クラウドの大容量時代を迎え、セキュリティ分野は急激に市場が拡大しています。センチネルワンは、クラウドストライクと同様にEPS領域のSaaS企業です。競合よりも成長率は高く、21年4Qは前年比+119%、22年1Qは+109%に加速しています。
- 「21年6月に40ドルで上場、12月は49ドルで低迷…」
- 「クラウドストライクの競合で、成長率は3桁で高い…」
- 「低価格帯戦略で赤字、営業利益率は−142%である…」
センチネルワン(S)は、エンドポイントセキュリティ(EPS)を提供する米国のSaaS企業です。クラウドなどのネットワークから情報を収集分析し、外部からの攻撃を可視化するソフトウェアを提供しています。クラウドのEPSを監視するクラウドストライクとは競合関係にあります。
個人的には、センチネルワンは投資したい銘柄ではありません。
なぜならば、競合からシェアを奪うために、利益を度外視で事業を拡大しているからです。3桁の高い売上成長率を維持しているが、21年の営業利益率は−141%です。また、営業CFベースでも大幅な赤字に陥っています。
競合とは異なり、同社は利用する機能に応じて収益を得ています。そのため、他のセキリティ企業よりも収益性が低いです。
顧客数は6000社に増え、中長期的には同社のサービスはまだまだ拡大すると思います。しかし、採算性が低いことを考えると、長期で保有したい銘柄ではないですね。また、クラウドストライクにも投資する利点は薄れます。
EPS分野に投資するならば、競合2社の動向を注視する必要がありますね。
- センチネルワンの4半期決算(22年1-3月)は?
- センチネルワンの過去10年間の売上高や営業利益は?
- 3桁の売上成長率だが、投資するべきではない理由は?
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20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
センチネルワン(S)の四半期決算は?

センチネルワン(S)の四半期決算を紹介します。
21年3Q決算(21年10月30日)
- 売上高:5601万ドル(前年比+128%)
- 営業利益:−6734万ドル(前年度−2968万ドル)
- 純利益:−6859万ドル(前年度−3015万ドル)
- 1株当たり利益:−0.26ドル(−0.85ドル)
21年4Q決算(22年1月31日)
- 売上高:6563万ドル(前年比+119%)◯
- 営業利益:−7069万ドル(−90%)
- 純利益:−7170万ドル(−89%)
- 1株当たり利益:−0.27ドル(+73%)◯
22年1Q決算(22年4月30日)
- 売上高:7825万ドル(前年比+109%)◯
- 営業利益:−9029万ドル(前年度−6161万ドル)
- 純利益:−8983万ドル(前年度−6263万ドル)
- 1株当たり利益:−0.33ドル(−1.37ドル)◯
1Qの売上高は前年比+109%で7825万ドル、営業利益は−9029万ドルでした。21年3Qと4Qに引き続き、22年1Qも売上は好調でしたね。ただし、営業利益率は−115%と引き続き悪いです。
営業損失額は拡大するも事業自体は好調です。顧客数は前年比+55%で7450社、ARRが10万ドル以上の顧客は+113%で591社になりました。
クラウドのエンドポイントセキュリティ(EPS)で、クラウドストライク(CRWD)と競合します。決算の数値を見ると、競合からシェアを奪うために低価格帯でサービスを提供してる可能性が高いですね。この2社の動向を注視する必要があります。
22年2Qの売上予想は、9550万ドル(+108%)と好調です。23年の通期予想は、4.05億ドルに引き上げています。
「私たちの第1四半期の結果は、私たちの主要なサイバーセキュリティプラットフォームに対する堅固な需要環境と全面的な印象的な実行の組み合わせを示しています。 SentinelOneのCEOであるTomerWeingartenは、次のように述べています。 「今年度も、Attivo Networksの買収を含め、収益ガイダンスを3桁近くの成長に引き上げています。」
SentinelOneのCFOであるDaveBernhardtは、次のように述べています。 「私は、前年比で2桁拡大した記録的な粗利益を最も誇りに思っています。これは、拡大する製品ポートフォリオ、データ対応の効率性、およびSentinelOne全体の優れた運用性の強力な組み合わせを実際に示しています。」
参考:SentinelOne Announces 1Q Fiscal Year 2023 Financial Results
22年2Q決算(22年9月…)
22年2Q決算は、9月2日に公開予定です。
では、売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?
センチネルワン(S)の損益計算書は?

センチネルワンは21年6月に42ドルで上場しています。株価は最高値で74ドルをつけるも、22年6月は75ドル前後で推移しています。
その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の決算書を見ると、売上高は高い成長率で拡大しています。ただし、売上以上に営業損失額の拡大が大きいです。21年の営業利益率は−142%と大きいです。
その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)です。上場により資金調達に成功し、自己資本比率は86%と高いですね。
その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

過去10年間のフリーCF(営業CF−投資CF)は、赤字幅が拡大しています。センチネルワンは顧客を獲得するために、低価格帯でサービスを提供してる可能性が高いですね。
では、私たち投資家はどのように判断すれば良いのでしょうか?
センチネルワン(S)の注目ポイントは?

センチネルワン(S)の注目ポイントを紹介します。
注目1:EPS市場184億ドルで年率7.6%で拡大してる?
エンドポイントセキュリティ市場は、世界中で拡大傾向にあります。
2019年に128億ドルから年率7.6%で成長を続け、2024年には184億ドルになると言います。クラウドストライクはこの分野で9番手で、最も成長率が高く前年比+80%前後で拡大しています。
センチネルワンは8分の1程度の規模で、さらに早いペースで加速しています。
参考:クラウドストライク(CRWD)四半期決算|22年3Qも+63%で好調
注目2:20年1Qから年率96%で急拡大している?
センチネルワンの四半期毎の売上高推移です。
センチネルワンは年率96%で事業を急拡大しています。クラウドストライクと同様にSaaS企業のため、顧客の増加に合わせて右肩上がりに収益が増えます。クラウドストライクの成長率が鈍化したのは、同社の急成長によるものかもしれません。
注目3:EPS分野で業界4番手のリーダー企業?
ガートナーのEPS企業の競合調査です。
ガートナーによると、EPS分野ではマイクロソフトとクラウドストライクが業界のトップ企業として認知されています。3番手には日本企業のトレンドマクロ、4番手にセンチネルワンが続きます。
クラウドストライクと同社の業績に注目したいですね。
▼▼2022年12月は資産が6000万円を超える▼▼

20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
まとめ:センチネルワン(S)の決算は?

- 21年6月に上場した、EPSを提供する米国SaaS企業
- クラウドストライクと競合で、低価格帯でサービスを提供
- 競合よりも成長率は高く、21年3Qは+121%で成長
- 収益性は低く営業利益率は−142%、営業CFも赤字である
- 競合からシェアを奪い急成長、顧客数は4700社に増える
個人的には、センチネルワンは投資したい銘柄ではありません。
なぜならば、競合からシェアを奪うために、利益を度外視で事業を拡大しているからです。3桁の高い売上成長率を維持しているが、21年の営業利益率は−141%です。また、営業CFベースでも大幅な赤字に陥っています。
競合とは異なり、同社は利用する機能に応じて収益を得ています。そのため、他のセキリティ企業よりも収益性が低いです。
顧客数は6000社に増え、中長期的には同社のサービスはまだまだ拡大すると思います。しかし、採算性が低いことを考えると、長期で保有したい銘柄ではないですね。また、クラウドストライクにも投資する利点は薄れます。
EPS分野に投資するならば、競合2社の動向を注視する必要がありますね。
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