コロナによる原油価格暴落を見込んで、割安のエネルギー株を購入する投資家増えています。しかしながら、20年6月末にシェール大手のチェサピークが経営破綻しました。この事例から私たち投資家は、安易にエネルギーやシェール企業に投資すべきでない事が分かります。
- 「世界で経済活動再開が進めば、シェール株は必ず利益を得られる…」
- 「米政府やFRBが社債を買い支えるから、シェール企業は破綻しない…」
- 「PERが10倍未満と割安で、安全にバリュー株投資ができるはず…」
コロナ危機で株価が暴落した事で、割安株に投資するバリュー投資家が増えています。しかしながら、業績を回復せずに経営破綻する会社も少なくありません。私たち投資家は、経営破綻した会社の決算書や財務状況を分析する事で危険な株を避けられます。
結論から伝えると、チェサピークはかなり前から危険な予兆がありました。
20年(TTM)で自己資本比率は、マイナス64%と債務超過にありました。コロナ危機だけではなく、原油価格が暴落した16年や17年も債務超過に陥っています。15年以降に売上高や営業利益は若干改善しても、EPSやBPSは依然として悪い状態でした。
また、事業を縮小してもフリーCFは赤字を続け、常に現金は流出状態でもあります。
以上を考慮すると、チェサピークは逆張りを狙って投資すべき銘柄ではない事が分かります。また、判断を間違えて購入したとしても、決算を見て逃げるタイミングは何度もありましたね。もちろん、チェサピークが破綻したからと、全てのシェール企業が危険という訳ではありません。
シェール株に投資する際には、しっかりと企業を見極める必要があります。
- チェサピーク株の4半期決算(2020年4-6月)は?
- チェサピーク株の過去10年間の売上高や営業利益は?
- チェサピーク株が経営破綻する予兆はあったのか?
▼▼2022年12月は資産が6000万円を超える▼▼
20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
記事の内容を簡単に知りたい
チェサピーク(CHK)の四半期決算は?
レンジリソースの四半期決算を紹介します。
第2Q決算(2020年6月30日)
- 売上高:5.21億ドル(前年比−79%)
- Oil, natural gas and NGL:2.67億ドル(−82%)
- Marketing:2.40億ドル(−74%)
- Other:0.14億ドル(−7%)
- 営業利益:−5.41億ドル(前年度2.78億ドル)
- 純利益:−2.76億ドル(前年度0.75億ドル)
- 1株当たり利益:−28.22ドル(前年度9.21億ドル)
チェサピークエナジーは、1989年に創業したエネルギー会社です。シェール業界の老舗企業として、米国北部と南部で幅広く、天然ガスや石油の探鉱と生産を行っています。経営破綻したが、推定埋蔵量は15億7200万バレルと多く、天然ガスが69%、石油が23%、天然ガス液が8%を占めます。
埋蔵量が多くても、破綻する点に注意が必要ですね。
20年2Qの売上高は前年比79%減で5.21億ドル、営業利益は5.41億ドルでした。20年の6ヶ月分の純損失額は売上高の1.5倍に膨らみました。自己資本比率はマイナス64%に転落していますね。そして、2020年6月に連邦破産法11条を申請して破綻しています。
売上高が大きく減少よりも、自己資本がない方が致命的ですね。
レンジリソース(RRC)の10年間の損益計算書は?
チェサピークの株価は、2008年の原油高がピークで60ドルを付けました。その後は、売上高が拡大するもシェールブームに乗れず、株価は低迷しています。16年と17年に自己資本比率がマイナスになった事で、5ドル未満まで暴落していますね。
その後も下落は止まらず、20年のコロナ危機で破綻します。
その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?
過去10年間の株価を見ると、2014年をピークに業績が悪化していますね。17年と18年で売上高や営業利益が回復するも、19年には再び大きく失速しています。16年と17年は債務が自己資本を上まり危機的な状況に達しています。
決算書しか見ないと、17年と18年に回復傾向にあると誤解するので注意が必要ですね。
その2:BPSとEPSの10年間の推移は?
過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)を見ると、15年以降に大きく低迷している事が分かりますね。これだけ数値が悪化している以上は、営業損益が黒字化しても投資するべきではないですね。
その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?
過去10年間のキャッシュフロー を見ると、フリーCF(営業CF−投資CF)の赤字幅は縮小している事が分かります。しかしながら、営業CFも投資CFも大きく減少し、事業が自体が縮小している事も分かりますね。事業を縮小して集中しても黒字化できなのは、致命的だと言えます。
現金は絶えず流出し続けているため、20年に経営が悪化すれば危険な状況に陥りますね。20年の自己資本比率は64%まで急落しています。
では、私たち投資家は、どのように経営破綻する予兆を掴む事ができるのでしょうか?
チェーサピーク・エナジーが経営破綻する予兆は?
2020年6月に連邦破産法11条を申請して破綻したチェサピーク株だが、破綻する予兆はなかったのでしょうか?
予兆1:15年の原油価格崩壊で社債額が著しく増加?
15年に原油価格が暴落して以降、苦境に陥っているシェール企業は多いです。
左図を見ると、シェール革命ブームの2009年以降、エネルギーセクターの社債額が膨らんでいる事が分かります。右図を見ると、負債額を増やした企業は、資産総額が25兆ドル未満の中小企業だと分かりますね。つまりは、借金が膨らんでいる原因は、シェールブームで中小企業が積極的に借入を行っているからです。
20年現在も経営を続けるシェール系は、15年をピークに業績が悪化している会社が多いです。一方で、15年の原油価格暴落以降に、コスト削減で生産性や採算性を改善した企業で2極化しています。競争力が低い企業は、20年のコロナ危機で債務超過や経営破綻に陥っています。
チェサピークも経営体質を改善できなかった企業のひとつだと言えますね。
米国のシェール企業が苦境に陥っている原因は、原油生産コストが中東やロシアよりも割高だからです。では、具体的にはどれくらい高いのでしょうか?
予兆2:米国の生産コストは中東やロシアより割高?
参考:Crude Oil’s Total Cost of Production Impacts Major Oil Producers
産油諸国による、1バレル当たりの原油の採掘コストです。
2015年と古いデータだが、米国やカナダなどの先進国は中東と比較して採掘コストが割高です。また、シェールなど非従来型の原油は、採掘する手間が従来型よりも悪く割高ですね。15年にシェール企業が利益を得るには、60〜80ドルの原油価格が必要だと言われてました。
15年に原油価格が暴落した理由は、米国のシェール企業を潰すためだとも言われています。
しかしながら、米国の採掘コストは技術革新で年々改善傾向にあります。20年時点では、ロシアなどの主要産油国と比較しても大差はありません。そのため、米国内では第二のシェールブームが起きています。原油価格が50ドル未満でも、採算が取れると語るシェール企業もあります。
ただし、従来型と比較して1油田当たりの生産量が少ないシェールは、採掘コストのブレ幅が大きいです。生産量が少ない油田しかない、コスト削減できない会社の業績は悪いです。
経営破綻するシェール企業を避けるには、15年以降の売上高や財務状況を見れば分かります。競争力が高いシェール企業は、業績回復し売上高もピークにつけていますね。チェサピークの業績や財務状況を見れば、経営破綻を予想するのは難しくないと言えます。
予兆3:20年に自己資本比率は−64%まで急落?
負債総額や自己資本比率を見る事で、私たちは危ない会社を避けられます。
チェサピークの自己資本比率は、20年(TTM)にはマイナス64%まで急落し債務超過です。債務が自己資本を上回ると、新たに融資先を見つけなければ会社は潰れます。20年のコロナ危機はいつまで続くか分からないため、銀行側は融資を見送ったと言う事です。
チェサピークの過去決算書を見ると、銀行側の判断は妥当だと言えますね。
チェサピークは、原油価格が暴落した16年や17年にも債務超過に陥っています。また、19年に再び業績が悪化して赤字決算に陥るなど、逃げるタイミングがたくさんあった事が分かります。私たち投資家は、業績が安定しない企業には絶対に投資してはいけないですね。
判断を間違えて投資した場合も、決算が悪ければ直ぐに損切りして逃げる必要があります。
▼▼2022年12月は資産が6000万円を超える▼▼
20年3月に米国株を初めて、2.5年で運用額を10倍に増やしました。
ただし、大幅に増えた理由は運の要素が大きいです。20年や21年は歴史的な好相場で、素人でも読みやすい相場でしたね。ただし、22年現在は500社以上の銘柄分析を行い経験を積んだことで、なんとかプラスを維持しています。
過去の実績の詳細については、次の記事を参考にしてください。
まとめ:チェサピーク(CHK)の四半期決算は?
- 20年1Qで自己資本比率は、マイナス64%と債務超過にあった
- コロナ以前の16年や17年も、債務超過に陥っていた
- 業績は回復したように見えても、19年は赤字経営に陥っている
- 15年に業績は回復するも、EPSやBPSは一向に回復しない
- 事業を縮小してもフリーCFは赤字を続け、現金は流出していた
コロナ危機で株価が暴落した事で、割安株に投資するバリュー投資家が増えています。しかしながら、業績を回復せずに経営破綻する会社も少なくありません。私たち投資家は、経営破綻した会社の決算書や財務状況を分析する事で危険な株を避けられます。
結論から伝えると、チェサピークはかなり前から危険な予兆がありました。
20年(TTM)で自己資本比率は、マイナス64%と債務超過にありました。コロナ危機だけではなく、原油価格が暴落した16年や17年も債務超過に陥っています。15年以降に売上高や営業利益は若干改善しても、EPSやBPSは依然として悪い状態でした。
また、事業を縮小してもフリーCFは赤字を続け、常に現金は流出状態でもあります。
以上を考慮すると、チェサピークは逆張りを狙って投資すべき銘柄ではない事が分かります。また、判断を間違えて購入したとしても、決算を見て逃げるタイミングは何度もありましたね。もちろん、チェサピークが破綻したからと、全てのシェール企業が危険という訳ではありません。
シェール株に投資する際には、しっかりと企業を見極める必要があります。
会社員が株式投資で成功できない理由とは?
- 個人投資家で、年収300万円未満は全体の49%を占める
- 個人投資家で、年収500万円未満は全体の73%を占める
- 収入が少ない会社員ほど、自由に使える時間も少ない
- お金があれば、株式投資は下手くそでも成功できる
- お金がないと、王道のインデックスや高配当投資が通用しない
- お金がないなら、リスクを考慮しながら増やす努力が必要になる
- 投資でリスクを取るなら、投資スキルを磨かないといけない
- 株式投資は確率のゲームだから、経験や知識で誰でも上達できる
- 仕事が忙しい会社員は、投資と向き合う時間が絶対的に足りない
会社員が株式投資で勝つのは難しいです。
なぜならば、株式投資で絶対的に必要な「お金」と「時間」の両方がないからです。日本証券業協会の調査によると、個人投資家で年収が300万円未満は全体の49%も占めます。
実は、お金と時間の両方がないと、世に出回っている投資手法の多くは通用しません。なぜならば、投資本や投資手法は、お金かもしくは時間がある事を前提にしているからです。書籍やネット上に投資の攻略法は溢れているが、年収が低い会社員を対象にしていません。
会社員時代に私は10年以上も負け続けていました。その後に、短期間で資産を2.5倍に増やせたのは、投資に集中できる「時間」と「お金」があったからです。
ここで言いたい事は、会社員は株式投資でか勝てないという事ではありません。
私たち会社員はまず、なぜ投資で勝てないのか理解する必要があります。勝てない原因を正しく理解しなければ、根本的な解決策を議論できないからです。会社員が投資で勝てない正体さえ分かれば、後はそれに合わせて戦略を練るだけです。
21年中盤には、好相場が崩れる可能性がある?
いくつかの幸運が重なり、2017年に会社を辞める機会がありました。
しかしながら、私が選んだ道は決して順風満帆ではありません。セミリタイアしたのは十分な収入があったからではなく、もう会社員を続ける事に耐えられなかったからです。30代で無職になった私は、逃げるようにして会社を辞めて実家に戻りました。
実家に戻りさえすれば、とりあえず食費と家賃を払わなくて良いからです。この時期は本当に辛くて、生活が苦しい中で大学まで行かせてくれた母親を思うと、申し訳ない気持ちで夜には涙が止まりませんでした。
私には、誰よりも株式投資もビジネスの才能がないのは明らかです。
ネットビジネスでようやく月1万円を超えたのは、ブログを始めから1年11ヶ月です。また、1人で生活できるだけの収入を得るのに2年9ヶ月も要しています。過去10年間の投資の損失額は200万円以上です。いくつかの幸運や人々の助けがあり、ようやく生活できるだけの収入を得られました。
しかし、20年のコロナ危機で収入が激減し、再び大きな試練が与えられます。
ただ、結果的にこの苦境は私にとって大きく成長する機会になりました。米国株で成功した事で、20年以降の資産は加速度的に増えていますね。ネットの収入もあるが、投資だけで800万円以上の利益が出ています。この苦境を乗り越えられたのも、私の実力ではなく本当に運が良かったに尽きます。
私が短期間に資産を2.5倍に増やせたのは、単純に好相場に支えられていたからです。
コロナで相場が激しく動いている時は、日々の値動きに付いていけず毎日パニック状態でした。しかしながら、投資の知識を付けた後に当時を振り返ると、教科書通りの「金融相場」だった事が分かります。金融相場とは、不景気の中で発生する経済実態が伴わない株高です。
3月に最安値6860ドルを付けたNASDAQは、すぐ後に急騰し10ヶ月で1.9倍も上昇しています。過去10年負け続けた私が短期間で成功できたのは、好相場の流れに乗れたからです。
もしも、この期間に資産を減らした人は、正しい投資のやり方を知らないせいで、本来得られるはずの利益を大幅に逃しています。21年は「金融相場+業績相場」で、20年よりも大きな強気相場に突入すると言われています。業績相場とは、政府の財政支出で持ち直した実体経済に応じた株高です。
ただし、私たちに残されている時間は多くはありません。
なぜならば、株式市場は未来を予測して動くため、FRBが利上げする前に崩れる可能性があるからです。早ければ、21年の中盤前には強気相場が終わります。08年から長く続いた強気相場終われば、その反動で今後10〜20年は弱気相場になる可能性が高いです。
だからこそ、私たちは1日も早く投資手法を身につけて、いますぐに資産を増やす必要があります。私の場合だが、好相場に1ヶ月乗り遅れれば、月100万円以上の利益を逃す事になります。投資手法は1日でも早く習得することを考えた方がいいですね。