コロナによる原油や天然ガス価格の暴落を受けて、エネルギー株に投資する人が増えています。エネルギーは割安株が多く、資源価格が戻れば確実に利益を得られる低リスクの投資かもしれません。では、私たち投資家は、シェール生産社であるオアシス・ペトロリアムに投資すべきでしょうか?
- 「世界各国の経済活動再開で、シェール株は必ず利益を得られる…」
- 「20年9月の株価は0.4ドルで、暴落前に戻れば8倍も儲けられる…」
- 「純損失額が売上高の10倍だが、原油が回復すれば逆にチャンスだ…」
シェール革命とその後の技術革新で、米国内のシェールオイルやガスの生産量は増加傾向にあります。米国は天然ガス輸出で世界4位だが、近い将来にロシアを抜くほど著しく成長していますね。オアシス・ペトロリアムは、シェールオイルが豊富なバッケン地域に油田を持ちます。
しかしながら、オアシス・ペトロリアム株は保有したい銘柄ではありません。
なぜならば、自己資本比率がマイナス30%で、債務超過に陥っているからです。20年1Qの純損額は売上高の10倍以上に膨らみました。新たに融資する銀行がなければ、高い確率でオアシス・ペトロリアムは破産します。
天然ガスよりも原油の比率が高いオアシス・ペトロリアムは、20ドルまで暴落したWTI原油価格の影響を大きく受けます。コロナで株価が8分の1に暴落したのは、それだけ財務状態が危険だからです。20年のコロナ危機による原油暴落で、破綻したシェール企業は4〜6月期で29社にものぼります。
シェール企業に投資するならば、輸送やパイプラインに投資した方が安全ですね。
- オアシスペトロリアム株の4半期決算(2020年4-6月)は?
- オアシスペトロリアム株の過去10年間の売上高や営業利益は?
- シェール革命でも、シェール生産社に投資すべきでない理由は?
▼▼2022年12月は資産が6000万円を超える▼▼
20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
記事の内容を簡単に知りたい
オアシス・ペトロリアム(OAS)の四半期決算は?
オアシス・ペトロリアムの四半期決算を紹介します。
第1Q決算(2020年3月31日)
- 売上高:3.87億ドル(前年比−33%)
- Crude oil revenues:2.12億ドル(−34%)
- Natural gas revenues:0.26億ドル(−48%)
- Purchased oil and gas sales:0.86億ドル(−42%)
- Midstream revenues:0.56億ドル(+16%)
- Other Services revenues:0. 06億ドル(−40%)
- 営業利益:−48.62億ドル(前年度0.50億ドル)
- 純利益:−43.10億ドル(前年度−1.14億ドル)
- 1株当たり利益:−13.61ドル(前年度−0.37ドル)
第2Q決算(2020年6月30日)
- 売上高:1.66億ドル(前年比−69%)
- Crude oil revenues:0.81億ドル(−76%)
- Natural gas revenues:0.12億ドル(−56%)
- Purchased oil and gas sales:0.37億ドル(−66%)
- Midstream revenues:0.34億ドル(−33%)
- Other Services revenues:0. 04億ドル(−97%)
- 営業利益:−0.11億ドル(前年度0.71億ドル)
- 純利益:−0.92億ドル(前年度0.42億ドル)
- 1株当たり利益:−0.29ドル(前年度0.14ドル)
オアシス・ペトロリアムは、2007年に創業した独立系のシェール企業です。ウィリストン盆地のバッケン地域を開発拠点とし、シェールガスよりもオイルを中心に生産や開発します。2019年の推定石油換算埋蔵量は2億8640万バレルで、原油が全体の70%を占めます。
20年2Qの売上高は前年比−69%で1.66億ドル、営業利益は−0.11億ドルでした。
1Qの営業損失は48億ドルだったので、損失額は大きく改善できました。しかしながら、2Qは売上高が大きく落ち込みましたね。天然ガスに対して原油の比率が高いため、WTI原油価格の影響を大きく受けた結果です。
第3Q決算(2020年11月)
2020年11月に公開予定。
では、オアシス・ペトロリアムの売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?
オアシス・ペトロリアムの10年間の損益計算書は?
オアシス・ペトロリアムは2010年に11ドルで上場しました。シェール革命の波に乗り、2014年に55ドルを付けるも、その後は15年の原油暴落で低迷しています。コロナ後の20年9月は、0.4ドル前後で推移しています。
その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?
過去10年間の決算書を見ると、売上高は14年と18年にピークを付けています。15年の原油暴落で低迷するも、その後は生産量が上向き18年に最高値ですね。しかしながら、その後は再び売上高は低迷し、営業利益率もマイナスまで落ち込みます。
コロナの影響で20年(TTM)は、純損失額が売上高の10倍以上に膨らんでいます。自己資本比率も−30%まで落ち込み、融資を得られなければ経営破綻する可能性が高いです。
その2:BPSとEPSの10年間の推移は?
過去10年間のBPS(1株あたり純資産)は、20年以外は比較的安定していると言えます。EPS(1株あたり純利益)は14年までは好調だが、その後は大きく失速していますね。20年(TTM)のEPSは、−14ドルまで急落しています。
その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?
過去10年間のキャッシュフローを見ると、フリーCF(営業CF−投資CF)は改善傾向にあると言えます。しかしながら、投資CFを見れば分かる様に、シェールビジネスは利益が出にくいビジネスだと分かりますね。18年以降は営業CFを増やし投資を減らしてるが、それでも若干のマイナスです。
手元に現金が残らない事を考えると、コロナでさらに危険な状況にあると言えますね。では、私たち投資家は、オアシス・ペトロリアムをどのように判断したら良いのでしょうか?
オアシス・ペトロリアムに投資する上で注目ポイントは?
オアシス・ペトロリアムに投資する上で注目すべきポイントを紹介します。オアシス・ペトロリアムの株価は、原油や天然ガスの需要が増えれば上昇しますね。
注目1:米国は45年ぶりに世界最大の産油国になった?
米国は2018年に世界最大の産油国になりました。
1日当たりの石油生産量は、2013年にサウジアラビアやロシアを抜いています。2018年の年間平均生産量は1095万BDとなり、45年ぶりに世界1位の産油国です。2019年も勢いは止まらず、生産量は増加を続けています。
生産量が急増した理由は、2010年代に始まったシェール革命の影響が大きいです。シェール層から天然ガスを取り出す技術は、石油にも応用する事で生産量を増やしています。
また、天然ガスの生産量は、米国とロシアが中東諸国の4倍以上の生産量があります。シェール革命で天然ガスの生産量が増え続けている米国は、世界2位のロシアとも差を広げつつあります。
意外と知られてない事実だが、米国はすでに世界4番手の天然ガス輸出大国です。米国内で余った天然ガスは、液体化(LNG)して海外に輸出しています。
米国の原油や天然ガスの生産量増を支えているのは、シェールオイルやガスですね。
注目2:シェールオイルの生産量は右肩上がりで増加?
シェールオイルの生産量は、一貫して上昇傾向にあります。
米国の原油生産量の60%が、シェールオイルの生産地からです。特に生産量を伸ばしているのは、テキサス州にあるPermian地域ですね。15年の原油暴落で一部の地域で生産量が鈍化したが、コスト削減に成功した事で18年に再び上昇傾向にあります。
オアシス・ペトロリアムは、ウィリストン盆地があるBakken地域を拠点にしています。Bakken地域は15年に低迷するも、再び生産量を増やしていますね。ただ、18年に生産量が回復するも、オアシス・ペトロリアムの売上高は苦境に陥っています。
その理由は、19年の世界経済鈍化とコロナ危機で原油価格が暴落したからです。
現在は苦境に陥っているエネルギー業界だが、シェール企業の生産コストは大きく改善されています。では、具体的には生産コストはどれくらい下がったのでしょうか?
注目3:生産コストは半分以下の35ドルまで減少?
シェール革命以前と比較して、北米シェールの採算性は大幅に向上しています。
リーマンショックで原油価格が40ドルまで暴落するも、2011年は110ドルまで急上昇していました。この時のシェールガスの生産コストは、80〜120ドルと言われていましたね。しかしながら、技術革新によりコスト削減が進み、17年には35ドル前後まで落ちています。
これだけ生産コストが低いと、ロシアやインドネアシアと大差がない水準です。
シェールガスやオイルは、生産コストが高いから競争力がないと言われてたのは昔の時代です。ハイテクによる技術革新と効率化経営が進めば、さらに削減できる余地もあります。米国は天然ガスの輸出量を今後も増やす事が見込まれます。
では、オアシス・ペトロリアムの売上高はどのように推移しているのでしょうか?
注目4:コロナで売上高は前年比71%まで減少した?
オアシス・ペトロリアムは、かなり危険な状態にあると言えます。
19年1Qをピークに、一貫して売上高は減少していますね。世界で経済が停止した20年2Qの売上高は、前年比で71%まで急落しています。天然ガスよりも原油の比率が高いオアシス・ペトロリアムは、原油価格暴落の影響を強く受けていると言えます。
20年1Qの純損失額は、売上高の10倍以上です。これを受けて、自己資本比率はマイナス30%まで落ち込んでいます。オアシス・ペトロリアムに新たに融資する銀行がなければ、経営破綻する可能性は極めて高いですね。
オアシス・ペトロリアムに限らず、コロナ危機で赤字に転落したシェール企業は多いです。
注目5:20年2Qで29社の石油企業も破綻した?
シェール企業は、原油価格が暴落した15年にも経営危機に陥りました。
その後は生産コストの改善で持ち直すも、20年のコロナ危機で再び赤字経営に転落するシェール企業が増えています。総資産100億ドル以上の20年1Qの決算を見ると、EOGリソーシズとパイオニアナチュラルリソーシズ以外は全て赤字です。
シェール開発大手のチェサピーク・エナジー社は、20年6月に連邦破産法11条を申請して経営破綻しています。また、4〜6月期で29社のシェール企業が経営破綻しています(参考:米石油企業破綻、29社に倍増 生産急減、シェール苦境続く)。
逆張りでシェール企業に投資する際には、十分に注意する必要があります。
▼▼2022年12月は資産が6000万円を超える▼▼
20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
投資家はオアシス・ペトロリアム株を購入するべきか?
- 19年1Qをピークに、売上高は一貫して下降トレンドにある
- 20年2Qの売上高は、前年比で71%も急落した
- 天然ガスより原油の比率が高く、WTI原油価格の影響を大きく受ける
- 20年1Qの純損失額は、売上高の14倍にも膨らんだ
- 自己資本比率は49%から、マイナス30%にまで落ち込む
- 新たに融資する銀行や企業がなければ、高い確率で経営破綻する
シェール革命とその後の技術革新で、米国内のシェールオイルやガスの生産量は増加傾向にあります。米国は天然ガス輸出で世界4位だが、近い将来にロシアを抜くほど著しく成長していますね。オアシス・ペトロリアムは、シェールオイルが豊富なバッケン地域で開発しています。
しかしながら、オアシス・ペトロリアム株は保有したい銘柄ではありません。
なぜならば、財務状況を見ると経営破綻寸前で、かなり危険な状態にあるからです。19年1月にWTI原油価格が落ち込んで以降、売上高は一貫して下降しています。さらには、20年2Qにはコロナ危機で売上高は前年比71%まで急落しています。
天然ガスよりも原油の割合が高いオアシス・ペトロリアムは、原油価格暴落の影響を強く受けます。20年1Qには、純損失額は売上高の14倍にも膨らみました。自己資本比率はマイナス30%になるなど、かなり危険な状態にあります。
オアシス・ペトロリアムの株価は0.4ドルと割安だが、ギャンブルに近い投資になりますね。
まとめ:オアシスペトロリアム(RRC)の四半期決算は?
- 2007年に創業した、独立系の新興シェール企業である
- 天然ガスより原油の割合が高く、埋蔵量は7割が原油である
- 原油の割合が高いため、WTI原油価格の影響を大きく受ける
- 19年1Qをピークに、売上高は一貫して下降トレンドにある
- 20年2Qの売上高は、前年比で71%も急落した
- 20年1Qの純損失額は、売上高の14倍にも膨らんだ
- 自己資本比率は49%から、マイナス30%にまで落ち込む
オアシス・ペトロリアム株は保有したい銘柄ではありません。
なぜならば、自己資本比率がマイナス30%で、債務超過に陥っているからです。20年1Qの純損額は売上高の10倍以上に膨らみました。新たに融資する銀行がなければ、高い確率でオアシス・ペトロリアムは破産します。
天然ガスよりも原油の比率が高いオアシス・ペトロリアムは、20ドルまで暴落したWTI原油価格の影響を大きく受けます。コロナで株価が8分の1に暴落したのは、それだけ財務状態が危険だからです。20年のコロナ危機による原油暴落で、破綻したシェール企業は4〜6月期で29社にものぼります。
シェール企業に投資するならば、輸送やパイプラインに投資した方が安全ですね。
会社員が株式投資で成功できない理由とは?
- 個人投資家で、年収300万円未満は全体の49%を占める
- 個人投資家で、年収500万円未満は全体の73%を占める
- 収入が少ない会社員ほど、自由に使える時間も少ない
- お金があれば、株式投資は下手くそでも成功できる
- お金がないと、王道のインデックスや高配当投資が通用しない
- お金がないなら、リスクを考慮しながら増やす努力が必要になる
- 投資でリスクを取るなら、投資スキルを磨かないといけない
- 株式投資は確率のゲームだから、経験や知識で誰でも上達できる
- 仕事が忙しい会社員は、投資と向き合う時間が絶対的に足りない
会社員が株式投資で勝つのは難しいです。
なぜならば、株式投資で絶対的に必要な「お金」と「時間」の両方がないからです。日本証券業協会の調査によると、個人投資家で年収が300万円未満は全体の49%も占めます。
実は、お金と時間の両方がないと、世に出回っている投資手法の多くは通用しません。なぜならば、投資本や投資手法は、お金かもしくは時間がある事を前提にしているからです。書籍やネット上に投資の攻略法は溢れているが、年収が低い会社員を対象にしていません。
会社員時代に私は10年以上も負け続けていました。その後に、短期間で資産を2.5倍に増やせたのは、投資に集中できる「時間」と「お金」があったからです。
ここで言いたい事は、会社員は株式投資でか勝てないという事ではありません。
私たち会社員はまず、なぜ投資で勝てないのか理解する必要があります。勝てない原因を正しく理解しなければ、根本的な解決策を議論できないからです。会社員が投資で勝てない正体さえ分かれば、後はそれに合わせて戦略を練るだけです。
21年中盤には、好相場が崩れる可能性がある?
いくつかの幸運が重なり、2017年に会社を辞める機会がありました。
しかしながら、私が選んだ道は決して順風満帆ではありません。セミリタイアしたのは十分な収入があったからではなく、もう会社員を続ける事に耐えられなかったからです。30代で無職になった私は、逃げるようにして会社を辞めて実家に戻りました。
実家に戻りさえすれば、とりあえず食費と家賃を払わなくて良いからです。この時期は本当に辛くて、生活が苦しい中で大学まで行かせてくれた母親を思うと、申し訳ない気持ちで夜には涙が止まりませんでした。
私には、誰よりも株式投資もビジネスの才能がないのは明らかです。
ネットビジネスでようやく月1万円を超えたのは、ブログを始めから1年11ヶ月です。また、1人で生活できるだけの収入を得るのに2年9ヶ月も要しています。過去10年間の投資の損失額は200万円以上です。いくつかの幸運や人々の助けがあり、ようやく生活できるだけの収入を得られました。
しかし、20年のコロナ危機で収入が激減し、再び大きな試練が与えられます。
ただ、結果的にこの苦境は私にとって大きく成長する機会になりました。米国株で成功した事で、20年以降の資産は加速度的に増えていますね。ネットの収入もあるが、投資だけで800万円以上の利益が出ています。この苦境を乗り越えられたのも、私の実力ではなく本当に運が良かったに尽きます。
私が短期間に資産を2.5倍に増やせたのは、単純に好相場に支えられていたからです。
コロナで相場が激しく動いている時は、日々の値動きに付いていけず毎日パニック状態でした。しかしながら、投資の知識を付けた後に当時を振り返ると、教科書通りの「金融相場」だった事が分かります。金融相場とは、不景気の中で発生する経済実態が伴わない株高です。
3月に最安値6860ドルを付けたNASDAQは、すぐ後に急騰し10ヶ月で1.9倍も上昇しています。過去10年負け続けた私が短期間で成功できたのは、好相場の流れに乗れたからです。
もしも、この期間に資産を減らした人は、正しい投資のやり方を知らないせいで、本来得られるはずの利益を大幅に逃しています。21年は「金融相場+業績相場」で、20年よりも大きな強気相場に突入すると言われています。業績相場とは、政府の財政支出で持ち直した実体経済に応じた株高です。
ただし、私たちに残されている時間は多くはありません。
なぜならば、株式市場は未来を予測して動くため、FRBが利上げする前に崩れる可能性があるからです。早ければ、21年の中盤前には強気相場が終わります。08年から長く続いた強気相場終われば、その反動で今後10〜20年は弱気相場になる可能性が高いです。
だからこそ、私たちは1日も早く投資手法を身につけて、いますぐに資産を増やす必要があります。私の場合だが、好相場に1ヶ月乗り遅れれば、月100万円以上の利益を逃す事になります。投資手法は1日でも早く習得することを考えた方がいいですね。