KLAテンコール(KLAC)四半期決算|24年1Qは-12%に減速

半導体製造装置のKLAテンコールは、経済再開の恩恵を受ける銘柄ですね。半導体製造装置は米中貿易摩擦やコロナ禍でも事業を拡大しています。23年4Qは前年比−5.3%、1Qは−12%に減速しています。

  • 「84年に4ドルで上場、株価は93倍に高騰してる…」
  • 「半導体製造装置は寡占化が進み、4社が7割を占める…」
  • 「買収を通じて事業を拡大、利益率は37%と高い…」

KLAテンコール(KLAC)は、世界5位の半導体製造装置メーカーです。後工程の計測検査機器でトップシェアを持ち、62.6%の市場シェアを持ちます。半導体大手のTSMやサムソンと同様に、製造装置も特定企業で寡占化が進んでいます。

個人的には、KLAテンコールは投資したい銘柄のひとつです。

なぜならば、後工程の計測検査機器で高いシェアを持つ企業だからです半導体製造装置の市場拡大と共に成長し、売上高は5年で3倍近く拡大しています。また、計測検査機器で高いシェアを持つため、営業利益率は37%と高いです。

世界経済は回復に向かっており、22年も市況は良いです。

ただ、市況サイクルは3-4年で、長期的には懸念材料も多いですね。米中貿易摩擦により、設備投資は米国と中国の両方で過剰に増えていますね。コロナ後の経済再開で実需が高いのは事実だが、いずれは市況の転換点に立ちそうです。市況関連銘柄に投資するならば、サイクルの最悪期に投資するべきです。

23年11月時点の予想PERは19倍は割安です。

KLAの投資判断したい人向け
  1. KLAの4半期決算(23年7-9月)は?
  2. KLAの過去10年間の売上高や営業利益は?
  3. 経済再開で半導体は強いが、22年も継続するか?

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20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました

ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。

過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。

参考:【自己紹介】米国株1.5年で運用額を10倍の「4727万円」に増やす

KLAテンコール(KLAC)の四半期決算は?

KLAテンコール(KLAC)の四半期決算を紹介します。

23年3Q決算(23年3月30日)

3Qの内容は...
  1. 売上高:24.33ドル(前年比+6.2%
  2. 営業利益:—億ドル(—%
  3. 純利益:6.98億ドル(−4.4%
  4. 1株当たり利益:5.49ドル(+7.0%)

23年4Q決算(23年6月30日)

4Qの内容は...
  1. 売上高:23.55ドル(前年比−5.3%
  2.  Product:18.16億ドル(−8.1%)
  3.  Service:5.38億ドル(+5.2%)
  4. 営業利益:7.75億ドル(−18%
  5. 純利益:6.84億ドル(−15%
  6. 1株当たり利益:4.97ドル(−8%)

24年1Q決算(23年9月30日)

1Qの内容は...
  1. 売上高:23.96ドル(前年比−12%)◯
  2.  Product:18.36億ドル(−17%)
  3.  Service:5.60億ドル(+6%)
  4. 営業利益:8.51億ドル(−21%
  5. 純利益:7.41億ドル(−28%
  6. 1株当たり利益:5.41ドル(−25%)◯

Qの売上高は前年比−12%で23.96億ドル、営業利益は−21%で8.51億ドルでした。23年3Qや4Qに続き、24年1Qの売上も減速していますね。営業利益は35.5%と依然として高いです。

半導体は需給が逼迫し、コロナ禍でも業績が好調でしたね。経済再開後は需給がさらに増し、供給制約はあるも依然として強いです。米中貿易摩擦の影響もあり、米国と中国でそれぞれ半導体製造装置の需要が増していました。

ただし、世界的な景気減速で22年後半から減速しています。

24年2Qの売上予想は、24.5億ドル(−18%)と弱いです。

・総収益は 24 億ドルで、ガイダンス範囲の 23 億 5000 万ドル +/- 1 億 2,500 万ドルの上限に達しました。
・KLAに起因するGAAPおよび非GAAP希薄化EPSはそれぞれ5.41ドルと5.74ドルで、それぞれガイダンス範囲の上限で終了しました。
・当四半期と過去 12 か月の営業活動によるキャッシュ フローは、それぞれ 8 億 8,370 万ドルと 35 億 4,000 万ドルで、フリー キャッシュ フローはそれぞれ 8 億 1,570 万ドルと 32 億 2,000 万ドルでした。
・当四半期と過去 12 か月の資本収益は、それぞれ 6 億 3,690 万ドルと 24 億ドルでした。 そして
9月5日、KLAは四半期配当水準を1株当たり1.30ドルから1.45ドルに引き上げ、これは2006年の設立以来14回連続の年間配当の増額となるほか、現在の自社株買い承認額を20億ドル増額すると発表した

カリフォルニア州ミルピタス、2023年10月25日/PRNewswire/ — KLAコーポレーション(NASDAQ:KLAC)は本日、2023年9月30日に終了した2024年度第1四半期の財務および営業成績を発表し、GAAP純額で報告しました。 収益は7億4,140万ドル、GAAPベースの希薄化後1株当たり利益は5.41ドル、売上高は24億ドルでした。

リック・ウォレス氏は「KLAの9月四半期決算は、売上高と1株当たり利益のガイダンス範囲の上限か中間値を上回っており、KLAの市場リーダーシップと業務執行の強さを証明するとともに、堅実なフリーキャッシュフローの創出も実現した」と述べた。 、KLA株式会社代表取締役社長。 「厳しい市場環境にもかかわらず、当社の継続的な好調な業績は、当社の顧客にとってのKLA製品とサービスの相対的価値、KLAオペレーティングモデルの回復力、そしてすべてのステークホルダーに長期的な価値を提供するという当社の取り組みを浮き彫りにしています。」

参考:KLA Corporation Reports Fiscal 2023 4Q

KLA コーポレーションは、米国の精密機器メーカー。半導体やマイクロ電子機器産業向 けに、プロセス制御機器や歩留まり解析システムを製造・販売する。主要製品はウエハ ー欠陥・異物検査装置、レチクル欠陥検査装置、相互接続検査装置、CD 計測器、光学式 オーバレイ計測機器、ウエハー膜厚・膜組成測定装置、プラズマチャンバー測定装置、 ウエハー形状・特性測定装置、歩留まり・欠陥解析システムなど。

半導体製造装置業界は再編が進み、製造装置メーカー大手 5 社で市場の 70%を占める5G や AI による半導体の高度化と需要の拡大が進行中だ。半導体回路の集積度を上げる ために製造装置の高度化も必要で、装置メーカーの研究開発費が増している。顧客の半 導体メーカーの集約が進んだことも背景にある。韓国サムスン電子と米インテル、台湾 の台湾積体電路製造(TSMC)の寡占が進み、装置メーカーへの技術的な要求や装置価格 の値引き圧力が強まる中、装置メーカーも集約も進み、AMAT など大手 4 社で市場の 7 割 近くを占める。限られたプレイヤーがそれぞれの強みを発揮し、業界として成長してい る。

ほぼ全ての産業で DX 化が進む中、従前からみられたシリコンサイクル(半導体需給の波) とデジタル革命進展に伴う需要拡大(グレートサイクル)で、半導体、半導体製造装置 株は、かつてない業績相場の様相を呈してきた。更なる上値追いが見込めよう。

参考:マネックス証券 – 2021/10/28

24年2Q決算(23年12月…)

24年2Q決算は、1月26日に公開予定です。

では、売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?

KLAテンコール(KLAC)の損益計算書は?

KLAテンコールは84年に4ドルで上場しています。株価は16年から大きく上昇していますね。20年3月は116ドルに下落するも、23年11月は454ドル前後で推移しています。

その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の決算書を見ると、売上と利益は右肩上がりで伸びています。また、半導体製造装置は寡占化が進み、21年の営業利益率は37.3%と高いですね。

その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)です。自己資本比率は34%と高く、BPSもEPSもよく伸びていますね。

その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

過去10年間のフリーCF(営業CF−投資CF)は、順調に拡大しています。投資CFは少なく、設備投資が少ない優良ビジネスだと言えます。20年から半導体市況は良く、営業CFはよく伸びていますね。

では、私たち投資家はどのように判断すれば良いのでしょうか?

KLAテンコール(KLAC)の注目ポイントは?

KLAテンコール(KLAC)の注目ポイントを紹介します。

注目1:KLAは半導体製造装置で世界5位?

参考:2020 Top Semiconductor Equipment Suppliers

20年時点の半導体製造装置の売上ランキングです。

世界最大の半導体製造装置は、米国アプライドマテリアル(AMT)です。2位はオランドのASML、3位もオランドのラムリサーチ(LAM)、4位は東京エレクトロン、5位に米国KLAと続きます。

半導体製造装置は日本企業も強く、アドバンスと、スクリーン、テラダインがランクインしています。

KLAは製造装置のバックエンド(製造工程の後半)に強い企業です。

注目2:計測検査機器で62.6%のシェアを獲得?

参考:KLA: The Disconnect Between Sector Dominance

半導体計測検査機器の市場シェアです。

世界最大の計測検査機器は、KLAで62.6%のシェアを獲得しています。2位はアプライドマテリアル(AMI)で16.2%、3位は日立が8.4%、4位はオランダASMLが5.8%と続きます。

KLAは製造工程のバックエンド(後半)で高いシェアを持つ企業です。半導体製造装置では、それぞれの領域でトップシェアを持つ企業が異なります。

注目3:各製造工程の世界的なトップ企業は?

参考:半導体製造装置メーカーシェアと業界動向

  • 【製造前工程シェア】
  •  コータ/デベロッパ(フォトレジスト/感光剤の塗布と現像)
  •  → ELT:90%
  •  プラズマエッチング装置
  •  → LAM:48%、AMT:20%、ELT:23%、日立:5%
  •  枚葉式成膜装置
  •  → AMT:52%、LAM:21%
  •  熱処理成膜装置
  •  → ELT:59%、日立:30%
  •  洗浄装置
  •  → SCREEN:42%、ELT:24%、セメス:19
  •  ウェーハプローバ(電気的検査の際に使用する装置)
  •  → 東京機密:55%、ELT:35%、セメス:10%
  •  ArF液浸露光装置
  •  → ASML:90%、ニコン:8%
  •  KrF露光装置(前世代)
  •  → ASML:62%、キャノン:30%、ニコン:8%
  •  KrF露光装置(前世代)
  •  → キャノン:57%、ASML:23%、ニコン:20%
  •  フォトマスク欠陥検査装置
  •  → レーザーテック50%、KLA50%
  • 【製造後工程シェア】
  •  メモリテスタ
  •  → アドバンテスト:42%、テラダイン:24%
  •  非メモリテスタ
  •  → テラダイン:53%、アドバンテスト:37%
  •  ダイシングマシン(ウェーハを切り分ける)
  •  → ディスコ:80%

18年時点の半導体製造の各工程のシェアです。

KLAはフォトマスク欠陥検査装置で高いシェアを獲得しています。高いシェアを保有してる企業に投資すれば、半導体市況が上向いた時に大きな利益を得られますね。

注目4:半導体市況は3-4年のサイクルがある?

参考:Fab Equipment Spending

半導体製造装置の設備投資額の推移です。

基本的には、半導体市況は3-4年のサイクルがあります。ただ、今サイクルに関しては、コロナもあり不規則な動くをしていますね。コロナ後の経済再開もあり、半導体の好市況は21年や22年も続きそうです。

では、半導体製造装置はどのように市場規模を拡大してきたのでしょうか?

注目5:世界半導体製造装置は年率13%で拡大?

参考:Global Semiconductor Manufacturing Equipment

世界的な半導体製造装置の市場規模の推移です。

半導体製造装置は21年以降も年率13%で、力強く成長する産業です。クラウドやAI、IoTデバイスの増加により、21年以降も続く力強いトレンドです。北米、欧州、アジアなど、全ての地域で市場が拡大しますね。

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20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました

ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。

過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。

参考:【自己紹介】米国株1.5年で運用額を10倍の「4727万円」に増やす

まとめ:KLAテンコール(KLAC)の銘柄分析は?

KLAの注目ポイントは...
  1. 84年に上場した、世界5位の半導体製造装置である
  2. 業界1位はAMAT、2位はASML、3位はLAMと続く
  3. 後工程の計測検査機器で、62.6%のシェアを獲得
  4. 計測検査機器の独占企業のため、利益率は37%と高い
  5. 半導体は3-4年サイクルがあり、22年も好調が予想

個人的には、KLAテンコールは投資したい銘柄のひとつです。

なぜならば、後工程の計測検査機器で高いシェアを持つ企業だからです半導体製造装置の市場拡大と共に成長し、売上高は5年で3倍近く拡大しています。また、計測検査機器で高いシェアを持つため、営業利益率は37%と高いです。

世界経済は回復に向かっており、22年も市況は良いです。

ただ、市況サイクルは3-4年で、長期的には懸念材料も多いですね。米中貿易摩擦により、設備投資は米国と中国の両方で過剰に増えていますね。コロナ後の経済再開で実需が高いのは事実だが、いずれは市況の転換点に立ちますね。市況関連銘柄に投資するならば、サイクルの最悪期に投資するべきです。

22年2月時点の予想PERは18倍は割安です。しかし、今すぐに投資したい銘柄ではありません。

半導体製造装置で業界最大手はアプライドマテリアルです。ただし、半導体製造装置は製造工程が異なっており、領域ごとでシェアが異なります。大手5社で市場の8割を占めるが、直接的な競合とは限りません。

そのため、半導体製造装置の大手は利益率が30%を超えています。

参考:アプライドマテリアル(AMAT)四半期決算|4Qは+30%に減速

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