阿里健康(0241.HK)はアリババが運営する医療テックに特化した会社です。オンライン医療や医薬品販売の規制緩和で売上高を伸ばし、わずか4年間で売上高は168倍に急拡大しています。では、阿里健康株を購入すれば、私たち投資家は利益を得られるでしょうか?
- 「高齢化や現代病で、オンライン医療の需要はますます伸びる…」
- 「まだ黒字化に成功してないが、売上は4年で168倍にも増えた…」
- 「コロナを機に規制緩和が進み、政策的にも追い風が増いている…」
個人的には、阿里健康は投資したい銘柄ではありません。
なぜならば、売上高は急激に増えるも、競合他社も増え利益率が低いからです。阿里健康の売上高の84%は、オンライン医薬品販売から稼いでいます。しかしながら、医薬品販売は差別化する要素がなく、競合他社が増えれば利益率は下がります。
実際に、13年に好調だった阿里健康の粗利益率は、76%から23%まで急落しています。
競合他社には、平安保険の「平安保険医療技科」をはじめ、テンセントの「We Docter」やJD.comの「京東健康」も20年に香港市場に上場します。
アリババの利益率を改善すべく新規事業を立ち上げています。しかしながら、新規事業が占める売上高はまだまだ小さく、ライバル企業とも競合する分野です。市場全体としては右肩上がりに増えても、過当競争に陥る可能性が高いですね。
阿里健康の株価は間違いなく伸びるが、積極的に投資したい銘柄ではありません。
- 阿里健康の4半期決算(2020年4-9月)は?
- 阿里健康の過去10年間の売上高や営業利益は?
- 前年比成長が74%増でも、投資すべきではない理由は?
▼▼2022年12月は資産が6000万円を超える▼▼
20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
記事の内容を簡単に知りたい
テバ(Teva)の10年間の四半期決算は?
阿里健康の四半期の決算を紹介します。
20年2Qの決算(2019年9月30日)
- 売上高:41.16億元(前年比+119%)
- Pharmaceutical direct business:34.3億元(2.14倍)
- Pharmaceutical e-commerce platform business:5.39億元(2.39倍)
- Consumer healthcare business:1.10億元(3.7倍)
- Tracking and digital health business:0.18億元(+0%)
- Internet healthcare business:0.12億元(3倍)
- 営業利益:0.29億元(前年度−0.70億ドル)
- 純利益:−0.01億元(前年度−0.84億ドル)
20年4Qの決算(2020年3月31日)
- 売上高:95.96億元(前年比+88%)
- Pharmaceutical direct business:81.33億元(+92%)
- Pharmaceutical e-commerce platform business:11.70億元(+69%)
- Consumer healthcare business:2.14億元(+67%)
- Traking and digital health business:0.39億元(+2%)
- Internet healthcare business:0.38億元(3.2倍)
- 営業利益:0.43億元(前年度−0.59億ドル)
- 純利益:−0.06億元(前年度−0.81億ドル)
21年2Qの決算(2020年9月30日)
- 売上高:71.62億元(前年比+74%)
- Pharmaceutical direct business:60.36億元(+75%)
- Pharmaceutical e-commerce platform business:9.25億元(+71%)
- Consumer healthcare business:1.75億元(+43%)
- Traking and digital health business:0.24億元(+30%)
- 営業利益:2.78億元(前年度−0.07億ドル)
- 純利益:2.78億元(前年度−0.07億ドル)
- 1株当たり利益:-
阿里健康は、アリババ傘下の医療関連ネットサービスです。
20年2Qの売上高は前年比74%増で71.62億元、営業利益は2.78億元で初の黒字化に成功しました。全ての事業が高い成長率で売上を増やしています。医薬品直営事業の売上高が全体の84%を占め、阿里健康は医薬品販売に特化していると言えますね。
21年4Qの決算(2020年3月31日)
2021年4月以降に公開予定。
では、阿里健康の売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?
阿里健康(0241.HK)の10年間の損益計算書は?
阿里健康は2004年に、0.92香港ドルで上場しています。長い間低迷していた株価が高騰し始めたのは、14年とコロナ禍の20年です。20年以降は最高値を更新し、20年12月は23香港ドル前後で推移しています。
では、阿里健康の売上高と営業利益はどうでしょうか?
その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?
過去10年間の決算書を見ると、順調に売上高を拡大している事が分かります。15年以降に売上高は増え始め、わずか4年間で売上高は168倍にも拡大しています。しかしながら、営業利益率は常に低く、17年以降は改善傾向にありません。
オンライン医薬販売は競合も多く、儲かりにくいビジネスだと言えます。
その2:BPSとEPSの10年間の推移は?
過去10年間のBPS(1株あたり純資産)は順調に増加しています。対照的に、EPS(1株あたり純利益)は順調に推移しているとは言えないですね。EPSが上昇する兆しはなく、常にマイナスで推移しています。
その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?
過去10年間の営業CFやフリーCF(営業CF−投資CF)は、順調に推移しています。営業CFは改善を続け、18年以降はプラスに推移していますね。アリババのプラットフォームを持つ阿里健康は、投資CFが少なく相乗効果が高いビジネスですね。
しかしながら、医薬品販売は差別化要素がなく、競合企業が参入すれば利益を削るしかありません。では、私たち投資家は阿里健康をどのように投資判断すれば良いのでしょうか?
阿里健康(0241.HK)で注目すべきポイントは?
阿里健康に投資する上で注目すべきポイントを紹介します。
注目1:オンライン診療は26年に2000億元に増加?
中国ではオンライン医療市場が急拡大しています。
中国のオンライン医療は、「オンライン診療」「ネット病院」「遠隔医療」の3つに分かれています。コロナによる外出規制もあり、中国政府はオンライン医療の規制緩和を進めています。20年3月には、オンライン診療の一部に公的医療保険の適用方針を決めています。
2026年のオンライン診療は、2000億元になると予想しています。アリババ健康の売上高の多くは、オンライン医療薬品が占めています。
注目2:医療品直営事業が売上高の75%を占める?
(百万元) | 19Q2 | 20Q2 | 前年比 | 割合 |
---|---|---|---|---|
医薬品直営 | 3435 | 6036 | +75% | 84% |
ECプラットフォーム | 539 | 925 | +71% | 12% |
消費者ヘルスケア | 110 | 175 | +59% | 2% |
デジタルヘルス追跡 | 18 | 24 | +33% | 0.3% |
合計 | 4116 | 7162 | +74% | – |
阿里健康の事業別売上高と前年比推移です。
売上高比率が最も高いのは、医薬品直営事業で全体の84%を占めます。その次に、ECプラットフォーム事業が12%、美容医療やワクチン接種、健康診断の予約などの消費者ヘルスケア部門が2%と続きます。
全ての事業が右肩上がりに増えていて、70%前後の高い成長率を維持しています。ただし、阿里健康が利益率を改善するには、医薬品直営以外の売上高を増やす必要があります。
では、過去の売上高はどのように増えてきたのでしょうか?
注目3:20年上半期の成長率は73%を維持?
阿里健康の四半期毎の売上高推移です。
2017年2Qは前年比1516倍も売上高が増えています。18年以降は急速に伸び率が減少するも、それでも高い成長率ですね。コロナ禍の20年2Qも73%と高い成長率を維持しています。
コロナ環境下では、処方せん医薬品の宅配サービスなどの需要は高まっています。20年3月末までの1年間に、商品を購入したユーザは前年の2700万人から4800万人に増えました。また、政府の規制緩和も進み、オンライン診療が保険適用内になった事も追い風です。
しかしながら、オンライン医療は爆発的に増えているが競合他社も多いです。そのため、粗利益率や営業利益率が低い点が気になります。
注目4:競合他社が多く粗利益率は23%と低い?
阿里健康と平安健康医療技科の粗利益率です。平安健康医療技科は、オンライン医療の阿里健康のライバル企業ですね。
粗利益率や営業利益率を見ると、医薬品販売は競合もあり利益率が低いビジネスだと分かります。2015年の阿里健康の粗利益率は67.1%でした。しかしながら、平安健康医療技科が参入したことで、年々低下し23%まで下落しています。
また、医療テックのライバルは平安健康医療技科だけではありません。テンセントの「WeCoctor」と京東集団(JD.com)の「京東健康」が、20年に香港市場に上場します。こうした状況は、先行企業である阿里健康に好ましい事ではないですね。
医療テックは過当競争に陥るため、儲からないビジネスだと言えます。もちろん、医療テック分野は市場が急拡大しているため、これらの企業の売上高は増え続けますね。
▼▼2022年12月は資産が6000万円を超える▼▼
20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
投資家は阿里健康株を購入するべきか?
- 前年比73%増で成長を続けるも、営業利益率は−0.4%と低い
- 15年以降に粗利益率は減少し続け、67%から23%まで低下
- テンセント、JD、平安保険など、競合が多く過当競争に陥る
- 売上高の84%を占める医薬品販売は、差別化要素がない
- 売上高は今後も増え続けるが、利益率は改善しない可能性が高い
中国のオンライン医療市場は、世界で最もテクノロジーが発達し成長率も高いです。例えば、18年に491億元であるオンライン診療は、26年には5倍の2000億元になると予想しています。阿里健康の売上高は前年比で73%と急拡大を続けています。
しかしながら、個人的には阿里健康は投資したい銘柄ではありません。
なぜならば、強力な競合他社も積極的に投資し、過当競争に陥る分野だからです。競合他社には、平安保険の「平安保険医療技科」、JD.coの「京東健康」、テンセントの「We Docter」がいます。そのため、1社が市場を独占するのは難しいです。
実際に、13年に好調だった阿里健康の粗利益率は、76%から23%まで低下しています。阿里健康が得意とする医療販売は、利益率が低く経費削減以外で競争力を持ちません。
オンライン医療市場が拡大しているため、これらの企業が成長を続けるのは間違いありません。しかしながら、市場シェア獲得が激化し消耗戦になる可能性が高いですね。粗利益率や営業利益率の推移を見ると、その結果はもう出ていると言えます。
まとめ:阿里健康(0241.HK)の四半期決算は?
- 2004年に設立したアリババ傘下の医療テック会社
- オンライン医療の規制緩和で、4年で売上は168倍に増える
- 前年比73%増で成長を続けるも、営業利益率は−0.4%と低い
- 15年以降に粗利益率は減少し続け、67%から23%まで低下
- テンセント、JD、平安保険など、競合が多く過当競争に陥る
- 売上高の84%を占める医薬品販売は、差別化要素がない
- 売上高は今後も増え続けるが、利益率は改善しない可能性が高い
個人的には、阿里健康は投資したい銘柄ではありません。
なぜならば、売上高は急激に増えるも、競合他社も増え利益率が低いからです。阿里健康の売上高の84%は、オンライン医薬品販売から稼いでいます。しかしながら、医薬品販売は差別化する要素がなく、競合他社が増えれば利益率は下がります。
実際に、13年に好調だった阿里健康の粗利益率は、76%から23%まで急落しています。
競合他社には、平安保険の「平安保険医療技科」をはじめ、テンセントの「We Docter」やJD.comの「京東健康」も20年に香港市場に上場します。
アリババの利益率を改善すべく新規事業を立ち上げています。しかしながら、新規事業が占める売上高はまだまだ小さく、ライバル企業とも競合する分野です。市場全体としては右肩上がりに増えても、過当競争に陥る可能性が高いですね。
阿里健康の株価は間違いなく伸びるが、積極的に投資したい銘柄ではありません。
会社員が株式投資で成功できない理由とは?
- 個人投資家で、年収300万円未満は全体の49%を占める
- 個人投資家で、年収500万円未満は全体の73%を占める
- 収入が少ない会社員ほど、自由に使える時間も少ない
- お金があれば、株式投資は下手くそでも成功できる
- お金がないと、王道のインデックスや高配当投資が通用しない
- お金がないなら、リスクを考慮しながら増やす努力が必要になる
- 投資でリスクを取るなら、投資スキルを磨かないといけない
- 株式投資は確率のゲームだから、経験や知識で誰でも上達できる
- 仕事が忙しい会社員は、投資と向き合う時間が絶対的に足りない
会社員が株式投資で勝つのは難しいです。
なぜならば、株式投資で絶対的に必要な「お金」と「時間」の両方がないからです。日本証券業協会の調査によると、個人投資家で年収が300万円未満は全体の49%も占めます。
実は、お金と時間の両方がないと、世に出回っている投資手法の多くは通用しません。なぜならば、投資本や投資手法は、お金かもしくは時間がある事を前提にしているからです。書籍やネット上に投資の攻略法は溢れているが、年収が低い会社員を対象にしていません。
会社員時代に私は10年以上も負け続けていました。その後に、短期間で資産を2.5倍に増やせたのは、投資に集中できる「時間」と「お金」があったからです。
ここで言いたい事は、会社員は株式投資でか勝てないという事ではありません。
私たち会社員はまず、なぜ投資で勝てないのか理解する必要があります。勝てない原因を正しく理解しなければ、根本的な解決策を議論できないからです。会社員が投資で勝てない正体さえ分かれば、後はそれに合わせて戦略を練るだけです。
21年中盤には、好相場が崩れる可能性がある?
いくつかの幸運が重なり、2017年に会社を辞める機会がありました。
しかしながら、私が選んだ道は決して順風満帆ではありません。セミリタイアしたのは十分な収入があったからではなく、もう会社員を続ける事に耐えられなかったからです。30代で無職になった私は、逃げるようにして会社を辞めて実家に戻りました。
実家に戻りさえすれば、とりあえず食費と家賃を払わなくて良いからです。この時期は本当に辛くて、生活が苦しい中で大学まで行かせてくれた母親を思うと、申し訳ない気持ちで夜には涙が止まりませんでした。
私には、誰よりも株式投資もビジネスの才能がないのは明らかです。
ネットビジネスでようやく月1万円を超えたのは、ブログを始めから1年11ヶ月です。また、1人で生活できるだけの収入を得るのに2年9ヶ月も要しています。過去10年間の投資の損失額は200万円以上です。いくつかの幸運や人々の助けがあり、ようやく生活できるだけの収入を得られました。
しかし、20年のコロナ危機で収入が激減し、再び大きな試練が与えられます。
ただ、結果的にこの苦境は私にとって大きく成長する機会になりました。米国株で成功した事で、20年以降の資産は加速度的に増えていますね。ネットの収入もあるが、投資だけで800万円以上の利益が出ています。この苦境を乗り越えられたのも、私の実力ではなく本当に運が良かったに尽きます。
私が短期間に資産を2.5倍に増やせたのは、単純に好相場に支えられていたからです。
コロナで相場が激しく動いている時は、日々の値動きに付いていけず毎日パニック状態でした。しかしながら、投資の知識を付けた後に当時を振り返ると、教科書通りの「金融相場」だった事が分かります。金融相場とは、不景気の中で発生する経済実態が伴わない株高です。
3月に最安値6860ドルを付けたNASDAQは、すぐ後に急騰し10ヶ月で1.9倍も上昇しています。過去10年負け続けた私が短期間で成功できたのは、好相場の流れに乗れたからです。
もしも、この期間に資産を減らした人は、正しい投資のやり方を知らないせいで、本来得られるはずの利益を大幅に逃しています。21年は「金融相場+業績相場」で、20年よりも大きな強気相場に突入すると言われています。業績相場とは、政府の財政支出で持ち直した実体経済に応じた株高です。
ただし、私たちに残されている時間は多くはありません。
なぜならば、株式市場は未来を予測して動くため、FRBが利上げする前に崩れる可能性があるからです。早ければ、21年の中盤前には強気相場が終わります。08年から長く続いた強気相場終われば、その反動で今後10〜20年は弱気相場になる可能性が高いです。
だからこそ、私たちは1日も早く投資手法を身につけて、いますぐに資産を増やす必要があります。私の場合だが、好相場に1ヶ月乗り遅れれば、月100万円以上の利益を逃す事になります。投資手法は1日でも早く習得することを考えた方がいいですね。