拼多多ピンドュオドュオ (PDD)は、アリババとJDに次ぐ3番手のEC企業です。中国EC業界の拡大と共に急成長し、過去5年で売上高は148倍にも拡大しています。21年3月のアルケゴス騒動で暴落し、高値から80%も下落しています。
- 「EC市場拡大と共に、売上高は4年で148倍に増えた…」
- 「21年3月のアルケゴス騒動で、株価は80%も下落…」
- 「成長率は+238%で、アリババとJDに追随する…」
ピンドュオドュオ(PDD)は、中国3位のEC企業です。驚異的な成長率で21年1Qは前年比+238%で、中国で5. 2%のシェアを持ちます。アリババの10分の1規模だが、中国で最も急成長しているEC企業です。
個人的には、ピンドュオドュオは投資したい銘柄ではありません。
なぜならば、驚異的な成長率だが、薄利多売で利益率が低いからです。売上高は前年比+238%でも、営業利益は+5%に止まります。ただし、21年2Qは売上は伸び悩むも、営業利益率13%で初の黒字化に成功しています。
低価格戦略の同社は、大手アリババやJDと比較すると優位性に劣ります。
アリババはEC事業でも成功してるが、アジア地域最大のクラウド事業者でもあります。また、JDは世界9位の小売業者であり、自社で倉庫や流通網を整備しています。驚異的な売上成長率は魅力だが、それだけでは投資する動機になりません。
また、アリババも似たサービスを始め、さらに成長が鈍化する可能性もあります。また、中国経済の鈍化や当局の規制により、以前よりもEC事業の競争が激化しています。22年以降は同社の収益性に注目したいですね。
ただ、22年6月の予想PERは22倍に改善し、急激に収益性を高めてる点は高く評価できます。
- ピンドュオドュオの4半期決算(22年1-3月)は?
- ピンドュオドュオの過去10年間の売上高や営業利益は?
- 成長率は+238%と驚異的だが、投資すべきでない理由は?
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では、どのような過程を経て、米国株の運用額を10倍に増やしたでしょうか?
記事の内容を簡単に知りたい
ピンドュオドュオ(PDD)の四半期決算は?

ピンドュオドュオ(PDD)の過去四半期の決算を紹介します。
21年3Q決算(21年9月30日)
- 売上高:215.06億元(前年比+51%)
- Online marketing services:179.4億元(+44%)
- Transaction services:34.7億元(+164%)
- Merchandise sales:0.82億元(−79%)
- 営業利益:21.37億元(+265%)
- 純利益:16.40億元(+308%)
- 1株当たり利益:1.16元(+281%)
21年4Q決算(21年12月31日)
- 売上高:272.31億元(前年比+2%)
- 営業利益:69.07億元(+437%)
- 純利益:66.20億元(+580%)
- 1株当たり利益:4.66元(+498%)
22年1Q決算(22年3月31日)
- 売上高:237.93億元(前年比+7%)◯
- Online marketing services:181.5億元(+29%)
- Transaction services:55.91億元(+91%)
- Merchandise sales:0.43億元(−99%)
- 営業利益:21.54億元(前年度−41.46億元)
- 純利益:25.99億元(前年度−29.05億元)
- 1株当たり利益:0.46元(前年度−0.58元)◯
1Qの売上高は前年比+7%で237.93億元、営業利益は21.54億元でした。21年4Qと比較すると、22年1の売上は上向いていますね。営業利益率は9%と高く、21年2Qから黒字化に成功しています。
ピンドュオドュオは地方の低所得者層をターゲットにしています。そのため、驚異的な売上成長率だが、大幅な赤字を抱えていました。21年2Q以降は成長率が鈍化するも、黒字化に成功し収益性を高めていますね。
中国のEC市場は、全体的に成長が鈍化しています。
原因は中国経済が減速しているのと、中国当局の規制もありEC事業の競争が激化しているからです。EC事業の減速は、競合大手のアリババやJDも同様です。
ピンデュオデュオの会長兼最高経営責任者であるレイ・チェン氏は、次のように述べています。「この現在の規模では、成長が鈍化することは避けられません」と、拼多多の財務担当副社長である劉淳氏は述べています。 「ユーザーにより良いサービスを提供するために、研究開発への投資を継続する必要があります。」
22年2Q決算(21年12月…)
22年2Q決算は、8月28日に公開予定です。
では、売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか
ピンドュオドュオ(PDD)の損益計算書は?

ピンドュオドュオは18年7月に24ドルで上場しています。21年1月に最高値196ドルをつけるも、その後は低迷していますね。22年6月は48ドル前後で推移しています。
その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の決算書を見ると、売上高は順調に拡大しています。21年の売上は771億元で、過去5年で148倍にも拡大しています。急速に売上は上昇するも、営業利益は依然として低いです。21年の営業利益率は−12%ですね。
その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)もEPS(1株あたり純利益)です。希薄化しながらも、EPSは順調に拡大しています。EPSは赤字幅は縮小傾向にはありません。
その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

過去10年間のフリーCF(営業CF−投資CF)は、順調に拡大しています。アリババに近いビジネスモデルで、自社で製品や倉庫、物流網を持ちません。プラットフォームを提供するだけで、投資CFが少ないビジネスです。
では、私たち投資家はどのように投資判断すれば良いのでしょうか?
ピンドュオドュオ(PDD)の注目ポイントは?

ピンドュオドュオに投資する上で注目すべきポイントを紹介します。ピンドュオドュオは最も勢いがあるECサイトを運営する会社です。ECコマースの市場拡大と、他企業からシェアを奪う形で急激に成長しています。
注目1:21年2Qの売上成長率は+89に減速?

ピンドュオドュオの四半期毎の売上高です。
急成長する中国のEC業界で、PDDは驚異的な売上成長率ですね。20年Q1は、中国の景気後退で前年比+44%まで低下します。しかし、コロナ後の個人消費の増加で、21年Q1は前年比+238%に加速しています。
同時期のアリババのEC成長率は+71%なので、かなり高いですね。
ただし、都市封鎖で好調だった20年比で、21年2Qは前年比+89%まで減速しています。これは、同社だけではなくアリババやJDにも共通しています。前年比では減速するも、売上ベースでは順調に拡大が続いていますね。
では、ピンドュオドュオは中国国内でどれだけシェアを持つでしょうか?
注目2:PDDは中国3位で5.2%のシェアを持つ?
18年時点の中国のEコマース企業の売上上位です。
中国で最大のEコマ企業は、アリババでシェア58.2%を持ちます。2位はJDドットコムで16.3%、3位はピンドュオドュオで5.2%と続きますね。アリババが圧倒的なシェアを持つも、JDとピンドュオドュオが追随していますね。
小売業ではないピンドュオドュオは、JDのライバルではありません。小売業で自社配送網を持つJDに対し、アリババとピンドュオドュオはプラットフォームを提供するだけです。
参考:JDドットコムの四半期決算|世界3位のEC企業はPER14倍?
急成長してるPDDだが、流通総額はアリババの10分の1程度です。また、中国最大のプラットフォーマーであるアリババは、簡単にPDDのビジネスを模倣できます。ピンドュオドュオは唯一無二の企業でない点に注意が必要です。
同社が急激にシェアを伸ばしたのは、次の理由です。
- 複数人で購入する事で、他サイトより安く商品を仕入れられる
- ピンドュオドュオは、安い上に生活必需品を多く扱う
- 大手ECサイトが開拓できていない、地方や田舎をターゲットにする
- 時間内に指定人数の共同購入者を集めるなどゲーム化してる
- アリババなどの検索型と違い、フィード型のECサイトを運営
- WeChatと連携する事で、効率良くユーザーを集めている
では、大手2社と比較して、どれだけ優位性があるでしょうか?
注目3:ピンドュオドュオが大手2社に追随してる?
中国大手3社の売上高、利益、流通総額の推移です。
中国のEC市場は、JDとピンドュオドュオが追随する構造です。アリババが利益と流通総額で他を圧倒し、JDはアリババよりも売上高は大きいです。大手2社と比較すると、ピンドュオドュオはまだまだ追い付けてないですね。
ただし、利益度外しで安価に大量販売するPDDは驚異ですよね。
ピンドュオドュオのシェアが拡大すれば、アリババの利益率を棄損させます。また、中国経済全体のデフレ懸念も誘発しますね。
まとめ:ピンドュオドュオ(PDD)の決算は?

- 15年に事業を開始、中国3番手のECサイトを運営する
- シェア拡大はアリババの5倍、JDの2.5倍のペースで進む
- 複数購入者で同一商品を購入する事で、安価に購入できる
- 地方向けに生活必需品を販売する事で、コロナでも成長してる
- 売上高は順調に拡大するも、営業利益も拡大してる
- 19年の営業損失率は28%、20年は29%と改善傾向にない
- アリババやJDも参入すれば、優位性を失うかもしれない
個人的には、ピンドュオドュオは投資したい銘柄ではありません。
なぜならば、驚異的な成長率だが、薄利多売で利益率が低いからです。売上高は前年比+238%でも、営業利益は+5%に止まります。ただし、21年2Qは売上は伸び悩むも、営業利益率13%で初の黒字化に成功しています。
低価格戦略の同社は、大手アリババやJDと比較すると優位性に劣ります。
アリババはEC事業でも成功してるが、アジア地域最大のクラウド事業者でもあります。また、JDは世界9位の小売業者であり、自社で倉庫や流通網を整備しています。驚異的な売上成長率は魅力だが、それだけでは投資する動機になりません。
また、アリババも似たサービスを始め、さらに成長が鈍化する可能性もあります。また、中国経済の鈍化や当局の規制により、以前よりもEC事業の競争が激化しています。22年以降は同社の収益性に注目したいですね。
アリババの流通総額はPDDの10倍大きく、同時期のEC事業の成長率は+71%です。規模を考えると十分な成長率だが、PDDと比較すると低いですね。ただし、アリババはクラウド事業があるなど、ハイテク企業としても競争優位性が高いです。
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