コロナを機に、鉄鉱石、銅、プラチナ、穀物などの商品が高騰しています。世界3位の銅生産社のフリーポート・マクモラン(FCX)は、20年2月から株価が8倍にも高騰しています。では、商品価格の高騰はいつまで続くのでしょうか?
- 「銅価格が高騰し、20年2月から株価は5倍に高騰した…」
- 「PERは76倍と割高水準、21年も株価は上がるのか…」
- 「コロナが終息すれば、商品価格の高騰も終わるのか…」
フリーポート・マクモランは、銅の生産量が世界3位の米国採掘企業です。銅以外では金、モリブデンも採掘し、北米、南米、インドネシア、アフリカで操業し、主要鉱山はインドネシアのグラスベルグ鉱山です。
個人的には、フリーポート・マクモランは保有したい銘柄です。
なぜならば、世界経済は回復し、23年以降も資源高騰が続くと思うからです。ただし、22年10月時点の銅価格は、3月に付けた高値から急落していますね。価格下落により、22年3Qの売上は前年比−18%に減速しています。
銅価格が急落した原因は、消費5割を占める中国経済が減速しているからですね。
ただし、中長期的にはあまり悲観的に見ていません。なぜならば、引き続き需給はタイトで、在庫量も減少し続けているからです。同社CEOによると、現在の価格は新規鉱山供給開発を支えるに不十分であり、供給不足に陥ると述べています。
22年後半の世界経済とEVの需要は引き続き好調ですね。EVは従来の車と比較して、4倍の銅を消費します。また、欧州経済は減速するも、クリーンエネルギーへの移行は引き続き進みそうです。
22年10月時点の予想PER13倍は割安だと思います。
- フリーポートの4半期決算(22年7-9月)は?
- フリーポートの過去10年間の売上高や営業利益は?
- コロナ禍からの世界的な商品高騰は、いつまで続くのか?
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20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
記事の内容を簡単に知りたい
フリーポートマクモラン(FCX)の四半期決算は?

フリーポート・マクモラン(FCX)の四半期決算を紹介します。
22年1Q決算(22年3月31日)
- 売上高:66.03億ドル(前年比+36%)○
- 銅:1009百万ポンド(+10%)
- 金:415千オンス(+39%)
- モリブデン:21百万ポンド(+5%)
- 営業利益:28.09億ドル(+83%)
- 純利益:15.27億ドル(+112%)
- 1株当たり利益:1.04ドル(+116%)○
22年2Q決算(22年6月30日)
- 売上高:54.16億ドル(前年比−5%)
- 営業利益:—億ドル(—%)
- 純利益:8.40億ドル(−22%)
- 1株当たり利益:0.58ドル(−24%)
22年3Q決算(22年9月30日)
- 売上高:50.03億ドル(前年比−18%)✖️
- 銅:1056百万ポンド(+6.9%)
- 金:415千オンス(+19%)
- モリブデン:19百万ポンド(−18%)
- 営業利益:9.62億ドル(−61%)
- 純利益:4.04億ドル(−72%)
- 1株当たり利益:0.28ドル(−71%)✖️
3Qの売上高は前年比−18%で50.03億ドル、営業利益は−61%で9.62億ドルでした。22年1Qと2Qに続き、3Qの売上は減速していますね。営業利益率は19%で、1Qの42%から急減速しています。
銅価格は22年3月の高値から、大幅に急落していますね。
銅価格下落で業績は悪化するも、同社の生産量は減っていません。中国経済の失速、ウクライナ紛争や欧州の経済危機はあるも、引き続き銅市況はタイトで在庫量は減り続けています。個人的には、23年も資源高は続くと見ています。
世界的なクリーンエネルギー投資の加速で、利益を得られる銘柄です。そのため、引き続き同社の業績は注視したいです。
アリゾナ州フェニックス、2022 年 10 月 20 日 – Freeport-McMoRan Inc. (NYSE: FCX) は、2022 年第 3 四半期の普通株式に起因する純利益が 4 億 400 万ドル、1 株あたり 0.28 ドル、普通株式に起因する調整済み純利益が 3 億 7,500 万ドルであると報告しました。 1 株あたり 0.26 ドル、合計 2,900 万ドルの正味貸方を除いた後、1 株あたり 0.02 ドル、主に債務の早期消滅による利益と国際税務調査に関連する有利な調整に関連し、一部は在庫調整によって相殺されました。詳細については、VII ページの補足スケジュール「調整済み純利益」を参照してください。
会長兼最高経営責任者のリチャード C. アドカーソンは、次のように述べています。 . 2022 年第 3 四半期の当社の業績は、困難なコストとサプライ チェーン環境で生産計画を達成することにグローバル チームが焦点を当てていることを反映しています. 短期的な不確実性にもかかわらず、長期的な市場のファンダメンタルズと利害関係者にとっての価値の機会は引き続き非常に魅力的です. I世界的な状況が改善するにつれて、銅の最前線であることを中心とした当社の戦略は、すべての利害関係者にとってプラスになると確信しています。」
銅市況:
ロンドン金属取引所 (LME) の銅決済価格は、2022 年 3 月に 1 ポンドあたり 4.87 ドルの最高値に達しました。
2022 年 6 月以降、一連のマクロ経済要因 (世界経済、中国の経済データ、欧州のエネルギー危機、米国の金利上昇、米ドル高に関連する為替レートに関する懸念など) が、銅価格の下落に。 LME の銅の決済価格は 2022 年 6 月 30 日に 1 ポンドあたり 3.74 ドルに下落し、2022 年第 3 四半期中にさらに下落し、2022 年 9 月 30 日に 1 ポンドあたり 3.47 ドルになりました。2022 年 10 月 19 日の LME の銅の決済価格は 1 ポンドあたり 3.37 ドルでした。
現物市場のファンダメンタルズは、世界の為替株の低水準からも明らかなように、引き続きタイトです。 FCX のグローバルな顧客基盤は、銅に対する健全な需要を報告しています。 FCX は、脱炭素化に向けた世界的な動きに基づいて、銅の需要が 15 年で 2 倍になる可能性があることを示す調査結果から、中長期的な銅のファンダメンタルズの見通しは引き続き良好であると考えています。 FCX はまた、世界的なエネルギー転換の目標を達成するためには、大幅な新規鉱山供給開発が必要であり、銅の現在の価格は新規鉱山供給開発を支えるには不十分であり、将来の供給不足に拍車がかかると考えています。
歴史的に、銅の価格は、エネルギーやその他のコモディティ関連の消耗品を含むさまざまな投入コストと相関しています。ただし、2022 年には、銅価格が下落したときに、多くのコモディティ関連の消耗品の価格が上昇しました。過去の長期的な相関関係に戻り、労働市場とサプライ チェーンの制約が改善されれば、コストと運用効率が向上します。
FCX の経営陣とグローバル組織は、不安定な市場状況と困難な経営環境下での実行において、豊富な経験と成功を収めています。 FCX は、魅力的なコスト構造、長寿命の埋蔵量、プロジェクト パイプラインのオプション性、および強力なバランスシートと流動性ポジション。
FCX は市場の状況を注意深く監視しており、必要に応じて流動性を保護し、資産価値を維持するために運用計画を調整します。 FCXは、事業における長期的な価値の構築、安全で責任ある効率的な運営計画の実行、コストと設備投資の慎重な管理に重点を置いているため、強力なバランスシートと流動性ポジションを維持します。 FCX は余剰資金を日和見的に使用して、負債証券と株式証券を買い戻します。 10ページから始まるFCXの財務方針を参照してください。
22年4Q決算(22年12月…)
22年4Q決算は、23年1月21日に公開予定です。
では、売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?
フリーポートマクモラン10年間の損益計算書は?

フリーポートマクモランは95年に13ドルで上昇しています。08年に最高値58ドルを付けるも、15年には6ドルまで下落しています。22年11月は37ドル前後で推移しています。
その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の決算書を見ると、世界経済の影響を大きく受けています。20年後半は世界的な資源価格の高騰により、営業利益は大きく上向いていますね。21年5月の銅価格は過去最高値で、営業利益率は24.4%まで上昇しています。
その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)です。BPSは15年に下落し、以降は横ばいが続いています。20年に銅価格は上昇し、EPSも上向いています。
その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

過去10年間のフリーCF(営業CF−投資CF)は、景気減速した19年に赤字です。しかし、20年と21年は再び黒字化していますね。銅鉱山は活発に投資されておらず、20年後半に営業CFが拡大しています。
では、私たち投資家はどのように投資判断すれば良いでしょうか?
フリーポート・マクモラン(FCX)の注目ポイントは?

フリーポートマクモランに投資する上で注目すべきポイントを紹介します。フリーポートマクモランは、銅生産量が世界2位です。そのため、銅の市況を見ることで業績も予想できますね。
注目1:フリーポートの銅生産量は世界2位?
20年時点の銅鉱山会社の市場シェアです。
銅の世界シェアで1位は、チリのコデルコで8.59%です。2位はBHPグループで8.58%、3位にフリーポート・マクモランで7.2%と続きます。BHPグループの銅の売上高は2割程度です。
銅は4番目に多い鉱物資源で、生産量は1709万トンです(参考:鉱物資源)。
銅生産量1位はチリで542万トン/1年、世界全体の30%を占めます。次いで、ペルーが122万トン、中国が119万トン、アメリカが112万トン、オーストラリアが94万トンと続きます。
また、銅は熱伝導性(熱)と導電性(電気)に優れた金属です。
そのため、熱交換器や電子機器の材料に多用されています。主な用途は、電線(60%)、屋根ふき材および配管(20%)、産業機械(15%)です。銅は住宅や自動車などで多用されるため、世界経済の先行指標としても知られてます。
では、銅価格は今後どのように推移するのでしょうか?
注目2:銅価格は21年10月に再び過去最高値?
過去25年間の銅先物の価格推移です。
銅価格は21年5月に最高値4.75ドル/Lbsを付けています。これは、2008年のリーマンショック以前の商品高騰時代よりも高いです。7月には伸び悩むも、10月には再び最高値を越えようとしてますね。
銅価格が高騰した理由は、中国経済が好調で需要が拡大していたからです。また、パンデミックにより新興国の供給が抑制されていました。7月に伸び悩んでいるのは、中国経済が落ち着き政府が価格統制に動いてるからです。
ただし、世界経済が力強く回復する21年後半や22年は、再び上昇すると見ています。みずほ証券のマーケット・フォーカスも引き続き堅調だと予想しています。
脱炭素化にともなう環境インフラの構築に係るニーズ 等から、欧米を中心とした銅需要は拡大するとみられる。目先は上値一服となるも、 引き続き旺盛な買い需要から堅調相場が続きそうだ。以上のことから、2021年後半 の銅価格の予想レンジを1トン=8,500~10,500ドルと想定している。
▼▼2022年12月は資産が6000万円を超える▼▼

20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
まとめ:フリーポートマクモラン(FCX)決算は?

- 1995年にNYSEに上場した、銅を採掘する米国企業
- 銅生産が世界2位で、金とモリブデンの採掘量も多い
- 北米、南米、インドネシア、アフリカ、インドネシアで採掘する
- 15年に業績が落ち込むも、18年の営業利益は24%まで改善
- 銅価格は07年に上昇するも、その後は横ばいが続い続いてる
- EVで需要が急増し、20年2月以降は価格が60%も上昇する
- 中国経済は好調で、21年も商品価格の高騰が続く見込み
個人的には、フリーポート・マクモランは保有したい銘柄です。
なぜならば、世界経済は回復し、21年後半や22年も資源高騰が続くと思うからです。21年10月に銅価格が再び最高値を取りにいく局面です。21年3Qの営業利益は2.7倍で、営業利益率は40%と過去10年で最大です。
しかし、21年5月以降の株価は伸び悩んでいますね。
銅価格が伸び悩む原因は、好調だった中国経済が減速してるからです。また、中国政府は資源高騰の抑制に動いています。しかし、21年後半の世界経済とEVの需要は引き続き好調ですね。EVは従来の車と比較して、4倍の銅を消費します。
そのため、短期的には調整したとしても、中長期的にはまだまだ伸びると期待しています。21年10月時点の予想PER14倍は十分に割安だと思います。
世界最大の鉱山企業BHPビリトンは、銅生産量が世界3位です。また、鉄鉱石の売上高が最も大きく、20年2月から価格が2倍に上昇しています。
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