化粧品・香水業界で世界3位のエスティローダーは、コロナ後も業績は好調です。中国の中産階級の増加で恩恵を受け、米国では高所得者層に力を入れています。23年1Qは前年比−11%、2Qは+1%に回復しています。
- 「95年に8ドルで上場し、株価は46倍に高騰してる…」
- 「最大の市場は欧州だが、中国のEC向けが好調で拡大…」
- 「競合が多いコスメ業界だが、利益率は25%と高い…」
エスティローダー(EL)は、世界3位の化粧品・香水の米国企業です。米国では富裕層向けに力を入れおり、中国はEC市場の拡大で恩恵を受けています。コスメ業界は競合が強いが、営業利益率は上昇基調で19%を超えています。
個人的には、エスティローダーは投資したい銘柄のひとつです。
なぜならば、競合が多いコスメ業界で、順調に売上と利益を増やしてるからです。売上は過去10年で2倍に増え、21年の営業利益率は19%まで上昇しています。中国でも高い市場シェアを持ち、順調にシェアを拡大しています。
高所得者向けが好調、中間層の増大で恩恵を受けています。
ただ、競合が強くレッドオーシャンなのは難点ですね。業界最大手はフランスのロレアル、英国ユニリーバ、米国P&G、日本資生堂など、世界的な有名企業が競争しています。ただ、競争力が高いのは間違いなく順調にシェアを拡大しています。
23年8月時点の予想PERは36倍と割高水準です。しかし、株価が大きく下がる局面があれば積極的に投資したい銘柄ですね。
- エスティローダの4半期決算(23年4-6月)は?
- エスティローダの過去10年間の売上高や営業利益は?
- 中国ECと中間層の拡大で恩恵、22年も好調は続く?
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20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
記事の内容を簡単に知りたい
エスティローダー(EL)の四半期決算は?

エスティローダー(EL)の四半期決算を紹介します。
22年4Q決算(22年12月31日)
- 売上高:46.20億ドル(前年比−16%)
- 営業利益:—億ドル(—%)
- 純利益:3.94億ドル(−63%)
- 1株当たり利益:1.54ドル(−48%)
23年1Q決算(23年3月31日)
- 売上高:37.51億ドル(前年比−11%)
- 営業利益:—億ドル(—%)
- 純利益:1.56億ドル(−72%)
- 1株当たり利益:0.47ドル(−75%)
23年2Q決算(23年6月31日)
- 売上高:36.09億ドル(前年比+1%)○
- Skin Care:17.94億ドル(−5%)
- Makeup:11.08億ドル(+12%)
- Fragrance:5.45億ドル(+5%)
- Hair Care:1.64億ドル(+5%)
- Other:0.15億ドル(+67%)
- 米国:10.71億ドル(−1%)
- 欧州中東:12.53億ドル(−15%)
- アジア:13.02億ドル(+29%)
- 営業利益:−0.05億ドル(前年度0.79億ドル)
- 純利益:−0.32億ドル(前年度0.50億ドル)
- 1株当たり利益:−0.09ドル(前年度0.14ドル)○
2Qの売上高は前年比+1%で36.09億ドル、営業利益は−0.05億ドルでした。22年4Qや23年1Qと比較して、2Qの売上は回復しています。ただし、営業利益率は−0.1%と赤字に転落しています。
22年までは、同社は全事業と全地域でプラス成長でした。
地域別で見ると、富裕顧客層から支持されている米国で高い成長率です。中国などのアジア向けは、経済停止も多く低い成長率ですね。オンライン販売は、20年1Qと比較して2倍に拡大したと述べています。
しかし、22年後半以降は大きく売上が減速していますね。
ニューヨーク、2023年8月18日 – ザ エスティ ローダー カンパニーズ(NYSE:EL)は本日、2023年6月30日終了会計年度の純売上高が159億1000万ドルと、前年度の177億4000万ドルから10%減少したと報告しました。 本業純売上高は、主に海南島と韓国のアジア旅行小売業が牽引し、6%減少しましたが、アジア/太平洋とヨーロッパ、中東、アフリカ(「EMEA」)のほぼすべての市場の成長によって部分的に相殺されました。 当社の新興市場2およびフレグランス分野における本業純売上高の合計は、それぞれ2桁増加しました。
当社の純利益3は、前年同期の純利益23億9,000万ドルに対し、10億1,000万ドルと報告されました。 希薄化後普通株 1 株当たりの純利益は 2.79 ドルとなり、前年同期は 6.55 ドルでした。 3 ページで詳述するリストラおよびその他の費用および調整を除くと、調整後の希薄化後普通株 1 株当たりの純利益は 3.46 ドルとなり、為替変動の影響を除いて 49% 減少しました。 報告および調整後の減少には、主要な海外旅行小売店における特定の外貨取引による悪影響がそれぞれ 5% と 4% 含まれています。
社長兼最高経営責任者のファブリツィオ・フリーダ氏は次のように述べています。 EMEAとラテンアメリカの市場では勢いが続き、中国本土と香港特別行政区が主導するアジア/太平洋地域でも力強く加速しました。2023年度通期では、当社は多くの先進国および新興市場で本業の売上の伸びとプレステージビューティーのシェア拡大を実現しましたが、アジアのトラベルリテールが特にスキンケア分野で業績を圧迫し、北米では引き続き低迷しました。 パンデミック後の時代に向けてより多くの市場が出現したため、フレグランスはすべての地域で 2 桁の伸びを示し、メイクアップも引き続き改善し、第 4 四半期には 2 桁の成長を記録しました。
2024 会計年度には、ブランドの強力な資本と人気を活用して、売上高が本来の成長に戻り、年間を通して利益率が徐々に向上すると予想しています。 当社は、北米で繁栄し、成長を再加速している市場の勢いを促進することに重点を置いています。 アジアの旅行小売業では、現在の市場の逆風を乗り越えながら、帰国する個人旅行者の需要を取り込むための措置を講じ、業界の在庫削減を継続しています。 この新会計年度には、2 年間に計画された非常に強力なイノベーション パイプラインと進歩的な利益再構築計画により、2025 会計年度のより強力な加速に向けた準備も整えるつもりです。」
23年3Q決算(23年9月…)
23年3Q決算は、11月19日に公開予定です。
では、売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?
エスティローダー(EL)の損益計算書は?

エスティローダーは95年に8ドルで上場しています。株価は常に右肩上がりで最高値を更新し続けていますね。20年3月は144ドルに下落するも、23年8月は156ドルで推移しています。
その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の決算書を見ると、売上は右肩上がりで拡大しています。20年のコロナ禍は売上が落ち込むも、すぐに力強く回復しています。営業利益率は19%と切り上がっており、競争が激しいコスメ業界で最も成功してる企業です。
その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)です。自己資本比率は28%と高く、BPSとEPSも右肩上がりです。
その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

過去10年間のフリーCF(営業CF−投資CF)は、順調に拡大しています。20年は少しだけ落ち込むも、オンライン販売が好調で力強く回復していますね。競合が激しい分野にありながらも、競争優位性が高いと言えます。
では、私たち投資家はどのように判断すれば良いのでしょうか?
エスティローダー(EL)の注目ポイントは?

エスティローダー(EL)の注目ポイントを紹介します。
注目1:化粧品業界で世界3位で3.6%のシェア?
20年の化粧品・香水メーカーの市場シェアです。
業界最大手はフランスのロレアルで、8.4%のシェアを持ちます。次いで、2位は英国ユニリーバで5.8%、3位にエスティローダーで3.6%、4位に米国P&G(PG)で3.4%、5位に資生堂で2.2%と続きます。
化粧品などのブランドメーカーは、伝統的に欧州が強いですね。では、エスティローダーの事業別の売上シェアは次いでどうでしょうか?
注目2:事業別では化粧品部門が21.3%のシェア?
製品別の市場シェアの推移です。
21年時点では、化粧品事業が市場シェアの21.3%を獲得しています。次いで、スキンケアが10.2%、香水が8.3%、ヘアケアが1.5%です。競合企業が多いながらも、高いシェアを獲得していると言えます。
では、地域別の売上高の推移はどうでしょうか?
注目3:欧州の売上比率が全体の42%を占める?
過去10年間の地域別売上高の推移です。
最も売上比率が高いのは欧州で、全体の42%を占めています。次いで、アジア太平洋地域が33%、米国が23%と続きます。アジア地域はECが急拡大する中国を中心に大きく売上を増やしています。
中国ではアリババ(BABA)のTモールにも出店しています。米国では、単価が高い富裕層向けに力を入れています。
では、中国ではどれくらいの市場シェアを獲得してるでしょうか?
注目4:中国市場で5位で5.2%のシェアを持つ?
中国のコスメ業界の市場シェアです。
中国のコスメ業界で最大シェアは、P&Gで25.8%を獲得しています。次いで、2位はフランスのロレアルで21.5%、資生堂が7.1%、ユニリーバが7.9%、エスティローダーは6.3%と続いています。
エスティローダーは中国で大きな市場シェアを獲得しています。しかし、業界大手の企業も参入しているため、競争は激化していますね。
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20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
まとめ:エスティローダー(EL)の決算は?

- 95年に上場した、化粧品と香水でトップの米国企業
- 欧州市場が42%だが、中国のEC拡大で恩恵を受ける
- 競合が多いコスメ業界だが、利益率は19%と高く急成長
- 先進国では高所得者向け、中国では中間層向けに市場拡大
- 売上は10年で2倍に拡大、競合からシェアを奪っている
個人的には、エスティローダーは投資したい銘柄のひとつです。
なぜならば、競合が多いコスメ業界で、順調に売上と利益を増やしてるからです。売上は過去10年で2倍に増え、21年の営業利益率は19%まで上昇しています。中国でも高い市場シェアを持ち、順調にシェアを拡大しています。
高所得者向けが好調、中間層の増大で恩恵を受けています。
ただ、競合が強くレッドオーシャンなのは難点ですね。業界最大手はフランスのロレアル、英国ユニリーバ、米国P&G、日本資生堂など、世界的な有名企業が競争しています。ただ、競争力が高いのは間違いなく順調にシェアを拡大しています。
22年2月時点の予想PERは40倍と少し高いです。しかし、株価が大きく下がる局面があれば積極的に投資したい銘柄ですね。
スキンケアやコスメ業界は、美容意識の高まりで急成長している分野です。先進国でもまだ飽和状態にない上に、後進国では中間層の増大で恩恵を受けます。美容シャンプーに特化したオラプレックスも、利益率が54%と高いです。
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