バイドゥの四半期決算|デジタル広告費のシェアは14%も減少

バイドゥ(NASDAQ:BIDU、HKG:なし)は、中国最大シェアの検索エンジンの会社です。中国で2桁成長しているデジタル広告市場に支えられて、大きく売上を伸ばしている会社ですね。しかしながら、18年以降は売上が減少し、PERは10倍と割安に放置されています

  • 「世界最大の検索会社なのに、PERは10倍しかない…」
  • 「27年に米国GDPを超えるなら、間違いなく中国株は買いだ…」
  • 「米中対立や反資本主義など、中国株に投資するのはリスクが高い...」

年率10%以上で拡大するデジタル広告市場で、バイドゥはモバイル検索のシェアは87%もある独占企業です。中国のデジタル広告市場が拡大を続ければ、最も恩恵を受けられる事業でもあります。

しかしながら、個人的には現時点でバイドゥに投資したいとは思いません。

なぜならば、ライバル企業であるアリババとテンセントに広告シェアを奪われているからです2020年のデジタル広告費の前年比を見ると、バイドゥが14%も減少しました。対して、ライバルであるテンセントは15%、アリババが6%とシャアを伸ばしています。

デジタル業界は2桁で成長を続けるも、この2社以外はマイナス成長に陥っていますね。

米国でも見られる現象だが、検索エンジンの利用者は年々減少傾向にあります。なぜならば、商品検索はアリババなどのEコマース、リアルな情報を知りたい時はツイッターやインスタなどのSNSを利用する20代が増えているからです。

検索エンジン以外で成長エンジンがなければ、今後も低迷する事が予想できますね。

バイドゥの投資判断したい人向け
  1. バイドゥの4半期決算(2020年7-9月)は?
  2. バイドゥの過去10年間の売上高や営業利益は?
  3. アリババやテンセントに、広告シェアを奪われる理由は?

バイドゥ(Bidu)の四半期決算は?

バイドゥの四半期決算を紹介します。

20年1Q決算(2020年3月31日)

第1Q決算の内容は...
  1. 売上高:225.4億元(前年比−22%
  2.  Online marketing services:142.4億元(−20%)
  3.  Others:83.0億元(+28%
  4. 営業利益:−4.37億元(前年度−9.36億元
  5. 純利益:0.4億元(前年度−3.27億元
  6. 1株当たり利益:0.02元(前年度−0.98元)

20年2Q決算(2020年6月30日)

第2Q決算の内容は...
  1. 売上高:260.3億元(前年比−2%
  2.  Online marketing services:176.8億元(−9%)
  3.  Others:83.4億元(+17%
  4. 営業利益:36.4億元(15.6倍
  5. 純利益:35.7億元(+48%
  6. 1株当たり利益:10.31元(+57%

バイドゥ(百度)は、中国でインターネット検索エンジンとオンライン広告サービスを提供する会社です。事業内容は米国のGoogleに近く、動画サイトの運営や完全自動運転、スマートスピーカーやクラウドにも投資しています。

20年2Qの売上高は2%減で260億元、営業利益は15.6倍の36億元でした。営業利益が15.6倍と高いのは、前期が業績悪化で急激に落ち込んでいたからです。2Qの営業利益率は13%と、ようやく回復傾向にあります。

バイドゥの検索広告収入は引き続き減少傾向にあります。しかしながら、その他の事業に投資していて、その他では売上高は上昇しています。その他には、AI自動車やクラウド、スマートスピーカーなど先行投資している事業があります。

20年3Q決算(2021年1月)

2021年1月に公開予定。

では、バイドゥの売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか

バイドゥ(BIDU)の10年間の損益計算書は?

バイドゥは2005年に9.5ドルでナスダック に上場しています。その後は低迷する時期があるも順調に株価は上昇、18年に最高値272ドルを付けます。しかし、米中貿易摩擦と売上減少を機に、再び株価は低迷し、20年10月は130ドル前後で推移しています。

では、バイドゥの売上高や営業利益の10年間の推移はどうでしょうか?

その1:売上高と営業利益の10年間の推移は?

過去10年間の決算書を見ると、売上高は順調に拡大している事が分かります。ただし、景気後退の16年と米中貿易摩擦の19年は、成長率が鈍化していますね。また、営業利益率も減少傾向にあり、19年は5.9%まで減少しています

バイドゥの主戦場であるデジタル広告収入は、ライバル企業も多く競争が激しい分野です。営業利益率が減少しているのは、競争優位性が徐々に薄れているからです。

その2:BPSとEPSの10年間の推移は?

過去10年間のBPS(1株あたり純資産)は、拡大傾向にあるも19年と20年は伸びてないですね。 EPS(1株あたり純利益)も上昇傾向にあるも、19年と20年で鈍化しています。今後、バイドゥが業績を立ち直せるかどうかに注目したいですね。

その3:営業CFと投資CFの10年間の推移は?

過去10年間の営業CFは、19年と20年を除いて上昇傾向にあります。しかしながら、投資CFも膨らみ、フリーCF(営業CF−投資CF)は安定しているとは言えないですね。広告収入が低迷してるバイドゥは、AI自動車やクラウド、スマートスピーカー など、新しい事業に先行投資しています。

では、私たち投資家はバイドゥ株をどのように判断すれば良いのでしょうか?

バイドゥに投資する上で注目ポイントは?

バイドゥに投資する上での注目すべきポイントを紹介します。

注目1:中国のネット産業は3社が独占している?

参考:Scribd will begin operating the SlideShare business

バイドゥはアリババとテンセントと並んで、中国3強と呼ばれるハイテク企業です。

インターネット業界は、アリババ陣営、テンセント陣営、バイドゥ陣営で市場の取り合いをしています。Eコーマスやオンラインの金融事業では、アリババが高いシェアを占めています。オンラインゲームやソーシャルメディアでは、バイドゥが強いですね。

バイドゥ陣営は、検索市場を主戦場にしています

しかしながら、近年はバイドゥ陣営は劣勢状態にあり、売上高成長率が鈍化しています。バイドゥが減速した理由のひとつは、18年以降の景気後退で広告費が減少したからです。しかし、景気後退よりも大きな要因は、スマホやPCで検索するユーザーが激減した事ですね。

米国でも見られる現象だが、商品を購入する時は直接アマゾンやアリババなどのECサイトで検索します。また、鮮度が高い情報を知りたい時は、ツイッターやインスタグラム などのSNSを利用しますね。ライブコマースなどのプッシュ型販売も強く、検索エンジンからの商品購入は減少傾向にあります。

実際に、米国ではグーグルで検索する人の割合は、14年の55%から16年の26%まで激減しています(参考:Googleに替わり、Amazonが検索エンジンになっている)。中国のネット市場が、米国よりも先行しています。

そのため、バイドゥの売上が鈍化してるのは、アリババやテンセントにシェアを奪われているからです。では、検索エンジン市場で、バイドゥはどれくらいシェアを確保しているのでしょうか?

注目2:モバイルの検索エンジンのシェアは87%?

参考:中国の検索エンジンシェア:モバイル

モバイル市場では、バイドゥの検索エンジンが87%を占めます

その他の2番手、3番手、4番手も中国企業が続き、ようやくマイクロソフトのBingが5番手にランクインします。中国市場でグーグルやYahooが強くない理由は、中国の共産党に制限されているからですね

モバイル市場とは対照的に、PC市場のバイドゥのシェアは52%だけです2番手にSogouの23%、Haosouの7.6%、Googleの9.4%が続きます。PCの検索市場では、バイドゥは他社に市場を奪われつつあります。

しかしながら、中国市場では圧倒的にモバイル以上の方が重要ですね。なぜならば、貧困層が多い中国では、パソコンよりもモバイルだけを保有する人が圧倒的に多いからです。モバイル市場を抑えているバイドゥは、他社よりもまだまだ優位性が高いと言えますね

では、バイドゥの収益源であるデジタル広告は、中国ではどれくらい大きいのでしょうか?

注目3:21年のデジタル広告は16%も拡大する?

参考:中国「デジタル広告市場」予測

2020年公開の中国デジタル広告市場の予測結果です。

18年以降に中国の景気減速し、さらにはコロナ危機で大きく鈍化傾向にありますね。しかしながら、eMarketerの調査結果によると、21年のデジタル広告市場は16%と高いですその後も、以前ほどの勢いはなくても10%以上の高い成長率を維持します。

つまり、デジタル広告市場が拡大しているにも関わらず、バイドゥは売上高を増やせてない事が分かりますね。2020年の企業毎の広告費成長率を見ると、勝ち組と負け組がはっきりと分かれています。

注目4:アリババとテンセントが広告費のシェアを奪う?

参考:中国「デジタル広告市場」予測

2020年のアリババなどのハイテク企業の広告収入費と成長率です。

デジタル広告市場で最も高いシェアを持つのはアリババで、売上高が270億ドルで35.9%を占めます。次いで多いのがテンセントで12.6%、バイドゥが10.4%を占めます。

しかしながら、コロナでも広告収入が増えているのは2社だけです。

テンセントの成長率が最も高く15.5%、アリババが6.5%と続きます。検索エンジンで広告収入を得ているバイドゥは14%も減少していますね。19年の前年比は8%減少と、2年連続で低迷していますね。アリババとテンセントの2強が、他社の広告費を奪う形でシェアを伸ばしています。

アリババとテンセント以外の低迷は、21年以降も続く事が予測できます。では、バイドゥの売上高成長率は、過去にどのように推移してきたのでしょうか?

注目5:20年の売上高成長率は−6.5%まで減少?

バイドゥの四半期毎の売上高と成長率の推移です。

過去の売上高推移を見ると、成長率が鈍化している事がはっきりと分かりますね。中国経済は16年に1度大きく減速しています。しかしながら、バイドゥの売上高は持ち直すも、前年比29%をピークに再び減速しています

18年以降に米中貿易摩擦の影響で、景気が急激に冷え込んでいますね。しかしながら、バイドゥが減速してる最大の要因は、アリババとテンセントに広告費を奪われているからです

20年2Qに少し持ち直しているが、広告収入に依存している状態では、今後もバイドゥは低迷する可能性が高いですね。バイドゥが売上高を伸ばすのは、自動運転など別の領域で成長エンジンを見つかる必要があります

投資家はバイドゥ株を購入するべきか?

バイドゥ株に投資すべきでない理由は...
  1. 売上高は拡大傾向にあるが、16年と19年に大きく減少してる
  2. 営業利益率も減少傾向にあり、19年に5.9%まで減少してる
  3. BPSは拡大傾向にあるが、EPSは19年に大きく減少している
  4. 営業CFが伸び悩む中で、成長事業に投資し投資CFは増加傾向にある
  5. 検索のデジタル広告費は、アリババとテンセントに奪われている

16年の景気後退、18年の米中貿易摩擦で中国の景気は鈍化傾向にありますね。しかしながら、それでもデジタル広告収入は年率10%以上で拡大する成長産業です。バイドゥは、モバイルの検索市場で圧倒的なシェアを持ちデジタル広告収入で稼ぐハイテク企業です

しかしながら、個人的には現時点でバイドゥに投資したいとは思いません。

なぜならば、売上高成長率は大きく鈍化傾向にあり、20年Q1には−6.5%まで落ち込んだからですバイドゥの成長率が鈍化している要因は、広告収入をアリババとテンセントに奪われているからです。バイドゥはグーグルとの競争を免れているにもかかわらず、検索連動型広告で十分に稼げてません。

この事実を私たち投資家は軽視すべきではないですね。

バイドゥが売上高を伸ばして成長するには、検索エンジン以外の収益源を作る必要があります。バイドゥはAI自動車や動画配信、クラウドやスマートスピーカーにも力を入れているが、事業が育つのを見てから投資しても遅くはないですね。

これらの事業はアリババやテンセントと被るため、バイドゥが競争に勝てない可能性は高いです

まとめ:バイドゥ(BIDU)の四半期決算は?

バイドゥ株の特徴は...
  1. 2000年に、中国で検索サイトの運用を始める
  2. 検索システム、翻訳、地図、AI、自動運転を開発している
  3. モバイルの検索エンジンシェアは86%を占める
  4. 05年にナスダック に上場、香港でも上場を目指している
  5. 16年と19年に売上高は低迷し、PERは10倍で推移してる
  6. 検索のデジタル広告費は、アリババとテンセントに奪われている
  7. 中国政府から、AI×自動運転の開発を委託されている

年率10%以上で拡大するデジタル広告市場で、バイドゥはモバイル検索のシェアは87%もある独占企業です。中国のデジタル広告市場が拡大を続ければ、最も恩恵を受けられる事業でもあります。

しかしながら、個人的には現時点でバイドゥに投資したいとは思いません。

なぜならば、ライバル企業であるアリババとテンセントに広告シェアを奪われているからです2020年のデジタル広告費の前年比を見ると、バイドゥが14%も減少しました。対して、ライバルであるテンセントは15%、アリババが6%とシャアを伸ばしています。

デジタル業界は2桁で成長を続けるも、この2社以外はマイナス成長に陥っていますね。

米国でも見られる現象だが、検索エンジンの利用者は年々減少傾向にあります。なぜならば、商品検索はアリババなどのEコマース、リアルな情報を知りたい時はツイッターやインスタなどのSNSを利用する20代が増えているからです。

検索エンジン以外で成長エンジンがなければ、今後も低迷する事が予想できますね。

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