BHPビリトンの四半期決算|21年上半期は前年比+70%

コロナ危機を機に、鉄鉱石、銅、プラチナ、穀物などの商品が高騰しています。鉱山会社リオティントは、コロナの安値から21年5月には株価が2.5倍に高騰していますでは、21年のコロナ終息以降も、商品高騰や資源業界の株高は続くのでしょうか?

  • 「コロナ以降に商品価格が高騰し、株価は2.5倍に高騰した…」
  • 「21年は前年比+70%だが、PERは12倍で割安だ…」
  • 「中国経済の減速で、商品価格の高騰も終わるのか…」

VALEは3大資源メジャーのひとつで、世界最大の鉱山企業です。鉄鉱石は世界3位の生産量、銅は世界3位、銀は世界1位です鉄鉱石の割合が多く、資源メジャー3社だけで世界の8割の生産量を誇ります。

個人的には、BHPビリトンは長期で保有したい銘柄のひとつです。

なぜならば、コロナ以降に鉄鉱石などの商品価格が高騰し、恩恵を受ける銘柄だからです。21年前半は鉄鉱石価格が大きく上昇し、20年下半期は前年比+14%、21年上半期は+70%と大幅に上昇しています。

ただし、短中期的には中国経済の減速で鉄鉱石が急落しています。

21年5月に最高値226ドルだった鉄鉱石は、9月には103ドルまで下落しています世界や中国経済の減速が見え始め、21年後半や22年はどちらに動くかは予想できません。個人的には、資源価格の高騰は22年も続くと見ています。

また、脱炭素化の流れは既存の鉱山企業には追い風です。

BHPビリトンの投資判断したい人向け
  1. BHPビリトンの4半期決算(21年1-6月)は?
  2. BHPビリトンの過去10年間の売上高や営業利益は?
  3. コロナ禍からの商品高騰は、いつまで続くのか?

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ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。

過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。

参考:【自己紹介】米国株1.5年で運用額を10倍の「4727万円」に増やす

BHPビリトン(BHP)の四半期決算は?

BHPビリトンの四半期決算を紹介します。

20年1-2Q決算(20年6月30日)

6ヶ月分の内容は...
  1. 売上高:102.3億ドル(前年比−12%)
  2. 営業利益:31.8億ドル(−27%)
  3. 純利益:15.4億ドル(−32%
  4. 1株当たり利益:0.3(−33%)

20年3-4Q決算(20年12月31日)

6ヶ月分の内容は...
  1. 売上高:128.99億ドル(前年比+14
  2. 営業利益:55.19億ドル(+25%
  3. 純利益:19.38億ドル(−20%
  4. 1株当たり利益:0.38(−20%)

21年1-2Q決算(21年6月30日)

6ヶ月分の内容は...
  1. 売上高:177.17億ドル(前年比+70
  2.  鉄鉱石:64%
  3.  銅:19%
  4.  原料炭:9%
  5.  石油:10%
  6. 営業利益:94.14億ドル(+202%
  7. 純利益:37.14億ドル(+140
  8. 1株当たり利益:0.73(+143%

21年上半期の売上高は前年比+70%で171.17億ドル、営業利益は+202%で94.14億ドルでした。20年の上下半期と比較して、21年上半期は売上も利益も大幅に上昇しています。営業利益率は53%と過去最高水準です。

コロナ後に中国の需要が回復し、鉄鉱石などの資源価格が高騰してるからです

ただし、中国経済の減速により、鉄鉱石価格は急落しています。21年5月に最高値226ドルだった鉄鉱石は、9月には103ドルまで下落していますBHPビリトンの鉄鉱石に占める割合は大きく、今後の業績は鉄鉱石次第だと言えますね。

ただし、CEOは今後の業績について強気に見ています。

世界の粗鋼生産は2020暦年に不均衡であり、中国の力強い成長は世界の他の地域(ROW)の急激な落ち込みによって相殺されました。現在までの2021暦年では、これはある程度修正されており、中国が非常に高い稼働率で生産を続けているにもかかわらず、ROWの利用率は平均して通常に近くなっています。定期的な生産量管理に関する規制の不確実性とCOVID-19リスクにもかかわらず、中国の鉄鋼生産は2021暦年に約5%増加すると予想されています。供給の回復が下流の需要の急速な改善に遅れをとったため、鉄鋼の価格とマージンはいくつかの主要なROW地域で記録的なレベルを達成しました。

2022会計年度を通じて、中国では強い最終用途の需要状況が続き、その他の国では継続的な回復が見込まれます。製鋼の脱炭素化への取り組みは、低炭素原料(スクラップを含むがこれに限定されない)の入手可能性、既存施設の年齢、さまざまなレベルの政策支援、純貿易ポジション、および需要の差異に基づいて、地域ごとに異なる速度で進行すると予想されます。手頃な価格の鋼のために、インドなどの発展途上国は、今後数十年で主に最適化と移行技術を製鋼船団全体に展開することを期待しています。中国および先進地域の主要な工場は、ヨーロッパを最前線として、2030年代半ばから水素ベースのDRIの商業化が見込まれており、移行およびグリーンな最終状態の技術をすでに実験しています。したがって、製鋼業界は、長期的なカーボンニュートラルを追求する立場にあるにもかかわらず、今後数十年でカーボンオフセットの大規模な購入者になると予想されます

参考:2021 financial results and operational reviews

21年3-4Q決算(21年12月…)

21年3-4Q決算は、いつ公開するか未定です。

では、売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?

BHPビリトン(BHP)の10年間の損益計算書は?

BHPビリトンは1980年にNYSEに2ドルで上場しています。株価は順調に上昇し、08年に最高値94ドルを付けています。コロナ危機で43ドルまで下落するも、21年11月は57ドルで推移しています。

その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の決算書を見ると、売上高や利益に波がありますね。第一次産品の鉱物を扱うため、景気動向に大きく影響を受けます。ただし、16年以降は業績が大きく上向いています。21年の営業利益率は49%と過去最高水準ですね。

その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)です。BPSは15年以降、横ばいが続いています。EPSは15年に赤字になるも、以降は堅調に回復していますね。

その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

過去10年間のフリーCF(営業CF−投資CF)は、順調に拡大しています。12年以降は一貫して投資CFを低く抑えています。大手資源メジャーは、他企業を買収しながら寡占化しています。

では、私たち投資家はどのように投資判断すれば良いのでしょうか?

BHPビリトン(BHP)の注目ポイントは?

BHPビリトンに投資する上で注目すべきポイントを紹介します。

注目1:売上高の6割を占める鉄鉱石は世界3位?

参考:資源メジャー大手5社の生産量と世界シェア

鉄鉱石は世界最大の鉱物資源で、生産量は14.7億トンです。

VALEとリオ・ティントとBHPグループの鉄鉱石3大メジャーで、世界の鉄鉱石輸出の80%を占めます。VALEは生産販売のシェアは35%で世界1位、BHPビリトンは3位の生産量を誇ります。

産出地別の産出量は、ブラジル (22%)、オーストラリア (19%)、中国 (16%)、インド (10%)、ロシア (6%)、の上位5カ国が76%を占めます。

BHPビリトンは鉄鉱石が世界3位、銅が3位、銀が1位です。他にも、ダイヤモンド、石炭、石油、ボーキサイトなど幅広く採掘しています。

注目2:売上高の2割を占める銅は世界2位?

参考:資源メジャー大手5社の生産量と世界シェア

銅は4番目に多い鉱物資源で、生産量は1709万トンです。

銅生産量1位はチリで542万トン/1年、世界全体の30%を占めます次いで、ペルーが122万トン、中国が119万トン、アメリカが112万トン、オーストラリアが94万トンと続きます。

銅は熱伝導性(熱)と導電性(電気)に優れた金属です。

そのため、熱交換器や電子機器の材料に多用されています。主な用途は、電線(60%)、屋根ふき材および配管(20%)、産業機械(15%)です。銅は住宅や自動車などで多用されるため、世界経済の先行指標としても知られてます

生産量1位の企業は、チリのCODELCO、2位は米国のFreeport、3位がBHPビリトンです。BHPビリトンの売上高の6割を占めます。

鉱山企業の業績の動向を見るには、資源価格を見る必要がありますね。では、資源価格はどのように推移しているのでしょうか?

注目3:鉄鉱石は5年で3倍に高騰し最高値を更新?

参考:鉄鉱石 – 先物契約 – 価格

鉄鉱石の価格は、15年以降から上昇傾向にあります。

コロナ禍でも力強く上昇を続け、21年5月には225ドルと最高値を更新しています。20年4月は84ドルだったので、わずか1年で3倍にも上昇しています。

鉄鉱石が高騰してる理由は、需給関係が逼迫してるからです。

コロナから早く回復した中国が輸入を拡大する一方、VALEの19年鉱山ダム決壊で、主要生産国のブラジルで生産が抑制されているからですオーストラリアの大手銀行は、22年末まで100ドル以上の水準を維持すると予想してます。

しかし、中国経済が減速したことで、21年9月に103ドルまで急落してます。

注目4:銅価格は21年10月に再び過去最高値?

参考:銅 – 先物契約 – 価格

過去25年間の銅先物の価格推移です。

銅価格は21年5月に最高値4.75ドル/Lbsを付けていますこれは、2008年のリーマンショック以前の商品高騰時代よりも高いです。7月には伸び悩むも、10月には再び最高値を越えようとしてますね。

銅価格が高騰した理由は、中国経済が好調で需要が拡大していたからです。また、パンデミックにより新興国の供給が抑制されていました。7月に伸び悩んでいるのは、中国経済が落ち着き政府が価格統制に動いてるからです。

ただし、世界経済が力強く回復する21年後半や22年は、再び上昇すると見ています。みずほ証券のマーケット・フォーカスも引き続き堅調だと予想しています。

脱炭素化にともなう環境インフラの構築に係るニーズ 等から、欧米を中心とした銅需要は拡大するとみられる。目先は上値一服となるも、 引き続き旺盛な買い需要から堅調相場が続きそうだ。以上のことから、2021年後半 の銅価格の予想レンジを1トン=8,500~10,500ドルと想定している。

参考:マーケット・フォーカス(6/21)

これを受けて、米国フリーポートの株価は2倍も高騰しています。

参考:フリーポート・マクモラン(FCX)四半期決算|3Qは+57%で好調

コロナの20年に引き続き、21年はあらゆる商品が高騰しそうです。

注目5:コロナであらゆる商品が高騰している?

参考:Twitter

19年12月31日を起点とした、商品価格の推移です。

コロナで一時的に需要が落ちるも、20年4月以降は全ての商品が高騰しています商品が高騰している原因は複数あります。先進諸国による大規模な財政政策、ドルなどの通貨安、中国経済の好調、世界各国のコロナからの回復期待です。

そのため、商品価格の高騰は21年も続くトレンドだと思います

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ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。

過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。

参考:【自己紹介】米国株1.5年で運用額を10倍の「4727万円」に増やす

まとめ:BHPビリトン(BHP)の四半期決算は?

BHPビリトン株の注目ポイントは...
  1. 1980年にADRで上場した、オーストラリア最大の鉱山企業
  2. 3大資源メジャーの1社で、2位リオティンと3位VALEがある
  3. 主力商品は鉄鉱石で世界3位、売上高の6割を占める
  4. 銅は世界3位、銀は世界1位、石炭、原油、金なども採掘する
  5. 15年に業績が落ち込むも、20年の営業利益は34%まで改善
  6. 鉄鉱石が高騰し、競合VALEは20年3Qは前年比+91%の利益
  7. 中国経済は好調で、21年も商品価格の高騰が続く見込み

個人的には、BHPビリトンは長期で保有したい銘柄のひとつです。

なぜならば、コロナ以降に鉄鉱石などの商品価格が高騰し、恩恵を受ける銘柄だからです。21年前半は鉄鉱石価格が大きく上昇し、20年下半期は前年比+14%、21年上半期は+70%と大幅に上昇しています。

ただし、短中期的には中国経済の減速で鉄鉱石が急落しています。

21年5月に最高値226ドルだった鉄鉱石は、9月には103ドルまで下落しています世界や中国経済の減速が見え始め、21年後半や22年はどちらに動くかは予想できません。個人的には、資源価格の高騰は22年も続くと見ています。

また、脱炭素化の流れは既存の鉱山企業には追い風です。

世界3大資源メジャーは、オーストラリアのBHPビリトン、リオティント、それからブラジルのヴァーレ(VALE)です。中国とオーストラリアの関係が悪化したことで、ヴァーレの業績が最も大きく伸びています。

ただ、中国経済が減速する21年後半は、どうなるか予想が難しいですね。

参考:ヴァーレ(VALE)四半期決算|21年2Qは前年比+117%で強い

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