配送業者のフェデックスは、コロナによる輸送高騰の恩恵を受けた銘柄です。輸送費の高騰により、21年4Qは前年比+30%、営業利益は3.7倍と急上昇しています。しかし、22年1Qは人件費やインフレで収益は圧迫し、売上成長率も+14%まで低下しています。
- 「コロナで業績が加速、株価は1年で3倍に高騰してる…」
- 「航空運賃高騰で営業利益は、前年比3.7倍で加速した…」
- 「運賃高騰は21年末まで続き、輸送会社の業績を押し上げる…」
FedExは、世界3位の米国の航空貨物輸送会社です。1-2営業日で配達するExpress部門が売上高の51%を占め、米国内で最大のシェアを持ちます。米国1位でシェア46%、アジア太平洋は2位で20%、欧州は4位で10%と高いです。
個人的には、FedExは投資したい銘柄ではないです。
なぜならば、長期的には大手ハイテク企業にシェアを奪われると思うからです。世界的なEコマースの拡大とコロナによる都市封鎖で、配達業社の業績は加速しています。21年4Qは前年比+30%、営業利益は3. 7倍と大幅に上昇しましたね。
しかし、長期的にはアマゾンにシェアを奪われる可能性が高いです。
アマゾンは航空機を大量に購入し、自社の配送網を急ピッチで整備しています。アマゾンの物流事業の規模は18年時点では競合の5分の1程度です。しかし、22年の年間配達個数は65億個に達し、業界2位のUPSを上回る見通しです。
20年にアマゾンとFedExは提携解消し、本格的に競争し始めています。21世紀の物流競争は、最新テクノロジーと巨額投資できるハイテク企業が有利です。
- FedExの4半期決算(21年9-11月)は?
- FedExの過去10年間の売上高や営業利益は?
- 営業利益が3.7倍でも、投資すべきでない理由は?
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20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
記事の内容を簡単に知りたい
フェデックス(FDX)の四半期決算は?
フェデックス(FDX)の過去四半期の決算を紹介します。
21年3Q決算(21年5月29日)
- 売上高:225.6億ドル(+30%)
- Express:112.7億ドル(+32%)
- Ground:81.3億ドル(+27%)
- Freight:22.3億ドル(+38%)
- Services:0.08億ドル(+14%)
- Other:9.15億ドル(+17%)
- 営業利益:17.9億ドル(+278%)
- 純利益:18.6億ドル(前年度−3.3億ドル)
- 1株当たり利益:6.88ドル(前年度−1.28ドル)
21年4Q決算(21年8月30日)
- 売上高:220.03億ドル(+13%)
- 営業利益:16.81億ドル(−6%)
- 純利益:10.4億ドル(−10%)
- 1株当たり利益:4.09ドル(−13%)
22年1Q決算(21年11月30日)
- 売上高:234.7億ドル(+14%)○
- Express:116.0億ドル(+12%)
- Ground:82.6億ドル(+13%)
- Freight:22.7億ドル(+17%)
- Services:0.77億ドル(+863%)
- Other:12.56億ドル(+38%)
- 営業利益:15.9億ドル(+9%)
- 純利益:10.4億ドル(−15%)
- 1株当たり利益:3.88ドル(−15%)✖️
1Qの売上高は前年比+14%で234.7億ドル、営業利益は+9%で15.9億ドルでした。21年3Qと比較すると、21年4Qと22年1Qの売上と利益は減速しています。営業利益率は6.7%と前年と比較して減少しています。
フェデックスは、パンデミックの恩恵を受けた銘柄ですね。都市封鎖による国際線の停止とコンテナ運賃の上昇で、輸送量が大幅に上昇したからです。21年もコンテナ運賃の上昇は続き、輸送量は引き続き高いですね。
事業自体は、21年後半も引き続き好調です。米国内の輸送量は+1%前後、パッケージ当たりの輸送費は米国も海外も+10%前後増えています。ただ、21年後半は人件費高騰やインフレで収益性は悪化していますね。売上予想も見通せないとしています。
長期的にはアマゾンとの競争で、収益性はさらに悪化しそうです。
第2四半期の営業利益は、世界的なサプライチェーンの混乱の一因となった労働市場の課題の悪影響にもかかわらず、すべての輸送セグメントでの出荷あたりの収益の増加により改善しました。困難な労働市場は労働力の利用可能性とコストに影響を及ぼし、ネットワークの非効率性、購入した輸送コストの上昇、賃金率の上昇をもたらし、主にFedExGroundでコストが前年比で推定4億7000万ドル増加しました。当四半期の業績は、収益の質と有利な純燃料を改善するための継続的な戦略的管理措置の恩恵も受けました。
FedEx Expressの営業利益は、歩留まりの向上とFedEx International Priorityの販売量の増加により増加しました。これは、継続的な人員配置の課題とCOVID-19関連の航空ネットワークの非効率性の悪影響を十分に相殺しました。前年の結果には、2020年12月31日に失効したコロナウイルス支援経済安全保障法によって提供された航空物品税の減税による税引前利益7,000万ドルが含まれていました。
FedEx Groundの業績は、主に購入した輸送費の増加、賃金率の上昇、および人員不足によるネットワークの非効率性により低下し、前年比で推定2億8,500万ドルの悪影響を受けました。経営成績も、拡張関連費用の増加により悪影響を受けました。これらのコストは、サービスミックスと価格設定イニシアチブによって推進されたパッケージあたりの収益の増加によって部分的に相殺されました。
参考:FedEx Corp. Reports Higher Second Quarter Operating Income
22年2Q決算(21年2月…)
22年2Q決算は、2月17日に公開予定です。
では、売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか
フェデックス(FDX)の損益計算書は?
FedExは1978年に1ドルで上場しました。株価は順調に上昇し続け、常に最高値を更新し続ける銘柄です。20年3月は106ドルまで急落するも、21年12月は250ドル前後で推移しています。
その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?
過去10年間の決算書を見ると、売上高は右肩上がりに上昇しています。配当業社は世界的なオンライン市場拡大の恩恵を受ける企業ですね。ただし、営業利益率は6%前後と、競合ユナイテッド・パーセルの10%よりも低いです。
その2:BPSとEPSの10年間の推移は?
BPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)です。BPSは緩やかに上昇傾向にあります。ただし、EPSは18年をピークに減少し、コロナ禍で再び上向いています。10年で2割近い自社株買いを行い、配当利回りは1%前後です。
その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?
過去10年間のフリーCF(営業CF−投資CF)は、赤字の年も少なくありません。パンデミックは配送業社の収益を押し上げ、営業CFが大きく上昇していますね。全米や世界に配当拠点を作る必要があり、設備投資は少なくありません。
では、私たち投資家はどのように投資判断したら良いのでしょうか?
フェデックス(FDX)の注目ポイントは?
フェデックス(FDX)の注目すべきポイントを紹介します。FedExは、世界3位の米国の物流業者です。2位のユナイテッドパーセルよりも、米国内では高いシェアを持ちます。米国1位でシェア46%、アジア太平洋は2位で20%、欧州は4位で10%です。
注目1:Fedexは世界3位で売上高6.75兆円である?
2018年時点の物流企業の世界ランキングです。
業界最大手はドイツのDHLで、売上高は7.45兆円です。業界2位は米国のUPSで6.83兆円、3位はFedExで6.75兆円、4位は仏国のSNCF、5位はスイスのキューネと続きます。日本通信も7位にランクインしています。
世界的なEコマースの拡大もあり、物流業界は急速に成長しています。ドイツと米国の上位3企業が、世界市場を独占しています。
それでは、上位3社のシェアはどれくらいあるのでしょうか?
注目2:FedExは米国が最大シェアで46%を占める?
物流大手3社の世界市場シェアです。
ドイツDHLと米国のUPS、FedExは、欧州、米国、アジアで高いシェアを持ちます。オランドのTNTはFedExが買収しました。FedExは米国1位でシェア46%、アジア太平洋は2位で20%、欧州は4位で10%のシェアを持ちます。
FedExは日米中で活発化している越境ECにも力を入れています。では、FedExの事業別の売上高を見てみましょう。
注目3:Express部門が売上高の51%を占める?
20年のFedExの事業別の売上高です。
売上比率が最も高いのはExpress部門で51%を占めます。FedEx Expressは、通常1-2営業日以内で時間厳守が求められる貨物の輸送です。次いで、陸上輸送のGroundが33%、航空輸送のFreightが10%を占めます。
物流業界は、世界的なEコマースの拡大で市場が急成長しています。
注目4:オンライン小売の売上高は6年で3倍に拡大?
地域別世界のオンライン小売の売上高推移です。
2019年のオンライン小売の売上高は3.30兆ドルまで拡大しています。過去6年で3倍に拡大し、アジア太平洋が世界の66%を占めています。中国のEC化率は44%で、米国の11%よりも遥かに市場は大きいです。
中国だけではなく、東南アジアのEC化も急速に進んでいます。東南アジアのEコマース企業であるSEの売上高は、前年比+121%で拡大しています。
参考:シー(SE)の四半期決算|東南アジアのEコマース前年比+121%
大手ハイテク企業も物流業界に参入してる点は注意が必要です。
注目5:競合のアマゾンの配送料は年率は68%で拡大?
競合ユナイテッドパーセル(UPS)とアマゾンの労働者数の推移です。
新しい倉庫を急速に構築しているため、アマゾンの労働者数はUPSよりも急速に増えています。21年のUPSの労働者は43万人、FedExは42万人、対してアマゾンは61万人とすでに追い抜いています。
また、年間配達個数でも、22年にはアマゾンが追い抜く見込みです。世界の物流は拡大していても、米国内ではアマゾンが勢いよく伸びています。
米モルガン・スタンレーの調査を基に伝える米CNBCの記事によると、アマゾンの物流業務は、同社が米国で販売するネット通販商品のほぼ5割を手がけるまでに拡大したという。この比率は1年前で2割程度だった。同社は現在、年間25億個の荷物を自前の物流事業で配達している。これに対しUPSの年間配達個数は47億個、フェデックスでは30億個。
アマゾンの物流事業の規模は今のところ、競合の5分の1以下にとどまるという状況。しかし、その2018年から2022年までの年平均増加率は68%になるとモルガン・スタンレーは推計している。これにより、2022年の同社の年間配達個数は65億個に達し、同年のUPSとフェデックスの配達個数(それぞれ50億個と34億個と予測)を大きく上回る見通しだという。
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20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
まとめ:フェデックス(FDX)の四半期決算は?
- 78年に上場した、世界3位の総合航空貨物会社である
- 世界1位はドイツのDHL、2位はユナイテッドパーセル
- 米国内ではFedFxが1位で、シェア46%を獲得してるい
- 売上高は右肩上がりだが、営業利益率は6%前後と低い
- 世界的なEコマース拡大で、物流業界は市場が拡大してる
- アマゾンが配送網を拡大し、22年には個数で抜かれる
個人的には、FedExは投資したい銘柄ではないです。
なぜならば、長期的には大手ハイテク企業にシェアを奪われると思うからです。世界的なEコマースの拡大とコロナによる都市封鎖で、配達業社の業績は加速しています。21年4Qは前年比+30%、営業利益は3. 7倍と大幅に上昇しましたね。
しかし、長期的にはアマゾンにシェアを奪われる可能性が高いです。
アマゾンは航空機を大量に購入し、自社の配送網を急ピッチで整備しています。アマゾンの物流事業の規模は18年時点では競合の5分の1程度です。しかし、22年の年間配達個数は65億個に達し、業界2位のUPSを上回る見通しです。
20年にアマゾンとFedExは提携解消し、本格的に競争し始めています。21世紀の物流競争は、最新テクノロジーと巨額投資できるハイテク企業が有利です。
業界2番手のユナイテッドパーセルは、営業利益率が10%前後と価格決定権があります。21年コロナ禍では業績が加速し、営業利益率は28%と高いです。アマゾンと競合するも、FedExよりは競争力が高いと言えますね。