トップ・シップス(TOPS)四半期決算|21年4Qは+12%に加速

コロナ以降にコンテナ運賃が高騰し、ダナオス(DAC)などのコンテナ銘柄が短期間で10倍にも高騰しています。コンテナに続きタンカー運賃も上昇基調にありますね。実際に、21年4Qの売上は前年比+12%に上向いていますね。

  • 「コロナによる原油低迷で、20年に株価は86%も暴落…」
  • 「タンカー市況が好転し、20年11月から2倍になる…」
  • 「世界中の脱炭素化で、もう原油需要は回復しないのだろうか…」

トップシップスは、原油と化学製品を輸送するカナダ企業です。中規模の原油タンカー2隻、それからプロダクトタンカー12隻を保有しています。原油タンカー運賃は過去最低水準に落ち込んでいるが、22年から上向く可能性が高いです。

個人的には、トップシップスは投資したい銘柄のひとつです。

なぜならば、過去最低水準のタンカー運賃は、いずれ上昇すると思うからですタンカー運賃は原油価格には依存しません。原油の海上運搬量(需要)と船舶数(供給)で決まります。世界の原油消費量の予測を見ると、22年後半には過去最高を更新します。

実際に、足元のタンカー運賃は22年に上昇を始めていますね。世界的な原油の需要は増え始めるも、船舶の注文数は歴史的低水準にあります。中国景気減速やロシア危機など懸念材料はあるも、22年にタンカーの強気相場が訪れそうです。

22年5月の予想PER4.5倍は割安ですね。

TOPSの投資判断したい人向け
  1. TOPSの4半期決算(22年1-3月)は?
  2. TOPSの過去10年間の売上高や営業利益は?
  3. コンテナやバルク船と同様に、原油タンカーも高騰か?

▼▼2022年12月は資産が6000万円を超える▼▼

20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました

ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。

過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。

参考:【自己紹介】米国株1.5年で運用額を10倍の「4727万円」に増やす

トップ・シップス(TOPS)の四半期決算は?

トップ・シップス(TOPS)の四半期決算を紹介します。

20年4Q決算(20年12月31日)

4Qの内容は...
  1. 売上高:1381万ドル(前年比—%)
  2. 営業利益:615万ドル(—%)
  3. 純利益:−997万ドル(—%)
  4. 1株当たり利益:−0.26ドル(—%)

21年2Q決算(21年6月30日)

2Qの内容は...
  1. 売上高:1265万ドル(前年比−22%)
  2. 営業利益:270万ドル(+77%
  3. 純利益:84万ドル(+158%
  4. 1株当たり利益:0.01ドル(+101%

21年4Q決算(21年12月31日)

4Qの内容は...
  1. 売上高:1552万ドル(前年比+12%
  2. 営業利益:527万ドル(−14%)
  3. 純利益:346万ドル(+134%
  4. 1株当たり利益:0.06ドル(+123%

21年4Qの売上高は前年比+12%で1552万ドル、営業利益は−14%で527万ドルでした。20年4Qや21年2Qと比較して、4Qの売上は上向いていますね。営業利益率は33.9%と過去10年で最も高いですね。

21年後半はタンカー市況は不調だが、22年には上向き始めています。同社CEOは、22年のタンカー市況について強気に発言しています。

22年2Q決算(22年6月…)

22年2Q決算は、8月に公開予定です。

では、売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?

トップ・シップス(TOPS)の損益計算書は?

トップシップスは2004年に2.1テラ(10の12乗)ドルで上場しました。小型株が株式分割を繰り返した事で、上場事の株価は数値が壊れていますね。22年5月は0.6ドル前後で推移しています。

その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の決算書を見ると、浮き沈みが激しく業績が安定していません。売上高ベースでは、15年に反転して以降は上昇傾向にありますね。20年の売上高は11年以来の高水準で、営業利益率は24%と好調です。

全体的に、過去の動向が読みづらい決算だと言えます。

その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)です。2016年以前は、天文学的な数値になっているため補正しています。1株あたりの資産も利益も増加しているとは言えないですね。

その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

過去10年間のフリーCF(営業CF−投資CF)は、赤字額が拡大しています。トップ・シップスは積極的に設備投資しているが、事業がうまく回っていないと言えますね。設備投資額は増加する一方で、営業CFは全く増えていません。

では、私たちはどのように投資判断すれば良いのでしょうか?

トップ・シップス(TOPS)の注目ポイントは?

トップ・シップスに投資する上で注目すべきポイントを紹介します。トップ・シップスは、石油製品やドライバルク製品を海上輸送する海運会社です。そのため、タンカーやバルク船の運賃が高騰すれば利益を得られます。

注目1:中小規模の原油とプロダクトタンカー14隻?

参考:Presentation at Marine Money 

トップ・シップスが所有するプロダクトタンカー14隻です。

トップ・シップスはかなり小規模な海運会社ですね。中規模の原油タンカー2隻、それからプロダクトタンカー12隻を保有していますプロダクトタンカーとは、原油を精製した後のガソリン、ナフサ(粗製ガソリン)、灯油、軽油などの石油製品を運ぶ船です。

では、原油タンカーの市況はどうなっているのでしょうか?

注目2:原油タンカー運賃は過去10年で最低水準?

参考:不定期船・タンカー運賃指標の推移(BDI/WS)

日本郵船による、不定期船(水色)とタンカー運賃(青色)の推移です。

タンカー運賃は、20年3月に一時的に200まで急騰しています。その理由は、20年3月に陸上の貯蔵タンクが一杯になり、洋上タンカーのスポット価格が高騰したからです。しかしながら、5月以降はタンクの問題が解消され、運賃は過去10年で最も低水準です

世界的に原油の消費量が急減したことで、船舶の数が過剰だからです。

タンカー運賃は原油価格には依存せず、原油の海上運搬量(需要)と船舶数(供給)に依存します。20年5月から原油価格は急回復しているが、原油タンカーの需給は緩いです

コロナによる影響で、20年の原油消費量は過去水準ですね。では、原油タンカーの運賃の指標は何を見れば良いのでしょうか?

注目3:タンカー運賃の指標はサイズ毎に確認できる?

参考:Tanker Worldscale Rate

原油タンカー運賃の指標を見るには、SIMPSONというサイトが掲示しています。船舶サイズごとに、過去6ヶ月間のタンカー運賃を調べられます。最も小さい37000サイズの運賃を見ると、21年あたりから価格が上昇しています。

では、20年3月のコロナショックでは、どれだけ石油需要が急落したのでしょうか?

注目4:21年Q3にコロナ以前の水準まで回復する?

参考:World Crude Oil Supply and Demand Forecast, 2020-2021

21年以降の原油の供給と需要予測です。

世界の原油消費量(緑色)を見ると、19年Q4の101百万バレルから、20年2Qに84百万バレルまで急落しました。しかしながら、21年Q3には98百万バレルまで回復し、22年Q3には過去最高水準を更新します

消費量が回復するということは、原油タンカーの需要が上昇しますね。

需要が上昇する中でも、タンカーの供給量はあまり伸びません。なぜならば、コンテナ船やバルク船と同様に、環境規制で新しい船舶が作られていないからです。鉄鉱石の価格が2倍に上昇したことで、新たな設備投資には膨大な資金が必要になります。

そのため、コンテナやバルク運賃で起きた上昇は、いずれは原油にも波及します。

環境問題で原油の需要が落ち込んだように見えます。しかしながら、世界規模で見ると、原油の需要や消費量は伸び続けていますそのため、原油タンカーの数が増えなければ、タンカー運賃は上昇するしかありません。

参考:世界のエネルギー消費と資源

まとめ: トップ・シップス(TOPS)の決算は?

トップ・シップスの注目ポイントは...
  1. 2021年に上場した、原油や製品を輸送するギリシャ企業
  2. 中規模の原油タンカー2隻、プロダクトタンカー12隻を保有
  3. 売上高は1千万円と小さく、海運市況の影響を受けやすい
  4. 売上高は15年を底に反転し、20年は過去最高水準に回復
  5. 過去10年間の業績は安定しないが、20年の利益率は24%
  6. 積極的に設備投資するも、フリーCFは毎年大幅な赤字である
  7. 株価の変動幅が大きく、他の海運企業と比較してリスクが高い
  8. 環境規制で船舶が作られず、需給はタイトになる可能性が高い

個人的には、トップシップスは投資したい銘柄のひとつです。

なぜならば、過去最低水準のタンカー運賃は、いずれ上昇すると思うからですタンカー運賃は原油価格には依存しません。原油の海上運搬量(需要)と船舶数(供給)で決まります。世界の原油消費量の予測を見ると、22年後半には過去最高を更新します。

実際に、足元のタンカー運賃は22年に上昇を始めていますね。世界的な原油の需要は増え始めるも、船舶の注文数は歴史的低水準にあります。中国景気減速やロシア危機など懸念材料はあるも、22年にタンカーの強気相場が訪れそうです。

原油タンカーの大手は、ベルギーのユーロナブ(EURN)ですね。

参考:ユーロナブ(EURN)の四半期決算|20年4Qの売上高は−61%

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