タイソンは北米最大の牛肉や加工食品を生産する企業です。21年後半は、世界的な食品価格高騰の恩恵を受けて好調です。23年1Qの売上は前年比+2.5%、2Qは+0.1%に減速しています。
- 「84年に9ドルで上場、株価は10倍に高騰してる…」
- 「食品業界では世界7位、米国で4位のメーカーである…」
- 「世界最大の食肉企業はJBS、牛肉では世界1位である…」
タイソン(TSN)は、米国最大の食肉加工の生産企業ですね。食品業界としては世界7位、米国で4位の売上規模です。世界最大はブラジルのJBSだが、牛肉市場では世界1位です。食肉製品の14%は南米や欧州、中国や日本にも輸出されます。
個人的には、タイソンは投資したい銘柄ではありません。
なぜならば、売上は順調に伸びているが、営業利益率は9%と低いからです。米国タイソンとブラジルJBSで寡占化しているが、収益性が高いビジネスではありません。競争優勢性は高いが、長期的には環境規制、健康志向によるオーガニック食品の台頭で伸び悩みそうです。
ただ、短期的には21年と22年の業績は好調です。
食品価格の高騰で、牛肉価格は過去最高水準に達しています。そのため、出荷量は10%前後減少するも、15%の価格高騰で高い収益を得ています。原料高や人件費などで、22年も食品価格の高騰は続きそうです。
23年5月時点の予想PER13倍は割安水準にあります。
- タイソンの4半期決算(23年1-3月)は?
- タイソンの過去10年間の売上高や営業利益は?
- 21年に売上は急騰するも、収益性は低下している?
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20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
タイソン(TSN)の四半期決算は?

タイソン(TSN)の四半期決算を紹介します。
22年4Q決算(22年9月30日)
- 売上高:137.37億ドル(前年比+7.2%)◯
- Beef:48.59億ドル(−3.1%)
- Pork:16.04億ドル(−0%)
- Chicken:46.19億ドル(+19%)
- Prepared Foods:25.16億ドル(+11%)
- International:6.38億ドル(+16%)
- 営業利益:7.66億ドル(−60%)
- 純利益:5.38億ドル(−60%)
- 1株当たり利益:1.50ドル(−60%)✖️
22年1Q決算(22年12月30日)
- 売上高:132.60億ドル(前年比+2.5%)
- 営業利益:—億ドル(—%)
- 純利益:3.16億ドル(−71%)
- 1株当たり利益:—ドル(—%)
23年2Q決算(23年3月30日)
- 売上高:131.33億ドル(前年比+0.1%)✖️
- Beef:46.17億ドル(−8.3%)
- Pork:14.21億ドル(−9.3%)
- Chicken:44.30億ドル(+8.4%)
- Prepared Foods:24.22億ドル(+1.2%)
- International:6.34億ドル(+12%)
- 営業利益:−0.49億ドル(前年度11.56億ドル)
- 純利益:−0.97億ドル(前年度8.29億ドル)
- 1株当たり利益:−0.28ドル(前年度2.28ドル)✖️
2Qの売上高は前年比+0.1%で131.33億ドル、営業利益は−0.49億ドルでした。22年4Qや23年1Qに続き、2Qの売上も減速していますね。営業利益率は−0.3%と赤字に転落しています。
コロナ禍による供給制約で、食料品高騰の恩恵を受けていましたね。
しかし、23年前半は牛肉と豚肉の価格上昇により、需要が大幅に低下しています。対照的に、価格が低い鶏肉の需要が増しています。これは、景気後退に向かっていることを示唆していますね。
同社CEOは23年の国内の牛肉生産量は−4%だと言います。
23年の売上予想は535億ドルと予想を下回ります。
Tyson Foods の社長兼 CEO である Donnie King は次のように述べています。 顧客のニーズを満たし、顧客とともに将来を計画することに引き続き注力していきます。」
「私たちの成長戦略、利益率の改善への注力、そして実績のあるリーダーシップチームを通じて、目の前の機会を捉え、顧客、チームメンバー、株主のために長期的な価値を生み出す能力に自信を持っています。」
23年3Q決算(22年6月…)
23年3Q決算は、8月9日に公開予定です。
では、売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?
タイソン(TSN)の損益計算書は?

タイソンは84年に9ドルで上場しています。株価は12年以降に大きく上昇しています。20年3月は47ドルに下落し、23年5月は50ドルで推移しています。
その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の決算書を見ると、16年から売上は順調に拡大しています。世界的な健康志向の高まりで、植物由来の代替肉の需要が増しています。それでも、人口増に伴い売上は右肩上がりで増えています。
21年は食料価格が高騰し、営業利益率は9.3%まで上昇しています。
その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)です。自己資本比率は48%と高いですね。自社株買いはしてないが、BPSもEPSも順調に拡大しています。
その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

過去10年間のフリーCF(営業CF−投資CF)は、順調に拡大していますね。加工鶏肉や牛肉の生産で、設備投資は少なくないが十分な営業CFを稼いでいます。食肉関連は、十分に競争力が高い企業だと言えますね。
では、私たち投資家はどのように判断すれば良いのでしょうか?
タイソン(TSN)の注目ポイントは?

タイソン(TSN)の注目ポイントを紹介します。
注目1:米国4位の食料メーカーで375億ドル?
世界の食品や飲料業界の売上高ランキングです。
業界最大手はスイスのネスレで、722億ドルの売上があります。2位は米国ペプシ(PEP)で666億ドル、3位はブラジルのJBSで525億ドル、4位はベルギーのAnheuser-Buschで470億ドル、5位は米国コカコーラ(KO)です。
タイソンは世界7位で、米国4位の食品メーカーで375億ドル規模です。食肉ではJBSが世界最大だが、牛肉に絞ればタイソンは世界1位のシェアです。製品の14%はカナダ、メキシコ、ブラジル、欧州、中国、日本へ輸出しています。
では、牛肉などの食肉では、どれくらいのシェアを確保してるでしょうか?
注目2:牛肉は世界1位で22%のシェアを持つ?
タイソンの食肉別の市場シェアです。
タイソンは牛肉で、世界1位で22%のシェアを獲得しています。また、鶏肉でも1位で21%、豚肉は3位で16%です。総売上高ではブラジルのJBSに負けるも、世界の食肉の高いシェアを持ちます。
では、米国内ではどれだけ優位性があるのでしょうか?
注目3:牛肉加工生産能力で国内29%のシェア?
米国内の牛肉加工能力の市場シェアです。
タイソンは牛肉加工能力で、国内市場の29%を獲得しています。次いで、ブラジルのJBSは23%、カーギルが22%、ナショナルが12%と続きます。19年に6%のシェアを持つHolcomb施設で火災がありました。
では、世界の食肉の需要はどのように推移しているでしょうか?
注目4:牛肉や豚肉の消費量は減少傾向にある?
米国内の牛肉、豚肉、鶏肉の消費量の推移です。
過去50年で肉の消費量は、世界で5倍に増えたと言われています。しかし、近年は食肉の文化に大きな変化が生じています。米国内では、牛肉や豚肉よりも、鶏肉を好む人が増えているからです。
その背景には、赤肉の発がん性リスク、環境問題、ベジタリアンなど代替肉の需要増がありますね。価格面でも牛肉は、豚肉や鶏肉よりも高く、22年は過去最高の高値を更新していますね。
長期的には、牛肉の消費量は今後も減少することが予想されます。
▼▼2022年12月は資産が6000万円を超える▼▼

20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
まとめ:タイソン(TSN)の銘柄分析

- 84年に上場した、米国1位の食肉企業である
- 世界7位の食品メーカー、米国では4位の売上規模
- 世界最大の食肉はJBSだが、牛肉市場では世界1位
- 競合企業は多くないが、営業利益率は9%と低い
- 環境規制、オーガニック食品、健康志向などは逆風
- 24年までに、10億ドルの節約を経営目標にしてる
個人的には、タイソンは投資したい銘柄ではありません。
なぜならば、売上は順調に伸びているが、営業利益率は9%と低いからです。米国タイソンとブラジルJBSで寡占化しているが、収益性が高いビジネスではありません。競争優勢性は高いが、長期的には環境規制、健康志向によるオーガニック食品の台頭で伸び悩みそうです。
ただ、短期的には21年と22年の業績は好調です。
食品価格の高騰で、牛肉価格は過去最高水準に達しています。そのため、出荷量は10%前後減少するも、15%の価格高騰で高い収益を得ています。原料高や人件費などで、22年も食品価格の高騰は続きそうです。
22年2月時点の予想PER13倍は割安水準にあります。
欧州や米国の消費者は、植物由来の代替肉を求める人が増えています。ビヨンドミートは19年に上場した企業で、20年は3桁の売上成長率で伸びていましたね。
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