共通パーツ:米中対立で中国ADRは投資リスクが高い?

トランプ政権後に米国と中国の対立が深まり、中国ADRは避けた方が良いと考える投資家が多いですね。米国はファーウェイなどの中国ハイテク企業に輸出規制にしています。また、tiktokやウィーチャットの中国アプリのダウンロード禁止もしています。

さらには、アメリカは外国企業を排除できる「外国企業説明責任法」を制定し、外国政府の支配下にある企業は米国市場から追い出すことを可能とする法律も作りました。現在の米政権は、資本主義自由経済からはどんどん遠くなっているとも解釈できます

しかしながら、それでも投資家は過剰に心配する必要はありません。

現実問題として、米国政府が中国株(ADR)のNYSE市場の上場廃止を強行する可能性は極めて低いです。これをしてしまうと、米国は資本主義ではなくなり、大量の資金が海外に流出するからです。特定の国の企業を排除する国に、安心して資産を預けたい投資家はいないですよね。

本当に廃止するにしても、米中が戦争を開始するなど未曾有の事態になってからです

また、実際に上場廃止されたとしても、株券が紙切れになる訳ではありません現在の株価で現金として支払われるか、もしくは香港にも上場していれば、香港株に割当てられるなどの処置が取られますね。実際には戦争になる可能性は少ないし、現時点でそうなる兆候もありません。

ただし、それでも中国株は政治的リスクが高いと考える人は多いですよね。確かに、中国の悪いニュースが出る度に株価が下がるのは精神的にも良くないですね。米中対立が心配な人は、香港株に上場してる中国株を買う事を強くお勧めします。

例えば、アリババ のように米国と香港で上場していれば、政治リスクないと言えます。

なぜならば、米国は香港の証券取引所に介入する権利がないからです香港としては、中国のハイテク株が米国から香港に回帰するためメリットしかありません。元々は、中国企業の多くは米国ではなく、香港市場に上場するのが一般的でした。

アリババの香港に上場したニュースは、米政権が一部の中国ADRを締め出しても意味がない事を示していますそのため、これから中国株に投資するならば、香港に上場している株を購入すれば安心して投資できますね。現在、中国ADRの株を持っている人は、わざわざ乗り換えなくても良いと思います。

私ならば、中国株に投資するならば次のポイントを抑えて投資します。

  • NYSEだけではなく、香港市場にも上場している
  • 米国など、海外の売上高に依存していない企業に投資する
  • 中国政権が関与している可能性があるスパイ企業には投資しない

例えば、アリババ 株は香港でも上場しているため、米国で上場廃止されても問題ありません。また、アリババ 株は海外の売上高がほぼないため、仮に米国の輸出規制を受けても影響を受けません。アリババ の事業は、基本的には小売業なので、米国のスパイ企業に認定される可能性も極めて低いですね。

ただし、クラウド事業などは今後どう判断されるかは分かりませんが。

いずれにしても、香港市場で上場している企業は問題ないと判断していますまた、米中の対立を受けて、香港株に回帰する中国株は今後も増えていきますね。中国リスクがあると言う事は、逆に言うと中国株は割安に抑えられている事でもあります。

中国株でも安心な銘柄を拾っていけば、高い投資効果を得られると個人的には思います。