遺伝子検査を提供するクエスト・ダイアグノスティクスは、コロナで最も恩恵を受けた銘柄のひとつです。しかし、利益率が上昇し売上高は前年比+56%だが、株価はそれほど伸びていません。コロナ特需で好調なのに、なぜPERは8倍と割安なのでしょうか?
- 「売上は前年比+56%、営業CFは+61%に増えた…」
- 「コロナ特需で好調だが、株価は緩やかに上昇している….」
- 「PERが10.4倍なのは、コロナ後の業績悪化を見越している…」
クエスト・ダイアグノスティクスは、医療検査サービスを提供する米国企業です。医療診断検査、遺伝子検査、臨床試験を行い、管理システムも提供しています。遺伝子検査はコロナ禍で需要が急増し、売上高は前年比で56%も押し上げられました。
クエスト・ダイアグノスティクスは投資したい銘柄ではありません。
なぜならば、コロナ特需が終わり、業績が低迷し始めているからです。遺伝子検査の需要増で、20年4Qの売上高は前年比+56%、営業CFは+61%と好調でした。また、自社株買いを積極的に行い、長期的な経営戦略も立てています。
しかしながら、コロナが収束し業績は減速し始めています。
21年3Qの売上は前年比−0.4%と弱いです。経済再開が急速に進み、21年後半は遺伝子検査の需要が落ちています。コロナ特需で株価が20倍に高騰したフルジェント(FLGT)も、同様に業績が悪化すると予想できます。
参考:フルジェント(FLGT)の四半期決算|コロナ検査で売上高は46倍
- DGXの4半期決算(21年7-9月)は?
- DGXの過去10年間の売上高や営業利益は?
- コロナ特需が終われば、株価は暴落するのか?
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20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
記事の内容を簡単に知りたい
クエスト・ダイアグノスティクスの四半期決算は?
クエスト・ダイアグノスティクス(DGX)の四半期決算を紹介します。
21年1Q決算(21年3月31日)
- 売上高:27.20億ドル(前年比+49%)
- 営業利益:6.81億ドル(+240%)
- 純利益:4.69億ドル(+373%)
- 1株当たり利益:3.46ドル(+373%)
21年2Q決算(21年6月30日)
- 売上高:25.50億ドル(前年比+39%)
- 営業利益:5.54億ドル(+105%)
- 純利益:6.31億ドル(+241%)
- 1株当たり利益:4.96ドル(+264%)
21年3Q決算(21年9月30日)
- 売上高:27.74億ドル(前年比−0.4%)
- 営業利益:6.52億ドル(−10%)
- 純利益:5.05億ドル(−12%)
- 1株当たり利益:4.02ドル(−3%)
3Qの売上高は前年比−0.4%で27.74億ドル、営業利益は6.52億ドルでした。21年1Qと2Qと比較して、売上と利益は大幅に減速しています。ただし、営業利益率は23%と悪くはありません。
業績が伸びている理由は、コロナ禍で遺伝子検査の需要が増えたからです。
しかしながら、経済再開が急速に進む21年3Qは減速していますね。21年10月時点でPERが8倍と低いのは、いずれはコロナが終息すると投資家が考えているからですね。米国や英国ではワクチン接種が進み、徐々に沈静化しています。
21年通期の売上高は、106億ドル(前年比+12%)です。
21年4Q決算(21年12月…)
21年4Q決算は、22年1月22日に公開予定です。
では、売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?
クエスト・ダイアグノスティクスの損益計算書は?
クエスト・ダイアグノスティクスは1996年に3.7ドルで上場しました。株価は順調に上昇し、常に最高値を更新し続けていますね。20年3月は73ドルまで下落するも、21年11月は145ドル前後で推移しています。
その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?
過去10年間の決算書を見ると、売上高と営業利益は横ばいが続いています。しかし、コロナ禍の20年に売上と利益が加速していますね。21年TTMの営業利益率は23.8%まで上昇しています。
その2:BPSとEPSの10年間の推移は?
過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)です。BPSとEPSは安定して上昇していますね。自社株買いを行なっているため、BPSもEPSも好調です。自己資本比率も48%と高く、財務は安定しています。
20年に得られた利益で、さらに自社株買いを増やしています。
その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?
過去10年間のフリーCF(営業CF−投資CF)は、安定して上昇しています。クエスト・ダイアグノスティクスは設備投資が少ない優良ビジネスですね。20年と21年TTMは、コロナ特需でさらに加速しています。
では、私たちはどのように投資判断すれば良いのでしょうか?
クエスト・ダイアグノスティクスの注目ポイントは?
クエスト・ダイアグノスティクス(DGX)に投資する上で注目すべきポイントを紹介します。同社は、医療検査サービスを提供する米国企業です。遺伝子検査はコロナ禍で需要が急増し、売上高は前年比で22%も押し上げられました。
注目1:遺伝子検査は年率6.3%で拡大し89億ドル?
世界の遺伝子検査の市場推移です。
20年の遺伝子検査の市場規模は62億ドルと試算されています。年率6.3%で拡大し26年には89億ドルになると予想されていますね。全ての地域で遺伝子検査の需要は伸びています。
ただし、遺伝子検査市場は競合が多い点は注意すべきです。
注目2:臨床検査診断サービスのトッププレイヤー?
臨床検査診断サービスの市場シェアです。
細かい数値は公開されてないが、クエスト・ダイアグノスティクスは臨床検査診断サービスの上位企業です。競合企業には、米国のラボラトリー・コーポレーション(LH)などがあります。
クエスト・ダイアグノスティクスとラボラトリーは、独立研究セグメントで2強です。
注目3:独立研究ラボで24%の最大シェアを持つ?
独立研究ラボという細分化された市場で、同社は24%のシェアを持ちます。
19年の米国研究所の市場規模は820億ドルです。医師向けの研究サービスが64%を占め、その中で独立研究所が53%を占めます。クエスト・ダイアグノスティクスは、この細分化された市場で24%のシェアを持ちます。
競合であるラボラトリー・コーポレーション(LH)は22%です。
クエスト・ダイアグノスティクスは、米国成人の3人に1人、医師と病院の半分にサービスを提供しています。1日あたり180万件のテストを処理しています。
参考:ラボラトリー(LH)四半期決算|遺伝子検査はコロナで前年比+52%
▼▼2022年12月は資産が6000万円を超える▼▼
20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
まとめ:クエスト(DGX)の四半期決算は?
- 96年に上場した、遺伝子検査を提供する米国企業である
- 遺伝子検査や細胞検査を医師に提供、プラットフォームも開発
- コロナ特需で21年1Qの売上高は、前年比+56%で拡大
- 営業CFは61%も増加し、営業利益率は23%に上昇する
- コロナ以前から自社株買い、得た利益でさらに増やしている
- コロナ以前から、BPS、EPS、フリーCFは安定している
クエスト・ダイアグノスティクスは投資したい銘柄ではありません。
なぜならば、コロナ特需が終わり、業績が低迷し始めているからです。遺伝子検査の需要増で、20年4Qの売上高は前年比+56%、営業CFは+61%と好調でした。また、自社株買いを積極的に行い、長期的な経営戦略も立てています。
しかしながら、コロナが収束し業績は減速し始めています。
21年3Qの売上は前年比−0.4%と弱いです。経済再開が急速に進み、21年後半は遺伝子検査の需要が落ちています。コロナ特需で株価が20倍に高騰したフルジェント(FLGT)も、同様に業績が悪化すると予想できます。
遺伝子検査を提供するフルジェント(FLGT)は、コロナで最も恩恵を受けた銘柄です。売上高は前年比46倍に増え、株価は20倍にも高騰しています。ただし、将来の成長率の減速を見越して、21年5月には株価は急落しています。
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