アルコア(AA)四半期決算|23年1Qは-19%に減速

コロナ危機を機に、鉄鉱石、銅、プラチナ、穀物などの商品が高騰しています。アルミニウムを加工するアルコアも、20年3月から7倍近く高騰しています。しかし、22年4Qの売上は前年比−20%、23年1Qは−19%に減速しています。

  • 「アルミ価格が上昇し、株価は20年3月から7倍に高騰…」
  • 「コロナから経済回復するなら、アルミ市況は好調だ…」
  • 「鉄鉱石、プラチナ、穀物など、あらゆる商品が高騰している…」

アルコアは、アルミニウムを加工し販売する米国大手メーカーです。アルミ精錬会社としては、世界8位で3.4%のシェアを持ちます。加工した製品は、航空機、自動車、輸送機器などで利用されます。

個人的には、アルコアは投資したい銘柄ではありません。

なぜならば、エネルギー危機により電力価格が高騰しているからですアルミを製造するには、大量の電力を消費する必要があります。欧州の天然ガス価格が高騰したことで、同社の欧州工場は幾つか生産を抑制しています。

また、中国経済の低迷により、アルミの需要自体も減少しています。そのため、22年2月に高値を付けたアルミ価格は下落していますね。23年1Qの売上成長率は−19%と低調です。

ただ、長期的にはアルミの需要について強気です。

欧米州では新しい製錬所は建設されず、需給はタイトになる見通しです。また、アルミニウムは環境銘柄として期待できます。鉄鋼より軽いため、鉄の代替として航空機や自動車などにも利用されます。重量を軽くすれば、少ない燃料で済みエコに適してるからです。

23年4月の予想PERは18倍と割安水準にはあります。

アルコアの投資判断したい人向け
  1. アルコアの4半期決算(23年1-3月)は?
  2. アルコアの過去10年間の売上高や営業利益は?
  3. コロナ禍からの世界的な商品高騰は、いつまで続くのか?

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ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。

過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。

参考:【自己紹介】米国株1.5年で運用額を10倍の「4727万円」に増やす

アルコア(AA)の四半期決算は?

アルコア(AA)の四半期決算を紹介します。

22年3Q決算(22年9月30日)

3Qの内容は...
  1. 売上高:28.51億ドル(前年比−8.3%)✖️
  2. 営業利益:−7.29億ドル(前年度4.97億ドル)
  3. 純利益:−7.46億ドル(前年度3.37億ドル
  4. 1株当たり利益:−4.17ドル(前年度1.76ドル)✖️

22年4Q決算(22年12月30日)

4Qの内容は...
  1. 売上高:26.63億ドル(前年比−20%
  2. 営業利益:—億ドル(—%)
  3. 純利益:−3.95億ドル(−1%
  4. 1株当たり利益:−0.70ドル(−128%)

23年1Q決算(23年3月30日)

1Qの内容は...
  1. 売上高:26.70億ドル(前年比−19%)✖️
  2. 営業利益:−1.80億ドル(前年度7.63億ドル)
  3. 純利益:−0.41億ドル(前年度5.77億ドル
  4. 1株当たり利益:−0.23ドル(前年度3.06ドル)✖️

1Qの売上高は前年比−19%で26.70億ドル、営業利益は−1.80億ドルでした。22年3Qや4Qに続き、24年1Qも減速していますね。営業利益率は−6.7%と赤字に転落しています。

アルミ価格は、22年3月をピークに低下しています。ただし、コロナ前と比較すると、以前としてアルミ価格は高いですね。

22年は欧州の天然ガス価格の高騰により、生産工場の幾つかを抑制しています。また、アルミを製造するには、多くの電力を必要とするためコスト響きます。

23年の生産量は横ばいだと予想しています。

「2023 年の第 1 四半期には、調整済み EBITDA の 2 億 1,100 万ドルの連続利益を含むいくつかの主要な財務指標の改善が見られ、引き続き強力なバランスシートを維持しています」と、アルコアの社長兼 CEO である Roy Harvey は述べています。 「私たちはまた、運用の安定化においても重要な進歩を遂げており、チームは日々、分刻みで改善に取り組んでいます。 私たちは、画期的な技術の開発や利害関係者からの高まる期待への対応など、多くの複雑な問題に取り組みながら、その勢いをさらに強めていく予定です。

「私は、EcoSource アルミナ ブランドを拡張して、低炭素製品の SustanaTM ファミリーの一部として非冶金グレードを含めるという最近の決定など、ソリューションを開発する私たちのチームの能力に自信を持っています」と Harvey 氏は述べています。 「私たちは、すべてのアルミニウムが平等に作られているわけではないことを知っており、責任ある生産者であることは、アルコアを将来に向けて位置付けるのに役立つ重要な差別化要因となります。 世界は、世界的な脱炭素化の目標を達成するために、持続可能な方法で生産された素材を必要とし、私たちはそれらを提供する会社になります。」

2023 Outlook

同社は、2023 年のアルミナとアルミニウムの総出荷量は、それぞれ 1,270 万から 1,290 万トン、250 万から 260 万トンの間で変わらないと予想しています。

Kwinana 製油所と Pinjarra 製油所に供給している Huntly 鉱山での年次鉱山計画の承認プロセスが長引いた結果、Alcoa は 2023 年 4 月に、既存の承認の下で既に許可されている地域から、より低いグレードのボーキサイトの採掘を開始しました。 品位の低下により、鉱石の供給が延長され、承認プロセスを完了するためにより多くの時間が提供されます。

当社は、第 2 四半期のアルミナ セグメントの調整済み EBITDA が約 5,500 万ドル減少すると予想しています。これは、Kwinana および Pinjarra 製油所をより低いボーキサイト グレードで運営することに関連しています。これは、苛性アルカリ、エネルギー、およびボーキサイトの使用量が多い製油所に影響を与え、結果としてアルミナが減少します。 出力。 さらに、アルマー製油所の搬送システムの回復に関連する季節的なメンテナンスとコストは、原材料とエネルギー価格の改善によって部分的に相殺されるため、正味で 1,000 万ドルの不利な影響が予想されます。

2023 年第 2 四半期のアルミニウム セグメントの調整済み EBITDA は、有利な原材料、量、および生産コストの削減により、3,000 万ドル改善すると予想されますが、付加価値プレミアムの変化によって部分的に相殺されます。 さらに、当社は、ポートランド製錬所の部分的縮小に関連する悪影響が 500 万ドルから 1000 万ドルになると予想しています。

その他の費用は、主に第 1 四半期に記録された 1 回限りの費用がないため、順次、約 3,000 万ドル有利になると予想されます。

アルコアは、現在のアルミナとアルミニウムの市況に基づき、第 2 四半期の税金費用は約 3,000 万ドルから 4,000 万ドルになると予想していますが、これは市況と管轄地域の収益性によって異なる可能性があります。

参考:Alcoa Corporation Reports 1Q and Full Year 2023 Results

23年2Q決算(23年6月…)

23年2Q決算は、7月20日に公開予定です。

では、売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?

アルコア(AA)の10年間の損益計算書は?

アルコアは1961年に6ドルで上場しています。07年で最高値97ドルを付けるも、その後は下落し20年4月は5ドルまで落ちています。コロナ後に反転し、23年4月には40ドル前後で推移しています。

その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の決算書を見ると、売上高も利益も大きな波があります。20年は営業利益率が4.6%まで下落するも、21年は13%まで上昇しています。

その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)です。BPSは減り続けているが、21年に少しだけ反転しています。EPSは21年が最高で4.3ドルと高いですね。

その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

過去10年間のフリーCF(営業CF−投資CF)は、16年以外は黒字です。ただし、波が大きい上に、20年と21年は大きく落ち込んでいますね。22年に市況が回復した後にどう動くか注目したいですね。

では、私たち投資家はどのように投資判断したら良いのでしょうか?

アルコア(AA)の注目ポイントは?

アルコアに投資する上で注目すべきポイントを紹介します。アルコアはアルミニウムを加工し販売する会社です。そのため、アルコアの業績はアルミニウムの市況次第だと言えます。

注目1:アルコアは世界8位のアルミニウム精錬会社?

参考:アルミニウム業界の世界市場シェアの分析

アルミニウム製錬会社の市場シェアです。

中国は世界最大のアルミニウム生産国で、2位ロシアの10倍規模もあります。そのため、上位10社の多くは中国企業で、1位は中国アルミニウムで10%を占めます。世界最大のアルミ鉱山企業であるリオティントは4.8%で5位です。

米国アルコアは世界8位で3.48%の精錬会社です。

注目2:生産量1位の鉱山企業はリオ・ティント?

参考:資源メジャー大手5社の生産量と世界シェア

アルミニウムは2番目に多い鉱物資源で、生産量は7522万トンです。

アルミニウムの生産量1位は、オーストラリアのリオ・ティント(RIO)です。リオ・ティントの売上高の10%は、アルミニウム採掘によるものです。

国別生産量の1位は中国で2330万トン/年、世界全体の50%を占めます次いで、ロシアが350万トン、カナダが294万トン、アラブが240万トン、インドが210万トンと続きます。

アルミニウムは、常温常圧で高い熱伝導性・電気伝導性を持ち、軽量なため広く用いられています。主な用途は輸送用機械、建材、導電体、粉末などです。

では、アルミニウムの価格はどのように推移してるでしょうか?

注目3:アルミニウムは20年4月から33%も上昇?

 

参考:アルミ – 先物契約 – 価格

21年11月時点のアルミ価格は2636ドル/トンです。

最高値は08年の3000ドルで、11年来の高値になりますね。20年4月のコロナから、アルミ価格は2倍にも高騰しています。しかし、短期的は21年10月から下落が続いていますね。

住友商事の予測によると、22年以降には再び供給不足になると言います。

世界需要は前年比9・3%増の6828万9千トン、供給は同6・1%増の6871万2千トンと見通した。需要・供給とも成長が見通されるも、需要の伸び率が供給に対し一段加速。製錬所の主な新規立ち上げはアジア圏に多い一方、欧米では大きな供給の伸びは見られない主な新規立ち上げ予定は21年以降、中国で438万トン、ロシアで56万トン、イランで32万トン、インドで31万トンが予定される。

参考:21年の世界アルミ需給、依然過剰もバランス近づく

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20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました

ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。

過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。

参考:【自己紹介】米国株1.5年で運用額を10倍の「4727万円」に増やす

まとめ:アルコア(AA)の四半期決算は?

アルコア株の注目ポイントは...
  1. 1961年にNYSEに上場、アルミニウム加工の米国大手
  2. 加工した製品は、航空機、自動車、輸送機器などで利用される
  3. アルミ加工企業は景気動向の影響を受け、利益率は高くない
  4. アルミ価格は07年から低迷し、他商品と比較して伸びていない
  5. 20年4月のコロナ以降に、アルミ価格は33%も上昇している

個人的には、アルコアは投資したい銘柄のひとつです。

なぜならば、22年以降もアルミニウムの市況は好調だと思うからです。20年後半にアルミ価格が上昇したことで、21年3Qの売上は前年比+31%、4Qも+39%と好調です。また、3Qの営業利益率は16%まで上昇しています。

欧米州では新しい製錬所は建設されず、需給はタイトになる見通しです。

また、長期的にもアルミニウムは環境銘柄として期待できます。鉄鋼より軽いため、鉄の代替として航空機や自動車などにも利用されます。重量を軽くすれば、少ない燃料で済みエコに適してるからです。

4Qはリストラ費用で赤字になるも、22年1月時点の予想PER8.5倍は割安だといえますね。

アルミ精錬のアルコアは、アーコニックからスピンオフした企業です。アーコニックは、航空機や自動車業界向けにアルミ合金を製造します。ただ、アルミ価格が高騰している局面では、仕入れコストが上がり利益が出にくいですね。

参考:アーコニック(ARNC)四半期決算|21年3Qは+33%で好調

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