通信機器の独占企業であるシスコは、営業利益率28%で安定した高配当銘柄として知られます。安定した独占企業にも関わらず、予想PERは16倍と割安に放置されています。22年4Qの売上は前年比−0.1%、1Qは+5.6%に加速していますね。
- 「通信機器の需要は増え続け、株価は10年で3倍になる….」
- 「通信機器の独占企業だが、PERは16倍と割安に放置されてる…」
- 「配当利回りは3m%で、過去10年で10倍に増配された…」
シスコは、ネットワーク関連の通信機器を製造する米国企業です。通信機器の独占企業でスイッチは66%、ルーターは70%、無線LANは58%のシェアを持ちます。月額制やサービス事業にも力を入れていて、ビデオ会議でも世界トップ企業です。
個人的には、配当目的以外では投資したい銘柄ではないです。
なぜならば、成熟企業へと移行し安定しているが、成長はほぼ見込めないからです。ハイテクでは珍しく高配当銘柄で知られ、配当利回りは3%と高いですね。ただし、クラウドや新興企業にシェアを奪われ、劇的な成長は見込めないことが難点です。
ただし、22年以降も通信機器のトップ企業であり続けるのは確かです。
関連事業の積極的な買収や月額制やサービス事業への移行など、シスコ自身もまだまだ変革期にあります。そのため、売上高の成長や配当が今後も増配されるならば、投資を検討したい銘柄です。
22年11月時点のPERも12倍と割安だと言えます。
- シスコの4半期決算(22年7-9月)は?
- シスコの過去10年間の売上高や営業利益は?
- 営業利益率28%でも、投資すべきでない理由は?
▼▼2022年12月は資産が6000万円を超える▼▼
20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
記事の内容を簡単に知りたい
シスコシステムズ(CSCO)の四半期決算は?
シスコシステムズ(CSCO) の四半期決算を紹介します。
22年3Q決算(22年4月30日)
- 売上高:128.35億ドル(前年比+0.2%)✖️
- Product:94.48億ドル(+3.3%)
- Secure, Agile Networks:58.69億ドル(+4%)
- Internet for the Future:13.24億ドル(+6%)
- Collaboration:11.32億ドル(−7%)
- End-to-End Security:9.38億ドル(+7%)
- Application:1.83億ドル(+8%)
- Services:33.87億ドル(−7.6%)
- 営業利益:36.10億ドル(+4.1%)
- 純利益:30.44億ドル(+6.3%)
- 1株当たり利益:0.73ドル(+7.3%)◯
22年4Q決算(22年7月30日)
- 売上高:131.02億ドル(前年比−0.1%)
- 営業利益:—億ドル(—%)
- 純利益:28.15億ドル(−6%)
- 1株当たり利益:0.83ドル(−1%)
23年1Q決算(22年10月30日)
- 売上高:136.32億ドル(前年比+5.6%)◯
- Product:102.45億ドル(+7.5%)
- Secure, Agile Networks:66.84億ドル(+12%)
- Internet for the Future:13.10億ドル(−5%)
- Collaboration:10.86億ドル(−2%)
- End-to-End Security:9.71億ドル(+9%)
- Application:1.93億ドル(+7%)
- Services:33.87億ドル(+0.4%)
- 営業利益:35.40億ドル(+2.9%)
- 純利益:26.70億ドル(−11%)
- 1株当たり利益:0.73ドル(−8%)◯
1Qの売上高は前年比+5.6%で136.32億ドル、営業利益は+2.9%で35.40億ドルでした。22年3Qや4Qと比較すると、1Qの売上は上向いていますね。営業利益率は25.9%と少し弱いです。
22年後半のコロナ後も、投資を増やす製造業は多いですね。
ただし、23年2Qの売上予想は、前年比+5.5%としています。23年通期の売上予想も+5.5%としています。
シスコは本日、2022 年 10 月 29 日に終了した期間の第 1 四半期の結果を報告しました。シスコは、第 1 四半期の収益を 136 億ドル、一般会計原則 (GAAP) に基づく純利益を 27 億ドルまたは 1 株あたり 0.65 ドル、非 GAAP 純利益を報告しました。 35億ドルまたは1株あたり0.86ドル。
シスコの会長兼 CEO であるチャック ロビンス(Chuck Robbins)は、次のように述べています。 「これらの結果は、当社の戦略、差別化されたイノベーション、およびお客様のレジリエンスの向上を支援する独自の立場が適切であることを示しています。」
Cisco の CFO である Scott Herren は次のように述べています。 「当社の年間経常収益は 230 億ドル以上に増加し、製品の ARR は 12% 増加しました。これは、大幅なバックログ、強力な RPO、供給状況の緩和と相まって、優れた可視性と予測可能性を提供し、通年のガイダンスの増加をサポートします。 .”
23年2Q決算(22年12月…)
23年2Q決算は、23年2月17日に公開予定です。
では、売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?
シスコシステムズ(CSCO)の損益計算書は?
シスコは1990年に0.07ドルで上場しました。20年のITバブルで最高値79ドルを付けた後は、長く低迷していますね。12年あたりから再び上昇し始め、22年11月は46ドル前後で推移しています。
その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?
過去10年間の決算書を見ると、売上高は横ばいだが利益は安定していますね。通信機器を開発する製造業にも関わらず、営業利益率は28%と高いです。今後は買収以外で売上高が増えることはないが、利益も大きく減ることもないです。
その2:BPSとEPSの10年間の推移は?
過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)です。BPSが増えていないのは、配当性向50%を超える配当金と積極的な買収によるものです。EPSは緩やかに上昇し続けていますね。
その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?
過去10年間のフリーCF(営業CF−投資CF)は、安定して伸び続けています。シスコは製造業にも関わらず、投資CFが無視できるほど小さいです。これは、数多くの特許に守られ、競合と競争してない事を示していますね。
今後もシスコの牙城が崩れることはありません。では、私たちはどのように投資判断すれば良いのでしょうか?
シスコシステムズ(CSCO)の注目ポイントは?
シスコシステムズ(CSCO)に投資する上で、どのような点に注目すれば良いのでしょうか?
注目1:インフラ機器の販売が売上高の63%を占める?
シスコシステムズの事業別売上高の推移です。
シスコシステムズは製品販売とサービスの2つの事業があります。製品販売が売上高全体の85%と大きく、インフラが63%、アプリが13%、セキュリティが8%の割合です。残りはサービス部門で28%を占めています。
中長期的には、製品販売のセキリティとサービス以外はマイナス成長です。
製品販売の多くはクラウドや低価格商品の台頭で、着実にシェアを奪われています。また、シスコ自身も月額制サービスへ移行しつつあります。そのため、今後もセキリティとサービス以外の売上高は減少すると予想できます。
シスコは世界シェアトップの通信機器事業として知られています。その地位は21年現在でも揺らいでいません。
注目2:シスコは通信機器で市場を独占している?
シスコシステムズは、通信機器関連で世界シェア1位の会社ですね。
2015年と少しデータは古いが、シスコの資料によるとセキュリティ機器で31%、ルータで51%、スイッチで67%、無線LANで50%と世界1位のシェアを持ちます。競合企業は少なくないが、特許を抑えることで圧倒的なシェアを確保しています。
各通信機器のシェアについて、もう少し詳しく見てみましょう。
注目3:スイッチ66%、ルーター70%、無線LAN58%?
18年1Q時点のスイッチとルーター、無線LANの市場シェアです。
調査会社IDCによると、スイッチでは66%のシェアを持ち、2番手HPE(ヒューレットパッカード)の7%を大きく引き離しています。ルーターでは70%のシェアを持ち、2番手ジュニパーネットワークス(JNPR)の14%を大きく引き離しています。
無線LANでは58%のシェアを持ち、2番手HPEの15%を引き離しています。18年時点でも、スイッチ、ルーター、無線LANで高いシェアを持ちますね。
ただし、セキュリティ機器に関しては、競合にシェアを奪われています。
注目4:セキュリティ機器は世界2位でシェアを奪われた?
セキュリティティ機器の世界上位5社です。
業界最大手はパロアルトネットワークス(PANW)です。2番手にシスコ(CSCO)、3番手にフォーティネット、4番手にチェックポイント(CHKP)、5番手にソニックウォールと、米国企業5社がランクインします。
セキュリティ機器は、右肩上がりで拡大している市場です。
米国は20年2Qの市場の44%を占め、前年比+11.6%で拡大しています。日本の成長率は14.1%、中国と日本を除くアジア太平洋地域は10.2%です。
20年1Qはマイナス成長だったが、20年2Qは前年比+10%でした。これは、リモートワークを拡張し、オンプレミスのリソースを確保するための支出増加によるものです。コロナ禍から早く回復した中国市場では、20年2Qもマイナス成長です。
シスコは、ビデオ会議市場でも高いシェアを持ちます。
注目5:ビデオ会議のトラフィックで世界2位の12%?
ビデオ会議のトラフィック量が多い上位10社です。
シスコはビデオ会議「Cisco Webex」も提供しています。高品質&多機能の「Cisco Webex」は、115ヵ国12億人に使われ多言語にも対応しています。しかしながら、コロナ禍で人気が沸騰したZoomにはシェアを奪われていますね。
Cisco Webexのシェアは2番手で12%です。
シスコが最も力を入れている領域はセキュリティ関連です。通信量の増加に伴いセキュリティの重要度が増していたが、在宅ワークの増加でさらに需要が増えています。では、セキュリティ関連の市場規模はどのように拡大しているでしょうか?
注目6:年率11.8%で24年には270億ドル規模?
セキュリティ関連の市場規模の推移です。
PCやモバイル、通信量の増大に伴い、世界的にセキリティの重要度は増しています。20年のセキュリティ市場は168億ドルです。年率11.8%で拡大し、24年には270億ドルになると試算されています。
資金力がある企業は買収を進め、寡占化していく事が予想できます。
注目7:配当利回りは2.8%で10年で10倍に増える?
シスコシの配当金と配当性向(%)の推移です。
シスコはハイテク企業では珍しく、高配当銘柄として知られます。配当金は1.4ドル、過去10年間で10倍にも増えています。しかし、配当性向は60%を超えているため、今後も今と同じペースで増えることはないですね。
21年5月時点の配当利回りは2.8%と、ハイテク企業ではかなり高いです。
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20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
まとめ:シスコシステムズ(CSCO)の四半期決算は?
- 90年に上場した、通信機器全般を製造する米国企業である
- スイッチ66%、ルーター70%、無線LAN58%で世界1位
- セキュリティ機器は2番手、競合にシェアを奪われている
- テレビ会議のトラフィック量は、Zoomに次ぐ2番手である
- 通信機器の売上高は減少し、月額制やサービス事業に移行してる
- 特許に守られてるため、営業利益率は28%、フリーCFも安定
- 配当利回りは2.8%、10年で10倍にも増配されている
個人的には、配当以外では投資したい銘柄ではないです。
なぜならば、成熟企業へと移行し安定しているが、成長はほぼ見込めないからです。ハイテクでは珍しく高配当銘柄で知られ、配当利回りは2.6%と高いですね。ただし、クラウドや新興企業にシェアを奪われ、劇的な成長は見込めないことが難点です。
ただし、21年以降も通信機器のトップ企業であり続けるのは確かです。
関連事業の積極的な買収や月額制やサービス事業への移行など、シスコ自身もまだまだ変革期にあります。そのため、売上高の成長や配当が今後も増配されるならば、投資を検討したい銘柄です。21年11月時点のPERも16倍と割安だと言えます。
シスコは特許に守られたビジネスで圧倒的なシェアを持ちます。しかしながら、クラウドや低価格対商品の台頭で少しずつシェアを奪われていますね。フォーティネットは、セキュリティ機器のトップ企業で、シェアを奪っているうちの1社です。
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