配車サービスを提供するウーバーは、19年まで2桁で売上高が拡大してきました。コロナで成長が鈍化するも、経済が再開する21年は再び成長だ期待できる銘柄のひとつです。経済再開が進み22年2Qは前年比+105%、3Qは+81%と好調です。
- 「19年5月に上場した、2桁成長の米国配車サービスである…」
- 「コロナ以前の売上高は、4年で3.67倍に急拡大している…」
- 「PERは2583倍と割高だが、今後も成長するのは間違いない…」
ウーバーは、配車サービスとフードデリバーを提供する米国企業です。世界中の配車サービスは、タクシーの市場を奪う形で急速にシェアを拡大しています。ウーバーの売上高は4年間で3.6倍にも拡大していますね。
個人的には、ウーバーは投資したい銘柄ではありません。
なぜならば、競合であるリフト(LYFT)にシェアを奪われているからです。配車サービスは差別化が難しく、先行者利益を享受できる市場です。そして、市場が拡大した後は、価格競争に陥るしかありません。
リフトは価格優位で、近年急速にシェアを伸ばしていますね。価格競争に走ると、市場先行者であるウーバーも厳しい展開になります。
ただし、経済再開が進む21年後半は、配車サービスが急回復しますね。21年後半は配車もフード配達も好調で、4Qの成長率は前年比+82%に加速しています。また、物流の混乱で配達料が高騰し、貨物事業が+245%で急成長しています。
貨物事業は、22年も力強く成長しそうです。ただし、いずれの事業も参入障壁は高くはありません。上場以来黒字化したことがなく、引き続き割高にあると見ています。
23年11月の予想PER58倍は割高です。
- ウーバーの4半期決算(23年7-9月)は?
- ウーバーの過去10年間の売上高や営業利益は?
- 経済が本格的に再開する21年は、再び2桁成長に戻る?
▼▼2022年12月は資産が6000万円を超える▼▼
20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
記事の内容を簡単に知りたい
ウーバー(UBER)の四半期決算は?
ウーバー(UBER)の四半期決算を紹介します。
23年1Q決算(23年3月30日)
- 売上高:88.23億ドル(前年比+29%)◯
- Mobility:43.30億ドル(+78%)
- Delivery:30.93億ドル(+29%)
- Freight:14.00億ドル(−23%)
- 北米:51.32億ドル(+12%)
- 南米:5.65億ドル(+31%)
- 欧州:20.94億ドル(+86%)
- アジア:10.32億ドル(+41%)
- 営業利益:−4.82億ドル(前年度−2.62億ドル)
- 純利益:−1.57億ドル(前年度−59.30億ドル)
- 1株当たり利益:−0.08ドル(前年度−3.04ドル)◯
23年2Q決算(23年6月30日)
- 売上高:92.30億ドル(前年比+14%)
- 営業利益:—億ドル(—%)
- 純利益:3.94億ドル(+115%)
- 1株当利益:0.34ドル(+1243%)
23年3Q決算(23年9月30日)
- 売上高:92.92億ドル(前年比+11%)×
- Mobility:50.71億ドル(+33%)
- Delivery:29.35億ドル(+6%)
- Freight:12.86億ドル(−27%)
- 営業利益:1.76億ドル(前年度11.76億ドル)
- 純利益:2.21億ドル(前年度−12.06億ドル)
- 1株当たり利益:0.10ドル(前年度−0.61ドル)◯
3Qの売上高は前年比+11%で92.92億ドル、営業利益は1.76億ドルでした。23年1Qや2Qと比較して、3Qの売上も減速していますね。営業利益率も1.8%と黒字に成功しています。
経済再開後の23年は、タクシーも配達も好調です。
23年4Qの予約注文は、370億ドルです。
・予約額は前年比 21% (「前年比」) 増の 353 億ドル、または固定通貨ベースで 20% 増加し、モビリティの総予約額は 179 億ドル (前年比 31% 増、または固定通貨ベースで前年比 30% 増) と配送でした。 総予約額は 161 億ドル (前年比 +18% または固定通貨ベースで前年比 +16%)。 同四半期の旅行件数は前年同期比 25% 増の 24 億件、つまり 1 日あたり平均約 2,700 万件に達しました。
・売上高は前年比 11% 増の 93 億ドルとなり、為替変動の影響を除いたベースでは 10% 増加しました。 モビリティとデリバリーを合わせた収益は前年比 21% 増の 80 億ドルとなり、為替変動の影響を除いたベースでは 20% 増加しました。
・営業利益は 3 億 9,400 万ドルで、前年同期比 8 億 8,900 万ドル、前四半期比 (「前四半期」) では 6,800 万ドル増加しました。
・Uber Technologies, Inc. に帰属する純利益は 2 億 2,100 万ドルで、これには主に Uber の株式投資の再評価に関連した純未実現損失による 9,600 万ドルの逆風 (税引前) が含まれています。
・調整後EBITDAは11億ドルで、前年同期比5億7,600万ドル増加しました。 総予約額に占める調整後EBITDAマージンは3.1%で、2022年第3四半期の1.8%から上昇しました。総予約額に占める増分利益率は前年同期比9.3%でした。
・営業活動により得られた純キャッシュフローは 9 億 6,600 万ドルで、営業活動による純キャッシュフローから設備投資を差し引いたフリー キャッシュ フローは 9 億 500 万ドルで、これには HMRC VAT 評価の支払いに関連する 6 億 2,200 万ドルのキャッシュアウトフローが含まれています。
・第 3 四半期末時点で、無制限の現金、現金同等物、および短期投資は 52 億ドルでした。
ダラ・コスロシャヒ最高経営責任者(CEO)は「消費者とドライバーの両方の製品体験の向上に当社が絶え間なく注力してきたことで、収益性の高い成長が続き、旅行の伸びは25%に加速した」と述べた。 「一年で最も繁忙期を迎える中、ウーバーの中核事業はこれまで以上に好調だ。」
「堅調なトップライン傾向と記録的な収益性は、当社の成長の持続性と当社プラットフォームの基盤となる大きな収益力を証明しています」と最高財務責任者(CFO)のネルソン・チャイ氏は述べています。 「当社は、すべてのステークホルダーの長期的な価値創造をサポートするために、成長機会への規律ある投資を継続します。」
23年4Q決算(23年9月…)
23年4Q決算は、24年2月8日に公開予定です。
では、売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?
ウーバー(UBER)の過去10年の損益計算書は?
ウーバーは19年5月に41ドルで上場しました。20年3月に最安値21ドルを付けるも、その後は上昇基調にあります。23年11月は49ドル前後で推移しています。
その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?
過去10年間の決算書を見ると、19年まで順調に成長してるが利益率は低いです。19年の売上高は過去最高で4年で3.6倍に拡大する一方で、営業利益率は−60%と低いです。まだまだ投資を拡大する局面だが、利益率をどう改善するかも注視すべきですね。
その2:BPSとEPSの10年間の推移は?
過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)です。BPSもEPSもどちらも横ばいが続きますね。20年のEPSは−3.86ドルと赤字幅が大きく、まだまだ赤字決算は続きそうですね。
その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?
過去10年間のフリーCF(営業CF−投資CF)は、コロナ以前から大きく赤字傾向にあります。持たない経営で投資CFは比較的少ないが、営業CFの赤字額が大きいです。配車サービスは手数料を得るビジネスだが、十分な利益を稼げていません。
世界中で競合が増えているため、今後も改善できる見込みは薄いかもしれません。では、私たちはどのように投資判断すれば良いのでしょうか?
ウーバー(UBER)の注目ポイントは?
ウーバーに投資する上で注目すべきポイントを紹介します。ウーバーは配車サービスとデリバリーフード、それから宅配サービスを提供する会社です。そのため、世界中でウーバーを利用する人が増えると収益は上向きますね。
注目1:18年は配車サービスが売上高81%を占める?
18年のウーバーの事業別売上高と地域別です。
事業別売上高を見ると、配車サービスが全体の81%を占めています。次いで、デリバリーが12%と多く、その他の事業は5%に過ぎません。しかし、コロナによる影響でデリバリーの需要が急増し、20年4Qの売上高は配車と同水準です。
地域別の売上高を見ると、米国が68%の売上高を占めます。次いで、欧州中東アフリカが19%、アジアが10%と続きます。
ウーバーは、既存タクシーからシェアを奪うことで急速に成長した会社です。では、具体的にはどれくらいのシェアを奪っているのでしょうか?
注目2:ウーバー利用者は2年で2倍に増えた?
オーストラリアと米国州で、16年と18年の利用客の割合です。
過去3ヶ月ウーバーを利用した乗客(青色)は、過去2年間で倍近く増えていますね。対して、タクシーを利用した乗客は、3〜5%低下しています。これは、タクシーではなくウーバーを利用する人が増えてる事を示しています。
では、ウーバーは米国内でどれだけのシェアを持つのでしょうか?
注目3:米国内ではウーバーが65%のシェアを持つ?
米国内の配車サービスの売上高シェアです。
米国内ではウーバーが65%、リフトが31%を占め2強状態にあります。他にも、英国のGettが2%、米国のViaが1%、米国のCurbが1%です。配車サービスは差別化が難しく、最初に市場を独占した先行者が利益を得るマーケットですね。
そのため、ウーバーとリフト以外がシェアを奪うのは難しいです。では、ウーバーとリフトのシェアはどのように推移してるでしょうか?
注目4:価格に優位なリフトがシェアを30%に拡大?
米国内のウーバーとリフトのマーケットシェア推移です。
配車サービスはタクシーのシェアを奪う事で急拡大していますね。ウーバーは高いシェアで急拡大しているが、それ以上にリフトが成長しています。15年に10%未満だったリフトのシェアは、18年には3倍の30%まで増えています。
ウーバーとリフトの違いは、渋滞やピーク時の料金差にあります。ウーバーは忙しい時ほど、ドライバーに利益が出るように料金設定しています。利用者の多くは両アプリで料金を比較するため、リフトを利用するケースが増えています。
配車サービスは差別化できないため、価格競争に走るしかないですね。米国内ではウーバーとリフトが強いが、世界の市場シェアはどうでしょうか?
注目5:配車サービスは世界中で過当競争にある?
配車サービスの世界の市場シェアです。
ウーバーの利用者が多いのは、主に北米と南米、それから欧州やアフリカ地域です。中国ではDiDi、東南アジアではGrab、欧州では国ごとにたくさんありますね。ウーバーは中国に参入するも、16年には早々に撤退しています。
配車サービスはすでに飽和状態にあるため、他の地域に進出するのは難しいですね。現在乱立してる市場では、寡占化が進む可能性が高いです。
日本で配車サービスが普及しないのは、タクシー業界の規制があるからです。
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ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
まとめ:ウーバー(UBER)の四半期決算は?
- 19年5月に上場した、配車とデリバリーの米国企業である
- 米国内だけでなく、欧州、中東、アフリカ、アジアにも展開
- 18年の配車の売上高は81%、デリバリーは12%だけ
- 20年4Qには、デリバリーの売上高は配車と同水準まで拡大
- 売上高は4年で3.6倍に増えるも、営業利益率は−60%と低い
- 米国内の競合ウーバーのシェアは65%、リフトは31%である
- 21年7月に集団免疫を獲得し、再び2桁成長に戻す可能性が高い
- 配車サービスは差別化が難しく、儲からないビジネスである
個人的には、ウーバーは投資したい銘柄ではありません。
なぜならば、競合であるリフト(LYFT)にシェアを奪われているからです。配車サービスは差別化が難しく、先行者利益を享受できる市場です。そして、市場が拡大した後は、価格競争に陥るしかありません。
リフトは価格優位で、近年急速にシェアを伸ばしていますね。価格競争に走ると、市場先行者であるウーバーも厳しい展開になります。
ただし、経済再開が進む21年後半は、配車サービスが急回復しますね。21年後半は配車もフード配達も好調で、4Qの成長率は前年比+82%に加速しています。また、物流の混乱で配達料が高騰し、貨物事業が+245%で急成長しています。
貨物事業は、22年も力強く成長しそうです。ただし、いずれの事業も参入障壁は高くはありません。上場以来黒字化したことがなく、引き続き割高にあると見ています。
個人的には、米国内で配車サービスだけに特化してるリフトの方が好きです。経済再開が進む21年後半は、急速に業績を回復しています。
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