東南アジアのEコマースであるシーは、コロナで最も恩恵を受けている銘柄です。アジアのEコマ市場は急速に拡大し、Eコマ事業は前年比+174%で再加速しています。人口過密地帯でワクチン接種が進まないアジア地域は、22年もECが好調です。
- 「コロナで追い風、株価は1年で6倍にも高騰した…」
- 「東南アジアでECが拡大、売上高は2〜3倍に増えている…」
- 「営業損失額も大幅に拡大、アリババなど競合も多く儲からない…」
シーは、デジタルゲームとECコマース、金融事業を持つシンガポール企業です。18年からECコマース事業が好調で売上が3桁成長、東南アジアで高いシェアを持ちます。事業は中国のテンセントに近く、海外展開するアリババのライバル企業でもあります。
個人的には、シーは投資したい銘柄ではありません。
なぜならば、売上高は3桁成長だが、利益率が低く収益に課題があるからです。東南アジアはEコマースが世界で最も急成長してる市場だが競合も多いです。シーとアリババが東南アジアでは2強だが、米国アマゾンも進出し、各地域でローカル企業も伸びています。
競争はさらに激化するため、シーが収益化に成功するかは不明です。
ただ、他のEC企業と比較して、22年も業績が好調な点は高く評価できます。また、21年4Qの営業利益率は−13%と着実に改善しています。さらには、収益性が高い金融事業が+771%と伸びてる点も好材料です。
同社CEOは22年も強気で、高い成長率を維持するとみています。
ただ、将来的には東南アジアは中国ハイテク企業と競争しそうです。国内での締め付けが厳しくなったことで、テンセントもアジアに拡大しますね。
- シーの4半期決算(22年7-9月)は?
- シーの過去10年間の売上高や営業利益は?
- Eコマースは3桁成長だが、競合に勝てるのか?
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20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
シー(SE)の四半期決算は?
シー(SE)の四半期決算を紹介します。
22年1Q決算(22年3月31日)
- 売上高:28.99億ドル(前年比+64%)◯
- Digital Entertainment:11.35億ドル(+45%)
- E-commerce and other:14.99億ドル(+94%)
- Digital Financial Services:1.84億ドル(+21%)
- Sales of good:2.64億ドル(+26%)
- 営業利益:−4.98億ドル(前年度−3.48ドル)
- 純利益:−5.80億ドル(前年度−4.22億ドル)
- 1株当たり利益:−0.80ドル(前年度−0.60ドル)◯
22年2Q決算(22年6月30日)
- 売上高:29.43億ドル(前年比+29%)
- 営業利益:—億ドル(—)
- 純利益:−9.31億ドル(−114%)
- 1株当たり利益:−1.03ドル(−68%)
22年3Q決算(22年9月30日)
- 売上高:31.55億ドル(前年比+17%)◯
- Digital Entertainment:8.92億ドル(−18%)
- E-commerce and other:19.76億ドル(+50%)
- Digital Financial Services:3.27億ドル(+147%)
- Sales of good:2.86億ドル(+2%)
- 営業利益:−4.95億ドル(前年度−4.58ドル)
- 純利益:−5.69億ドル(前年度−5.70億ドル)
- 1株当たり利益:−0.66ドル(前年度−0.84ドル)◯
3Qの売上高は前年比+17%で31.55億ドル、営業利益は−4.95億ドルでした。22年1Qや2Qと比較すると、3Qの売上は減速しています。営業利益率は−15.6%と縮小傾向にあります。
これまで同社のECとゲーム事業は好調でしたね。しかし、経済再開が進むことで両事業とも成長率は低下しています。
東南アジアはEコマースプレーヤーも多く、利益を得にくい構造です。インドネシア、タイ、マレーシア、フィリピン、ベトナムで中国アリババと競合しています。また、ゲーム事業はテンセントと競合しそうです。
22年通期のBookingの予想は、27億ドルに引き下げています。
「マクロ環境の大きな不確実性を考慮して、外部資金に頼ることなく、成長から自給自足と収益性をできるだけ早く達成することに考え方と焦点を完全にシフトしました。」シーの会長兼グループ最高経営責任者であるフォレスト・リーは、次のように述べています。
「私たちは変化する気候に迅速に適応しています。 私たちのすべての努力は、Seaがマクロストームを乗り切るだけでなく、より強く、より効率的で、より回復力があり、市場で長期的な勝者になることを確実にすることに向けられています. これにより、当社は事業と市場の長期的な可能性を捉え続け、長期にわたって強力かつ持続的な株主利益を提供することができます。 前の四半期に、利益率を改善するための断固たる行動を取り、次の四半期の明確な目標と優先順位を設定しました。 私たちは、私たちの事業と市場の説得力のある長期的な成長見通しについて、非常に自信を持っています。」
22年4Q決算(22年12月…)
22年4Q決算は、23年2月16日に公開予定です。
では、売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?
シー(SE)の10年間の損益計算書は?
シーは17年10に14ドルで上場しました。株価は横ばいが続くも、20年に大きく上昇していますね。20年3月に38ドルだった株価は、22年11月は62ドル前後で推移しています。
その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?
過去10年間の決算書を見ると、順調に売上高が拡大しています。19年は東南アジアでEコマースが急拡大し、20年はパンデミックでさらに需要が増しています。売上高は過去6年間で13倍にも増えていますね。しかし、営業損失額も拡大してる点は注意です。
その2:BPSとEPSの10年間の推移は?
過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)です。BPSは売上高と共に順調に拡大しています。しかし、EPSは赤字幅が拡大しています。
その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?
過去10年間のフリーCF(営業CF−投資CF)は、19年に黒字化に成功しています。コロナ禍の20年と21年は、さらに力強く伸びています。東南アジアはECプレーヤーが多く競争が激しい地域です。シーが今後もCFを確保できるか注目したいですね。
では、私たちはどのように投資判断すれば良いのでしょうか?
シー(SE)の注目すべきポイントは?
シーに投資する上で注目すべきポイントを紹介します。シーはシンガポール初のデジタルゲームとEコマースの会社です。東南アジアでEコマースの市場は右肩上がりで拡大し、最も恩恵を受けている銘柄のひとつです。
注目1:Eコマースが売上4割で前年比2-3倍で急拡大?
20年2Q時点のセグメント別売上高と増収率推移です。
シーは東南アジアで最も成功したEコマース企業です。元々はデジタルゲームに強い会社だが、Eコマース事業が前年比+100-200%ペースで急拡大しています。20年4QのEコマースの売上高は、ゲームとほぼ同水準です。
シーはゲームと金融に強いため、「東南アジアのテンセント」と呼ばれています。
実際に、中国テンセントが同社の22.9%の株式を保有しています。中国アリババのEコマースは、東南アジアにも進出しているためライバル関係にあります。では、同社の拠点があるシンガポールのEコマースのシェアはどれくらいあるでしょうか?
注目2:シンガポールで1位のECサイトはアリババ?
参考:Singapore shoppers resist Amazon push as Alibaba leaps ahead
19年時点のシンガポールのEコマース企業のランキングです。
経済先進国であるシンガポールは、東南アジアでEコマースを成功する上で重要な拠点ですね。シンガポールで最もユーザーが多く訪れるサイトは、アリババのLazadaで780万人です。次いで米国Ebayが運営するQoo10、シーのShopee、Ezbuyと続きます。
意外にも、世界最大Eコマースであるアマゾンは12番手です。日本や英国、ドイツやフランスで成功しているアマゾンは、東南アジアでの影響力は強くはありません。
では、東南アジアの各地域では、どのようなシェアになるのでしょうか?
注目3:東南アジアはアリババとシーで2強状態?
東南アジアでは、Lazada(アリババ)とShopee(シー)が2強です。
最もEコマースの市場が大きいインドネシアとベトナムではShopeeが優勢です。しかしながら、それ以外の地域ではLazadaのシェアが大きいですね。ただし、19年の前年比でトラフィックを増やしたのはShopeeで+5%、Lazadaは−12%も減らしています。
東南アジアでは、各国のローカル企業も進出し競争が激化しています。例えば、インドネシアのTokopediaとBukalapak、ベトナムのTikiなど、自国に強いプラットフォームも増えています。いずれの市場でも、アマゾンは下位に位置しています。
では、東南アジア各国のEコマース市場はどれくらい拡大してるでしょうか?
注目4:インドネシアは25年に530億ドル規模になる?
東南アジア各国のEコマースの25年までの市場規模予測です。
最も市場が大きい国はインドネシア、次いでタイ、ベトナム、シンガポールと続きます。いずれの地域も年成長率が高く、インドネシアは25年には530億ドルになると言います。過去10年間で31倍に拡大、過去3年間で7倍にも急拡大しています。
それだけ、東南アジアではEコマースの需要が高いです。では、世界的に見たら、どれだけ成長率は高いのでしょうか?
注目5:インドとフィリピンのEコマース成長率は31%?
19年のEコマースの成長率が高い上位10カ国のランキングです。
Eコマースの成長率が最も大きい国はメキシコで35%です。次いで、インドとフィリピンが31%、中国が27%、マレーシアが22%と続きます。上位10カ国にアジアが6カ国もランクインしています。
アジアで需要が高い理由は、人口が密集している都市が多いからですね。広大な米国よりも、人口が密集している方が物流の効率は高いです。また、インドやフィリピンなどの都市圏は、常に道路や店が混雑してるため、自宅配送の恩恵は大きいです。
では、世界全体で見た場合、Eコマースの市場規模はどれくらいあるでしょうか?
注目6:中国のECコマースは年率17%で拡大?
世界的にEコマース市場は急拡大しています。
Eコマース市場が最も大きく、急拡大しているのは中国ですね。21年の中国のEコマース市場は、8395億ドルと高い上に年率17%で急成長しています。東南アジアの成長率はないが、おそらく中国並みに高いと予想できます。
アジア圏は経済成長と人口増の地域なので、いずれは米国や欧州を追い抜きます。
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20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
まとめ:シー(SE)の四半期決算は?
- 17年に上場した、Eコマースのシンガポール企業である
- 東南アジアを中心に、デジタルゲーム、EC、金融を展開する
- ビジネスモデルはテンセントに近く、同社が22%の株主
- 東南アジアではアリババとシーが2強、アマゾン企業も進出
- 売上高は3桁成長だが、20年の営業利益率は−38%
- 市場が急拡大してるが、ローカルも進出し競争が激化している
個人的には、シーは投資したい銘柄ではありません。
なぜならば、売上高は3桁成長だが、利益率が低く収益に課題があるからです。東南アジアはEコマースが世界で最も急成長してる市場だが競合も多いです。シーとアリババが東南アジアでは2強だが、米国アマゾンも進出し、各地域でローカル企業も伸びています。
競争はさらに激化するため、シーが収益化に成功するかは不明です。
ただ、他のEC企業と比較して、22年も業績が好調な点は高く評価できます。また、21年4Qの営業利益率は−13%と着実に改善しています。さらには、収益性が高い金融事業が+771%と伸びてる点も好材料です。
同社CEOは22年も強気で、高い成長率を維持するとみています。
アリババのEコマ海外事業も、売上高3桁で拡大しています。