スポーツアパレル企業であるナイキは、経済再開の恩恵を受ける銘柄ですね。ただ、中国やアジアでの生産抑制もあり、業績は低迷しています。21年4Qに+95%に急回復するも、22年2Q(8-11月期)は+1%と急減しています。
- 「84年に0.1ドルで上場、株価は1560倍に高騰…」
- 「スニーカーブランドで、世界シェア60%を獲得…」
- 「中国の売上比率が19%を占め、4年で2倍に急増…」
ナイキ(NKE)は、世界最大のアパレル米国企業です。スニーカーは世界的なブランドで、競合アディダスを抑え世界シェア60%を獲得しています。中国の売上比率が19%、過去4年で2倍に急増していますね。
個人的には、ナイキは投資したい銘柄のひとつです。
なぜならば、スニーカーで世界シェアを独占し、中国に進出している数少ない米国企業だからです。21年時点の中国の売上比率は19%、アジアは12%と高いです。アジア地域の中間層の増大で、最も恩恵を受ける銘柄ですね。
競争が厳しいアパレル業界でも、順調に規模を拡大しています。
また、デジタル領域にも積極的に進出しています。フィジカルとデジタルのショッピングを結びつける革新的な体験を提供する、ナイキダイレクトは米国市場で好調です。ブランド力を活かした海外展開は、まだまだ成熟していません。コロナで一時的には減速しても、中国やアジアでの売上増が引き続き期待できます。
ただし、22年1月時点の予想PER42倍は少し割高水準です。そのため、株価が大きく下落する局面があれば投資したいです。
- ナイキの4半期決算(21年9-11月)は?
- ナイキの過去10年間の売上高や営業利益は?
- 中国や売上比率が19%、22年も売上は期待できる?
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20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
ナイキ(NKE)の四半期決算は?
ナイキ(NKE)の四半期決算を紹介します。
21年4Q決算(21年5月30日)
- 売上高:123.44億ドル(前年比+95%)
- 営業利益:20.03億ドル(+339%)
- 純利益:15.09億ドル(+291%)
- 1株当たり利益:0.94ドル(+284%)
22年1Q決算(21年8月30日)
- 売上高:122.48億ドル(前年比+15%)
- 営業利益:21.24億ドル(+20%)
- 純利益:18.74億ドル(+23%)
- 1株当たり利益:1.16ドル(+22%)
22年2Q決算(21年11月30日)
- 売上高:113.57億ドル(前年比+1%)
- Footwear:67.80億ドル(+0%)
- Apparel:36.48億ドル(+2%)
- Equipment:3.82億ドル(+10%)
- 米国:44.77億ドル(+14%)
- 欧州中東:31.42億ドル(+6%)
- 中国:18.44億ドル(−20%)
- アジア:13.47億ドル(−8%)
- 営業利益:14.54億ドル(−15%)
- 純利益:13.37億ドル(+6%)
- 1株当たり利益:0.83ドル(+6%)
3Qの売上高は前年比+1%で113.57億ドル、営業利益は−15%で14.54億ドルでした。21年1Q や2Qと比較すると、売上も利益も大きく減速していますね。営業利益率は12.8%と21年よりも低下しています。
米国の売上比率は38.4%を占める米国は、ブラックフライデーもあり好調でしたね。対照的に、コロナや電力問題で生産抑制が続く、中国とアジアは大きく減速しています。ただ、アジアでもコロナが落ち着くならば、業績は回復しそうです。
また、ナイキダイレクトも+8%と好調が続きます。特に米国向けが好調で、+30%と高い成長を記録しています。
9-11 月期決算(第 2 四半期)では、1 株利益、売上高とも予想を上回った。北米や欧州 での販売が好調だった一方、中華圏は予想を下回った。世界的なサプライチェーン問題 を克服し、在庫水準も拡大して重要なホリデーシーズンに入る。
米スポーツ用品大手ナイキが 20 日発表した 2021 年 9-11 月期決算は、純利益が前年同 期比 7%増の 13 億 3700 万ドル(約 1520 億円)だった。供給網の混乱や生産工場の一部閉鎖などで主力市場の中国市場が低迷し、総売上高は 1%増の 113 億 5700 万ドルにとど まった。7 月に新型コロナウイルスのデルタ型の感染拡大でベトナムの委託生産工場が 閉鎖したことで商品が不足した。この影響で、北米に次ぐ中国市場では靴やアパレル、 運動用具など全商品群で売上高が 2 ケタ減少した。半面、北米市場はこれまで納品が遅 れていた商品が届き、12%の増収を確保した。ネット直販事業の「ナイキ・ディレクト」 はライブ動画イベントや特別商品の提供など消費者との関係を強める販促を展開し、前 年同期比 9%増の 47 億ドルになった。他社のネット通販サイトからの売り上げも含むデ ジタル販路の売上高は 12%増となり、スポーツ用品店などへの卸売事業からの脱却が進 んでいる。ジェーン・ハリ&アソシエーツの小売りアナリスト、ジェシカ・ラミレス氏は 「ナイキはできるだけ多くの在庫を確保し、善戦している。同社の商品は人気が高いた め、長期的に勢いを失うことはないと想定している」と述べた。株価は、引け後の時間 外取引で 3%近く上昇した。
地域別売上動向:最大市場の北米の売上高は 12%増加。米経済の再開や新型コロナウイルスワクチンの一 斉接種により店舗への来客数が急増し、ランニングや山登り用のスニーカーの売れ行き が好調となった。ナイキのフットウエア生産の約半分を担うベトナム工場の数カ月にわ たる閉鎖で製品供給が制約を受けたが、米年末商戦の幕開けとなる「ブラックフライデ ー」の北米直販部門の売上高は、過去最高に達した。ただ、中華圏は供給制約の悪影響 を受け、売上高が 20%減少した。
22年3Q決算(22年2月…)
22年3Q決算は、2月21日に公開予定です。
では、売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?
ナイキ(NKE)の損益計算書は?
ナイキは84年に0.1ドルで上場しています。株価は右肩上がりで常に最高値を更新し続けていますね。20年3月は62ドルに下落するも、22年1月は156ドル前後で推移しています。
その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?
過去10年間の決算書を見ると、売上は右肩上がりで上昇しています。コロナ禍で20年の営業利益率は8.3%に下落するも、21年は15.8%と急回復しています。経済停止の影響を受けるも、ナイキダイレクトやオンライン販売で力強く成長していますね。
その2:BPSとEPSの10年間の推移は?
過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)です。自己資本比率は38%と高いですね。直近のBPSは上昇傾向にあり、EPSは力強く成長を続けています。
その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?
過去10年間のフリーCF(営業CF−投資CF)は、順調に拡大しています。ブランドを確立しているため、投資CFが少なくても営業CFは好調です。ブランド力を活かして、オンライン販売やナイキダイレクトで差別化を図ります。
では、私たち投資家はどのように判断すれば良いのでしょうか?
ナイキ(NKE)の注目ポイントは?
ナイキ(NKE)の注目ポイントを紹介します。
注目1:アパレル業界で売上1位の291億ドル?
米国の主要アパレル企業の売上高ランキングです。
アパレル企業最大の売上高で、ナイキは291億ドルです。次いで、2位がギャップ(GPS)で185億ドル、3位がVF(VFC)、4位がエルブランズ(BBWI)で123億ドル、5位がフィリップス・バン・ヒューゼン(PVH)で85.67億ドルと続きます。
ナイキは2位を大きく引き離してダントツ1位ですね。では、地域別の売上高はどうなっているでしょうか?
注目2:米国が売上比率の40%を占めている?
ナイキの地域別の売上高推移です。
最も売上比率が高いのは、米国で40%を占めています。次いで、欧州や中東地域が27%、中国が19%、アジアが12%と続きます。中国の売上が伸びており、過去4年で売上は2倍にも急増しています。
21年はベトナムや中国の工場停止で減速するも、22年以降は再び成長軌道に乗る可能性が高いですね。では、スニーカーではどれだけ高いシェアを確保してるでしょうか?
注目3:スニーカーブランドで世界シェア60%?
スニーカーブランドの世界シェアです。
ナイキは世界最大のスニーカーブランドで、市場シェアの60%を獲得しています。次いで、2位はドイツのアディダス、3位はアンダーアーマー(UA)で7%、4位は日本のアシックスで6%と続きます。ナイキは世界で最も成功したスニーカー企業だと言えますね。
では、競合アディダスとは地域別のシェアはどうでしょうか?
注目4:アディダスと比較した地域別シェアは?
ナイキとアディダスの地域別のシェアです。
両企業はともに世界的に知られた有名ブランドですね。米国企業であるナイキは、国内で高いシェア21%を獲得しています。ただし、他の地域では大きな差はなく、米国が最も重要な市場になっていますね。
今後は、中間層が増える中国国内でのシェアが重要になりそうです。
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20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
まとめ:ナイキ(NKE)の銘柄分析
- 84年に上場した、世界最大のアパレル企業である
- スニーカーに強みがあり、世界シェアの60%を獲得
- 競合はアディダス、プーマ、アシックス、アンダーアーマー
- 中国の売上が4年で2倍、売上比率は19%を占める
- 21年後半は、中国やベトナム工場停止で減速している
- アジアの中間層増大で、引き続き成長が期待できる銘柄
- 競争が激しいアパレル業界で、営業利益率は15%と高い
個人的には、ナイキは投資したい銘柄のひとつです。
なぜならば、スニーカーで世界シェアを独占し、中国に進出している数少ない米国企業だからです。21年時点の中国の売上比率は19%、アジアは12%と高いです。アジア地域の中間層の増大で、最も恩恵を受ける銘柄ですね。
競争が厳しいアパレル業界でも、順調に規模を拡大しています。
また、デジタル領域にも積極的に進出しています。フィジカルとデジタルのショッピングを結びつける革新的な体験を提供する、ナイキダイレクトは米国市場で好調です。ブランド力を活かした海外展開は、まだまだ成熟していません。コロナで一時的には減速しても、中国やアジアでの売上増が引き続き期待できます。
ただし、22年1月時点の予想PER42倍は少し割高水準です。そのため、株価が大きく下落する局面があれば投資したいです。
アパレル業界は流行サイクルが早く、競争が激しい分野ですね。近年は、オンライン販売に力を入れるなど、デジタルを積極的に活用する企業も増えています。ギャップ(GPS)はコロナ禍の21年1Qに、前年比+89%で好調でしたね。