動画配信サービスのネットフリックスは、経済再開で成長が懸念される銘柄ですね。経済再開後に売上成長率は鈍化しています。22年2Qの売上は前年比+8.6%、22年3Qは+5.9%に減速しています。
- 「コロナ特需で、契約者数は21年4Qに2.21億人…」
- 「21年後半、加入者数は+828万人と増加に転じている…」
- 「利益率23%に改善するも、PER45倍は割高か…」
ネットフリックスは、世界最大の動画配信の米国企業です。21年末時点の契約者数は2.21億人で、四半期毎に1千万人前後が加入してます。米国の2世帯にひとつはネットフリックスに加入し、南米や欧州、アジアでも加入者が増え続けています。
個人的には、ネットフリックスは投資したい銘柄ではないです。
なぜならば、急拡大してる動画配信市場だが、競合も増えているからです。動画配信はアマゾンだけではなく、アップル、ディズニー、AT&Tも参入しています。Amazon Prime会員なら無料で視聴できるし、アップルは月額4.99ドルで提供してます。
大手ハイテクが本格的に参入すると、長期的に厳しくなりそうです。
ネットフリックスの問題点は、収益性の低さとコンテンツ過多時代に突入したことです。21年後半に作品制作を開始したことで、21年4Qの営業利益率は8%、フリーCFは再びマイナスに転じています。コンテンツ過多にあるため、作れば作るほど赤字が膨らみます。
これは、動画配信企業の構造的な問題ですね。
22年3Qは広告ありプランを開始したことで、利益構造に変化が訪れそうですね。ドル高要因で利益率は減少するも、3Qの加入者は+241万人で再び増加に転じています。広告プランがどのような影響を与えるか注目したいですね。
22年10月時点の予想PER20倍は割高ではないですね。
- ネットフリックスの4半期決算(22年6-9月)は?
- ネットフリックスの過去10年間の売上高や営業利益は?
- コロナ禍で成長が加速、営業利益率は25%に改善?
▼▼2022年12月は資産が6000万円を超える▼▼

20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
記事の内容を簡単に知りたい
ネットフリックス(NFLX)の四半期決算は?


ネットフリックス(NFLX)の四半期の決算を紹介します。
22年1Q決算(22年3月31日)
- 売 上 高 :78.68億ドル(前年比+9.8%)✖️
- 北米:33.50億ドル(+5.6%)
- 欧州中東:25.62億ドル(+9.3%)
- 南米:9.99億ドル(+19%)
- アジア:9.17億ドル(+20%)
- 営業利益:19.72億ドル(+1%)
- 純 利 益 :15.97億ドル(−7%)
- 1株利益:3.53ドル(−6%)○
22年2Q決算(22年6月30日)
- 売 上 高 :79.70億ドル(前年比+8.6%)
- 営業利益:15.78億ドル(−15%)
- 純 利 益 :14.41億ドル(+6%)
- 1株利益:3.20ドル(+7%)
22年3Q決算(22年9月30日)
- 売 上 高 :79.26億ドル(前年比+5.9%)◯
- 北米:36.02億ドル(+10.5%)
- 欧州中東:23.76億ドル(−2.3%)
- 南米:10.24億ドル(+11.9%)
- アジア:8.89億ドル(+6.5%)
- 営業利益:15.33億ドル(−13%)
- 純 利 益 :13.98億ドル(−4%)
- 1株利益:3.10ドル(−3%)○
4Qの売上は前年比+5.9%で79.26億ドル、営業利益は−13%で15.33億ドルでした。22年1Qと2Qに続き、3Qの売上も減速していますね。営業利益率は19%と大幅に急落しています。
22年3Qの加入者数は+241万人、予想の109万人を大きく上回りましたね。これは、広告ありプランを新規に開始した影響だと言えますね。ただし、ドル高の影響で、利益は大きく減速しています。
長期的には、競争激化で利益率はさらに減少しそうです。
22年4Qの売り上げ予想は、77.26億ドル(+0.9%)と弱いです。
第 3 四半期の前年比 6% の収益成長は、平均有料メンバーシップの 5% 増加と ARM の 1% 増加に牽引されました。外国為替 (F/X) の影響を除くと、収益と ARM はそれぞれ前年比で 13% と 38% 増加しました。収益の連続的な減少は、完全に F/X によるものでした。 100 万の予測に対して合計 240 万で、前年同期の 440 万と比較して、有料の純追加を下回りました。
● APAC では、平均有料会員数が前年比で 23% 増加したため、F/X を除く収益は 19% 増加しました。 ARM は、F/X を除くと、前年同期比で -3% でした。これは、インドでの ARM の低下が部分的に影響し、オーストラリアと韓国での ARM の上昇により幾分相殺されました。この地域では 140 万人の有料メンバーシップが追加されました (前四半期の 220 万人に対して)。
● F/X を除くと、EMEA の収益と ARM はそれぞれ 13% と 7% 増加しました。有料純増は、前年同期の 180 万対 060 万でした。
● LATAM では、F/X を除く前年同期比で 16% の ARM の成長に支えられ、収益は前年同期比で 19% 増加しました。 2021 年第 3 四半期の会員数の増加に合わせて、30 万人の有料会員を追加しました。
● 当社が最も浸透した市場である UCAN では、F/X を除くと、ARM と収益がそれぞれ 12% と 11% 増加しました。有料純増は合計 0.1m でした (2021 年第 3 四半期の 0.1m と同様)。
第 3 四半期の営業利益は、2021 年第 3 四半期の 18 億ドルに対して合計 15 億ドルでした。営業利益は、第 3 四半期から第 4 四半期への一部の支出のタイミングの変更に加えて、収益の増加により、四半期の最初の予測を上回りました。その結果、19% の営業利益率は、16% の予測を上回りました。営業利益率が前年比で 4% 低下したのは、ほぼ完全に、この期間に他のほとんどの通貨に対して米ドルが上昇したためです。 1 年前の 3.19 ドルに対して 3.10 ドルの EPS には、ユーロ建て債務の F/X 再測定による 3 億 4,800 万ドルの現金以外の未実現利益が含まれています。
4Qの予想
なお、当社が提供する四半期ごとのガイダンスは、報告時点での実際の社内予測です。米ドルの上昇は、当社 (および米国を拠点とする多国籍企業全般) にとって依然として大きな逆風です。 2022 年第 4 四半期の収益は 78 億ドルになると予想していますが、他の通貨に対する米ドルの継続的な上昇により、連続して減少しています。恒常通貨ベースでは、これは前年比 9% の収益成長に相当します。
当社の収益成長予測は、450 万の有料純増 (2021 年第 4 四半期の 830 万に対して) と、F/X を除く ARM の前年比 6% の成長の予測に基づいています。私たちの有料純追加数の予測は、通常よりも少ない可視性につながるマクロ経済の弱さによって相殺され、通常の季節性と強力なコンテンツスレートの影響を経験することを前提としています.私たちは新しい広告ビジネスについて非常に楽観的ですが、四半期内に Basic with Ads プランを立ち上げており、そのプランのメンバーシップを徐々に増やしていくと予想しているため、2022 年第 4 四半期に大きな貢献は期待できません。私たちの目的は、将来の新規会員により多くの選択肢を提供することです。現在のプランから会員を引き離すのではありません。変更を希望しないメンバーは、現在の料金で、広告なしで現在のプランにとどまります。 2022 年第 4 四半期の営業利益率は、前年同期の 8% に対して 4% になると予測しています。通常、第 4 四半期は、コンテンツとマーケティング支出の面で最大の四半期であるため、年間で営業利益率が最も低い四半期です。さらに、前述の F/X の影響は、ほとんどの費用が米ドルであるため、営業利益 (収益への影響の約 75% ~ 80%) に大きく影響します。 F/X の前年比の影響を除外すると、2022 年第 4 四半期の営業利益率予測は 10% であるのに対し、2021 年第 4 四半期は 8% です。
22年4Q決算(22年12月…)
22年4Q決算は、23年1月19日に公開する予定です。
では、売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?
ネットフリックス(NFLX)の損益計算書は?

ネットフリックスは11年に39ドルで上場しました。右肩上がりに上昇している銘柄で、常に最高値を更新しています。20年3月は319ドルに下落するも、22年10月は240ドル前後で推移しています。
その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の決算書を見ると、売上と営業利益は順調に拡大しています。21年の売上高は263億ドル、過去10年で8.2倍に増やしていますね。また、20年にコロナで新作撮影が停止したことで、営業利益率は21%まで上昇してます。
その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)です。BPSもEPSも綺麗に右肩上がりで拡大しています。
その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

過去10年間のフリーCF(営業CF−投資CF)は、20年に大幅に上昇してます。オリジナル作品の制作にお金が掛かるため、営業CFは長く赤字でしたね。しかし、コロナ禍で新作撮影が停止したことで、営業CFは大きく上向いてます。
コロナが終息した後、どのように推移するかに注目したいですね。それでは、私たち投資家はどのように投資判断すれば良いのでしょうか?
ネットフリックス(NFLX)の注目ポイントは?

ネットフリックスに投資する上で、注目すべきポイントを紹介します。
注目1:2.04億人が利用する世界最大の動画配信?
動画配信サービスの利用者のランキングです。
最も登録者数が多いサービスは、ネットフリックスで2.04億人が利用します。次いで、世界2位はアマゾンプライムで1.50億人、3位はDisney+で0.87億人、4位はHULUで0.39億人、5位はHBO MAXで0.38億人と続きます。
ネットフリックスは、21年時点で世界最大の動画配信サービスです。
ただし、問題点は有力な競合企業も多数参入していることです。複数のチャンネルを登録するユーザーも多いが、基本的には利用者を奪い合う形です。アップルやディズニーなどのブランド力が高い企業も参入しています。
- ディズニー:「Disney+」は月6.99ドルで動画サービスに参入
- アップル:「AppleTV+」は月4.99ドルで最安値で参入
- AT&T:売上高1位の「HBO Max」は月14.99ドルで参入
- アマゾン:プライム会員特典で、無料で動画を視聴できる
- その他:dTV、Hulu、U-NEXTなど、20社以上のライバルがいる
では、ネットフリックスの利用者はどのように増えたでしょうか?
注目2:NTFXの契約者数は7年で7倍に拡大する?
米国と海外のネットフリックスの契約者数の推移です。
契約数は7年で7倍、19年時点で1.5億人が登録しています。米国の契約者数は0.6億人、アメリカ人の5人に1人、2世帯のうち1世帯が契約しています。近年は米国以外でも、利用者が伸びていますね。世界人口は77億人なので、まだまだ伸び代が高いです。
では、地域別ではどれくらいの利用者がいるでしょうか?
注目3:世帯数に対する契約率は25年の米国で62%?
19年時点の地域別の契約率と25年の予想です。
世帯数に対する契約率が最も高いのは、25年予想の米国で62%です。次いで、南米も53%と高く、欧州中東地域が41%、アジア太平洋が25%と続きます。最も伸び率が高いのは、人口が多いアジア太平洋地域ですね。
ただし、コロナ特需もあり、直近の契約者数は伸びてない点に注意が必要です。
注目4:21年はコロナの反動で増加率8%に減速?
ネットフリックスの有料会員数と増加率の推移です。
有料会員数の伸び率は、20年Q2をピークに減少しています。21年1Qは前年比で+14%、2Qは8%しか増えません。成長が鈍化した理由は、20年のコロナ特需による反動ですね。21年2Qの契約者数は2.09億人になる見込みです。
21年は成長率が鈍化し競合も増えるが、基本的には市場は拡大してます。
注目5:定額制動画配信は過去10年で11倍に拡大?
定額制と定額制以外の動画配信の売上高推移です。
21年の定額制の売上高は637.9億ドル、過去7年で11倍にも拡大しています。契約者数も右肩上がりで、21年には18.7億人に達する見込みです。対して、作品毎の課金性の売上高は伸びていないですね。
動画配信市場の拡大は、ネット環境が悪い途上国でも見られます。途上国の経済成長が進み、ネット環境が改善されれば、さらに市場が拡大すると予想されます。
▼▼2022年12月は資産が6000万円を超える▼▼

20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
まとめ:ネットフリックス(NFLX)の四半期決算は?

- 世界の動画配信市場は、7年間で9倍に拡大している
- NTFXの契約者数は、7年間で7倍に拡大している
- NTFXの契約者数は世界1位、売上高は世界5位である
- 南米、中東、アジアなどの新興国で、伸び代はまだまだ大きい
- 動画配信サービスの競争他社は、今も増え続けている
- コンテンツ制作費用に、3000億ドルも投資している
個人的には、ネットフリックスは投資したい銘柄ではないです。
なぜならば、急拡大してる動画配信市場だが、競合も増えているからです。動画配信はアマゾンだけではなく、アップル、ディズニー、AT&Tも参入しています。Amazon Prime会員なら無料で視聴できるし、アップルは月額4.99ドルで提供してます。
大手ハイテクが本格的に参入すると、長期的に厳しくなりそうです。
ネットフリックスの問題点は、収益性の低さとコンテンツ過多時代に突入したことです。21年後半に作品制作を開始したことで、21年4Qの営業利益率は8%、フリーCFは再びマイナスに転じています。コンテンツ過多にあるため、作れば作るほど赤字が膨らみます。
これは、動画配信企業の構造的な問題ですね。
22年以降も北米の料金値上げをしながら、新興国の会員数を増やす構図は変わりません。価格競争に陥るならば、資金豊富なアップルやアマゾンの方が有利ですね。ハイテク企業は動画配信が赤字でも、本業の経営には悪影響を与えません。
22年1月時点の予想PER40倍は割高だと思います。
ネットフリックスの事業や作品数は巨大で、世界市場を独占してると言えます。アップルやアマゾン、ディズニーも存在感を増すも、まだまだ同社には及ばないですね。ただし、競争が激化すれば、消耗戦に突入する可能性もあります。
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