コンテナ運賃に引き続き、バルク船やLNG船の運賃も20年8月から高騰しています。そのため、ダイナガスLNGの株価も、20年3月から2.8倍に上昇していますね。21年は急速に経済回復するならば、LNGの市況は好調を維持するのでしょうか?
- 「コロナ後に市況が好転し、株価は1年で2.8倍に上昇した…」
- 「アジアを中心に急回復、21年初には運賃が7倍に高騰した…」
- 「環境規制が進むならば、原油や石炭よりもLNGは有利だ…」
ダイナガスLNGは、天然ガスを輸送するギリシャの海運企業です。LNGタンカー6隻の平均残存契約期間は7.5年、フリート率は100%です。コンテナ船やバルク船と同様に、21年1月にはLNGタンカー運賃は7倍にも高騰しています。
個人的には、ダイナガスLNGは投資したい銘柄ではありません。
なぜならば、LNGタンカー市場は好調だが、既に長期契約で貸し出しているからです。契約期間が終了するのは23年3Qで、それまでは同社の業績は変わりません。また、16年以降は設備投資も控えていますね。
短期的には、LNG船の需要はまだまだ好調だと思います。
ウクライナ危機により、欧州でLNGの需要が増えているからです。そのため、LNG船の動向については今後も注視したいですね。22年5月のPER3.3倍は十分に割安だと言えます。
- ダイナガスLNGの4半期決算(22年1-3月)は?
- ダイナガスLNGの過去10年間の売上高や営業利益は?
- ドライバルクやLNG市況の好調は、21年も継続するのか?
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20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
記事の内容を簡単に知りたい
ダイナガスLNG(DLNG)の四半期決算は?
ダイナガスLNG(DLNG)の四半期決算を紹介します。
21年2Q決算(21年6月30日)
- 売上高:3392万ドル(前年比+0.05%)
- 営業利益:1531万ドル(−5.2%)
- 純利益:911万ドル(+41%)
- 1株当たり利益:—ドル(—%)
21年3Q決算(21年9月30日)
- 売上高:3469万ドル(前年比+1.0%)
- 営業利益:1680万ドル(+4.0%)
- 純利益:1133万ドル(+13%)
- 1株当たり利益:0.31ドル(+10%)
21年4Q決算(21年12月31日)
- 売上高:3567万ドル(前年比+3.6%)
- 営業利益:1673万ドル(+2.9%)
- 純利益:1690万ドル(+59%)
- 1株当たり利益:0.38ドル(+72%)
4Qの売上高は前年比+3.6%で3567万ドル、営業利益は+2.9%で1673万ドルでした。2Qや3Qに続き、売上は横ばいが続きますね。営業利益率は46%と安定して高いです。
保有するLNG船6隻は長期契約で貸し出していますね。
私たちの考えは、ウクライナの危機の結果として影響を受け、苦しんでいるすべての人に向けられています。当社は、経済制裁、取引制限、および当社の事業に影響を与える可能性のあるその他の考慮事項の影響を含め、この進行中の状況を引き続き注意深く監視しています。このレポートの「ロシアの制裁措置の進展」というタイトルのセクションを参照してください。
2021年12月31日に終了した3か月および通年の結果を報告できることを嬉しく思います。当社のフリートの6隻のLNG船はすべて、平均残存契約期間が6。9年の国際ガス生産者とのそれぞれの長期チャーターの下で運航しています。 2022年3月17日の時点で、当社の推定契約収益バックログは10億2,000万ドルです。
6隻のLNG船はすべて、主要な国際エネルギー会社と契約を結んでいます。該当するチャーターの条件に従い、6隻のLNG船のいずれかの最も早い契約再配達日は、2023年の第3四半期(北極オーロラ)であり、2番目に早い契約再配達日(クリーンの場合)です。エネルギー)2026年の第1四半期。
2021年の第4四半期の報告では、純利益は1,690万ドル、共通単位あたりの収益は0.38ドル、調整後純利益は1,140万ドル、調整後純利益は0.23ドル、調整後EBITDAは2,470万ドルでした。また、7四半期連続でフリートの100%使用率を報告できることを嬉しく思います。今後も、キャッシュフローを活用してバランスシートを活用し、流動性を高めて長期的に株式価値を高め、将来の成長に向けた取り組みを強化していく戦略を継続していきます。
22年1Q決算(22年3月…)
22年1Q決算は、8月25日に公開予定です。
では、売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?
ダイナガスLNG(DLNG)の損益計算書は?
ダイナガスLNGは2013年に18ドルで上場しました。株価は14年8月に最高値24ドルを付けるも、その後は一貫して下落しています。22年5月は3.7ドル前後で推移しています。
その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?
過去10年間の決算書を見ると、16年までは順調に売上高を増やしています。しかし、16年に設備投資を抑えたことで、その後は売上高は横ばいです。営業利益も下落基調にあるが、それでも18年時点で45%と高い水準ですね。
その2:BPSとEPSの10年間の推移は?
過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)です。16年に設備投資を抑制したことで、BPSは横ばいで推移していますね。対して、新株発行を行っているため、EPSは減少しています。
その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?
過去10年間のフリーCF(営業CF−投資CF)は、16年から黒字を維持しています。ダイナガスLNGは16年に設備投資を抑制しているため、売上高の成長率も止まっています。市況は依然として好調なので、高い利益率を確保できていますね。
では、私たちはどのように投資判断すれば良いのでしょうか?
ダイナガスLNG(DLNG)の注目ポイントは?
ダイナガスLNGに投資する上で注目すべきポイントを紹介します。ダイナガスLNGは天然ガスを輸送する海運企業です。そのため、LNGタンカーの運賃が上昇すれば業績も上向きますね。では、LNGの市況はどのように推移しているのでしょうか?
注目1:天然ガスの消費量は24%で増加傾向にある?
世界の一次エネルギー消費量の推移です。
08年の金融危機で一時的に消費量は減少するも、世界的に消費量は増加傾向にありますね。19年時点で化石燃料の割合は全体の84%を占めます。内訳は原油が33%、石炭が27%、天然ガスが24%です。
化石燃料の中で最も割合が増えているのが天然ガスです。
原油や石炭よりも窒素や二酸化炭素の排出量が少ないからです。そのため、21年以降も原油や石炭のシェアを奪う形で、天然ガスの消費量は増えますね。では、天然ガスをLNGタンカーで輸入している国はどこでしょうか?
注目2:中国のLNG輸入量は4年で3倍に増加?
LNGによる天然ガス輸入額の推移です。
天然ガスの輸入には、パイプラインとLNGタンカー経由の2つがあります。LNGタンカーで最も輸入量が多い国は日本ですね。2番手が中国、3番手が韓国、4番手がインドと東アジアが続きます。東アジアはパイプライン経由で輸入するのが難しいからです。
中国のLNG輸入量は、4年間で3倍にも急速に拡大していますね。また、インドや欧州地域が輸入額は拡大しています。
中国で輸入量が急増してる理由は急速な経済成長、インドは経済成長と人口増加、欧州地域はロシアとの地政学的なリスクを排除するためです。LNGの輸入量が増加すれば、天然ガスの価格やタンカー運賃も上昇しますね。
では、LNGタンカー運賃はどのように推移しているのでしょうか?
注目3:21年初めにLNG運賃は7倍に高騰した?
ArgusによるLNGタンカー運賃の推移です。
21年初めのLNG運賃は、20年7月の2.75万ドルから7倍も上昇しています。米国~日本、米国~欧州などの人気区間は30万ドルにも増えたといいます。運賃急騰の原因はコロナ流行後に生産を中断した日本、欧州、北米の工場が稼働率を上げてるからです。
また、21年は予想外の寒波もあり、燃料の需要が急増しています。
ただし、LNG運賃は1月末には大きく減速し、1万ドル近くまで急落していますね。21年はどのように推移するかは分かりません。
では、20年のLNG需要の市況はどのように推移したのでしょうか?
注目4:21年の世界LNG需要は前年比+4%に回復?
競合ガスログによる、20年1月から21年1月までのLNG需要の推移です。
2月に4%以上だったLNG需要は、コロナを契機に4月から大きく落ち込んでいます。ただし、日本や中国、韓国を中心にLNG需要は持ち直し、20年10月と21年1月は3%前後まで上昇しています。
21年1月時点でマイナスなのは欧州地域だけです。
ガスログによると、2020年の世界のLNG需要は前年比+1%、中国は+10%でした。21年の世界の需要は前年比+4%に回復すると言います。欧州経済がコロナから立ち直れば、予想以上に上向くかもしれません。
短中期的には予想が難しくても、長期的には確実に需要は上昇します。
注目5:中国以外のアジアでLNG需要は65%も増加?
21-26年の地域別によるLNG需要の成長率です。
LNG需要の成長率は、21-26年に年率4%で上昇すると予想しています。また、中国以外の地域で成長率は74%に達すると言います。中国の需要が26%伸びるのに対し、他のアジア地域では65%も増加します。
中国以外のアジア地域で、経済が急加速する事を示していますね。
コロナによる経済停止があり、短中長期的にはLNGの需要を予想するのは難しいです。しかしながら、長期的に見ればまだまだLNGの成長率は高いです。なぜならば、経済が急成長しているアジア地域では、パイプライン経由で天然ガスを得られないからです。
▼▼2022年12月は資産が6000万円を超える▼▼
20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
まとめ:ダイナガスLNG(DLNG)の四半期決算は?
- 2013年に上場した、LNGタンカーのギリシャ企業
- LNGタンカー6隻を保有し、20年は全隻を稼働した
- 売上高は16年にピーク、営業利益率は46%と高い
- 設備投資は16年に抑制、新規船舶を追加していない
- 売上高成長率が低いため、21年はPER3倍で放置されてる
- 環境規制で船舶が作られず、需給はタイトになる可能性が高い
個人的には、ダイナガスLNGは投資したい銘柄ではありません。
なぜならば、LNGタンカー市場は好調だが、既に長期契約で貸し出しているからです。契約期間が終了するのは23年3Qで、それまでは同社の業績は変わりません。また、16年以降は設備投資も控えていますね。
短期的には、LNG船の需要はまだまだ好調だと思います。
ウクライナ危機により、欧州でLNGの需要が増えているからです。そのため、LNG船の動向については今後も注視したいですね。22年5月のPER3.3倍は十分に割安だと言えます。
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