CDNでシェア1位のアカマイは、クラウド市場の拡大で最も恩恵を受ける銘柄のひとつです。なぜならば、クラウド事業者向けにエッジ技術やセキュリティを提供しているからです。23年2Qの売上は前年比+2.1%、3Qは+9.5%に加速しています。
- 「CDN市場でトップ企業、35%のシェアは持っている…」
- 「10年間安定して成長し、売上高は3倍にも増えている…」
- 「クラウドの恩恵を受け、前年比30%前後で拡大してる…」
アカマイとは、コンテンツ配信サービス(CDN)を提供する米国企業です。近年はCDNよりも、クラウド向けのセキュリティ事業が安定して伸びています。また、米国外の売上高が44%と、海外でも順調に売上高を増やしています。
個人的には、アカマイは投資したい銘柄のひとつです。
なぜならば、過去10年間も売上と利益を安定して伸ばしてきたからです。CDN市場のトップ企業で35%のシェアを持ち、セキュリティ事業は前年比+25%前後で拡大しています。CDNが過当競争に陥っている中でも、利益率を伸ばしてる点は高く評価できます。
競合のクラウドフラア(NET)やファストリー(FALY)は大幅な赤字です。
セキュリティ事業が好調なのは、クラウドからの需要が高いからです。クラウドは米国でも伸びているが、特にアジア地域での伸び率が高いですね。アカマイが海外の売上高比率を増やしてる点も好材料ですね。
22年11月時点の予想PER15倍と割安水準にあります。
- アカマイの4半期決算(23年7-9月)は?
- アカマイの過去10年間の売上高や営業利益は?
- CDN市場は過当競争にあるが、なぜ利益率が高いのか?
▼▼2022年12月は資産が6000万円を超える▼▼
20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
記事の内容を簡単に知りたい
アカマイ(AKAM)の四半期決算は?
アカマイ(AKAM)の四半期決算を紹介します。
22年4Q決算(22年12月30日)
- 売上高:9.28億ドル(前年比+2.4%)
- 営業利益:—億ドル(—%)
- 純利益:1.77億ドル(+10%)
- 1株当たり利益:1.37ドル(−8%)
23年1Q決算(23年3月30日)
- 売上高:9.16億ドル(前年比+1.3%)◯
- Seculity:4.05億ドル(+6.3%)
- Delivery:3.94億ドル(−11.2%)
- Compute:1.15億ドル(+48.5%)
- 営業利益:1.26億ドル(−28%)
- 純利益:0.97億ドル(−27%)
- 1株当たり利益:0.62ドル(−25%)○
23年2Q決算(23年6月30日)
- 売上高:9.35億ドル(前年比+2.1%)◯
- Seculity:4.33億ドル(+14%)
- Delivery:3.80億ドル(−9%)
- Compute:1.23億ドル(+16%)
- 営業利益:1.49億ドル(+18%)
- 純利益:1.28億ドル(+31%)
- 1株当たり利益:0.84ドル(+35%)○
23年3Q決算(23年9月30日)
- 売上高:9.65億ドル(前年比+9.5%)◯
- Seculity:4.55億ドル(+20%)
- Delivery:3.79億ドル(−3.6%)
- Compute:1.30億ドル(+19%)
- 営業利益:1.76億ドル(+10%)
- 純利益:1.60億ドル(+30%)
- 1株当たり利益:1.04ドル(+33%)○
3Qの売上高は前年比+9.5%で9.65億ドル、営業利益は+10%で1.76億ドルでした。23年1Qや2Qと比較して、3Qの売上は上向いていますね。営業利益率も18.2%とやや低下気味です。
アカマイの主力事業は、CDNサービスで売上高の6割を占めます。
しかし、CDNは競争が激しく、近年は成長が鈍化していますね。代わりに、セキュリティ事業が好調で高い成長率を維持しています。セキュリティ事業はクラウドの需要が高く、まだ高い成長余力が高いです。
23年4Qの売上予想は、9.95億ドル(+7.2%)と悪くないですね。
23年通期の売上予想は、38.12億ドルに引き上げています。
アカマイの最高経営責任者であるトム・レイトン博士は、「当社の第 3 四半期の売上高と収益性の両方に非常に満足しています。セキュリティとクラウド コンピューティングの収益の伸びが加速し、現在では合わせて当社の総収益の 61% を占めています。」と述べています。 さらに、主要な成長分野への投資を継続しながら、コスト削減の取り組みにより利益率が向上しました。」
23年4Q決算(23年12月…)
23年4Q決算は、24年2月8日に公開予定です。
では、売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?
アカマイ(AKAM)の損益計算書は?
アカマイは1999年に145ドルで上場しました。上場後すぐに高騰し株価は327ドルを付けるも、その後は長く低迷していますね。その後は緩やかに上昇し続け、23年11月は108ドル前後で推移しています。
その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?
過去10年間の決算書を見ると、売上高と利益が順調に増加しています。20年の売上高は31億ドル、10年で3倍近く上昇しています。また、20年の営業利益率は21%と、競争力が高いビジネスである事を示しています。
18年以降に利益率が好転したのは、セキュリティ事業が軌道に乗ったからだと思います。セキュリティはクラウドからの需要が高いです。
その2:BPSとEPSの10年間の推移は?
過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)です。BPSもEPSも緩やかだが、順調に上昇していることがわかります。
その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?
過去10年間のフリーCF(営業CF−投資CF)は、横ばいかもしくは上昇傾向にあります。CDNビジネスはサーバーを設置するため、それなりに設備投資を必要とするビジネスです。しかしながら、他のCDN企業と違い、順調に営業CFを増やしていますね。
では、私たちはどのように投資判断すれば良いのでしょうか?
アカマイ(AKAM)の注目すべきポイントは?
アカマイ(AKAM)に投資する上で注目すべきポイントを紹介します。アカマイとは、コンテンツ配信サービス(CDN)やクラウドにセキュリティサービスを提供する企業です。米国外の売上高が44%と、海外でも順調に売上高を増やしています。
注目1:CDNは年率12%で拡大し24年に221億ドル?
17-24年のCDN市場規模と地域シェアです。
20年のCDN市場規模は139億ドルと試算されています。年率12%で拡大し24年には221億ドル、伸び率が最も高いのはアジア太平洋地域ですね。
クラウドフレアが提供するCDNは、コンテンツ配信サービスと呼ばれるものです。ネットで表示する画像や文章を世界中にキャッシュ(一時保存)するサービスです。CDNサーバを世界中に配置することで、ネットを表示するスピードを高速化しています。
また、Webサーバに障害が起きても、CDNサーバがあれば問題なく利用できます。そのため、障害対策やセキュリティ面でも需要が高いです。
では、アカマイはCDN市場でどれくらいシェアを持つのでしょうか?
注目2:アカマイはトップ企業で35.3%のシェア?
少しデータは古いが、2016年時点のCDN市場のシェアです。
CDN市場で最もシェアが大きいのは、米国Akamaiで35.3%を占めます。2番手は米国Fastlyで12.9%、3番手はEdgeCastとSelf Seviceで11.8%です。アマゾンやアリババなど、大手ハイテク企業もこの分野に参入しています。
顧客数ベースでは、圧倒的なシェアを持つのはクラウドフレア(NET)です。
注目3:クラウドフレアの顧客は全体の89%を占める?
CDN企業の顧客数の上位ランキングです。
市場シェアでは6番手のクラウドフレアだが、顧客数では110万社と全体の89%を占めています。対して、市場シェアが大きいAkamaiやアマゾン、Fastlyの顧客数は少ないですね。これら企業は、トラフィックが多い大口顧客からの需要が高いからです。
クラウドフレアの顧客数が多い理由は、機能は制限されるが無料でも利用できるからです。また、有料プランでも、Proで月20ドル、Businessで月200ドルと安価です。そのため、トラフィック数が少ない小規模な顧客が数多く利用します。
クラウドフレアは薄利多売のビジネスで将来性も低いです。クラウドフレアの利用用途はオンプレミスに限られるため、クラウド環境に移行する過程で顧客も先細ります。
アカマイはCDN以外でも、セキュリティの売上高も順調に増えています。
注目4:セキュリティは売上高35%で年率33%で拡大?
クラウドフレアの年間の事業別売上推移です。
CDNを含めたEdge事業は、年率2%で成長し売上高65%を占めています。近年はセキュリティ事業の方が成長率が高いです。売上高の35%を占めるセキュリティ事業は、年率33%で成長し売上高35%を占めています。
セキュリティはクラウドからの需要が高く、まだまだ成長余力が高いです。
▼▼2022年12月は資産が6000万円を超える▼▼
20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
まとめ:アカマイ(AKAM)の四半期決算は?
- 1999年に上場した、CDNサービスを提供する米国企業
- CDN市場シェアで1位の35%、2番手はFastlyで12%
- CDNの売上高が全体の65%、セキュリティが35%
- クラウド拡大でセキュリティ事業が、前年比+25%で拡大
- 他の競合の多くは赤字だが、営業利益率は21%と高い
- CDNの成長率は低下したが、セキュリティが安定して伸びる
個人的には、アカマイは投資したい銘柄のひとつです。
なぜならば、過去10年間も売上と利益を安定して伸ばしてきたからです。CDN市場のトップ企業で35%のシェアを持ち、セキュリティ事業は前年比+25%前後で拡大しています。CDNが過当競争に陥っている中でも、利益率を伸ばしてる点は高く評価できます。
競合のクラウドフラア(NET)やファストリー(FALY)は大幅な赤字です。
セキュリティ事業が好調なのは、クラウドからの需要が高いからです。クラウドは米国でも伸びているが、特にアジア地域での伸び率が高いですね。アカマイが海外の売上高比率を増やしてる点も好材料ですね。
22年2月時点の予想PER18倍と割安水準にあります。株価が大きく下がる局面があれば、購入を検討したいですね。
CDN市場の競合はクラウドフレアとファストリーの2社です。クラウドフレアの市場シェアは4.7%と小さいが、薄利多売で顧客数全体の90%を占めています。ファストリーは順調にシェアを伸ばしているが、まだまだ黒字化には遠いです。
CDN市場は過当競争で、今後も伸びない可能性が高いですね。