世界的なパンデミックにより、ワクチン株が注目を集めていますね。20年3月に20ドルだったモデルナの株価は、21年8月には480ドルまで急騰しています。売上高は急速に減速するも、21年3Qの売上前年比は+3064%と引き続き高いです。
- 「3月のコロナ危機で、ワクチン株は1.5年で20倍に暴騰した…」
- 「トランプ政権は、ワクチン株に10億ドル単位で投資している…」
- 「ワクチンが世界中に供給されるなら、株価は間違いなく暴騰する…」
モデルナは2010年に設立された創薬、ワクチン技術に焦点を当てた米国のバイオテクノロジー株です。独のバイオエヌテック株と同様にmRNAに強みを持ち、米国立アレルギー感染症研究所と連合でコロナワクチンを開発しています。
個人的には、モデルナは投資したい銘柄ではありません。
なぜならば、FDAから承認を得た製薬企業は増え続け、供給側は十分に強いからです。22年以降は新興国にもワクチンが広く行き渡ります。そのため、ワクチン銘柄で利益を得るのは難しくなりそうですね。
ただ、長期的には再び有望な投資先になるかもしれません。
なぜならば、21年3Qの売上成長率は3064%と高く、営業利益率も76%と高いからです。21年11月時点の予想PERは8.6倍と割安で、8月から株価は下落し続けています。資金が豊富なバイオ銘柄として、数年先に投資機会が訪れるかもしれません。
22年以降の動向についても注視したいです。
- モデルナの4半期決算(21年7-9月)は?
- モデルナの過去10年間の売上高や営業利益は?
- 8月以降のワクチン株投資が、リスクが高い理由は?
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20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
記事の内容を簡単に知りたい
モデルナ(MRNA)の四半期決算は?
モデルナ株の四半期決算を紹介します。
21年1Q決算(21年3月30日)
- 売上高:19.37億ドル(前年比+24112%)
- 営業利益:12.66億ドル(+1066%)
- 純利益:12.21億ドル(+1084%)
- 一株利益:2.84ドル(+911%)
21年2Q決算(21年6月30日)
- 売上高:43.54億ドル(前年比+6398%)
- 営業利益:30.62億ドル(+2609%)
- 純利益:27.80億ドル(+2476%)
- 一株利益:6.46ドル(+2183%)
21年3Q決算(21年9月30日)
- 売上高:49.69億ドル(前年比+3064%)
- 営業利益:35.58億ドル(+1614%)
- 純利益:33.33億ドル(+1530%)
- 一株利益:7.70ドル(+1405%)
3Qの売上高は前年比+3064%で49.69億ドル、営業利益は+1614%で35.58億ドルでした。売上も利益も好調だが、21年1Qや2Qと比較すると減速していますね。営業利益率は76%と高いですね。
21年通期の売上予想は、165億ドル(前年比20倍)としています。
22年はアフリカ連合を通じて低所得国への納品を優先します。また、ワクチンの承認を得た製薬企業も増え続け、徐々に稼げないビジネスになります。ただ、21年7月にSP500に承認されるなど、個人的にはそこまで悲観的に見ていません。
21年4Q決算(21年12月…)
21年4Q決算は、2月3日に公開予定です。
では、売上高や営業利益の10年間の推移はどうなっているのでしょうか?
モデルナ(MRNA)の10年間の損益計算書は?
モデルナは18年に18ドルで上場しました。コロナのワクチンを開発したことで、21年9月は450ドルまで上昇しています。しかし、コロナが収束しつつあり、11月は225ドルまで下落しています。
その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?
過去10年間の決算書を見ると、21年は売上高が爆発的に増えていますね。売上高は前年比20倍以上で、21年の営業利益率は64%まで上昇しています。
その2:BPSとEPSの10年間の推移は?
過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)です。BPSもEPSも21年に急増しています。
その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?
過去10年間のフリーCF(営業CF−投資CF)は、大幅な黒字化に成功しています。バイオ株は研究開発費用を必要とするが、無視できるほど収益を上げていますね。
では、私たち投資家はどのように投資判断すればいいでしょうか?
モデルナ(MRNA)の注目ポイントは?
モデルナ(MRNA)の注目ポイントを紹介します。
注目1:コロナワクチンの21年11月の最新情報は?
コロナワクチンを開発する研究機関や企業の最新情報です。
21年11月には、米国や英国、ドイツや中国、インドなどの多くの製薬企業のワクチンが承認されています。また、第3相試験(臨床試験)段階にある治療薬も多いです。さらには、ワクチンだけではなく飲み薬などの薬剤も増えています。
供給が十分に増えているため、ワクチン銘柄で利益を得るのは難しいですね。22年には、多くの新興国にもワクチンが行き渡ることが予想されます。
注目2:世界のワクチン市場は年率8.3%で成長してる?
参考:国際医療について考える
コロナによる影響で、世界的にワクチン業界が盛り上がっていますね。
意外と知られていない事実だが、ワクチン市場は年率8.3%で拡大する成長産業です。2005年から2011年は年率15.6%で成長していましたね。世界中でコロナが流行した事で、インフルエンザなど別のワクチンを打つ人も増えますよね。感染症の脅威が再確認されたからです。
インフルエンザシーズンでも、ワクチン摂取率は25.5%と低いです(参考:インフルエンザの予防接種率は25%)。これだけウイルスの脅威がこれだけ浸透すると、ワクチンの摂取率が高くなる可能性が高いですね。
注目3:大手5社でワクチンの8割の市場を占めている?
参考:国際医療について考える
19年のワクチン市場は417億ドル、24年には584億ドルまで拡大すると予測されています。
意外と大きなワクチン市場だが、大手5社だけで8割を占めています。1位は英国のグラクソスミスクライン、2位はフランスのサノフィ、3位は米国のメルク、4位は米国のファイザー、5位はスイスのノバルティスと続きます。
まとめ:モデルナ(MRNA)の四半期決算は?
- 2010年に米国で設立、創薬やワクチンの研究開発を行う
- 米国立アレルギー感染研究所と、コロナワクチンの開発を行う
- 株価は3倍になるも、20年8月は65ドル前後で落ち着いている
- 独バイオエヌテックと同様に、7月27日から臨床試験をスタートした
- ワクチンが完成する21年以降も、黒字化する見込みはない
個人的には、モデルナは投資したい銘柄ではありません。
なぜならば、FDAから承認を得た製薬企業は増え続け、供給側は十分に強いからです。22年以降は新興国にもワクチンが広く行き渡ります。そのため、ワクチン銘柄で利益を得るのは難しくなりそうですね。
ただ、長期的には再び有望な投資先になるかもしれません。
なぜならば、21年3Qの売上成長率は3064%と高く、営業利益率も76%と高いからです。21年11月時点の予想PERは8.6倍と割安で、8月から株価は下落し続けています。資金が豊富なバイオ銘柄として、数年先に投資機会が訪れるかもしれません。
22年以降の動向についても注視したいです。
ファイザー(PFE)は、モデルナの次にFDAから承認を受けた製薬企業ですね。ワクチンによる売上増により、21年3Qは前年比+134%で伸びています。