米国3位の食品メーカーは、パンデミックで恩恵を受けた銘柄ですね。外出規制により、自宅で食事する人が増えたからです。経済再開後の21年3Qの売上は前年比−1.8%、4Qは−3.3%と不調が続きますね。
- 「15年に77ドルで上場、株価は50%も暴落してる…」
- 「チーズのクラフトとソースのハインツが15年に合弁した…」
- 「米国外の売上比率が20%、営業利益率も20%で高い…」
クラフト・ハインツ(KHC)は、北米3位の食品メーカーですね。15年にチーズに強いクラフトと、ソースに強いハインツが合弁した新会社です。海外売上比率が20%と高く、ブランド力を活かし営業利益率は20%と高いです。
個人的には、クラフト・ハインツは投資したい銘柄ではありません。
なぜならば、合弁以前から売上は増えておらず、収益性も低下しているからです。17年に25%だった営業利益率は、21年に20%まで低下しています。海外売上比率も20%と低く、米国内だけでも競争に勝てていません。
バフェット銘柄で人気は高いが、事業自体は好調ではありません。
最大の原因は、大手販売業者も自社ブランドを展開しているからです。例えば、アマゾンは「ベーシック」をはじめ複数カテゴリーを横断して展開します。また、会員制のコストコ(COST)も自社ブランドを保有し、クラフトハインツの売上高より大きいです。
大手販売業者に侵食されている状況では、22年以降も事業は苦戦しそうですね。22年5月時点の予想PER16倍は割安だが、安心して投資できる局面ではないですね。
- クラフトハインツの4半期決算(22年1-3月)は?
- クラフトハインツの過去10年間の売上高や営業利益は?
- パンデミック禍は好調だが、21年はマイナス成長が続く?
▼▼2022年12月は資産が6000万円を超える▼▼
20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
記事の内容を簡単に知りたい
クラフト・ハインツ(KHC)の四半期決算は?
クラフト・ハインツ(KHC)の四半期決算を紹介します。
21年3Q決算(21年9月30日)
- 売上高:63.24億ドル(前年比−1.8%)
- 米国:45.2億ドル(−4.0%)
- 海外:13.83億ドル(+4.4%)
- カナダ:4. 20億ドル(+3.4%)
- 営業利益:12.28億ドル(−19%)
- 純利益:7.33億ドル(+22%)
- 1株当たり利益:0.59ドル(+25%)
21年4Q決算(21年12月31日)
- 売上高:67.09億ドル(前年比−3.3%)◯
- 米国:47.37億ドル(−6.8%)
- 海外:15.01億ドル(+6.5%)
- カナダ:4. 71億ドル(+5.2%)
- 営業利益:−0.20億ドル(前年度10.34億ドル)
- 純利益:−2.57億ドル(前年度10.32億ドル)
- 1株当たり利益:−0.21ドル(前年度0.84ドル)◯
22年1Q決算(22年3月31日)
- 売上高:60.45億ドル(前年比−5.5%)◯
- 米国:42.14億ドル(−8.5%)
- 海外:14.44億ドル(+3.6%)
- カナダ:3.87億ドル(−1.5%)
- 営業利益:11.15億ドル(+2.4%)
- 純利益:7.76億ドル(+37%)
- 1株当たり利益:0.63ドル(+37%)◯
1Qの売上高は前年比−5.5%で60.45億ドル、営業利益は+2.4%で11.15億ドルでした。21年3Qと4Qに続き、22年1Qもマイナス成長が続きます。営業利益率は18.4%と悪くはないですね。
パンデミックに伴い、自宅の自炊増は同社に追い風でしたね。しかし、21年後半は外出規制も緩和し、外食する人が増えています。また、原料高の影響もあり利益率も低下していますね。
22年通期の売上予想は、+3%前後を見込みます。
22年2Q決算(22年6月…)
22年2Q決算は、7月28日に公開予定です。
では、売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?
クラフト・ハインツ(KHC)の損益計算書は?
クラフト・ハインツは15年に、合弁により新会社として77ドルで上場しています。20年3月は20ドルに下落するも、22年5月は42ドル前後で推移しています。
その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?
過去10年間の決算書を見ると、合弁後も売上はあまり伸びていません。また、17年に25%だった営業利益率が、21年に20%まで低下してるのは懸念材料です。自然食品は世界的なトレンドで、加工食品全般は迎え風ですね。
その2:BPSとEPSの10年間の推移は?
過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)です。自己資本比率は52%と高いが、BPSもEPSも安定していないですね。
その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?
過去10年間のフリーCF(営業CF−投資CF)は、17年を起点にして上昇傾向にありますね。収益性は低下するも、ブランド力は強く営業CFはしっかり得ていますね。投資CFも少なく、ブランドを活かした優良ビジネスだと言えます。
では、私たち投資家はどのように判断すれば良いのでしょうか?
クラフト・ハインツ(KHC)の注目ポイントは?
クラフト・ハインツ(KHC)の注目ポイントを紹介します。
注目1:世界13位の食料メーカーで280億ドル?
世界の食品や飲料業界の売上高ランキングです。
業界最大手はスイスのネスレで、722億ドルの売上があります。2位は米国ペプシ(PEP)で666億ドル、3位はブラジルのJBSで525億ドル、4位はべるぎーのAnheuser-Buschで470億ドル、5位は米国コカコーラ(KO)です。
クラフトハインツは、世界13位で280億ドルの規模です。15年にチーズに強みがあるクラフトと、トマトケチャップに強みがあるハインツが合弁した会社です。
では、クラフトハインツの事業別の売上高はどうでしょうか?
注目2:食料品が売上比率の26%を占める?
クラフトハインツの事業別の売上高の推移です。
売上比率が最も多いのがソースで、全体の26%を占めています。次いで、クラフトチーズが20%、加工食品が11%、冷凍食品が10%、肉シーフードが10%ですね。全体的に事業規模は縮小傾向にあります。
バフェットが語るように、同社には大きな逆風が吹いています。販売業者大手が自社ブランドを展開することで、市場シェアを奪われています。
クラフト・ハインツがこれまで、逆風にさらされてきたことは確かだ。米アマゾン・ドット・コムは、「ベーシック」をはじめ複数のカテゴリーを横断して商品を提供する強力な自社ブランドを展開。また、プライベートブランド「カークランド」を持つ会員制の大型スーパー、米コストコの売上高は約390億ドル(約4兆3000億円)で、クラフトの約260億ドルを上回っている。
では、主力のソース事業の競合企業はどこでしょうか?
注目3:マスタードソースで高いシェアを獲得?
マスタードソースの市場シェアです。
クラフトハインツはマスタードソースで高いシェアを獲得しています。競合企業には、米国コーンアグラ・ブランズ(CAG)、米国マコーミック(MKC)、インドのJoyfresh、米国ユニリーバ(UL)ですね。
▼▼2022年12月は資産が6000万円を超える▼▼
20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
まとめ:クラフト・ハインツ(KHC)の銘柄分析
- 15年に合弁し上場した、北米3位の食料メーカー
- チーズのクラフトと、ケチャップソースのハインツが合弁
- 海外売上比率は20%、国内で販売業者と競争が激化
- アマゾンやコストコが、自社ブランドを展開している
- 17年に25%だった営業利益率は、20%まで低下
個人的には、クラフト・ハインツは投資したい銘柄ではありません。
なぜならば、合弁以前から売上は増えておらず、収益性も低下しているからです。17年に25%だった営業利益率は、21年に20%まで低下しています。海外売上比率も20%と低く、米国内だけでも競争に勝てていません。
バフェット銘柄で人気は高いが、事業自体は好調ではありません。
最大の原因は、大手販売業者も自社ブランドを展開しているからです。例えば、アマゾンは「ベーシック」をはじめ複数カテゴリーを横断して展開します。また、会員制のコストコ(COST)も自社ブランドを保有し、クラフトハインツの売上高より大きいです。
大手販売業者に侵食されている状況では、22年以降も事業は苦戦しそうですね。22年1月時点の予想PER14倍は割安だが、安心して投資できる局面ではないですね。