世界経済は順調に回復する中でも、石油や化学製品タンカーの需要は弱いままですね。徐々に市況は回復基調にあり、22年2Qの売上は前年比+126%、3Qは+202%に加速しています。
- 「コロナによる原油低迷で、株価は70%も暴落している…」
- 「製品タンカーの注文書率は6.3%、過去最低レベルにある…」
- 「世界的な脱炭素化社会にあるも、需要は引き続き強いままだ…」
アドモアシッピンは、原油と化学製品タンカーを海上輸送するアイルランドの海運企業です。全部で25隻の製品タンカーを保有しています。製品タンカーの注文書率は6.3%と低く、市況が回復する22年は需給がタイトになることを期待しています。
個人的には、アドモアシッピングは投資したい銘柄のひとつです。
なぜならば、過去最低水準の製品タンカーの運賃は、いずれ上昇すると思うからです。世界の原油消費量の予測を見ると、22年前半には以前の水準に戻し、後半には過去最高水準を更新します。
原油市況が回復すれば、同社の業績も力強く回復します。
需要が上昇する中でも、タンカーの供給量はあまり伸びません。なぜならば、コンテナ船やバルク船と同様に、環境規制で新しい船舶が作られていないからです。製品タンカーの注文書率は6.3%にまで低下しています。
同社CEOによると、原油製品タンカーの在庫は少なく、需給はタイトだといいます。更には、23年2月からの精製品禁輸により、4Qにはその影響が出るといいます。禁輸の結果として、トンマイルが7.5%増加するといいます。
22年11月時点の予想PER4.4倍は十分に割安です。
- ASCの4半期決算(22年7-9月)は?
- ASCの過去10年間の売上高や営業利益は?
- 原油タンカー市況は、22年前半に回復するのか?
▼▼2022年12月は資産が6000万円を超える▼▼

20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
記事の内容を簡単に知りたい
アドモア・シッピング(ASC)の四半期決算は?

アドモア・シッピング(ASC)の四半期決算を紹介します。
22年1Q決算(22年3月31日)
- 売上高:6336万ドル(前年比+39%)
- 営業利益:−720万ドル(前年度−843万ドル)
- 純利益:−700万ドル(前年度−849万ドル)
- 1株当たり利益:−0.23ドル(前年度−0.26ドル)
22年2Q決算(22年6月30日)
- 売上高:10712万ドル(前年比+126%)
- 営業利益:2976万ドル(前年度−809万ドル)
- 純利益:2884万ドル(前年度−820万ドル)
- 1株当たり利益:0.81ドル(前年度−0.23ドル)
22年3Q決算(22年9月30日)
- 売上高:1.42億ドル(前年比+202%)◯
- 営業利益:0.62億ドル(前年度−1.21億ドル)
- 純利益:0.60億ドル(前年度−1.28億ドル)
- 1株当たり利益:1.52ドル(前年度−0.37ドル)◯
3Qの売上高は前年比+202%で1.42億ドル、営業利益は0.62億ドルでした。22年1Qや2Qに続き、3Qの売上も加速していますね。営業利益率は43%まで上昇しています。
同社によると、原油製品タンカーの在庫は少なく、需給はタイトだといいます。更には、23年2月からの精製品禁輸により、4Qにはその影響が出るといいます。禁輸の結果として、トンマイルが7.5%増加するといいます。
22年4Qから配当金を出すといいます。
「2022 年の第 3 四半期の記録的な利益を報告できることを嬉しく思います。調整後利益は 6,160 万ドル、または 1 株あたり利益は 1.59 ドルです。これは主に、当社のエコデザイン タンカーの MR スポット TCE のパフォーマンスが 1 日あたり約 47,000 ドルであることによるものです。このパフォーマンスは継続しています。第 4 四半期の Ardmore の MR Eco-Design 出荷日の 40% はすでに 1 日あたり 45,000 ドルで予約されており、冬の期間が強化されると予想される前に強固な基盤を確立しています。
プロダクト タンカー市場全体は、非常に支持的な需給ファンダメンタルズに支えられており、その上、ロシアとウクライナの紛争に起因する世界的な精製品取引の再注文があり、非常に少ない精製品在庫によって悪化しています。この世界的な再注文の次の段階は、2023 年 2 月 5 日からの EU によるロシアの精製製品の禁止によって行われると予想されており、これは第 4 四半期に影響を及ぼし始めるはずです。禁止の結果として、業界アナリストは、トンマイル需要が最大 7% から 8% 増加する可能性があると推定しており、これは私たちの市場に大きな影響を与えるでしょう。
市場の改善と継続的な収益性の高い営業成績の結果として、財務レバレッジを大幅に削減し、負債の大部分を持続可能性に関連する施設の条件を改善して借り換え、その過程でコストの高い 12 件のキャピタル リースを前払いしました。したがって、アードモアの強力なバランス シートは、当社のさらなる戦略目標をサポートすることができます。したがって、当社の資本配分ポリシーに沿って、今年の第 4 四半期の業績を皮切りに、調整後利益 (配当決定で定義) の 3 分の 1 を構成する四半期ごとの現金配当を開始します。
流動性を維持し、コストを管理し、株主の利益アップサイドを維持し、さらには増加させるために懸命に取り組んできた数年間の困難な年の後、私たちは現在、配当という形での資本のリターンである当社の業績を通じて大きな価値を提供できることを非常に嬉しく思います、そして現在および予想される将来のパフォーマンスを反映した株価上昇による強力なトータルリターンです。」
22年4Q決算(22年12月…)
22年4Q決算は、23年2月3日に公開予定です。
では、売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?
アドモア・シッピング(ASC)の損益計算書は?

アドモア・シッピングは13年に13ドルで上場しています。株価は長く低迷し続け、22年11月は14ドル前後で推移しています。
その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の決算書を見ると、売上は順調に拡大しています。コロナによる需要減少で、21年の営業利益率は−14%まで低下していますね。ただ、22年以降は市況が回復しそうです。
その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)です。自己資本比率は44%と高いが、EPSは赤字が続いています。
その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

過去10年間のフリーCF(営業CF−投資CF)は、20年に向けて改善していますね。13-16年はタンカーを購入し設備投資しています。22年はタンカー市況が好転する見通しです。
では、私たち投資家はどのように判断すれば良いのでしょうか?
アドモア・シッピング(ASC)の注目ポイントは?

アドモア・シッピング(ASC)の注目ポイントを紹介します。
注目1:21年Q3にコロナ以前の水準まで回復する?
21年以降の原油の供給と需要予測です。
世界の原油消費量(緑色)を見ると、19年Q4の101百万バレルから、20年2Qに84百万バレルまで急落しました。しかしながら、21年Q3には98百万バレルまで回復し、22年Q3には過去最高水準を更新します。
消費量が回復するということは、原油タンカーの需要が上昇しますね。
需要が上昇する中でも、タンカーの供給量はあまり伸びません。なぜならば、コンテナ船やバルク船と同様に、環境規制で新しい船舶が作られていないからです。鉄鉱石の価格が2倍に上昇したことで、新たな設備投資には膨大な資金が必要になります。
そのため、コンテナやバルク運賃で起きた上昇は、いずれは原油にも波及します。
環境問題で原油の需要が落ち込んだように見えます。しかしながら、世界規模で見ると、原油の需要や消費量は伸び続けています。そのため、原油タンカーの数が増えなければ、タンカー運賃は上昇するしかありません。
注目2:原油製品タンカーの注文書レートは6.3%?
石油製品タンカーのフリートに対する注文書です。
アドモアシッピングの決算資料によると、石油製品タンカーの注文書レートは6.3%と過去最低水準にあります。これは、原油タンカー市況が上向いたときに、需給関係がタイトになることを示しています。
世界的な脱炭素化にあるが、原油の消費量は世界中で増え続けています。原油タンカーの数が足りなくなれば、タンカーの運賃は上昇します。
同様のことは、化学製品タンカーでもいえます。
注目3:原油製品タンカーの注文書レートは4.4%?
化学製品タンカーのフリートに対する注文書です。
アドモアシッピングの決算資料によると、化学製品タンカーの注文書レートは4.4%と過去最低水準にあります。これは化学製品タンカー市況が上向いたときに、需給関係がタイトになることを示しています。
▼▼2022年12月は資産が6000万円を超える▼▼

20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
まとめ:アドモア・シッピング(ASC)の決算は?

- 2013年に上場した、製品タンカーのアイルランド企業
- 原油製品と化学製品タンカー25隻を保有している
- 原油製品の注文書レートは6.3%、化学製品は4.4%だけ
- 22年にタンカー市況が反転すれば、需給はタイトになる
- タンカー市況は低迷してるが、月毎に需要が回復している
個人的には、アドモアシッピングは投資したい銘柄のひとつです。
なぜならば、過去最低水準の製品タンカーの運賃は、いずれ上昇すると思うからです。世界の原油消費量の予測を見ると、22年前半には以前の水準に戻し、後半には過去最高水準を更新します。
原油市況が回復すれば、同社の業績も力強く回復します。
需要が上昇する中でも、タンカーの供給量はあまり伸びません。なぜならば、コンテナ船やバルク船と同様に、環境規制で新しい船舶が作られていないからです。製品タンカーの注文書率は6.3%にまで低下しています。
ただ、短期的にはアジアのロックダウン、中国の停電などで需要は低いですね。タンカー市況が回復するのは、電力問題が落ち着いた22年以降になるかもしれません。
アドモアシッピングは、マネックス証券で取り扱いがありません。原油製品タンカーに投資するならば、より事業規模が大きいトームがお勧めです。
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