FPGA半導体を製造するザイリンクスは、経済再開で恩恵を受ける銘柄のひとつです。コロナ禍でマイナス成長に落ち込むも、22年1Qは前年比+21%で成長が加速しています。5Gや自動運転で期待される銘柄ですね。
- 「貿易摩擦やコロナの影響で、20年の業績は伸びていない…」
- 「20年3Qで業績が反転するも、PER54倍と割高にある…」
- 「FPGAの市場シェアは49%、年率7.7%で拡大する成長産業だ…」
ザイリンクス(XLNX)は、FPGAで世界1位の半導体企業です。売上高はインテルの24分の1だが、FPGAではシェア49%を獲得する独占企業です。回路書き換え可能なFPGAは、最新テクノロジーの開発段階で需要が高いです。
個人的には、ザイリンクスは投資したい銘柄のひとつです。
なぜならば、売上高は右肩上がりの上に利益率も高いからです。FPGA半導体では世界最大のシェアで、アジアと日本の売上比率が62%と高いです。インテルからシェアを奪うAMDに買収されることで、より競争力を高められますね。
5G通信や自動運転など、あらゆる成長産業でFPGAの需要は高いです。22年3Q決算は、全ての産業向けと地域で売上が大幅に加速しています。これは、半導体市況は22年も引き続き重要が高いことを示しています。
ただ、2年2月時点の予想PERは45倍1と高いです。また、買収先のAMDの予想PERも41倍と高いですね。両企業とも優良なのは間違いなく、株価が大きく下げる局面があれば購入したい銘柄です。
- XLNX直近の4半期決算(21年10-12月)は?
- XLNXの過去10年間の売上高や営業利益は?
- FPGAの独占企業だが、PER54倍は割高か?
▼▼2022年12月は資産が6000万円を超える▼▼
20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
記事の内容を簡単に知りたい
ザイリンクス(XLNX)の四半期決算は?
ザイリンクス(XLNX)の四半期の決算を紹介します。
22年1Q決算(21年6月30日)
- 売上高:8.79億ドル(前年比+21%)
- A&D, industrial and TME:36%(−2%)
- Automotive, Broadcast and Consumer:20%(+94%)
- Wired and Wireless Group:30%(+13%)
- Data Center Group:10%(−1%)
- 営業利益:2.10億ドル(+20%)
- 純利益:2.06億ドル(+120%)
- 一株利益:0.83ドル(+118%)
22年2Q決算(21年9月30日)
- 売上高:9.36億ドル(前年比+22%)
- A&D, industrial and TME:40%(+13%)
- Automotive, Broadcast and Consumer:22%(+70%)
- Wired and Wireless Group:31%(+42%)
- Data Center Group:9%(−22%)
- 営業利益:2.50億ドル(+22%)
- 純利益:2.35億ドル(+21%)
- 一株利益:0.94ドル(+19%)
22年3Q決算(21年12月31日)
- 売上高:10.11億ドル(前年比+25%)
- A&D, industrial and TME:45%(+28%)
- Automotive, Broadcast and Consumer:19%(+28%)
- Wired and Wireless Group:23%(+1%)
- Data Center Group:11%(+81%)
- 北米:30%(+43%)
- アジア:44%(+13%)
- 欧州:19%(+18%)
- 日本:7%(+53%)
- 営業利益:3.10億ドル(+80%)
- 純利益:3.00億ドル(+28%)
- 一株利益:1.19ドル(+26%)
3Qの売上は前年比+25%で10.11億ドル、営業利益は+80%で3.10億ドルでした。22年1Qと2Qに引き続き、3Qの売上と利益は好調です。営業利益率は30%と、過去平均よりも高いです。
全ての産業と地域で売上が大幅に上昇しています。2Qに大きく落ち込んでいた、データセンター向けも、3Qは+81%と大幅に上昇しています。通信事業の落ち込みは、サプライの影響によるものだとしています。
AMDは21年に、同社を買収すると発表しています。
参考:AMDの四半期決算|ゲーム機器は需要減だが前年比+99%で加速?
業界全体の供給制約が続いているにもかかわらず、8%の連続成長と26%の前年比成長を表す、10億1,100万ドルの記録的な収益。データセンターグループ(DCG)は、コンピューティングとネットワーキングの強みにより、前年比28%と81%の連続成長で記録的な収益を達成しました。
航空宇宙および防衛、産業およびテスト、測定およびエミュレーション(AIT)の収益も記録的であり、記録的なA&D収益と、ISMおよびTMEの最終市場である自動車、放送の継続的な力により、前四半期比で21%、前年比で28%増加しました。当四半期の消費者(ABC)の収益は、第2四半期の記録から4%減少し、ほぼ予想に沿ったものになりました。収益は前年比で28%増加しました。
有線およびワイヤレスグループ(WWG)の収益は、供給の制約が四半期のビジネスに大きな影響を与えたため、前四半期比で18%減少し、前年比で1%増加しました。プラットフォームの変革は、ZynqおよびVersalプラットフォームを含むAdaptive SoCの総収益で継続し、前四半期比で5%、前年比で30%増加し、総収益の28%を占めています。
22年4Q決算(22年3月…)
22年4Q決算は、4月27日に公開予定です。
では、売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?
ザイリンクス(XLNX)の損益計算書は?
ザイリンクスは1990年に1.2ドルで上場しました。2000年に88ドルを付けた後は長く低迷するも、18年に最高値を更新しています。22年2月は177ドル前後で推移しています。
その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?
過去10年間の決算書を見ると、19年度から売上は伸び悩んでいますね。19年度に31%だった営業利益率は、22年度に23%まで低下しています。ただ、21年以降は5Gや自動運転などで、FPGAの需要が増える可能性が高いです。
その2:BPSとEPSの10年間の推移は?
過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)です。BPSもEPSも安定して推移していますね。自社株買いにも積極的で、株式数は過去10年で10%も減少しています。
その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?
過去10年間のフリーCF(投資CF−営業CF)も安定していますね。外部に製造工程を委託するファブレス半導体企業は、投資CFが低いです。競合企業も少なく、21年以降も力強く成長しそうです。
では、私たち投資家はどのように投資判断すれば良いでしょうか?
ザイリンクス(XLNX)の注目ポイントは?
ザイリンクス(XLNX)の注目すべきポイントを紹介します。
注目1:「FPGA」半導体で市場シェアは49%で1位?
ザイリンクスは、FPGAでシェア1位の半導体メーカーです。
FPGA(Field-Programmable Gate Array)とは、「現場で書き換え可能な論理回路の多数配列」で、開発者が回路を現場で自由に書き換えられるCPUです。FPGAの業界大手は2社だけで、2位のAltera社は15年にインテルに167億ドルで買収されました。
書き換え可能なFPGAは、自動車業界と通信業界で需要が高いです。
なぜならば、量産前の開発段階では、出荷後でも書き換えられる半導体が好まれるからです。自動車分野では、ADAS(先進運転支援システム)や車載情報機器、電動車両の制御に使われています。インテルが買収したのは、自動運転やIoT向けに力を入れるためですね。
開発段階にある5G通信でも、FPGAの需要は高いですね。ただし、量産段階に入ると、FPGAの需要が低下する点には注意が必要です。
では、部門別の売上比率はどうでしょうか?
注目2:産業機器、航空宇宙向けで41%を占める?
21年4Q時点の部門別売上構成比です。
売上構成比が最も高いのは、産業機器、航空宇宙向けで41%を占めます。次いで、通信業界向けが31%、車載向けが18%、データーセンター向けが9%と続きます。コロナ禍で好調な車載向けが前年比+31%、5Gで期待される通信業界が+43%と高いです。
経済再開する21年後半は、さらに急成長が続きそうですね。
では、地域別の売上構成比を見てみましょう。
注目3:アジアの売上比率は49%で前年比+49%?
21年4Q時点の地域別売上構成比です。
売上比率が最も高いのは、中国を含むアジア地域で49%を占めます。次いで、北米が27%、欧州が16%、日本が8%と続きます。売上成長率が最も高いのもアジア地域で、前年比+49%で拡大しています。
米中対立もあり、中国政府と企業が買い占めているからです。
では、FPGA市場はどれくらい拡大するのでしょうか?
注目4:FPGA市場は年平均7.6%で成長する?
世界のFPGA市場の成長率です。
FPGA市場は年率7.6%で拡大し、25年には1.45倍の86億ドルに拡大します。ザイリンクスは市場シェアの49%を占めるため、最も恩恵を受ける銘柄ですね。米中貿易摩擦やコロナで、20年前半は一時的に業績が落ち込みました。
しかし、テクノロジー産業は長期的に成長するのは確実ですね。
エッジコンピューティングや5G、データセンター、AI(人工知能)、自動運転支援など、様々な分野で、FPGA半導体が使われます。これら最先端技術は、まだまだ成長が期待される分野なのは間違いないです。
▼▼2022年12月は資産が6000万円を超える▼▼
20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
まとめ:ザイリンクス(XLNX)の四半期決算は?
- 売上高は7億ドルと小規模だが、営業利益率は30%と高い
- 開発者が回路を自由に変えられるFPGAで、市場シェア1位を獲得
- FPGAは、5Gの基地局や自動運転支援で需要が高い
- 高い営業利益率30%だが、2019年以降は減少傾向にある
- 5G特需を受ける銘柄だが、需要が落ち始めている
- 米中貿易摩擦の影響を受けて、大口顧客の中国企業に輸出できない
個人的には、ザイリンクスは投資したい銘柄のひとつです。
なぜならば、売上高は右肩上がりの上に利益率も高いからです。FPGA半導体では世界最大のシェアで、アジアと日本の売上比率が62%と高いです。インテルからシェアを奪うAMDに買収されることで、より競争力を高められますね。
5G通信や自動運転など、あらゆる成長産業でFPGAの需要は高いです。22年3Q決算は、全ての産業向けと地域で売上が大幅に加速しています。これは、半導体市況は22年も引き続き重要が高いことを示しています。
ただ、2年2月時点の予想PERは45倍1と高いです。また、買収先のAMDの予想PERも41倍と高いですね。両企業とも優良なのは間違いなく、株価が大きく下げる局面があれば購入したい銘柄です。
他に5Gの恩恵を受ける半導体メーカーは、クアルコムとブロードコムです。両企業はモバイル向けの通信機器を開発し、業績は20年も好調です。
コメントを残す