 億ドルでした。第 1 四半期の業績には、訴訟和解による利益 2,600 万ドルが含まれています。 比較可能性に影響を与える項目を除くと、第 1 四半期の石油・ガス収入は、世界的な原油、液体天然ガス (NGL)、国内天然ガス価格の下落と原油量の減少により減少しました。 2023年第1四半期のWTIとブレントマーカーの平均価格は、それぞれ1バレルあたり76.13ドルと82.20ドルでした。 世界の平均実現原油価格は前四半期から約 11% 下落し、1 バレルあたり 74.22 ドルとなりました。 世界の平均実現NGL価格は前四半期から約7%下落し、1バレルあたり24.41ドルとなった。 国内の平均実現ガス価格は前四半期から約 32% 下落し、Mcf あたり 3.01 ドルとなりました。

第1四半期の世界の平均総生産量は日量石油換算122万バレル(Mboed)で、ガイダンスの中間点を40Mboed上回った。 ペルミアン、ロッキー山脈およびその他の国内、メキシコ湾および国際の日次平均生産量はすべて、それぞれ 579 メガポンド、264 メガポンド、171 メガポンド、206 メガポンドとガイダンスを上回りました。

OxyChem

オキシケムの 2023 年第 1 四半期の税引前利益は 4 億 7,200 万ドルと概算されます。 2022 年第 4 四半期の収益 4 億 5,700 万ドルと比較すると、第 1 四半期の結果は、原料エチレンとエネルギーのコスト低下を反映していますが、実現苛性ソーダと PVC 価格の低下により部分的に相殺されました。

Midstream and Marketing

2023 年第 1 四半期の中流およびマーケティングの税引前利益は 200 万ドルでしたが、2022 年第 4 四半期の損失は 4,500 万ドルでした。第 1 四半期の業績には、デリバティブ損失 800 万ドルと資本に含まれる資産減損 2,600 万ドルが含まれていました。 メソッド投資収入。 第 1 四半期の WES 調整後持分法投資収益は 1 億 1,800 万ドルでした。 比較可能性に影響を与える項目を除くと、中流およびマーケティング部門の税引前第 1 四半期業績の増加は、原油販売の時期的影響と、マーケティング事業における輸送能力の最適化による有利なガスマージンを反映しており、WES からの持分法投資利益の減少によって部分的に相殺されました。

参考:Occidental Announces 1th Quarter 2023 Results

23年2Q決算(23年6月…)

23年2Q決算は、8月10日に公開予定です。

では、売上高や営業利益の10年間の推移はどうなっているのでしょうか?

オクシデンタル・ペトロリウム(OXY)損益計算書は?

オキシデンタルは08年の原油価格高騰で89ドルを付けています。その後のシェール革命ブームで、11年に最高値109ドルまで上昇しました。その後は低迷するも、23年5月は58ドル前後で推移しています。

その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の決算書を見ると、原油価格が暴落した16年と20年に業績が悪化しています。ただし、21年は徐々に業績が上向いていますね。21年10月に不採算のガーナ油田を売却するなど、財務健全化に動いています。

その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)です。EPSは20年に大きく落ち込むも、21年は少し戻しています。

その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

過去10年間のフリーCF(営業CF−投資CF)は、黒字を維持していますね。21年は原油市況が上向いたことで、フリーCFは大幅に上昇しています。

では、私たち投資家はどのように投資判断すれば良いのでしょうか?

オキシデンタル・ペトロリウム(OXY)注目点は?

オキシデンタルの注目ポイントを紹介します。オキシデンタルは、天然ガスや原油の探鉱や生産から、中流工程の販売や処理、輸送、それからプライラインの所有から運営まで幅広くビジネスしています。

注目1:米国は45年ぶりに世界最大の産油国になった?

参考:米国のエネルギー政策の動向とその行方

米国は2018年に世界最大の産油国になりました。

1日当たりの石油生産量は、2013年にサウジアラビアやロシアを抜いています。2018年の年間平均生産量は1095万BDとなり、45年ぶりに世界1位の産油国です。2019年も勢いは止まらず、生産量は増加を続けています。

生産量が急増した理由は、2010年代に始まったシェール革命の影響が大きいですシェール層から天然ガスを取り出す技術は、原油にも応用する事でシェールオイルの生産量も増やしています。意外と知られてない事実だが、米国は原油の輸出額ランキングで世界6位、天然ガスは世界4位の輸出大国です。

エネルギーを輸出する事で、貿易赤字額を縮小しています。

参考:世界の石油輸出額 国別ランキング・推移

米国の原油や天然ガスの生産量の増加を支えているのは、シェールオイルやガスです。

注目2:シェールオイルの生産量は右肩上がりで増加?

参考:米国のエネルギー政策の動向とその行方

シェールオイルの生産量は、一貫して上昇傾向にあります。

米国の原油生産量の60%が、シェールオイルの生産地からです。特に生産量を伸ばしているのは、テキサス州にあるPermian地域ですね。15年の原油暴落で一部の地域で生産量が鈍化したが、コスト削減に成功した事で18年に再び上昇傾向にあります

オキシデンタルは、米国内外に幅広く油田の生産拠点を持ちます。

米国内の最大の油田拠点は、オイル生産量が最も多いPermian地域で生産量の69%を占めます。米国以外では中東とコロンビアにも生産拠点があります。中東は、オマーン、カタール、アラブ首長国連邦にあり、生産量は全体の24%です。コロンビアは4%を占めます。

米国のシェール事業が18年に復活したのは、生産コストを大きく改善できたからですでは、具体的には生産コストはどれくらい下がったのでしょうか?

注目3:生産コストは半分以下の35ドルまで減少?

参考:米国のエネルギー政策の動向とその行方

シェール革命以前と比較して、北米シェールの採算性は大幅に向上しています。

リーマンショックで原油価格が40ドルまで暴落するも、2011年は110ドルまで急上昇していました。この時のシェールガスの生産コストは、80〜120ドルと言われていましたね。しかしながら、技術革新によりコスト削減が進み、17年には35ドル前後まで落ちています

これだけ生産コストが低いと、ロシアやインドネアシアと大差がない水準です。

シェールガスやオイルは、生産コストが高いから競争力がないと言われてたのは昔の時代です。ハイテクによる技術革新と効率化経営が進めば、さらに削減できる余地もあります。米国は原油や天然ガスの輸出量を今後も増やす事が見込まれます。

米国のエネルギー事情については、かなり楽観的な見通しが立てられますね。しかしながら、シェール事業jへの投資はリスクが高いので注意が必要です。なぜならば、大量に社債(借金)を発行し、自転車操業の会社も少なくないからです

では、オキシデンタルの事業別の売上高を見てみましょう。

注目4:原油や天然ガスの生産や開発が64%を占める?

オキシデンタルの2019年度の事業別の売上高です。

事業別の売上高を見ると、上流事業の原油や天然ガス生産の割合が大きく、全事業の64%を占めます。化学製品と中流事業は共に18%だけです。また、原油やガスの生産量は、米国内だけで全体の7割を占めます。さらには、米国の生産拠点の中心はパーミヤン地域に集中していますね。

そのため、オキシデンタルの業績は、パーミヤンの油田に大きく左右されると言えます。では、過去の売上高はどのように推移しているのでしょうか?

注目5:21年3Q売上は前年比+107%に回復?

オキシデンタルの四半期毎の売上高の推移です。

他のエネルギー企業と同様に、15年の原油価格でマイナス成長に陥っています。しかし、生産量が多いパーミヤン地域に油田を持ち、17年には再び成長軌道に乗っています。20年コロナ危機では再びマイナス成長に陥っていますね。

しかし、21年後半は原油市況が上向いています。

21年2Qは前年比+103%、3Qは+107%に急回復していますね。21年10月にガーナ油田を売却するなど、今後は収益性が高い地域に集中投資します。

まとめ:オキシデンタル(OXY)の決算は?

オキシデンタル株の特徴は...
  1. 1920年に創業し、テキサスで9番目の石油生産会社
  2. 原油の探鉱や生産、化学製品の製造、輸送など中流事業も行う
  3. 米国だけではなく、中東やコロンビアにも生産拠点を持つ
  4. シェールオイルの生産量が多いバーミヤン地域に油田を持つ
  5. 20年2Qは前四半期比で、売上高が95%も下落した
  6. 20年2Qの営業損失は、売上高の2.5倍以上に膨らむ
  7. 自己資本比率は減少傾向にあり、20年は26%まで下落

個人的には、オクシデンタル株は保有したい銘柄ではありません。

なぜならば、他の原油企業よりも、不況時の落ち込みが大きいからです原油価格が暴落した16年と20年には、営業利益が−10%に落ち込んでいますね。同じパーミヤン地域で活動しているEOGリソーシズ(EOG)は、20年時は赤字に転落していません。

同社の業績が悪い理由は、収益性が低い地域にも油田を持つからです。

ただ、21年2Qは前年比+103%、3Qは+107%と力強く回復が続きます。21年10月にガーナの油田を売却するなど、収益性が高い事業に集中してる点は高く評価できます。経済回復で期待できるが、バリュー的には割安ではないです。

米国の環境規制が続くならば、カナダのエネルギー企業は恩恵を受けますね。サンコアエナジー(SU)は、売上ベースではすでにコロナ以前の水準にあります。エクソンモービル(XOM)よりも利益率が高くお勧めです。

参考:サンコアエナジー(SU)四半期決算|3Qは前年比+56%に減速

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