テンセントミュージックの四半期決算|世界4番目の音楽配信

テンセントミュージック(NYSE:TME、HKG:なし)は、世界で4番手の月額制の音楽配信会社です。年率36.7%で拡大する中国市場の拡大に支えられて、新興企業ながらも爆発的に売上高を伸ばしています。

  • 「16年に事業開始し、4年で売上高は4倍に成長した…」
  • 「中国の音楽サービス市場は、年率36%で拡大している…」
  • 「米中対立や反資本主義など、中国株に投資するのはリスクが高い...」

テンセントミュージックは、音楽配信会社の中で最も成長率が高いです。MAUは8.8億人、営業利益率は16%と業界最大手のSportifyよりも好調です。SportifyのMAUは2.9億人、営業利益はまだ赤字を続けています。

しかしながら、テンセントミュージックは長期投資したい銘柄ではありません。

なぜならば、MAUが8.8億人に達し、中国市場の頭数の伸びに限界が見えてきたからですこの先も現在の成長率を維持するのは難しく、1人あたりの収益を上げる、もしくは海外市場も拡大する必要があります。

テンセントミュージックがNYSEに上場したのは、海外市場で勝負するためです。海外市場でSpotifyやアマゾンと競合する場合、国内の高い利益率を維持するのは難しいかもしれません。

テンセントの投資判断したい人向け
  1. テンセントの4半期決算(2020年7-9月)は?
  2. テンセントの過去10年間の売上高や営業利益は?
  3. 年率36%で成長する市場でも、投資すべきでない理由は?

テンセントミュージックの四半期決算は?

テンセントミュージックの過去四半期の決算を紹介します。

第1Q決算(2020年3月30日)

第1Q決算の内容は...
  1. 売上高:69.32億元(前年比+17%
  2.  Online music services:22.21億元(+42%
  3.  social entertainment services and other:47.11億元(+8%
  4. 営業利益:11.0億元(+24%
  5. 純利益:9.43億元(+1%
  6. 1株当たり利益:0.28元(+0%)

第2Q決算(2020年6月30日)

第2Q決算の内容は...
  1. 売上高:75.75億元(前年比+11%
  2.  Online music services:23.24億元(+25%
  3.  social entertainment services and other:52.51億元(+12%
  4. 営業利益:12.6億元(+6%
  5. 純利益:11.35億元(+10%
  6. 1株当たり利益:0.34元(+9%

テンセントミュージックは、音楽配信サービスで世界で4位のシェアを持つ企業です。音楽配信以外にも、ライブストリーミングを配信するリQQ音楽、酷狗(KuGou)音楽、酷我(Kuwo)音楽、それからカラオケアプリWeSingも運営しています。

20年2Qの売上高は前年比11%増で75億元、営業利益は前年比6%増で12億元です。コロナ環境下では、エンタメ系よりも音楽配信の方が伸び率が高く逆転しています。コロナ危機が落ち着けば、再びエンタメ系が盛り返す可能性が高いですね。

第3Q決算(2020年11月)

2020年11月に公開予定。

では、テンセントミュージックの売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか

テンセントミュージックの10年間の損益計算書は?

テンセントミュージックは、18年に15ドルでNYSEに上場しています。しかしながら、株価は伸び悩み、20年11月も14ドル前後で推移しています。

では、テンセントミュージックの売上高と営業利益はどうでしょうか?

その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の決算書を見ると、売上高が順調に増加している事が分かりますね。設立して間もないが、過去4年間で4倍にも拡大しています。また、テンセントミュージックは営業利益率も16%と利益も安定しています

業界最大手のSportifyは、営業利益の黒字化に成功していないですね。テンセントミュージックは、後発者でありながらも規制に守られて急発進しています。

その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)とEPS(1株あたり純利益)は、データが少ないながらも安定しています。BPSもEPSも順調に拡大している事が分かります。

その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

過去10年間の営業CFもフリーCF(営業CF−投資CF)も安定していますね。テンセントミュージックは、初期投資や設備投資が発生しない優良ビジネスだと分かります

業界大手のSportifyよりも投資CFが遥かに少ない理由は、親会社のテンセントのSNSを利用して効率良く集客できてるからです。テンセント のSNSアプリは11.7億人の中国人が利用します。

では、私たち投資家はテンセントミュージックをどのように投資判断すれば良いのでしょうか?

テンセントミュージックの注目ポイントは?

テンセントミュージックに投資する上で注目すべきポイントを紹介します。世界や中国国内の音楽市場が拡大すれば、テンセントミュージックの売上高も増えますね。

注目1:世界4位でシェアは10%しかない?

参考:世界のオンライン音楽ストリーミングの売上

オンラインストリーミングの売上高シェアです。

月額制サービスで世界1位は、スウェーデンのSportifyで35%を占めます。2番手は米国アップルで20%、3番手は米国アップルで11%、4番手に中国テンセントミュージックで10%、5番手に米国Youtubeで5%と続きます。

月額制の音楽配信では、テンセントミュージックは最大手のSportifyに劣ります。

しかしながら、ソーシャルエンタメ事業も考慮すると、それほど差は大きくはないです。Sportifyの20年2QのMAU数は2.9億人、売上高は18.8億ドルです。対して、テンセントミュージックのMAU数は8.8億人、売上高は11.4億ドル(75.7億元)です

売上高の伸び代が大きいのは、テンセントミュージックです。

また、テンセントミュージックは利益率も他社を圧倒しています。Sportifyの営業利益率は0%もないが、テンセントは16%と高いです。業界4番手以上にポテンシャルがあるのはテンセントミュジックですね。

では、世界の音楽市場はどのように伸びているのでしょうか?

注目2:定額制の音楽配信市場は20年に744.9億ドル?

参考:世界の動画・音楽配信の市場規模実情をさぐる

世界の音楽配信市場は、右肩上がりで上昇しています。

定額制の音楽配信は20年に744.9億ドル、22年には924億ドルに達すると言います。契約者数も高い割合で伸びている事が分かります。しかしながら、定額制以外のCDやデータ販売の売上高は伸びてない点に注意が必要ですね。

日本にいると、音楽市場が盛り上がっているイメージが湧かないですね。

しかしながら、スマホ1台で月額1千円未満で聴けるサービスは、発展途上国には特に人気が高いですね。世界の人口は77億人で、アジアなどの途上国を中心に増加しているので、まだまだ成長余力は高いと言えます

では、テンセントミュージックの主戦場である中国市場はどうでしょうか?

注目3:中国の音楽市場は年率36.7%で拡大?

参考:中国最大の音楽ストリーミングサービス

中国の音楽ストリーミング市場は、世界よりも高い成長率で伸びています。

17年の市場規模は330億元、20年は1052億元、23年には2152億元になると言います年率にすると平均で36.7%で拡大しています。テンセントミュージックの売上高が右肩上がりなのは、旺盛な中国市場に支えられているからですね。

しかしながら、テンセントミュージックは中国独自の課題を抱えています。課題を見るためにも、MAU(月間アクティブユーザー数)の推移を見てみましょう。

注目4:月間MAUは8.8億人になるも飽和状態?

テンセントミュージックのMAUは、合計で8.8億人です。MAUの内訳を見ると、音楽配信が6.51億人、ソーシャルエンタメが2.36億人です

TMEの時価総額は、Sportifyの時価総額233億ドルに匹敵するほど高いです。しかしながら、MAUが多い割には収益化は進んでいません。中国人は音楽に大したお金を使わず、売上を伸ばすには音楽以外を強化する必要があります。

テンセントミュージックは、ライブ配信する友人にギフトを贈るなど、音楽配信以外で収益を作ろうとしています。We Singではカラオケを歌う友人に、投げ銭を贈る仕組みもあります。

音楽配信の月額費用は1.8ドルに対し、ギフトやコインの売上比率は70%に達します。営業利益率が16%と高いのは、音楽以外の収益源を持っているからですね。業界最大手のSportifyの営業利益率は0%未満です。

では、テンセントミュージックの直近の売上高を見てみましょう。

注目5:コロナ以外は売上高は年率40%で拡大?

参考:Tencent Music 2Q決算

テンセントミュージックの事業別の売上高推移です。

20年2Qの音楽配信の売上高は22.2億元、エンタメ系は46.6億元です。19年4Qまでは、どちらも高い成長率を維持していますね。しかしながら、20年1Qと2Qになると、音楽配信は横ばいだが、エンタメ系が大きく落ち込んでいますね。

これは、コロナ期間は一時的に自粛ムードになったからだと思います。コロナが落ち着けば、再びエンタメ系も再び回復すると予想できます

しかしながら、MAUが8.8億人に達した事で、数による売上高増は徐々に見込めないですね。21年以降も売上高を伸ばすには、1人当たりの収益率を高める必要があります。中国人の音楽配信の月額利用料はわずか1.8ドルだけです。

そのため、まだまだ伸び代が高いとも言えますね。

テンセントミュージック株を購入するべきか?

テンセント株に投資すべきでない理由は...
  1. 売上高は拡大するも、中国市場のユーザ数は飽和状態
  2. 音楽配信は2.36億人、エンタメは6.51億人もいる
  3. 売上高を伸ばすには、1人当たりの収益1.8ドルを改善する
  4. 営業利益率は高いが、海外企業と競合する事で低下するかも
  5. 営業CFは17年まで好調だが、18年以降は伸びていない

テンセントミュージックは世界で4番手の音楽配信会社です。音楽サービスが年率36%で拡大してる中国市場に支えられて、順調に売上高を増やしていますね。業界大手Sportifyが赤字経営なのに対し、テンセントミュージックは営業利益率が16%と高いです。

しかしながら、現時点ではテンセントミュージックに投資したいとは思いません。

なぜならば、音楽配信とエンタメ系のMAU数が8.8億人に達し、中国市場で頭数の伸びに限界が見えてきたからです。テンセントミュージックが売上高を増やすには、1人あたり月額1.8ドルしかない収益を押し上げる必要があります。

また、国内市場ではテンセントは圧倒しているが、海外市場ではまだ成功してません中国当局の規制もあり、国内では高い利益率を出しているが、海外ではSportifyやアマゾンと競合できるかは未知数ですね。

海外勢と競合する過程で、高い営業利益率が低下する可能性もあります。そのため、今後の動向をみながら投資するか判断した方が良さそうです。

まとめ:テンセントミュージックの四半期決算は?

テンセント株の特徴は...
  1. 16年に事業開始、音楽配信専門のテンセントの子会社
  2. 音楽配信だけではなく、ライブ配信、カラオケなども提供
  3. MAUは音楽配信で2.3億人、エンタメ系で6.5億人もいる
  4. 中国人の音楽配信の平均月利用料は1.8ドルしかない
  5. 投げ銭やギフトなどが、売上高の7割を占めている
  6. 売上高は拡大するも、中国市場のユーザ数は飽和状態にある
  7. 営業利益率は高いが、海外企業と競合する事で低下するかも

テンセントミュージックは、長期投資したい銘柄ではありません。

なぜならば、MAUが8.8億人に達し、中国市場の頭数の伸びに限界が見えてきたからですこの先も現在の成長率を維持するのは難しく、1人あたりの収益を上げる、もしくは海外市場も拡大する必要があります。

テンセントミュージックがNYSEに上場したのは、海外市場で勝負するためです。海外市場でSpotifyやアマゾンと競合する場合、国内の高い利益率の維持は難しいかもしれません。テンセントミュージックは、競争力があるかを見極めてからの方が良いですね。

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