クラウド向けにサーバーを提供するデルは、市場拡大の恩恵を最も受ける銘柄ですね。20年3月は株価が32ドルまで急落するも、1年後には3倍の100ドルまで急回復しています。クラウド市場は21年も好調で、経済再開とともに業績は上向くのでしょうか?
- 「コロナ禍で株価は急落するも、1年後には3倍に急騰した…」
- 「クラウド向けサーバーは世界1位で、21年も成長が期待できる…」
- 「21年6月時点のPER19倍、予想PER11倍は割安なのか…」
デルテクノロジーズは、PCやサーバー全般の周辺機器を製造する米国企業です。16年にDELLがEMCを買収したことで誕生した会社です。ハイブリッドクラウドに力を入れており、クラウド向け通信機器でシェアは1位です。
個人的には、デルテクノロジーズは投資したい銘柄でないです。
なぜならば、売上高成長率が低く、営業利益率も5.5%と低いからです。ハイテク機器は価格競争力がある中国企業が強く、LenovoやHuaweiがシェアを伸ばしていますね。22年11月の予想PERが5.8倍と低いのは、将来の成長力が織り込まれてるからです。
ただし、短中期的にみた場合は、まだまだ業績は上向きそうです。
特に好調なのはクラウド向けで、機器販売では世界1位のシェアを持ちます。また、ハイブリッドやマルチクラウド向けの投資も加速しています。21年後半にはVMwareがスピンオフし、100億ドル前後の配当金も得ます。
23年9月時点の予想PERは9.5倍と割高ではありません。
- デルテクノロジーズの4半期決算(23年5-7月)は?
- デルテクノロジーズの過去10年間の売上高や営業利益は?
- クラウド向けに業績が好調だが、まだ投資すべきでない理由は?
▼▼2022年12月は資産が6000万円を超える▼▼
20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
記事の内容を簡単に知りたい
デル・テクノロジーズ(DELL)の四半期決算は?
デルテクノロジーズ(DELL)の過去四半期の決算を紹介します。
23年4Q決算(23年1月30日)
- 売上高:250.39億ドル(前年比−10%)
- 営業利益:—億ドル(—%)
- 純利益:6.14億ドル(+300倍)
- 1株当たり利益:1.80ドル(4.6%)
24年1Q決算(23年4月30日)
- 売上高:209.22億ドル(前年比−19%)
- 営業利益:—億ドル(—%)
- 純利益:5.83億ドル(−45%)
- 1株当たり利益:1.31ドル(−28%)
24年2Q決算(23年7月30日)
- 売上高:229.34億ドル(前年比−13%)◯
- Infrastructure Solutions Grop:84.61億ドル(−18%)
- Services and networking:42.74億ドル(−3%)
- Storage:41.85億ドル(−11%)
- Client Solutions Group:12.94億ドル(−16%)
- Commercial:10.55億ドル(−13%)
- Consumer:23.88億ドル(−29%)
- 営業利益:11.65億ドル(−8%)
- 純利益:4.55億ドル(−10%)
- 1株当たり利益:0.63ドル(−7%)◯
2Qの売上高は前年比−13%で229.34億ドル、営業利益は−8%で11.65億ドルでした。23年4Qや24年1Qと同様に、2Qも低迷していますね。営業利益率は5%と過去平均より高いです。
コロナによる在宅需要の反動で、個人向け機器の需要が減少してます。コロナ後も好調だったインフラ事業も、22年後半も減速していますね。
サーバーやストレージ製品を扱うISG部門、PC、モニター、周辺機器を扱うCSG部門のどちらも不調が続きます。
24年3Q決算(23年10月…)
24年3Q決算は、12月1日に公開予定です。
では、売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか
デル・テクノロジーズ(DELL)の損益計算書は?
デルテクノロジーズは、16年に12ドルで上場しました。株価は20年3月に14ドルまで急落するも、23年8月は56ドル前後で推移しています。
その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?
過去10年間の決算書を見ると、19年までは売上高が順調に上昇しています。しかしながら、コロナ以前から成長率が鈍化し始めていますね。ただし、17年の営業利益率は−5.3%から、21年には5.1%まで上昇しています。
利益率が高いビジネスにシフトしているといえます。
その2:BPSとEPSの10年間の推移は?
過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)です。BPSは20年から上昇傾向にあります。EPSも赤字が続くも、20年から黒字化に成功していますね。16年にDellとEMCが合弁した会社だが、順調に推移しているといえます。
ただし、21年の自己資本比率は3.4%と低いです。同社がVMwareを売却するのは、自己資本が少ないからです。
その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?
過去10年間のフリーCF(営業CF−投資CF)は、右肩上がりで増えていますね。売上高は増えていなが、キャッシュは順調に拡大しています。また、製造業にも関わらず設備投資が少なく、営業CFが大きい点は高く評価できますね。
では、私たち投資家はどのように投資判断したら良いのでしょうか?
デル・テクノロジーズ(DELL)の注目ポイントは?
デルテクノロジーズに投資する上で注目すべきポイントを紹介します。デルテクノロジーズは、サーバーやストレージ製品、PC、モニター、周辺機器を製造する米国企業です。ハイブリッドクラウドに力を入れており、クラウド向け通信機器でシェアは1位です。
注目1:ISG部門が売上比率の52%を占める?
デルテクノロジーズの事業別の売上高推移です。
売上高比率が最も大きいのは、ISG部門で売上比率の52%を占めます。ISG部門は、サーバーやストレージ製品を扱い、近年はマルチクラウド向けのビジネスが活発化しています。次いで、PC、モニター、周辺機器のCSG部門が35%を占めます。
デルテクノロジーズは、VMwareの最大株主で80%を保有します。VMWareの売上比率は12%と小さいが、超優良企業で最も急拡大している事業ですね。
参考:VMウェア(VMW)の四半期決算|クラウド向けサブスク型に移行
しかし、21年後半にデルはVMwareの売却を発表しています。売却する理由は、自己資本比率が2%のデルは資金調達の必要があるからです(参考:デル、今年後半にVMwareをスピンオフ)。
デルテクノロジーズは、世界トップのPC事業を持ちます。
注目2:PC事業でデルは世界3位の市場シェアを持つ?
PC事業の世界トップ5社の市場シェアです。
世界で最も市場シェアが高いのは中国Lenovoです。2番手は米国HP、3番手にデルテクノロジーズ、4番手にアップル、5番手に台湾Acerが入ります。米国企業は中国にシェアを奪われるも、それでもまだまだ強いですね。
アップル企業も中国にシェアを伸ばし、順調に拡大しています。デルテクノロジーズは、外部ストレージで世界1位のシェアを持ちます。
注目3:外部ストレージで世界1位の市場シェアを持つ?
19年時点の外部ストレージサーバーの市場シェアです。
外部ストレージサーバーは、デルが35%で世界最大のシェアを持ちます。次いで、2位が米国ネットアップ(NTAP)、3位がHPE、4位が日本の日立、5位がIBMと続きます。中国企業のHuaweiもシェアを伸ばしていますね。
デルテクノロジーズは、クラウド向け事業にも力を入れています。
注目4:クラウド向け通信機器で市場シェア1位?
クラウド市場の各セグメント別のトップ企業を表しています。
デルテクノロジーズは、クラウド向けにインフラ機器を提供する企業でシェア1位です。パブリッククラウド向けでは、1位がデル、2位がシスコ、3位がHPEです。ハイブリッドクラウド向けでは、1位がデル、2位がマイクロソフト、3位がHPEですね。
クラウドは21年以降も、力強く成長する成長産業です。では、具体的にはクラウド向けサーバーでどれだけのシェアを持つのでしょうか?
注目5:クラウド向けサーバーで16%でシェア1位?
18年時点のクラウドサーバーの市場シェア推移です。
クラウド向けにサーバーを提供してる企業は、HPEとDELLが16%と最も大きいです。近年は中国でもクラウド市場が拡大し、中国企業も伸びています。中国企業はLenovoが6%のシェアを持ち、、Inspurが5%、Huawei4%と続きます。
米国と中国のクラウド市場は、21年も継続して高い成長率を維持しています。
▼▼2022年12月は資産が6000万円を超える▼▼
20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
まとめ:デル・テクノロジーズの四半期決算は?
- 16年に上場、PCやサーバなどハイテク機器の米国企業
- 16年にデルがEMCを買収したことで、新しく誕生した企業
- 売上比率はISG部門が52%、CSG部門が35%、VMwareが13%
- PCで世界3位、外部ストレージで1位、クラウド向けで1位
- クラウド向けが好調だが、21年の営業利益率は5.5%と低い
- ハイテク周辺機器は、LenovoやHuaweiがシェアを伸ばしてる
個人的には、デルテクノロジーズは投資したい銘柄でないです。
なぜならば、売上高成長率が低く、営業利益率も5.5%と低いからです。ハイテク機器は価格競争力がある中国企業が強く、LenovoやHuaweiがシェアを伸ばしていますね。21年11月時点の予想PERが10倍と低いのは、将来の成長力が織り込まれてるからです。
ただし、短中期的にみた場合は、まだまだ業績は上向きそうです。
特に好調なのはクラウド向けで、機器販売では世界1位のシェアを持ちます。また、ハイブリッドやマルチクラウド向けの投資も加速しています。21年後半にはVMwareがスピンオフし、100億ドル前後の配当金も得ます。
営業利益率がさらに上向くならば、積極的に投資したい銘柄です。
デルテクノロジーズは、VMwareの最大株主で80%を保有します。VMWareの売上比率は12%と小さいが、超優良企業で最も急拡大している事業ですね。個人的には、クラウド向け仮想で売上高は増やし、利益率が20%と高いVMwareの方が好きです。