環境対策の機運が高まり、環境関連銘柄のEVやリチウムが高騰していますね。リチウム関連のSQMチリも、20年2月から株価が4倍にも高騰しています。では、コロナが終息する22年以降も、環境銘柄の好調は続くのでしょうか?
- 「商品が高騰し、20年2月から株価が3倍に上昇した…」
- 「PERは85倍と割高水準、21年も株価は上がるのか…」
- 「コロナが終息した後も、環境銘柄の高騰は続くのか…」
ソシエダード・キミカ・イ・ミネラ・デ・チリ(SQM)は、チリの化学品メーカーです。主力製品はリチウム、特殊肥料、ヨウ素の3つです。リチウム電池はEVに使われるため、16年頃から環境銘柄として注目を集めてきました。
個人的には、SQMは投資したい銘柄ではありません。
なぜならば、環境銘柄として注目されているため、株価はすでに割高感があるからです。株価は期待以上に買われているため、21年1月時点でPERは85倍と割高ですね。また、リチウム事業が売上に占める割合は2割前後と高くはないです。
ただ、21年後半にはリチウム価格は上昇しています。21年12月時点のリチウム価格は、198500(中国元/トン)と前年比5倍で推移していますね。
リチウム以外の他の事業も商品高で好調で売上と利益を押し上げています。21年3Qの売上成長率は前年比+46%と高いです。ただし、リチウムの供給サイドは逼迫しておらず、積極的に購入したい局面ではありません。
- SQMチリの4半期決算(21年7-9月)は?
- SQMチリの過去10年間の売上高や営業利益は?
- EV関連銘柄が期待されるが、リチウム価格は上昇するのか?
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20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
SQMチリの四半期決算は?

ソシエダード・キミカ・イ・ミネラ・デ・チリの四半期決算を紹介します。
21年1Q決算(21年3月31日)
- 売上高:5.28億ドル(前年比+34%)
- 営業利益:1.10億ドル(+37%)
- 純利益:0.679億ドル(+51%)
- 1株当たり利益:0.26ドル(+52%)
21年2Q決算(21年6月30日)
- 売上高:5.88億ドル(前年比+28%)
- 営業利益:1.63億ドル(+58%)
- 純利益:0.898億ドル(+76%)
- 1株当たり利益:0.31ドル(+63%)
21年3Q決算(21年9月30日)
- 売上高:6.616億ドル(前年比+46%)
- リチウム:1.852億ドル(+94%)
- 特殊肥料:2.292億ドル(+31%)
- ヨウ素:1.086億ドル(+45%)
- 塩化、硫酸カリウム: 0.887億ドル(+35%)
- 工業用化学薬品:0.405億ドル(+19%)
- 営業利益:1.52億ドル(16.8倍)
- 純利益:1.06億ドル(62.4倍)
- 1株当たり利益:0.37ドル(37倍)
3Qの売上高は前年比+46%で、営業利益は+16.8倍で1.52億ドルでした。21年1Qと2Qと比較しても、3Qの売上と利益は好調でしたね。営業利益率は22%まで上昇していますね。
21年12月時点のリチウム価格は、198500(中国元/トン)と前年比5倍で推移していますね。リチウム以外の他の事業も商品高で好調ですね。脱炭素化はリチウムの生産企業にとっては追い風ですね。
21年4Q決算(21年12月…)
20年4Q決算は、21年2月16日に公開予定です。
では、売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?
SQMチリの10年間の損益計算書は?

ソシエダード・キミカ・イ・ミネラ・デ・チリは93年に2ドルで上場しています。17年に最高値63ドルを付けるも、20年3月に16ドルまで下落しています。21年12月は61ドル前後で推移しています。
その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の決算書を見ると、素材企業としては珍しく安定しています。これは、粗利益で7割を占める特殊肥料とヨウ素が安定してるからです。営業利益率も平均して20%以上と高いですね。
ただし、18年以降はリチウムの低迷もあり、売上と利益は低下しています。
その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)です。BPSとEPSも比較的に安定していると言えますね。
その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

過去10年間のフリーCF(営業CF−投資CF)は、常にプラスを維持しています。18年以降に投資CFが拡大してるのは、リチウムの生産を強化してるからです。営業CFの数値はないが、フリーCFも大きく縮小していますね。
では、私たちはどのように投資判断すれば良いのでしょうか?
SQMチリの注目すべきポイントは?

ソシエダード・キミカ・イ・ミネラ・デ・チリ(SQM)に投資する上で注目すべきポイントを紹介します。SQMはリチウム関連で注目されている銘柄です。そのため、リチウムの動向を抑える必要がありますね。
注目1:リチウム生産はオーストラリアとチリが7割?
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参考:リチウム生産技術概略
リチウムの最大生産国はオーストラリアです。
生産量は原料(かん水・鉱石)ベースで2017年に約22万tLCE、そのうちオーストラリアとチリで7割を占めます。国別埋蔵量はチリが6割と最も多く、次いで中国、豪州、アルゼンチンと続きます。
採掘されたリチウムの多くは中国に輸出され化合物へ生成されます。化合物ベースで見た中国の生産シェアは50%程度です。
需要が増えるリチウムだが、価格はどのように推移してるでしょうか?
注目2:21年1月比でリチウム価格が50%上昇?
21年2月のリチウム価格は、67500中国元/トンでした。
21年12月時点のリチウム価格は、198500と前年比5倍で推移していますね。リチウム以外の他の事業も商品高で好調ですね。脱炭素化はリチウムの生産企業にとっては追い風ですね。
ただし、今後もリチウム価格が上昇するかは分かりません。需給関係は逼迫している訳ではなく、供給側としては十分な余力があります。
では、SQM社の主力商品のヨウ素はどうでしょうか?
注目3:ヨウ素価格は14年をピークに上昇してない?
少しデータが古いが、2019年のヨウ素の輸出価格の動向です。これを見ると、14年をピークに、ヨウ素価格も上昇してない事がわかります。
ヨウ素の生産はチリが59%、日本が29%を占めます(参考:ヨウ素とは)。
ヨウ素の主な用途はX線造影剤(22%)、殺菌防カビ剤(14%)、医薬品(12%)、偏光フィルム(12%)など多岐に渡ります。しかし、21年2月時点で需給が逼迫してる話は聞きません。
コロナの20年以降、鉄鉱石やプラチナ、穀物などあらゆる商品が高騰しています。しかしながら、SQMが扱うリチウムやヨウ素は需給が逼迫してない点に注意が必要ですね。
注目4:コロナであらゆる商品が高騰している?
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参考:Twitter
19年12月31日を起点とした、商品価格の推移です。
コロナで一時的に需要が落ちるも、20年4月以降は全ての商品が高騰しています。商品が高騰している原因は複数あります。先進諸国による大規模な財政政策、ドルなどの通貨安、中国経済の好調、世界各国のコロナからの回復期待です。
そのため、商品価格の高騰は21年も続くトレンドだと思います。
▼▼2022年12月は資産が6000万円を超える▼▼

20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
まとめ:SQMチリの四半期決算は?

- 1993年にADRで上場した、チリ最大の化学品メーカー
- 主要製品はリチウム、特殊肥料、ヨウ素、塩化、硫酸カリウム
- 特殊肥料、ヨウ素価格が安定してるため、営業利益は安定してる
- リチウム電池がEVに利用され、16年から環境銘柄として注目
- リチウムは18年に最高値を付けるも、20年は4分の1に下落
- コロナ禍で商品価格が高騰する中で、SQMの業績は低調である
- 21年1月に1カ月間で、リチウム価格が50%も急騰する
個人的には、SQMは投資したい銘柄ではありません。
なぜならば、環境銘柄として注目されているため、株価はすでに割高感があるからです。株価は期待以上に買われているため、21年1月時点でPERは85倍と割高ですね。また、リチウム事業が売上に占める割合は2割前後と高くはないです。
ただ、21年後半にはリチウム価格は上昇しています。21年12月時点のリチウム価格は、198500(中国元/トン)と前年比5倍で推移していますね。
リチウム以外の他の事業も商品高で好調で売上と利益を押し上げています。21年3Qの売上成長率は前年比+46%と高いです。ただし、リチウムの供給サイドは逼迫しておらず、積極的に購入したい局面ではありません。
リチウム生産企業として有名なのは、米国のアルベマール(ALB)です。アルベマールもリチウム市況に合わせて業績は好調です。
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