世界最大の運用会社であるステートストリートは、コロナの影響を受けずに順調に事業を拡大しています。左近のETFブームは引き続き好調ですね。ただ、3Qの売上成長率は+7%、4Qは+4.7%で競合と比較するとやや弱いです。
- 「84年に1ドルで上場、株価は60倍に高騰してる…」
- 「世界市場は3社が独占、STTは3位で15%を占める…」
- 「競合にシェアを奪われ、純利益率は23%と低い…」
ステートストリート(STT)は、世界3位の資産運用会社です。運用規模は3.5兆ドルにも及び、最大手ブラックロック(BLK)、非上場のバンガードだけで世界シェアの7割を獲得しています。 ETF提供者であり、世界シェアの15%を獲得しています。
個人的には、ステートストリートは投資したい銘柄でないです。
なぜならば、ETF運用会社では競合2社にシェアを奪われているからです。新興企業であるバンガードが上位2社からシェアを奪っています。98年に90%だったステートストリートのシェアは、19年に15%まで低下していますね。
ただ、ETFブーブもあり同社の売上も拡大しています。
ETFブームは22年以降もまだまだ続くと思います。機関投資家や個人投資家を含め、手軽にリスク分散できるETFの需要は年々増しています。また、レバレッジETFなど、ハイリスクの投資手法にも最適ですね。
ただ、バンガードがシェアを奪う構図は変わらず、楽観的には見ていません。バンガードに対抗するために、ブラックロックに買収される可能性もあります。いずれにしても、22年1月の予想PER11倍は妥当だと言えそうです。
- ステートストリートの4半期決算(21年9-12月)は?
- ステートストリートの過去10年間の売上高や営業利益は?
- 世界的なETFブームは、22年も継続して続くか?
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20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
記事の内容を簡単に知りたい
ステートストリート(STT)の四半期決算は?

ステートストリート(STT)の四半期決算を紹介します。
21年2Q決算(21年6月30日)
- 売上高:30.49億ドル(前年比+5%)
- 営業利益:10.12億ドル(+15%)
- 純利益:7.63億ドル(+9%)
- 1株当たり利益:2.07ドル(+11%)
21年3Q決算(21年9月30日)
- 売上高:29.92億ドル(前年比+7%)
- Servicing fees:13.95億ドル(+7%)
- Management fees:5.26億ドル(+9%)
- FX trading services:2.79億ドル(+3%)
- Securities finance:1.06億ドル(+26%)
- Software and processing fees:1.98億ドル(+15%)
- 営業利益:9.56億ドル(+26%)
- 純利益:7.14億ドル(+28%)
- 1株当たり利益:1.96ドル(+35%)
21年4Q決算(21年12月31日)
- 売上高:30.53億ドル(前年比+4.7%)○
- Servicing fees:13.84億ドル(+5.9%)
- Management fees:5.30億ドル(+7.5%)
- FX trading services:3.00億ドル(−7.4%)
- Securities finance:1.02億ドル(+15.9%)
- Software and processing fees:1.95億ドル(−4.4%)
- 営業利益:—億ドル(—%)
- 純利益:6.97億ドル(+30%)
- 1株当たり利益:1.78ドル(+28%)✖️
4Qの売上高は前年比+4.7%で30.53億ドル、純利益は+30%で6.97億ドルでした。21年3Qと比較して、売上は少し減速していますね。純利益率は22.8%と過去平均なみの水準ですね。
総運用資産額は3.5兆ドルにも及びます。世界最大はブラックロック(BLK)で9.4兆ドル、2位は非上場企業のバンガードで同社と同じくらいの規模です。この上位3社で、世界運用総額の7割のシェアを獲得しています。
ただ、ETF運用シェアでは、同社はバンガードにシェアを奪われています。ステートストリートは買収を通じて、さらに運用規模を拡大しています(参考:BBH投資家サービス部門を買収-約3850億円)。
22年1Q決算(22年3月…)
22年1Q決算は、4月20日に公開予定です。
では、売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?
ステートストリート(STT)の損益計算書は?

ステートストリートは84年に1.6ドルで上場しています。株価は景気動向の影響を受けながらも、右肩上がりで上昇しています。20年3月は46ドルに下落するも、22年1月は93ドル前後で推移しています。
その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の決算書を見ると、売上と利益はあまり増えていません。競合バンガードが低コストのETFでシェアを拡大しています。営業利益率は22%前後と、競合ブラックロックと比較すると低いですね。
その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)です。自己資本比率は8%と低い水準にあります。BPSは伸びていないが、自社株買いを通じてEPSは増えています。
その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

過去10年間のフリーCF(営業CF−投資CF)は、18年をピークに下落しています。競合バンガードにシェアを奪われていることが予想できます。また、21年の下落はBBHの投資部門の買収によるものだと思います。
では、私たち投資家はどのように判断すれば良いのでしょうか?
ステートストリート(STT)の注目ポイントは?

ステートストリート(STT)の注目ポイントを紹介します。
注目1:世界3位の資産運用会社である?
世界のETF資産運用会社のシェアです。
世界最大のETF運用はブラックロックで1.03兆ドルです。2位は非上場のバンガードで0.47兆ドル、3位にステートストリートで0.43兆ドルと続きます。米国の上位3社だけで、他を圧倒していると言えますね。
では、ETFを提供する3社はどれくらいの市場シェアを持つでしょうか?
注目2:ETF世界3位でシェアは15%に急落?
ETFを提供する主要プレーヤーの市場シェアです。
世界最大のETFプロバイダーは、ブラックロックが保有するiSharesで39%を占めます。次いで、非上場企業バンガードが25%、ステートストリート(STT)が15%です。上位3企業だけで、8割を寡占化していますね。
98年に9割を占めていたステートストリートは、2社にシェアを奪われていますね。ブラックロックもまた、近年はバンガードに奪われる構図です。いずれにしても、ETFブームはこの3社に支えられていると言えます。
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20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
まとめ:ステートストリート(STT)の決算は?

- 84年に上場した、世界3位の米国運用会社である
- 運用総額は3.5兆ドル、大手3社が7割を寡占化
- 競合はブラックロックと非上場のバンガードである
- 低コストのバンガードが、2社からシェアを奪う
- 98年にETFシェア9割だが、19年は15%に低下
- ETFブームもあり、21年の営業利益率は31%と高い
個人的には、ステートストリートは投資したい銘柄でないです。
なぜならば、ETF運用会社では競合2社にシェアを奪われているからです。新興企業であるバンガードが上位2社からシェアを奪っています。98年に90%だったステートストリートのシェアは、19年に15%まで低下していますね。
ただ、ETFブーブもあり同社の売上も拡大しています。
ETFブームは22年以降もまだまだ続くと思います。機関投資家や個人投資家を含め、手軽にリスク分散できるETFの需要は年々増しています。また、レバレッジETFなど、ハイリスクの投資手法にも最適ですね。
ただ、バンガードがシェアを奪う構図は変わらず、楽観的には見ていません。バンガードに対抗するために、ブラックロックに買収される可能性もあります。いずれにしても、22年1月の予想PER11倍は妥当だと言えそうです。
ブラックロックは世界最大の運用会社で、運用総額は9.4兆ドルにも及びます。ETFでは39%のシェアを持ち1位だが、同社と同様にバンガードに押されています。将来的には、ブラックロックが買収する可能性もあります。
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